教団「二次元愛」

リアルワールドに見切りをつけ、二次元に生きる男の生き様 (ニコニコでは「てとろでP」)

ガミラス軍の兵器運用法(宇宙戦艦ヤマト2199)

2013-06-04 00:21:23 | オタネタ全般
宇宙戦艦ヤマトの旧アニメ。
これを見て、いつも思うことがあった。

(1) なぜこいつら、いつも負けているのにもかかわらず、勝てるだけの十分な戦力を用意して攻撃しに来ないのか?
(2) なぜこいつら、ヤマトに比べて攻撃力も装甲もこんなに貧弱なのか?

長らくその理由はわからなかった。

しかし!

リメイク版を見た今なら、ある程度の推論はつく。

ではなぜだったのか?



(1)
ガミラス帝国は(イスカンダルという例外はあるものの)大マゼランおよび小マゼランを手中におさめ、銀河系まで版図に入れかかっている。
ある意味で絶頂期の大英帝国さながらの強大さである。

だがその一方、各方面で占領した星々が反乱を起こし、その鎮圧に向かうことも少なくない。
西ではフランスと戦い、北ではイギリスと戦い、東ではソ連と戦い、南ではイタリアの尻拭いをし、占領した北アフリカでは反抗が続く、そんな世界最強のドイツ第三帝国のようでもある。

だから地球の裏側の辺境の地で、しかも外洋に出るだけの造船技術も持たない、そんな国で反乱が起きたとしても、マトモに戦力を割いて鎮圧に向かわせるほどの重大な事件としては受け取らないはずだ。
これはまさに
「日本人くらい、プリンスオブウェールズ1隻派遣しておけば、それ見たら逃げ帰るだろw」
と大日本帝国軍をナメきっていたチャーチルを思い出す。

2199年における地球、外宇宙に到達できる造船技術を持たず版図も太陽系だけという貧弱な蛮星人たる地球人、かたや複数の銀河を手中に収める帝国ガミラス、大英帝国v.s.李氏朝鮮というほどもはや戦争にすらならないレベル差がそこにある。

ガミラスがナメきっているのも当然だ。
デスラー総統さえ、テロン(地球)の船(ヤマト)を1隻撃沈した程度でいちいち報告しにくるなと釘をさしているではないか。
当時の大英帝国が李氏朝鮮所有の手漕ぎの自称軍艦を1隻撃沈した程度でチャーチルにまで報告にいくヤツがいたら、そりゃあチャーチルはキレていい。



(2)
ガミラスの戦艦は、ヤマトに対しては1対1では勝てない。

だが、ガミラスはほぼ無敵である。
他の星の反乱など、あっという間に鎮圧してしまう。
これはリメイク版で明らかになったことだが、ガミラス軍にしてみれば惑星1つつぶすくらいわけもないことで、地球がまだかろうじてつぶされていないのは何か理由(植民する前提だとか)があって全力で攻撃されていないものとしか考えられない。
(たしかガミラス星人は放射能がないと生きていけないという設定があったような。だから地球に遊星爆弾を落とす行為は植民する前提にも反していない)

ということはどういうことかというとだな。
ガミラスの戦艦の性能はあの程度のヘボで十分運用に耐えるということだ。

そのかわり。
ガミラスは、その高性能とはいいがたいその戦艦を万の単位で量産して運用することにした。
何人もいそうな将軍クラスの人物の1人が1万の兵力をかき集められる程度であり、トータル10万隻くらい戦艦を運用しているとしてもおかしくないくらいの兵力である。
だったら個体が多少貧弱だとしても十分運用しうる。

ガミラスの戦艦は、ヤマトに対しては1対1では勝てない。
10対1でもたぶん勝てない。
だが100対1なら勝てそうに見える。
なら、地球の1000倍の兵力を抱えているという計算になる。

ガミラスの戦艦は貧弱だが、それを上回る物量があるのだ。



ガミラス帝国は、ある意味でめぐまれており、ある意味で不運である。

恐らくこれまで自前の戦艦の性能不足を痛感するほど高性能な戦艦を持った敵と戦ってこなかったと思われる。
だから戦艦があんなに貧弱なのだと思われる。
地球が唯一つけいるスキがあるのはそこだけだ。

実はこのガミラス軍特有の欠陥は後々になって致命傷となって表れる。
それは、ボラー連邦との戦争においてである。

ボラー連邦軍とガミラス軍では、兵器の性能はほぼ互角くらいに見え、全体としてはガミラス軍のほうがやや分が悪いように見える。
地球との戦争が終結した後、デスラー総統の乗る軌範艦のみハイパーデスラー砲(波動砲と同様の兵器)を装備した。
だが、それ以外はおざなりのままだった。

このボラー連邦軍と戦う前に、もっと兵器の性能を上げておけば、主砲の攻撃による被弾1発では轟沈しない程度に装甲を強化しておけば、ハイパーデスラー砲の量産ができていれば、ガミラスが形勢逆転したという未来はあったかもしれない。

ヤマトはイスカンダルからの技術供与をうけて作られた戦艦だが、それは波動エンジンやワープ航法についてであり、ガミラス軍の戦艦より頑丈なあの装甲は地球のテクノロジーによるものと思われるゆえ、ガミラス軍は当然それ以上のものは作れるはずだった。
後に地球は波動砲を2門搭載した艦(いま名前が出てこない)を建造するが、それは波動砲はある程度は量産可能だという証拠であり、ハイパーデスラー砲を実用化しうるガミラスのテクノロジーならハイパーデスラー砲も量産しえるはずなのだ。

だが現実は非情である。