といってもNHKの番組ではない。
先日Kちゃんが帰宅して台所に駆け込んで来た。
「おかーさん、おかーさん、今日な、学校に松居一代が来やはったねん!もうみんな、大騒ぎやったわ~~!!」
そりゃそうだろう、券\人が学校に来る事はめったにない。というか、まずない。なんでもテレビのロケだったそうだ。彼女は卒業生であり、Kちゃんの先輩に当たるのだ。
「バスケ(部)の人ら、サインしてもらわはったねん! ええな、ええな、ええな~~!! 昼休みも目の前通らはったのに、サインしてもろたらあかんて思って遠慮してたねん・・・あ”ー!!あのときしてもろたらよかったー!!!」と頬を紅潮させながら、後悔しきりの様子。
それにしてもKちゃんのミーハーぶりと言ったら、本人には申し訳ないがつい笑ってしまいそうだ。我が家一のミーハーである。松居一代が好きでファンだというなら解るけど、「ともかく有名人のサインが欲しい!!」というミーハー根性なのである。
お兄ちゃんはお笑いコンビ「テツ&トモ」が大好きで、地元に彼らがやって来たとき、良い席狙いでわざわざ公演が開催される会館まで出向いて前売り券を買いに行き、声援を送り、サインももらった。いや、サイン入りグッズを購入したのかもしれないが。これなら、わかる。
「Kちゃんかて、サインもってるやん、スズキコージさんとか飯野和好さんとか」と慰めても、「誰でも知ってる券\人のサインが欲しいの」と不満を露にする。
そうかなあ、私だったら、絶対スズキコージのサインの方がカッコいいと思うんだけど。彼の不吉な!絵入りのオリジナルのマグカップまで買ったし。たまにあれで珈琲を飲んだりしたら、おばあちゃんは口には出さないものの、たいへん不審な顔をするのだが、サインをもらう程好きなら、人目は気にしちゃいけない。
1年程前、やっぱりサインのことで、ワイワイいっていたKちゃんに、手を焼いたことがあった。そのときふと思い出して、「そういや本箱の下の棚に、お父さんが色紙もってはったわ。郷ひろみの」とつぶやくと、彼女の顔が輝いた。必死で探し出し、みせてあげたものの「なんか解りやすいサインやなあ・・・」と期待はずれで疑心暗鬼なのだった。
「昔のやしなあ。あんまり崩すと自分で自分のサインが解らへんのちがう? 名前がひらがなやし、普通に書いた方が書きやすいんちがう?」
「ほやけど、なんで郷ひろみのサインもってはるの?」
「それは永遠のナゾやねん。なんでこんなんがあるのか、お父さんも忘れてはるからなあ」
「まずは『テレビ鑑定団』に、見てもらわんと」と、きっぱり。お宝になりきれない、可哀想な色紙なのであった。
先日Kちゃんが帰宅して台所に駆け込んで来た。
「おかーさん、おかーさん、今日な、学校に松居一代が来やはったねん!もうみんな、大騒ぎやったわ~~!!」
そりゃそうだろう、券\人が学校に来る事はめったにない。というか、まずない。なんでもテレビのロケだったそうだ。彼女は卒業生であり、Kちゃんの先輩に当たるのだ。
「バスケ(部)の人ら、サインしてもらわはったねん! ええな、ええな、ええな~~!! 昼休みも目の前通らはったのに、サインしてもろたらあかんて思って遠慮してたねん・・・あ”ー!!あのときしてもろたらよかったー!!!」と頬を紅潮させながら、後悔しきりの様子。
それにしてもKちゃんのミーハーぶりと言ったら、本人には申し訳ないがつい笑ってしまいそうだ。我が家一のミーハーである。松居一代が好きでファンだというなら解るけど、「ともかく有名人のサインが欲しい!!」というミーハー根性なのである。
お兄ちゃんはお笑いコンビ「テツ&トモ」が大好きで、地元に彼らがやって来たとき、良い席狙いでわざわざ公演が開催される会館まで出向いて前売り券を買いに行き、声援を送り、サインももらった。いや、サイン入りグッズを購入したのかもしれないが。これなら、わかる。
「Kちゃんかて、サインもってるやん、スズキコージさんとか飯野和好さんとか」と慰めても、「誰でも知ってる券\人のサインが欲しいの」と不満を露にする。
そうかなあ、私だったら、絶対スズキコージのサインの方がカッコいいと思うんだけど。彼の不吉な!絵入りのオリジナルのマグカップまで買ったし。たまにあれで珈琲を飲んだりしたら、おばあちゃんは口には出さないものの、たいへん不審な顔をするのだが、サインをもらう程好きなら、人目は気にしちゃいけない。
1年程前、やっぱりサインのことで、ワイワイいっていたKちゃんに、手を焼いたことがあった。そのときふと思い出して、「そういや本箱の下の棚に、お父さんが色紙もってはったわ。郷ひろみの」とつぶやくと、彼女の顔が輝いた。必死で探し出し、みせてあげたものの「なんか解りやすいサインやなあ・・・」と期待はずれで疑心暗鬼なのだった。
「昔のやしなあ。あんまり崩すと自分で自分のサインが解らへんのちがう? 名前がひらがなやし、普通に書いた方が書きやすいんちがう?」
「ほやけど、なんで郷ひろみのサインもってはるの?」
「それは永遠のナゾやねん。なんでこんなんがあるのか、お父さんも忘れてはるからなあ」
「まずは『テレビ鑑定団』に、見てもらわんと」と、きっぱり。お宝になりきれない、可哀想な色紙なのであった。