翻訳を産む文学、文学を産む翻訳 藤本和子、村上春樹、SF小説家と複数の訳者たち/邵丹(ショウ・タン)。この本は第44回サントリー文芸賞の受賞作なのだが、まだ買ってもいないし読んでもいない。藤本和子さんの本は愛読書(何度でも読める本)なので、インタビュー記事が目に留まった。タンさんは中国の方で日本語は成人してから学ばれたようなのだが、翻訳というものに着目して掘り下げこうした本を書かれたようだ。読んでみたいが大作のようで読み切れない気がする。唯、人間はバベルの塔の天罰を乗り越え新たな地平を望む力を持っているのだと教えられる。言語にも才能があって(努力が足りない?)私は英語だけしか理解できないが、言葉の力の大きさと言葉の広げる地平というものを垣間見る気がした。
しかし日本語の翻訳を生む文学、文学を生む翻訳を中国生まれの若い女性が書かれ、しかもサントリー文芸賞を受賞されるとは、驚き感心する。