安愚楽牧場の和牛オーナー制度。
あれの投資家の阿鼻驚嘆の声が次々に聞こえてくる。
世間の評価はどうなのか?
いくつかニュースを見ても、
「そもそもそんなうまい話があるはずがないじゃないか。そんなのにひっかかるほうがバカなのさ。はいはい、自己責任、自己責任」
という戒めで終わっているものが大半である。
結論がそんなんでいいのか?
小学生に読んできかせる寓話ならそれでもいい。
しかし、大人を相手にそう語るにしてはあまりにも解釈が幼稚すぎる。
それでは小学生プラスアルファくらいの知識しかないのを自らアピールしているようなものでははかろうか。
では、彼らは何にしくじったのか?
私見を述べたい。
わたし自身は安愚楽牧場の和牛オーナー制度についてあまり調査してみたわけではない。
だが聞くところによると、の投資利回りは5~10%/年だったと聞く。
この利回りは非常に魅力的である。
まあ、飛びつくヤツがいるのも当然だろう。
逆にそれを見て
「そんなうまい話があるはずがない」
というヤツもいる。
結果論から言えば、自重したヤツのほうが正しかった。
しかし、前提条件がこれだけならば、どちらが正しいとも言いがたい。
かつてわたしは利回り15%なんていう商品に大金を突っこんだことがある。
リーマンショック直後のREITである。
あの頃のREITはひどかった。
借入金利が一気に跳ね上がった。
格付けはどんどん下がった。
テナントが撤退していき収益はどんどん落ちていった。
体力を毀損したREITはとんでもない安価で増資を行っていた。
でもわたしは買った。
ファンダメンタル分析をして、そのバッドニュース以上にお買い得だと判断したからだ。
あの頃は辛かった。
リーマンショックがおきて外貨で大損こいた直後だけに、さらにハイリスクなセクターに投資するのには勇気が必要だった。
REITはお買い得だと見抜いて銭をつっこんだはいいものの、続々と訪れるバッドニュースに身を削られる思いをした。
じりじりと値が下がっていく最中に買い増すのはものすごいプレッシャーだった。
周りのヤツらは「REITは全部無くなるんじゃないですかね?」とか「そんな怖いもの買えないよ」とか言っていた。
でも買った。
勝てるとわかっていたからだ。
おかげで外貨で大損こいた分を上回る益を出せ、それはマンションの頭金に化けた。
結果論から言えばあのとき全財産つっこんでおけばよかったというような反省点も無くはない。
だが、あのときのプレッシャーからいえば、あれ以上に突っこむと心臓が持たなかったろうと今は判断している。
もう1回リーマンショックが来ればまたボロ儲けできるかもしれないが、あんなプレッシャーを感じるのはもうお断り願いたい。
そんな我輩だからこそ言える。
「そんなうまい話があるはずがない」
という判断は「間違い」であると。
では、和牛投資家はどこが間違っていたというのか?
間違いは2点ある。
1つ。
1つの銘柄に全財産突っこんだこと。
自分の読みが絶対正しく絶対勝てるという自信があるならば、1つのセクターに全財産突っ込んでもよい。
しかし1つの銘柄に全財産突っ込むと高確率でハマる。
わたしだって買った銘柄が上場廃止になって全損した経験もある。
たとえばGONZOとか。
でも全損でも8000円しか毀損していないので大したことないダメージで済んだ。
(これは株主優待制度が充実しているし、株主総会に行って楽しんできたので、じゅうぶん元とった気がするが)
人によって全財産がどれくらいあるのかは違うわけだが、退職金まるごと突っ込んだ被害者のどたかみたいなことはすべきではない。
2つ。
ファンダメンタル分析をしていないのに大金を張ったこと。
その会社が他社に比べてどう違うのかをまがりなりにも見比べて、
決算短信を読んで財務状況がどうなのかを少しでも把握してと、
よくわからなくてもいいから素人なりにもそれくらいはしてからでないと、ハイリスクなものに大金を張るのは間違っている。
とはいっても、ファンダメンタル分析をしても儲からないという話はたしかにある。
たぶんこの説はそれなりに正しい。
しかし、ファンダメンタル分析をすれば、どう見てもダメなヤツは素人でも見破れるようにはなる。
和牛オーナーに限らず、ラブホテルファンドとかあったよね(※1)。
そもそも、なぜこういう財産はたんまり持っているのに極めて投資ベタだという人たちが大勢いる世の中になっているのだろうか?
これは、投資について学ぶ機会が与えられないからではなかろうか。
そもそも日教組を筆頭とするわが国の義務教育課程では、
「投資など金転がしで何もせず儲けようだなんて、そんなものバクチ打ちと同じでまっとうな人間のすることではありません!」
とでも言わんかのごとく教えている。
これは間違いとは言わないが、極左だとかポルポト派の亡霊だとか揶揄されてもしかたがないレベルである。
投資とはそういうものではない。
自分の財産を守るものである。
そして、いまの日本で自分の財産を守る術を身につける唯一の手段は、1度しくじって大損こいて「ちくしょう!」と思うことしかない。
そして、しくじったらスッテンテンになってしまうようなバクチを打っても気がつかないような最低限の知識もない人間を量産してしまっているのが今の日本なのだ。
【※1 ラブホテルファンド】
【支援】ラブホテルファンド HOPE LAST の行き先は?
http://blog.goo.ne.jp/beamtetrode350b/d/20100918
あれの投資家の阿鼻驚嘆の声が次々に聞こえてくる。
世間の評価はどうなのか?
