紙魚子の小部屋 パート1

節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物のあれこれ、家族漫才を、ほぼ毎日書いています。

種智院(シュチイン)大学へ

2006-12-15 23:17:09 | おでかけ
 金曜日はぎっしりと用事が詰まっているので、おでかけには向かない日であるが、さまざまな用事をパスしつつ、私の半日をこじ開けることができた。この半日を作ってくれた家族の皆様方(とくにおばあちゃんとKちゃん)に、多大な感謝をしたい。

 それほどまでの無理を押して、しかも足もまだ治っていないのに、行きたかった場所は「種智院大学」である。京都のはずれの奈良寄りにある、近鉄の急行も止まらない小さな駅が最寄りに位置する、高校よりも小さなキャンパスの仏教系の大学である。

 たとえ小さくとも、田んぼの真ん中にキャンパスあっても、驚くなかれ大学のルーツは日本一古い、と大学に関しては家族の誰よりも詳しい高3のTくんが教えてくれた。なにしろ空海が828年に創立した綜藝種智院(しゅげいしゅちいん)をルーツとするのである。平安時代である。そりゃ古いわ。

 しかも事前にHPを見れば、大学の玄関口エントランスの吹き抜けにシンプルなマンダラが描かれているし、その他にも高野山真言密教色に彩られた様々なモノが。これはいいぞ!なんか、面白そうな大学である。期待感が高まる。

 そもそもは日曜日の新聞の小さな小さな、催し物の記事になにげなく目がいったことから始まる。そんな記事なんてめったに見ないのに、私を呼ぶ6文字があったのだ。ほとんど無意識に目が引き寄せられていたのだと思う。

 「真言宗京都学園創立125周年種智院大学記念行事みうらじゅん氏公演」

 角ばった漢字が居並ぶ中、ひときわ目を引くひらがな6文字の「みうらじゅん」。しかも無料で予約も不要。演題は「仏像と私」。もう、期待は高まる一方。
 そして実際私は期待を大きく上回った2時間を過ごすこととなる。

 みうらじゅん氏は数年前から私にとって大注目株である。世間は単に変わった面白い奴、程度の認識だと思うが、もしかしたらもう彼は「悟って」るかも?と感激して読んだのが、理論社の「よりみちパン!セ」シリーズのトップを切って出された、みうらさんの「正しい保健体育」である。

 これはスゴイんだな。私の中では性教育ものの最高峰だった橋本治さんの「ぼくらのSEX」を抜いたかもしれない。笑える。しかしウラがある。ミルフィーユみたいに層になっていて、浅くも深くも読み方は読者次第に対応が利く。対象年齢である中学生には、あの深さは理解出来ないかも。それでも「おもろい!」という部分で、男子中学生からは、充分受入れられるだろう。それを裏付けるようにかなり売れたらしい。

 たぶん学校図書室にも「よりみちパン!セ」は超おすすめなシリーズなので、入っているはずであるが、しかし中をチェックしたり、しっかり読まれた先生がおられたら、この本の存在に汗が流れるかもしれない。まして「行き過ぎた性教育」を声高に叫ぶ議員さんなら、卒唐オかねないかも。一般人は、こっそり一人で読みたい本かもしれない。でもこのフツーの感覚をはみだすところに、みうらさんの真骨頂があるのだ。

 話を戻して、今回彼が語るのは「仏像」なので、とりあえず一般枠内に収まるだろうな、だって仏教ミッションの大学の、おめでたい記念講演だもんな、と考えていた私は、まだまだみうらさんのことを何も知らなかったのでした。

 そしてたぶん、みうらさんをお呼びした張本人(=学長)以外の大学関係者の方々も・・・。いや、もしかしたら学長ですら・・・。

 明日に続きます。

 

最寄りの駅近くから見た種智院大学

最新の画像もっと見る

コメントを投稿