上司から言われてはじめて自覚したのだが、わたしの仕事の仕方はボトムアップアプローチらしい。
ボトムアップアプローチとは?
直訳ぎみに簡潔に説明すると、ものごとを下の階層から上へあがる方向へ分析を進める手法のことである。
つまりどういうことかというとだな。
ある問題があり、その解決方法は現時点では全くわからないとする。
これを解決するためにわたしが仕事の上でよくやる手順としては・・・
全くわからない状況ではとっかかりがないので、とりあえず手あたり次第に条件をふって測定してみる。
↓
あれこれやってみてみたあと、設定値と測定結果とをじっくり眺めると、だんだんと何がしかの法則性があることがわかってくる。
↓
その法則性を発生させる設定値と測定結果との間にある因果関係の理屈をあれこれ考えてみる。
↓
理屈がわかりさえすれば大概は何とかなるもんで、あるパラメータだけを変更して良くなる場合と悪くなる場合を発生させ、その理屈とツジツマが合うことを実験的に確認する。
↓
ツジツマが合っていることが確かめられれば理論はともかく正しいはずで、それを数式化なり条件化なりしてみる。
↓
それを数値解析やシミュレータに放り込んで現物と同じ挙動を示すことを確認し、理論化が完成する。
・・・とまあ、こんな感じだ。
わたしの上司はトップダウンアプローチが得意であり、そういう人からするとわたしのやりかたにはとても驚くらしい。
なぜかというと・・・
説明を聞けばたしかにそうかもしれないとは納得するが、何でその実験結果群からその根本原因を推論できるのかがとても不思議だ・・・。
理論的な裏付けが乏しいのにちゃんとそれを記述できているモノができあがってしまうのは何故なんだ?
でも腰を据えてじっくり考えてみるとたしかにその数式で合っているのは確認できたのだが、なんでその過程をすっとばして答えだけが先に出てきたんだ?
・・・という感覚のようだ。
わたしにとってはそれほど変な気はしないのだが(笑)。
で、上司はどうなのかというとだな。
まずいちばんシンプルなところから数学的にモデル化する。
↓
それから少しづつ現状の問題が起きている複雑な状態にまでモデルを拡張していく。
↓
全体を説明できる数式モデルができあがったら数値解析してみる。
↓
モデル化が正しいことが確認できたら、望ましい結果が得られる設定値を導き出せるように式を変形できれば理論化が完成する。
・・・とまあ、こんな感じだ。
なんでこの方法論の違いが出るのかというと、お互いの出自に原因があるような気がする。
わたしは大学時代に真空管アンプを作って遊ぶのが好きで、バイト代何か月分というような額の部品をそろえて動かないと泣きそうになりながらトラブルを解決してきたし、それが転じてエンジニアにもなった。
上司はもともと論文を投稿して学会発表してくることを生業としていたし、大学の先生のような理論肌の持ち主にとても近い。
それぞれの世界ではアプローチのしかたが逆だと問題に対処できなかったはずだ。
これはどっちが正しいというものでもない。
ボトムアップアプローチでは、必ずしも理論的に正しい解決方法にはならず、やる前よりは明らかに良くなったからこれでいいでしょ?みたいな、臭いモノに蓋というか、その場しのぎの解決方法になりやすい。
だからイノベーションを起こすという意味では不利だと感じるし、トップダウンアプローチで問題を解決できるヤツらのアタマの切れ味には時に感服する。
トップダウンアプローチでは、たしかに数学的には正しいのだが、それをそのまま回路で実現するのは無理かな・・・という提案になりやすいし、作ってみたはいいが動かんというときにはとても困惑する。
だからそれを作ってみせるときに、回路設計ができてなおかつ現物の回路の上ででも問題なく動くように元の理論にまで戻って修正を加えられるヤツが別に必要になる。
実はこのボトムアップアプローチでは苦手なところはトップダウンアプローチのヤツが得意とするところで、逆にップダウンアプローチではうまくいかないところはトボトムアップアプローチのヤツが得意とするところだ。
なんとこの両者は補完関係にある。
ある意味で我々はいいコンビなのかもしれんという気もする。
ボトムアップアプローチとは?
