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モミ熊本 2018 トークショー

ようこそ 趣味人( シュミット )のブログへ!
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作品展も午後になると、スタート時の設営・作品展示のバタバタから会場も少し落ち着いて、いよいよイラストレーターお二人のトークショーのひと時に、モデラー達は真剣に聴き入っていました。
その中にも不届き者2名が、マイクで拾えるほどの会話を交わしていたので、やんわりと「おさべりダメよーん!」と、プルプル震える鉄拳を隠して歩み寄りますたっ!

失礼な事と認識できんかなぁ?大のヲトナが!

スライドを使っての(今はパワーポイントというのか?)ボックスアートの描き方や、箱の形に合った構図などの説明を、 司会進行のカブちゃんが、ここぞとばかりに下ネタに誘導して、ゲストからたしなめられるという、面白可笑しく進行していきました。
確実にご本人の描かれた物と判るものにはイニシャルを和田氏:W、加藤氏:Kを画像にふっていますが、どちらの描かれたものか判らない(レポーター失格)画像はご勘弁の程をm(_ _)m

並行してのトークショーだったので、動画記録の方がよかったかなぁと反省。入り混じっていますが、進行に合わせて順に撮ったものです。

画像は不鮮明で申し訳有りませんが、雰囲気だけでもお楽しみください。




色白の引きこもり気味加藤単駆郎氏(左)、太平洋の大波も乗りこなす、日焼けも眩しい和田隆良氏。



カブちゃん♪ あそこは硬いが物腰は柔らかい、全国区モデラー。彼の名前を知らないモデラーはモグリ。←言い切ってもよかですか〜!




飛燕のラフ画。紙に描いたものをパソコンに取り込む時のもので、言わばラフ画のラフ画。
あとはソフトで手前を大きくしたり、奥を傾けるとか消してしまうとか自在に出来る。
ケント紙に一発勝負の描き方にはない、自由度が与えられている描画方法。

これにはイラストレーターとしての効率的な作業をする上での大切な事で、依頼主からの要望を十分引き出せるまで練り直しの効くやり方で、描き直しと言う徒労に終わるものにもっていきたくないがための回り道。




不思議な迷彩のマッキを、躍動感溢れる構図に納めたもの。奥のカーチスと年代的に交戦したかは時代考証が不確かな中にも描きたいものを取り入れているとの事。まんざら嘘ではないらしい。

翼の影が胴体に伸びて、日光が真横からやや下方よりから差している構図の、陰影のつけ方は絵でしか表せないだろう。

ボックスアートの巨匠、小池繁夫氏の画集の取材に訪れた駆け出しの編集員が、悪気はなかったのであろうが「まるで写真のようですね」と口を滑らせしまった。
受けて巨匠曰く「その褒め言葉は、イラストレーターには使わないほうがいいですよ。」と。

同じアイテムのキットで、写真がノッペリ印刷してある模型と、機体の魅力を引き出して描かれたボックスアートの模型と、どちらを選択するであろうか。

箱を手にした時、完成の形を思い浮かべて箱絵のようにカッコいいものを自分の手の中で組み立てていくワクワク感は、写真箱では連想しづらいだろう。
買いたい!作りたい!塗りたい!と、消費者の購買欲にアピールする為の重要なファクターで、模型の世界では切っても切り離せないのがボックスアートであろう。




九七戦

これも大胆に光源は下方から差していて、主翼の影が深く伸びている。
カウリング上部、主翼後縁、主翼付根のフィレットには青の反射光(色)が置いてある。
陰の中の影は薄い光に置き換える、写真には出来ない表現方法。










