今日のNHK朝の連続ドラマ『芋たこなんきん』を、うっかりKちゃんと見てしまった。ストーリーの流れは、今までの経緯から大体読めたはずなのに、ついウルウルしてしまった。まずい。例のごとくKちゃんが、「に~」と笑いつつ「じろ~~」といいながら顔を覗き込む。まずい!
今日のストーリーは、義理の子ども達の運動会と主人公・町子のサイン会当日の話だった。町子が、子ども達の運動会のお弁当を作ってから、神戸のサイン会に出かける。三男の組み立て体操には必ず間に合うように行くから、と約束をしていたのに、予想以上のサインを求めるお客さんで時間がずれ込んでしまう。必死に走って学校へ向かうが、着いた時には「あと片付け」も終わりに近づいている状況。呆然と立ちつくす町子に、そっと近づく夫(國村隼さん)。
普通この状況なら、「何してたんや!」と家族の気まずい状況をつくってしまった事、まだ小さな男の子をがっかりさせてしまった事に対して、罵声を浴びせられること必須である。あるいは「サインを待っている読者の方をほっといて、運動会には来られません」と開き直るかだが、こちらは町子さんのメンタリティからは想像し難い。
最初彼女が別居結婚をしたのも、仕事も家庭も中途半端になるのが自分に許せなかったからだった。目の前の仕事は、キチンとこなしたい人なのだ。主人公のモデルの田辺聖子さんも 本質はとても真面目な人だったので、戦時中は一生懸命な軍国少女だったのだろう(『欲しがりません、勝つまでは』参照)。
そう考えると、今回の運動会事件は完璧主義的な彼女の心に、大きな穴をあけてしまったはずである。
しかし、そんな町子の心を憎らしいくらい読み取って、フォローできるのが夫・健次郎さんなのだ。子どもとの約束を心ならずも破ってしまい、がっくりしている町子に健次郎は、さりげなく微笑みながら優しく気遣い、なぐさめる。まさに奇跡のような対応である。ここで実はしっかりと涙腺の外堀を埋められてしまったのだ。降参しました。
子ども達のお父さんである彼自身も妻が間に合わなかったというシチュエーションに、かなりがっくりされたはずだ。しょげ返る子どもにも胸を痛めたことだろう。
が、彼には状況を読んで分析して冷静に判断する力と、大人な夫婦愛があった。大人な夫婦愛は、他者への寛容さと想像力と自分への謙虚さなのだと、本日國村さんの演技で思い知る。カモカのおっちゃん、普通の男ではないなー。とんでもなく桁外れにいい男である。
しかもあの、ラストの家族大団円のアイディアを思いつくなんて! 家族で組み体の再現なんて、大家族の勝利である。根っから前向きに生きている健次郎さんならではやで、やっぱり違うわ!と感嘆。
國村さんの渋い演技にも、釘付けで目が離せない。うまいわ!うまいわ!と、うわごとのようにつぶやいてしまう。
他者への寛容さと想像力と謙虚さって、言うのはたやすいけど、実行は難しい。大人な夫婦愛への憧れはかなり持っているんだけれど、道のりは遠いなあ・・・。ま、ぼちぼち自覚していくことにしよ。
それからこのドラマはKちゃんがいないときに、ひとりでこっそり見なくちゃね(笑)
今日のストーリーは、義理の子ども達の運動会と主人公・町子のサイン会当日の話だった。町子が、子ども達の運動会のお弁当を作ってから、神戸のサイン会に出かける。三男の組み立て体操には必ず間に合うように行くから、と約束をしていたのに、予想以上のサインを求めるお客さんで時間がずれ込んでしまう。必死に走って学校へ向かうが、着いた時には「あと片付け」も終わりに近づいている状況。呆然と立ちつくす町子に、そっと近づく夫(國村隼さん)。
普通この状況なら、「何してたんや!」と家族の気まずい状況をつくってしまった事、まだ小さな男の子をがっかりさせてしまった事に対して、罵声を浴びせられること必須である。あるいは「サインを待っている読者の方をほっといて、運動会には来られません」と開き直るかだが、こちらは町子さんのメンタリティからは想像し難い。
最初彼女が別居結婚をしたのも、仕事も家庭も中途半端になるのが自分に許せなかったからだった。目の前の仕事は、キチンとこなしたい人なのだ。主人公のモデルの田辺聖子さんも 本質はとても真面目な人だったので、戦時中は一生懸命な軍国少女だったのだろう(『欲しがりません、勝つまでは』参照)。
そう考えると、今回の運動会事件は完璧主義的な彼女の心に、大きな穴をあけてしまったはずである。
しかし、そんな町子の心を憎らしいくらい読み取って、フォローできるのが夫・健次郎さんなのだ。子どもとの約束を心ならずも破ってしまい、がっくりしている町子に健次郎は、さりげなく微笑みながら優しく気遣い、なぐさめる。まさに奇跡のような対応である。ここで実はしっかりと涙腺の外堀を埋められてしまったのだ。降参しました。
子ども達のお父さんである彼自身も妻が間に合わなかったというシチュエーションに、かなりがっくりされたはずだ。しょげ返る子どもにも胸を痛めたことだろう。
が、彼には状況を読んで分析して冷静に判断する力と、大人な夫婦愛があった。大人な夫婦愛は、他者への寛容さと想像力と自分への謙虚さなのだと、本日國村さんの演技で思い知る。カモカのおっちゃん、普通の男ではないなー。とんでもなく桁外れにいい男である。
しかもあの、ラストの家族大団円のアイディアを思いつくなんて! 家族で組み体の再現なんて、大家族の勝利である。根っから前向きに生きている健次郎さんならではやで、やっぱり違うわ!と感嘆。
國村さんの渋い演技にも、釘付けで目が離せない。うまいわ!うまいわ!と、うわごとのようにつぶやいてしまう。
他者への寛容さと想像力と謙虚さって、言うのはたやすいけど、実行は難しい。大人な夫婦愛への憧れはかなり持っているんだけれど、道のりは遠いなあ・・・。ま、ぼちぼち自覚していくことにしよ。
それからこのドラマはKちゃんがいないときに、ひとりでこっそり見なくちゃね(笑)