信州の夏は短い、気候もそうだが学校の休みもだ。 ここ信濃川上駅のある川上村とて同じこと、おそらく20日から小中学校は2学期が始まるのだろう。 信濃川上駅での撮影の時、小学生の男の子二人が列車を見に来たのか自転車でやってきていた。 車からカメラを持って降りて近くまで寄っていくと 「こんにちはー」 向こうから元気な声で挨拶してきた。 これには少々面食らったが、大人の対応「こんにちは」と答えた。小学校でも同じようにやっているのだろう。佐久市の中心部だとこうは行かない。 すると二人とも線路脇の高く積まれたコンクリートの影へ行ってしまった。信濃川上駅には保線資材が置いてある。コンクリートブロックは枕木か何かであろう。上り列車が入ってきたので、近くまで来て驚いた。なんと子供たちがそのブロックを利用した木のベンチに座って入ってきた列車を眺めているではないか。 絶妙な高さのベンチといい、角度を付けたパーゴラ風の庇といい、自転車に乗るためには義務付けられているヘルメット置き場といい、子供たち自らの秘密基地なのか、JR保線員の為の物なのか、すぐ近くに森林組合の事務所もあるので、子供たちへの粋な計らいの工作なのか、そこのところは聞かなかったが、とっても感心してしまった。そして夢中でその風景を切り取った。 交換駅であるので、上り下り列車が出て行ってしまうと、子供たちは各自乗ってきた自転車に乗って何処かに行ってしまった。 とかく何かにつけてあっちもこっちも危険、危険、と叫ばれる世 高度成長の時代に戻ったような風景に天気もそうだったが、天晴れ!そして気持ちも短い夏休みだった子供時代に少しタイムスリップしたのだった。 |