http://finance.yahoo.com/q/bc?s=USDBRL%3DX+Basic+Chart&t=5y
↑このチャートをパッと見で何かわかったらなかなかの相場師であろう。
これはブラジルレアルの対ドル相場である。
去年の夏くらいまで、ブラジルはレアル高で輸出不振だの、経済成長が鈍っているだの、さんざん言ってきた。
当時ブラジルはレアルの売り介入をしょっちゅうやっていたし、またレアル高にならないよう、あの手この手で投資家へイヤガラセをしてきた。
しかし!
非常にめずらしいことが起きた。
それが↓これである。
ブラジル中銀が大規模な市場介入、レアル安阻止へ
http://jp.reuters.com/article/jp_BRICs/idJPTYE8B206V20121203
ブラジルがレアルの「売り」介入ならぬ「買い」介入をするとはめずらしい。
上のグラフでいう右端のところでカンッと上がっているが、それが気に入らなかったらしいということだ。
今やレアルはブラジル政府から見て通貨安なので、ブラジルの輸出不振だの経済成長が鈍っているだのはレアル高のせいではなかったんじゃないかということになる。
これまでのニュースを見る限り1ドル1.9~2.1レアルくらいにしたいっぽいように臭わせているが、本当にその水準にトラッキングできるかどうか、これからおもしろいことになってくる予感がする。
【デイリー No.1,459】ブラジルの金融政策(11月) ~政策金利を据え置き~
http://www.smam-jp.com/market/report/marketreport/1223968_1951.html
【デイリー No.1,463】ブラジルのGDP成長率(7-9月期) ~成長率は市場予想を大幅に下回る~
http://www.smam-jp.com/market/report/marketreport/1224043_1951.html
今のブラジルは成長率は0~1%にまで落ち込み、政策金利もどこまでも下げ続ける。
中国の変調により日本だけ輸出不振になり大打撃を受けるなどと言うヤツが少なからずいるものだ。
だが、中国の変調によりブラジルが受けたコモディティー価格の下落による大打撃のほうが遥かにデカかったという。
レアルで逆ヘッジした投資信託を買ってしまった人たちにはご冥福を祈りたい。