紙魚子の小部屋 パート1

節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物のあれこれ、家族漫才を、ほぼ毎日書いています。

仕事をしつつ。

2006-11-09 22:06:23 | おしごと
 昨日は選書会議が終わって、最終発注リストを作り提出という仕事に追われた。その間、二人のスタッフでカウンター業務(本の貸出し、返却)、雑誌や本の受入れ、新聞クリッピング、電話の対応でおおわらわだった。

 今日は怒濤の仕事も一段落して選書のテキスト?『トーハン週報』(今週出た新しい本が載っている)の過去2ヶ月分をチェック&チェック。購入したい本のセレクト第1段階である。

 シビアな司書の斜め読みをしつつ、仕事目線から脱線しプライベートなハートに引っかかって来るものもあり、こそこそとプライベート・チェックもする、いわゆる複眼仕事状態になる。

 へええ、12日の『BS週刊ブックレビュー』平田俊子さんが、夏石鈴子さんの『夏の力道山』を引っさげて出演されるんだ!とか、画期的にゴキゲンなシリーズ、理論社の「よりみちパン!セ」が第3回配本を始めるんだ、とか。いや、これは仕事目線、入ってるな。

 そんな中、視線が立ち止まってしまった本のタイトルがあった。

 『ぶらり近江の観音めぐり』(玉城妙子/文 藤森武/写真 小学館)。内容はわざわざ言うまでもないが、『トーハン週報10/27号』より引用すれば 

 ー滋賀県・琵琶湖の周囲に数多く残されている観音像を美しい写真で紹介。ぶらりと小さなお堂をめぐる散歩に必携の1冊。ー
とある。ちなみにお値段は、税込みで2100円なり、である。

 いったいこのタイトルの何が私を立ち止まらせたのか。「近江」「観音」というキーワードは、むろん目を引く。が、急ブレーキをかけるような視線の立ち止まり方は、それだけで説明出来るインパクトではない、と確信する。

 もう一度じっくりとタイトルを見つめる・・・わかった!!謎が解けました!

 『ぶらり近江の観音めぐり』は記憶の回路をくぐり抜けて、『ぶらり信兵衛道場破り』を連想させたから、視線の流れがはたと止まったのだ。なるほど。脳の複雑なシステムに、深く思いを馳せてしまった。

 『ぶらり信兵衛道場破り』は 1973年10月~翌74年9月まで、フジテレビにて放映された、笑いあり涙ありの人情時代劇。全50話。人が斬られる事のない、ちょっとまぬけなほのぼの時代劇だけど、上質の脚本と斬新な演出で人々を魅了。DVD化を熱望する声も多数ある。「(主演の)高橋英樹の代表作は『桃太郎侍』にあらず。『ぶらり信兵衛』なり!」と絶賛の意見もちらほら聞こえるくらい人々のハートを掴んだ。

 このブログを書く前に、夫・H氏にこの話をしたら「最初に『ぶらり近江の』っていう時点でオチわかってしもたわー」とはやーい時点でネタバレしていた。がっかりしたらいいのか、喜んでいいものか。

 もっとも彼によれば「このオチわかるヒト、少ないで、きっと」。
 いえいえ、当ブログにお越しの方は少数でも精鋭に違いないので、きっとわかってくださるはずだって! ま、年代の違いはしょうがないとしてもね。

 しかし気になるのは、この『ぶらり近江の観音めぐり』というタイトルの付け方である。『ぶらり信兵衛道場破り』を見た人の琴線に響くこと間違いなし!という確信犯なのか、単に無意識のなせる技なのか。どうにも気になる。