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毎週、楽しみに面白く見入っている「真田丸」。
第9回「駆引」も放送された。
ところが、真田信繁(源二郎)の心根について、いささか幻滅しながら見ている。
知略で小豪族から大名になろうとする父・昌幸。
その昌幸を陰で支える弟・信尹。
第8回「調略」、叔父の信尹に付き従った信繁(源二郎)、父と叔父の謀略を目の当たりにし動揺してしまった。
16、7歳の信繁。
そのころの年代では、元服も終わっており一人前の大人。
現代人の感覚とは隔世の感があるはず・・・。
この8回から9回における信繁の描かれかたに、いささかガッカリもしていた。
もっとも、第1回「船出」でも、敵に止めの刃が向けられない信繁が描かれており、いささか気にはなっていた。
第9回「駆引」では、父と叔父のなす権謀術数の数々に嫌気がさしている子供じみた信繁が描かれていた。
女々しくも下級武士の娘・梅に相談する場面。
こんなこと、ありえないこと。
これが三谷幸喜氏の脚本の神髄なのか。
当方が尊敬して止まない池波正太郎先生の著作「真田太平記」。
ここでは、その信繁(源二郎)が次のように描かれている。
「『おりゃな、小助。七郎。ひとりきりで、おもいきり馬を走らせていると、風が身体の中を吹き抜けるようなおもいがする』
と、源二郎はいった。
そこまではよいのだが、つぎに、
『その風が、身体の中を吹き抜けるとき、おれの心ノ臓や腸(はらわた)や肝(きも)が、風といっしょに身体の中から外へ飛び出してしまうような気がして、まことに凄まじく、こころよい』
というのだ。
16歳の少年の言葉として、この言葉は尋常の表現とおもえぬ」(真田太平記 1巻 天魔の夏 抜粋)
まさにこの文体に信繁の心根のすべてが描かれている。
父・昌幸に似た豪放磊落な漢(おとこ)だったから、上杉家、豊臣家に人質として暮らす信繁が、上杉景勝や豊臣秀吉に可愛がられたものと思う。
そして、大坂の役では家康が最も恐れた武将。
それゆえ後年、「日本一の兵」と呼ばれたのであろう。
なお、「真田太平記」について、4年前に次のようなコラムがあった。
「ここには、強大な敵、覇権争い、権謀術数、知略、一族盛衰、という娯楽小説の醍醐味のすべてと、責任、献身、不屈、愛憎、忠誠、苦悩、勇気、悲哀という、人間のすべてが描かれている」(評論家・勢古浩爾氏[2012.1.8 産経新聞コラム]抜粋)
真田丸における信繁。
これからどのように描かれるものか・・・。
文句の一つでも言いながら、真田物が好きだから最終回まで見るであろう。(夫)

(出典:NHK公式HP 抜粋)
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