教団「二次元愛」

リアルワールドに見切りをつけ、二次元に生きる男の生き様 (ニコニコでは「てとろでP」)

技術流出のおきるしくみ

2012-04-15 00:26:29 | 科学
熱心に頼みこみに来たので親切で教えてあげたら、おぼえて帰った瞬間にてのひらを返しやがった!

なんてニュースをときどき聞く。
とくに相手が韓国人の場合。

これは相手が韓国人であってマトモな人間ではないということをよく理解して注意して行動するしかあるまい。
これは注意すれば防げる技術流出である。
わたしは相手が韓国企業なら技術的ディスカッションを断る。

だが。
そうではない技術流出も少なからずある。
たとえば技術者を引き抜かれたという場合である。

これは銭のニオイにつられて相手先へホイホイ鞍替えした技術者をなじるべき話なのか?

情報がこれだけならたしかにその通りの信義にもとる行為に聞こえる。

しかし!

一概にそうでもない場合も少なからずある。



例えば。

最近凋落の代名詞と化しつつある某電機メーカー。
ここはかつてフラッシュメモリを作っていたことがあったらしい。
(わたしはそれが事実かどうかは知らんのだが)

そこは社長の方針で製品を売ってかせぐよりコンテンツを売って儲けるビジネスモデルに転換しようとした。
ファブライト化してフラッシュメモリから撤退したのもその1つである。
現在はと言うと、たしかにそっち系の稼ぎ頭を新たに作ることには成功したものの、本体である製品を作る部門が目を覆う惨状になってしまい、結果的に社長の舵取りが成功したとは言えない状況にある。

そこでフラッシュメモリの部署で一線級の技術屋をやっていた某氏。
会社がフラッシュメモリやらなくなって仕事がなくなりそうになったとき。
なんと偶然にも韓国の某社からリクルートに現れた(笑)。

韓国で管理職待遇と会社もちの住まいと家政婦をつけるから来いという。
ふだんなら断ったかもしれないが、会社がもう自分を必要としなくなりそうな状況だった。
まあそれならいいかということで転職してしまったとさ。

直接の知り合いではなく、知り合いの知り合いの話だが、これは実話。
たぶん液晶パネルも同じリクツで技術流出が起きただろう。



例をもう1つ。

ファブライト化してプロセス屋さんがあまりまくった某社。
半導体プロセスの博士号を持っている技術屋の某氏は、気がついたら人事にまわされていたとさ。

これも直接の知り合いではないが実話。
この人は今でもここにいるのか出奔したのかまでは知らん。



こうして見てみると、技術者を引き抜かれるという事態も情状酌量の余地があるように思える。

技術者というのはサムライ気質みたいなところもある。
自分を雇って好きにさせてくれている会社に多少の恩義を感じて働くが、冷遇されると恩義に報いる価値なしと判断して出奔する。
中には精神を病んでしまいドロップアウトするかたちで出奔するヤツもいるが、よそでやっていける自信がある優秀なヤツから順に新天地をめざして出奔していくことも少なくない。

「○○社は高い技術を保有している」
この表現はある意味正しいが、ある意味正しくない。

高い技術を保有しているのはそこで働いている人である。
会社はその成果(知的財産とか完成させた製造ラインとか)の独占使用権を保有しているにすぎない。

人を引き抜かれたら少々のディレイをともなって会社の競争力は逆転してゆく。



技術の流出の問題は直接的には相手の引き抜き攻勢にある。
わたしのところにも引き抜きのオファーが来たこともある。

だが、根本原因はそこではない場合も少なくないはずだ。
技術屋が出奔したくなるような仕打ちをしているマネジメント層にこそ真の問題があるような気がする。