地震以来、家族そろって夕食をとることが多かった我が家。
ある時、中3の旅人がポツリと言った。
旅人「ボランティアに行こうと思うんだけど…」
ハハ「……えっ?」
修了式まで休校となり、連日在宅の息子を少々うざったく感じ始めていたハハは、意表を突かれた。
旅人の発言は、いつも唐突なのだ。
ハハ「もしかして、東北?」
旅人「…そう」
ハハ「でも、中学生でも大丈夫なの?」
旅人「中学卒業したら社会人扱いでしょ?それに、調べたらボランティアに年齢制限はないみたいだし、春休み、どーせヒマだから…」
ハハ「でもね、今のように被災地の受け入れ態勢ができていない状態で行っても、かえって迷惑になるのよ」
旅人「わかってる。だから、まずボランティアに登録してみる」
お父さん「おーっ、行って来い、行って来い!」
毎日ゴロゴロしながら、実は色々考えていたのね…
ハハは、旅人のことを、ちょっぴり誇らしく思った。
被災地の避難所では、中学生や高校生が自分のできることを見つけて自主的にボランティア活動をしているという。
日本もまんざら捨てたものではないのかもしれない。
こんな若者がたくさん増えたら、日本の将来はきっと明るいはずだ。
…そんな感慨にふけるハハであった。
その後、旅人は埼玉県社会福祉協議会にボランティア登録をした。
まだボランティアの募集はないようだ。
そんな中、今日、福島県の双葉町というところから1800人がさいたまスーパーアリーナに避難して来るという記事を新聞で見た。
早速問い合わせをしようと思ったところ…
「アリーナでのボランティアは、近隣の方の支援により充足しています」
とのこと。
旅人「太平洋岸の被災地は難しいかもしれない。
交通網もまだ整備されていないし…
これからきっと日本海側に避難する人が増えると思うから、日本海側に行こうかな…」
旅人の修了式は24日です。