今日は久しぶりに夫とゆっくり話すひとときを得た。二人で競うようにシーズン最後であろう枝豆をつまみながら、四方山話をする。
テレビでわき水の話題が出たのに連想して、ふと、はるか昔にカラーアニメになった白土三平/原作の「サスケ」を思い出す。よく考えれば「わき水」と「サスケ」は全然関係ないのだが、水つながりで。
『サスケ』は1968年9月~TBSにて放映されていた。まだ私が住んでいた近辺では、カラーテレビがお金持ちの家にしかなかった時代である。家にはもちろん白黒テレビしかなかったが、隣のお金持ちらしき家に入り浸って、さんざんカラーテレビを見た記憶がある。なんという子どもであったのか。迷惑千万も甚だしく、今思えば冷や汗ものだが、当時は当然のように居座っていた。
私達夫婦が「サスケ」の話をするときは、いつも大猿とサスケの父子が住む家にある水桶の話題になる。ほぼ90%そうだ。大きな桶に飲み水を溜めているのだが、石、砂利、砂という風なものが桶の半ばより層を成しており、それらが水を濾過するという忍者の工夫がなされている。
「『サスケ』の水桶の濾過装置の解説を聞いて、あのとき『サスケ』をみてた日本中の子どもは『おおお~~!』と感動したやろね」
何度もうなずくH氏。食事中なのでしゃべれないのだ。
「お父さん、いつかこれ作ったろーって絶対思たやろ?」
「思っていませーん」
「うそうそ(笑)・・・そやけどね、あの桶の上の水を飲んだネコが死んだやんか」
「え? ネズミやなかった?」
「そやった? どっちにしろね、あの水って、単に石とか砂とかで濾過しただけやんか? そやけど濾過した水を下から飲んだサスケはピンピンしていたやろ。それおかしいと思わへん? 濾過しても毒は毒なんちがうんやろか」
しばし沈黙するH氏。「・・・今それ気づいた」
「そやろ!? いくら濾過装置っていっても、毒は濾過できひんやろー。」
当時手に汗握りながら『サスケ』を見ていた小学生諸君は、ながいこと、まんまと騙されてたのでは。
ところで手元になぜかある小学館文庫の『サスケ』第4巻をひもといてみれば、毒水を飲んで死んだのは、ネコなのである!
「やっぱりネコやんかー!」と勝利宣言をすれば、
「テレビではネズミやったの~」と敗北を認めようとしないH氏である。
人間の記憶はあいまいなものなのである。
こうして40年近い歳月を経て、忍者マンガの疑問点を追求する夫婦なのであった。年若い読者の皆様、2日連続古めかしいテレビの話でごめんなさい!
テレビでわき水の話題が出たのに連想して、ふと、はるか昔にカラーアニメになった白土三平/原作の「サスケ」を思い出す。よく考えれば「わき水」と「サスケ」は全然関係ないのだが、水つながりで。
『サスケ』は1968年9月~TBSにて放映されていた。まだ私が住んでいた近辺では、カラーテレビがお金持ちの家にしかなかった時代である。家にはもちろん白黒テレビしかなかったが、隣のお金持ちらしき家に入り浸って、さんざんカラーテレビを見た記憶がある。なんという子どもであったのか。迷惑千万も甚だしく、今思えば冷や汗ものだが、当時は当然のように居座っていた。
私達夫婦が「サスケ」の話をするときは、いつも大猿とサスケの父子が住む家にある水桶の話題になる。ほぼ90%そうだ。大きな桶に飲み水を溜めているのだが、石、砂利、砂という風なものが桶の半ばより層を成しており、それらが水を濾過するという忍者の工夫がなされている。
「『サスケ』の水桶の濾過装置の解説を聞いて、あのとき『サスケ』をみてた日本中の子どもは『おおお~~!』と感動したやろね」
何度もうなずくH氏。食事中なのでしゃべれないのだ。
「お父さん、いつかこれ作ったろーって絶対思たやろ?」
「思っていませーん」
「うそうそ(笑)・・・そやけどね、あの桶の上の水を飲んだネコが死んだやんか」
「え? ネズミやなかった?」
「そやった? どっちにしろね、あの水って、単に石とか砂とかで濾過しただけやんか? そやけど濾過した水を下から飲んだサスケはピンピンしていたやろ。それおかしいと思わへん? 濾過しても毒は毒なんちがうんやろか」
しばし沈黙するH氏。「・・・今それ気づいた」
「そやろ!? いくら濾過装置っていっても、毒は濾過できひんやろー。」
当時手に汗握りながら『サスケ』を見ていた小学生諸君は、ながいこと、まんまと騙されてたのでは。
ところで手元になぜかある小学館文庫の『サスケ』第4巻をひもといてみれば、毒水を飲んで死んだのは、ネコなのである!
「やっぱりネコやんかー!」と勝利宣言をすれば、
「テレビではネズミやったの~」と敗北を認めようとしないH氏である。
人間の記憶はあいまいなものなのである。
こうして40年近い歳月を経て、忍者マンガの疑問点を追求する夫婦なのであった。年若い読者の皆様、2日連続古めかしいテレビの話でごめんなさい!