目まぐるしく新しい時代へ向かう日本
「東京オリンピック」前年の横浜
東京は開発一色の中、横浜は古き良きものを残そうという
機運があり舞台に選ばれたとか
神戸や長崎といい横浜といい外国船行き交う大きな港町は
古き良き日本と異国ムードが上手い具合に混じり合い
独特の響きと色濃い香りを放つ
それが今に受け継がれているのがいい
主題歌からしてレトロ感と懐かしい哀愁が漂う
声がはっきりしない歌い方は本来あんまり好みではないが
手嶌葵の歌声は最終場面や映画全体に本当に
良くマッチしてとってもいい感じだ
「ゲト戦記」があんまりだったのでどうかと思ったが
原作が宮崎駿だからと言うので見ることにした
主人公「海」
ジブリらしく思春期女子のステキなこと
凜として清々しく目力強く清楚で逞しく美しい
坂・船・高台からの眺め
旗を揚げる仕草が何ともいい感じ
声優も無理なく良くマッチして自然だ
古い校舎・カルチェラタンの響きもいい
部員たちは高校生と言うより古き時代の大学生の感じだけど
昔の高校生達はある意味大人びていたのかも・・・
シュチエーションは変わっても
青春・初恋・若いが死語になっても
あの甘酸っぱさやドキドキ感、心地よい緊張感、小さな勇気、淡い憧れ、
せつなさに酔う心、一途さ・・・
そのステキさは変わらない、きっと・・・
現在の感覚もきっと混じってたけど、レトロ感や不思議な懐かしさ・・・
一途で前向きな心、眼差しは何か勇気っぽいものを貰える感じ・・・
いつもの大作感が少ないところも良いかも・・・
今の日本も人々も、光を落として落ち着いた東京のように
心を落ち着け本来の自分を見直し身の丈に合う感じを見直すときだと感じる
宮崎駿・吾朗監督親子にも大きな葛藤があったもよう
「私は長嶋監督にも野村監督にもなりたくないんだ・・・」
という言葉が強く響いた
その意味するところも分かる気もするが・・・しかし親・父と子・・・
駿氏が「ゲト戦記」について正しく評価していたことにもほっとしたし
あの状況のもと吾朗監督で制作するのも無理があったと思う
(そもそもあんな大作をあんな風にまとめること自体が無理な話だ・・・)
看板が大きいだけにこれから行く道も、親も子も厳しいと思うけど
吾朗氏には吾朗氏らしい道を切り開いて欲しい
偉大な父とは違う自分に誇りを持って・・・なんて思ってしまった
夏色の風にいっぱい会いに行こう・・・この夏も・・・
お隣のツバメは巣立ちの練習を始めたもようだ