久しぶりの映画会
美味しいお料理を食べて飲んで「映画」を楽しむ会だ
今回は「フォロー・ミー」
知る人ぞ知る70年代の懐かしの味わい深い恋愛映画だ
ヒロインはミア・ファロー
主催するA氏の取って置きの映画だという
やっと世界に先駆けて日本でDVD化されたらしい
舞台はロンドン
生まれも育ちも申し分の無い成功している
公認会計士(マイケル・ジェイス)がアメリカ生れの
妻(ミア・ファロー)の行動に不信を持ち浮気を疑って
探偵事務所に依頼をする所から話は展開する
風袋も仕草も全く場所にそぐわない探偵(トボル)が
面白い登場の仕方でその報告をしにオフィスを訪ねる
そこで英国紳士そのものの公認会計士と
ヒッピー風のアメリカ人妻との
出会いから結婚にいたるいきさつやその後の不具合が
映像で織り込まれる…
慣れぬ地で心満たされぬ妻は毎日を一人で
各地の名所を歩き回り
ちょっとしたロードムービー風ともいえる
当時流行のホラー映画や「ロミオとジュリエット」等も
織り込まれている
何かを食べ続けている何ともの探偵は跡をつけるうちに
当然のごとく妻に気づかれ、言葉は交わさないままに
二人は心を通わせ始める
この古い伝統の街で二人は異邦人、よそ者同士だ
新しい風ともいえる…
この探偵の道化師的で喜劇的な要素もこの映画の味わいだが
A氏曰く書庫のはしごに乗った高い所からの登場シーンは
「天使」のそれの常道で白いスーツ(よれよれだけれど)に
白いハットも天使を表現しているとか
耳に馴染みのあるテーマソングもいい
周防監督もこの映画のファンらしく「シャルウイダンス」で
わかる人にはわかるように
しっかりパロディってるらしい(探偵事務所にこの映画のポスターが
貼ってあるとか、柄本明演じる探偵の名が三輪徹とか…)
全く気づかなかったので今度見たときは注意してみたい
結局疑いは晴れて夫は仕事も何もかもそのままに
10日間探偵と同じように言葉を交わさず「フォロー・ミー」
妻の後を追うことになる…
見終わった後の皆さんの評判はとても良かった
ミア・ファローの「結婚生活って二人で作り上げてしょ…
いくものでしょ…」
という言葉が何回も出てきたけど
まだこの時代はイギリスや日本だけでなく世界でも
(きっとアメリカでも)恋愛は恋愛、
結婚生活は現実ゆえにパターン通りの役割を
特に妻に期待する人が当然のごとくいたのだろう
「結婚生活って二人で作り上げていくものでしょ…」
それぞれがそれぞれの形で…
なんて私は当然のごとく思っていて
その通り生きてきたけれど
そうはいかない現実も今でも当然のごとくあるのだろう…
この映画を見てずっとずっと昔に見て
(どこで何で見たかは忘れているが)
味わい深い秀作としてずっと心にあった映画を思い出した
ピーター・フォンダ主演の「ふたり」
ベトナム戦争の脱走兵が逃亡に疲れて自主する前の数日間の
出会いと恋愛のロード・ムービー
電車のシーンが印象に残っている…
ほんとに静かな心に沁みる「良い」映画だった
見た頃はきっとまだ幼かっただろうけれど…
時を経てじっくり見てみたいと思う…
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