咲とその夫

 思いもよらず認知症になった「咲」の介護、その合間にグラウンド・ゴルフを。
 週末にはちょこっと競馬も。
 

いよいよ、大詰めも近い「平清盛」

2012-11-20 22:39:00 | レビュー
 今年早々に始まったNHK大河ドラマ「平清盛」。画面が汚い、暗いなどと物議を醸してスタートした同番組、相変わらず視聴率低迷に喘いでいるようであるが、見ている人は毎回キッチリとみているらしい・・・当方もそのうちの一人。

 京の都、朝廷政治のまっただ中において平家のリーダーとして君臨し栄華を極め、武士が頂に立つ世を夢見てまい進してきた平清盛(松山ケンイチ)。ついに後白河法皇(松田翔太)を鳥羽離宮に幽閉し、武士の棟梁・平清盛が世を動かす時代となった。

 ところが、清盛がここまで上り詰めるまでには幾多の犠牲も出ており、取り分け嫡男で平家の棟梁であった平重盛(窪田正孝)を病で亡くすなど・・・悲嘆にくれる時もあった。重盛は幼くして母を亡くし、現正室・時子(深田恭子)の子らとの精神的な葛藤もあったのか、正直で堅物の人物設定・・・今でいうならすべてのストレスを一身に背負った人物。精神的な疾患の鬱(うつ)を患っていたかのように描かれていた。

 一癖も二癖もある後白河法皇率いる朝廷、武士の頂を目指し武士が号令する世を夢見る父・清盛の狭間で、もがき苦しんでいる姿も痛々しいほどに描かれていた。演ずる窪田正孝さんの悲壮な雰囲気が視聴者の心を打ったと思われる。

 実に平家の没落は、この嫡男・重盛の死後から積み木が崩れ落ちるように始まるとか・・・。偉大なる清盛入道の後を執る者がそれを超えるような働きをし、それらがうまく次の時代へ繋がなければならない。少なくとも三代目までがしっかりした基盤を築けばと思われる。

  それに引き替え、見ていると平家の次の代を担う者が、「帯に短し襷に長し」の諺どおりの人物像が続いており、これなら没落もするわいな・・・。

 今の世の中を見てみると、役者で名を馳せた方々の二世、三世の役者さんで大成するのはごくわずか、スポーツ界でも政治の世界でも幾多もの二世、三世花盛りの昨今、これらもやはり同じである・・・重盛のような悲哀を味わう者も多いように見受けられる。

 それに引き替え、歌舞伎や能の世襲は素晴らしいものである。生れ出でてから厳しい修行が課せられており、甘やかされて育った前述の二世が、やることがないから役者でも、政治家でもなどと甘い考えで出てくるのとは訳が違う。そこが、日本の伝統を守るとの仕組みが連綿として受け継がれている大きな違いである。

 さて、晩年の清盛を演じている松山ケンイチさん、頭も丸めて眉も長くしており口ひげは白く、顔は老人風にうまくメーキャップ・・・立派な年をとった入道がよく似合っている。

 また、ものの言い方もそれらしくなっており、先日見た「椿三十郎」で演じていた若い士(さむらい)・井坂伊織の初々しい演技から、随分とかけ離れ風格の漂う役者さんに成長しているから・・・凄い。この一年間、これほどまでに一生懸命に演じきっている松山ケンイチさん、その苦労が視聴率に反映されていないところが残念。

 日本人は、平家よりも源氏贔屓(ひいき)であるから、やむを得ないことかも知れない。しかし、その後の武士社会では「源氏の流れを汲むもの・・」との言葉がよく出てくるが、天下を取った織田信長は平家の流れを汲んでいるとか、何かで読んだ記憶がある・・・。

 ところで、不遇の身にある後白河法皇の子・以仁王(もちひとおう・柿澤勇人)が、自らの所領などを清盛に召し上げられたことから、平家打倒の芽が生まれるとの筋立てが先日の第45回「以仁王の令旨」であった。

 平家一門に対する東国武士の不満も頂点に達する中で、以仁王の令旨が源氏に発令されたことから、いよいよ、伊豆に流されていた源頼朝(岡田将生)が挙兵する切っ掛けともなった。これにより、再び平家と源氏の戦が勃発するように物語は展開するが、その戦の結末を見ないうちに清盛は・・・亡くなる。

 と、言った大詰めまでに残すところ、5回となっているので、大河ドラマ大好き、時代劇大好きな当方、最後まで見届けたいと思っている。時代劇を作り続けて最後の砦となっているNHKさんにはこれからも頑張ってもらうしかない。

 宜しく、お願いいたす(夫)

[追 記]~次回あらすじ~
 1180年、以仁王(柿澤勇人)の令旨(りょうじ)を知った平清盛(松山ケンイチ)は激怒し、以仁王、源頼政(宇梶剛士)らを捕らえ、鎮圧する。そして清盛は、安徳天皇のための都として、福原への遷都を強行する。8月、以仁王と頼政に刺激された東国武士たちの思いを受け、打倒平家を掲げ、源頼朝(岡田将生)が兵を挙げる。
 清盛は頼朝のことを知り、動揺・不安・怒りなどさまざまな思いがこみ上げてくる。そして「ついに頂に立った自分や平家と頼朝や源氏の武士が頂点をめぐって戦うときがやってきた」とぞくぞくする。
 保元・平治の乱から数十年、60歳を越えた清盛の体に流れる武士の血が、久方ぶりに騒ぎ始めたのだ。9月、清盛は頼朝を討てと全国の武士に命令。伊豆の頼朝はひるまず清盛軍との戦いに向かう。
(出典:NHK公式HP 抜粋)


(平清盛・・クランクアップ)

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