いくつかニュースを見ても、
「そもそもそんなうまい話があるはずがないじゃないか。そんなのにひっかかるほうがバカなのさ。はいはい、自己責任、自己責任」
という戒めで終わっているものが大半である。
結論がそんなんでいいのか?
小学生に読んできかせる寓話ならそれでもいい。
しかし、大人を相手にそう語るにしてはあまりにも解釈が幼稚すぎる。
それでは小学生プラスアルファくらいの知識しかないのを自らアピールしているようなものでははかろうか。
では、彼らは何にしくじったのか?
私見を述べたい。
わたし自身は安愚楽牧場の和牛オーナー制度についてあまり調査してみたわけではない。
だが聞くところによると、の投資利回りは5~10%/年だったと聞く。
この利回りは非常に魅力的である。
まあ、飛びつくヤツがいるのも当然だろう。
逆にそれを見て
「そんなうまい話があるはずがない」
というヤツもいる。
結果論から言えば、自重したヤツのほうが正しかった。
しかし、前提条件がこれだけならば、どちらが正しいとも言いがたい。
かつてわたしは利回り15%なんていう商品に大金を突っこんだことがある。
リーマンショック直後のREITである。
あの頃のREITはひどかった。
借入金利が一気に跳ね上がった。
格付けはどんどん下がった。
テナントが撤退していき収益はどんどん落ちていった。
体力を毀損したREITはとんでもない安価で増資を行っていた。
でもわたしは買った。
ファンダメンタル分析をして、そのバッドニュース以上にお買い得だと判断したからだ。
あの頃は辛かった。
リーマンショックがおきて外貨で大損こいた直後だけに、さらにハイリスクなセクターに投資するのには勇気が必要だった。
REITはお買い得だと見抜いて銭をつっこんだはいいものの、続々と訪れるバッドニュースに身を削られる思いをした。
じりじりと値が下がっていく最中に買い増すのはものすごいプレッシャーだった。
周りのヤツらは「REITは全部無くなるんじゃないですかね?」とか「そんな怖いもの買えないよ」とか言っていた。
でも買った。
勝てるとわかっていたからだ。
おかげで外貨で大損こいた分を上回る益を出せ、それはマンションの頭金に化けた。
結果論から言えばあのとき全財産つっこんでおけばよかったというような反省点も無くはない。
だが、あのときのプレッシャーからいえば、あれ以上に突っこむと心臓が持たなかったろうと今は判断している。
もう1回リーマンショックが来ればまたボロ儲けできるかもしれないが、あんなプレッシャーを感じるのはもうお断り願いたい。
そんな我輩だからこそ言える。
「そんなうまい話があるはずがない」
という判断は「間違い」であると。
では、和牛投資家はどこが間違っていたというのか?
間違いは2点ある。
1つ。
1つの銘柄に全財産突っこんだこと。
自分の読みが絶対正しく絶対勝てるという自信があるならば、1つのセクターに全財産突っ込んでもよい。
しかし1つの銘柄に全財産突っ込むと高確率でハマる。
わたしだって買った銘柄が上場廃止になって全損した経験もある。
たとえばGONZOとか。
でも全損でも8000円しか毀損していないので大したことないダメージで済んだ。
(これは株主優待制度が充実しているし、株主総会に行って楽しんできたので、じゅうぶん元とった気がするが)
人によって全財産がどれくらいあるのかは違うわけだが、退職金まるごと突っ込んだ被害者のどたかみたいなことはすべきではない。
2つ。
ファンダメンタル分析をしていないのに大金を張ったこと。
その会社が他社に比べてどう違うのかをまがりなりにも見比べて、
決算短信を読んで財務状況がどうなのかを少しでも把握してと、
よくわからなくてもいいから素人なりにもそれくらいはしてからでないと、ハイリスクなものに大金を張るのは間違っている。
とはいっても、ファンダメンタル分析をしても儲からないという話はたしかにある。
たぶんこの説はそれなりに正しい。
しかし、ファンダメンタル分析をすれば、どう見てもダメなヤツは素人でも見破れるようにはなる。
和牛オーナーに限らず、ラブホテルファンドとかあったよね(※1)。
そもそも、なぜこういう財産はたんまり持っているのに極めて投資ベタだという人たちが大勢いる世の中になっているのだろうか?
これは、投資について学ぶ機会が与えられないからではなかろうか。
そもそも日教組を筆頭とするわが国の義務教育課程では、
「投資など金転がしで何もせず儲けようだなんて、そんなものバクチ打ちと同じでまっとうな人間のすることではありません!」
とでも言わんかのごとく教えている。
これは間違いとは言わないが、極左だとかポルポト派の亡霊だとか揶揄されてもしかたがないレベルである。
投資とはそういうものではない。
自分の財産を守るものである。
そして、いまの日本で自分の財産を守る術を身につける唯一の手段は、1度しくじって大損こいて「ちくしょう!」と思うことしかない。
そして、しくじったらスッテンテンになってしまうようなバクチを打っても気がつかないような最低限の知識もない人間を量産してしまっているのが今の日本なのだ。
【※1 ラブホテルファンド】
【支援】ラブホテルファンド HOPE LAST の行き先は?
http://blog.goo.ne.jp/beamtetrode350b/d/20100918