http://www.amazon.co.jp/%E3%83%A8%E3%83%AB%E3%83%A0%E3%83%B3%E3%82%AC%E3%83%B3%E3%83%89-11-%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%83%87%E3%83%BCGX%E3%82%B3%E3%83%9F%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9-%E9%AB%98%E6%A9%8B-%E6%85%B6%E5%A4%AA%E9%83%8E/dp/4091573053/ref=sr_1_2?s=books&ie=UTF8&qid=1335017733&sr=1-2
ヨルムンガンド(マンガ版)の最終巻を買ってきた。
話がぶっとんでておもしろかった。
最終巻はあんまり高橋慶太郎氏っぽくなかったけど。
「戦争を終わらせるための戦争」
1行でこれ以上矛盾するセリフはそうない。(※1)
こういう話はおもしろい。
作者の力量不足で途中から話が矛盾しているのではない。
あえて、誰がやっても矛盾する話をやる、それがいい。
こういうストーリーを展開した物語は稀ではない。
わたしが好きなものでいうと、ジーリークロニクル(※2)などがそれだ。
ヨルムンガンドの終盤はまさにそれなのだ。
この手の論法はいったい誰が始めたのだろう?
どちらかというと米ソの冷戦時代を思わせるが、実はそうではない。
わたしが知っている限りにおいての最古のものは石原莞爾の最終戦争論(※3)だろうか。
現世において、いや日本において、たしかに最終戦争は起きた。
太平洋戦争が日本にとっての最終戦争だった。
しかし、世界はおろか、おとなりの朝鮮半島でさえ終戦していない。
北は未だに餓死者を出しながらも核兵器やミサイルを作りつづけ、
南は幾度となく太平洋戦争のことを持ち出して2度目3度目の賠償金を日本にせびり続け、
いまどきめずらしく北も南も徴兵制という後進的な制度を維持し、
北は当然のこととして南ですら対GDP比において日本の何倍もの軍事費を使い、
おまけに北と南は終戦すらしていない一時停戦状態を維持しつづけている。
石原莞爾が最終戦争論のなかで提示した成立条件は現代において既に超過達成した。
しかし日本の隣にはいまだに太平洋戦争の亡霊にとりつかれた自称戦勝国もいるという大いなる矛盾を世界はかかえている。
石原莞爾ならなんとまあフシギな世の中になったもんだと言うだろうし、大正デモクラシーでそんな現代ソックリの小説が書かれたとしても現実味がなさすぎて想像力が欠乏気味だと言われるだろう。
【※1】
ちなみにわたしが知っている中で最も1行で矛盾するセリフは↓これだ。
礼儀の正しさで韓国の右に出る民族はいないわ
http://www.nicovideo.jp/watch/sm15751079
【※2】
ジーリー
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%BC%E3%83%AA%E3%83%BC
【※3】
最終戦争論 (中公文庫BIBLIO20世紀) [文庫]
http://www.amazon.co.jp/%E6%9C%80%E7%B5%82%E6%88%A6%E4%BA%89%E8%AB%96-%E4%B8%AD%E5%85%AC%E6%96%87%E5%BA%ABBIBLIO20%E4%B8%96%E7%B4%80-%E7%9F%B3%E5%8E%9F-%E8%8E%9E%E7%88%BE/dp/4122038987