ガルウィングのコルセア。
機体、ロケット弾、対地(対艦)爆弾のそれぞれの軸線が違っていて、描き難い飛行機だそうです。
機体を描くにあたって勿論資料を漁る事になりますが、箱絵になって詳細な部分は印刷しても潰れてしまう事は分かっていても、ついこと細かな描き方をやってしまうとの事で、原画をクローズアップしてみれば、エンジンケーシングのネジ頭まで拾って描かれいて、楽しくて没頭してしまうそうです。
「好きこそものの上手なれ」といいますが、仕事が楽しいとはなかなか聞けない事です。

ハセガワとの出会いは、20年間背景画を続けている頃、飲み屋でクダ巻いていた所に、ちょうど居合わせたハセガワの関係者の耳にする事となり、「絵を検討するから持って来なさい」と、ひょんなことからつながりを持つ事となり、採用されて同業他社のイラストを描かない約束で、十分な生活を送ることができるようになったというお話しでした。キャリアがモノをいう典型例ですね。




白のボディ色とシルバーの描き方の違いを説明されましたが、映り込みの情報量の増減だったかな?ビデオで記録しておくべきでした。
模型の塗装技術に反映出来るテクは限られているようです。二次元の中に立体感を出すということ、さらに質感、対象物と背景の描き方で印象がずいぶん変わってくるとの事です。





線画のパワーローダーは、実物を忠実に再現したもので、これを元に部分的に大きくしたり角度をいじって、より力強く感じられるよう描いているということです。これぞボックスアートの描き方で、写真では再現できない実体の魅力を引き出す技術です。



アパッチロングボーです。大胆にバックショットを描いたもので、機体の無骨なラインが顕著に現れた絵になっています。






PS-1の架空機SS-2(不確実)

この絵の構図では光源を斜め上に持って来て、翼の影が前方に伸びて、機首の思いきった反射光と対比させた、印象的な描き方になっています。
救難艇特有のインシグニアオレンジが光の当たり具合によって黄色味が強かったり、赤味が増したりと、活き活きと描かれています。



五式戦 ツーショット
編隊飛行からのブレイク直後を描いてあり、機体の下面、上面の情報が得られるもの。






雷電
箱の角から角に伸びた主翼、頭でっかちを強調する遠近法を取り入れ、力強く描かれている。
高速で回転するプロペラは一旦そのままの形で描き、イラストレーションツールの消しゴムで消していき、回転しているようにみせているそうです。







飛行機を描く期間が約半月くらい、艦船は倍のひと月は優にかかるそうです。
トークショーの締めに質疑応答があり、レイヤー(アニメでいうセル画のようなもの)はどのくらい必要かと尋ねた所、同業の和田氏も驚いた100枚以上と加藤氏の答え。
「僕は臆病な者で…」と謙遜されていたが、一枚のカンバスに緻密に描き込むには、艦船という建造物はあまりにも複雑過ぎて、イラストレーションソフトで起こすパーツ、パーツを慎重に描き、それを重ねゆく。神経のすり減り具合はいかばかりか。



絵を拡大すると、人物がありヘリコプターがあり、空にはカモメの群れが飛び、模型の対象である艦船だけではないモノまで緻密に描きこみ、画面全体の雰囲気を高揚させている。
ちなみに甲板員のカラフルな作業着は無いと、自衛隊のある方からいやみのないチェックが入ったという事でした。





ポリカルポフ
支柱に半分隠れたパイロットの頭の向きは、敵機の方向に向いて、後頭部が描かれている。
この微妙さが、またなんとも言えない場面を切り取っている。

あと数枚ありましたが、見とれて記録してませんでしたが、いずれにせよ大変な仕事だと思いました。

今月のSA誌の表紙の絵は和田氏の手になるもので、ライトタッチにまとめられたプラモデルを扱った机まわりを描いてあります。

これに直筆サインを入れ、オッさんたちのジャンケン争奪戦で締められました!

来年は秋に開催予定との事で、また参加協力させていただきますね!
カブちゃん頑張れ!!



では ごきげんよう(^O^)/


愛あるあなたの、ピンポンダッシュ
↓決めてちょ〜↓

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