紙魚子の小部屋 パート1

節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物のあれこれ、家族漫才を、ほぼ毎日書いています。

戦争体験を聴く

2007-06-12 23:52:09 | 読書
 今日はOB読書会に参加する。OBなので会員年齢は40~70歳と幅があり、私は若輩に当たる。皆様の蓄積された人生経験と読書体験に圧唐ウれたり、唸ったりで、小学生のお母さんたちとは、またひと味違う集いと語りになる。

 本日は憲法9条について、戦争というものについて、兵隊の現実についてなど、かなり面白い話になり、思わず聞き惚れてしまった。テキストはアレン・ネルソン『そのとき、赤ん坊が私に手の中に』(K9MP/発行)

 普段は遠慮がちで、短い感想等をおっしゃる最年長者のMさんが、非常に熱心に語ってくださった。太平洋戦争の、実際に焼夷弾が落ちる現場にいらっしゃったのだから、その語りはリアルで熱い。終戦のときの「もう戦争はこりごり!」という彼女の思いも、如実に伝わって来る。どんな理屈をつけようが、「もう戦争はこりごり!」の人々の思いにはかなわない。この思いが9条に結晶したのかと、いまさらながら感心する。

 そして、現在、だからこその危機感を持っていらっしゃる。意外にもその一世代下になると、がらりと様相が変わる。あれ? ラブ&ピース、プロテストソングの世代じゃなかったっけ? いまひとつ、きっぱりしないのは、なぜ?

 でも同世代では、ええっ?そうなの?と、私にはのけぞりの意見もあったりしたので、とやかくは言えない。こまめに新聞や雑誌を読まれている方の方が、憲法改正やむなしかも?と、思っておられる気配も、なきにしもあらず。恐るべし、メディア。

 ぼんやりと思ったのは、「損得」を考え始めると「戦争やむなし」へと傾斜するのかもしれない。「戦争こりごり」の方は、「戦争か平和か」という思考はない。そんな選択肢を前提にした甘さはない。きっぱりと「平和オンリー」なのだった。

 命懸けなのは、戦争に行くことだけじゃない、平和オンリーの信念を貫くのもまた、命懸けなのだ、まさに国民全員が。そのかっこよさを、まざまざと見せていただいた。ありがとう、Mさん。