直訳ぎみに簡潔に説明すると、ものごとを下の階層から上へあがる方向へ分析を進める手法のことである。
つまりどういうことかというとだな。
ある問題があり、その解決方法は現時点では全くわからないとする。
これを解決するためにわたしが仕事の上でよくやる手順としては・・・
全くわからない状況ではとっかかりがないので、とりあえず手あたり次第に条件をふって測定してみる。
↓
あれこれやってみてみたあと、設定値と測定結果とをじっくり眺めると、だんだんと何がしかの法則性があることがわかってくる。
↓
その法則性を発生させる設定値と測定結果との間にある因果関係の理屈をあれこれ考えてみる。
↓
理屈がわかりさえすれば大概は何とかなるもんで、あるパラメータだけを変更して良くなる場合と悪くなる場合を発生させ、その理屈とツジツマが合うことを実験的に確認する。
↓
ツジツマが合っていることが確かめられれば理論はともかく正しいはずで、それを数式化なり条件化なりしてみる。
↓
それを数値解析やシミュレータに放り込んで現物と同じ挙動を示すことを確認し、理論化が完成する。
・・・とまあ、こんな感じだ。
わたしの上司はトップダウンアプローチが得意であり、そういう人からするとわたしのやりかたにはとても驚くらしい。
なぜかというと・・・
説明を聞けばたしかにそうかもしれないとは納得するが、何でその実験結果群からその根本原因を推論できるのかがとても不思議だ・・・。
理論的な裏付けが乏しいのにちゃんとそれを記述できているモノができあがってしまうのは何故なんだ?
でも腰を据えてじっくり考えてみるとたしかにその数式で合っているのは確認できたのだが、なんでその過程をすっとばして答えだけが先に出てきたんだ?
・・・という感覚のようだ。
わたしにとってはそれほど変な気はしないのだが(笑)。
で、上司はどうなのかというとだな。
まずいちばんシンプルなところから数学的にモデル化する。
↓
それから少しづつ現状の問題が起きている複雑な状態にまでモデルを拡張していく。
↓
全体を説明できる数式モデルができあがったら数値解析してみる。
↓
モデル化が正しいことが確認できたら、望ましい結果が得られる設定値を導き出せるように式を変形できれば理論化が完成する。
・・・とまあ、こんな感じだ。
なんでこの方法論の違いが出るのかというと、お互いの出自に原因があるような気がする。
わたしは大学時代に真空管アンプを作って遊ぶのが好きで、バイト代何か月分というような額の部品をそろえて動かないと泣きそうになりながらトラブルを解決してきたし、それが転じてエンジニアにもなった。
上司はもともと論文を投稿して学会発表してくることを生業としていたし、大学の先生のような理論肌の持ち主にとても近い。
それぞれの世界ではアプローチのしかたが逆だと問題に対処できなかったはずだ。
これはどっちが正しいというものでもない。
ボトムアップアプローチでは、必ずしも理論的に正しい解決方法にはならず、やる前よりは明らかに良くなったからこれでいいでしょ?みたいな、臭いモノに蓋というか、その場しのぎの解決方法になりやすい。
だからイノベーションを起こすという意味では不利だと感じるし、トップダウンアプローチで問題を解決できるヤツらのアタマの切れ味には時に感服する。
トップダウンアプローチでは、たしかに数学的には正しいのだが、それをそのまま回路で実現するのは無理かな・・・という提案になりやすいし、作ってみたはいいが動かんというときにはとても困惑する。
だからそれを作ってみせるときに、回路設計ができてなおかつ現物の回路の上ででも問題なく動くように元の理論にまで戻って修正を加えられるヤツが別に必要になる。
実はこのボトムアップアプローチでは苦手なところはトップダウンアプローチのヤツが得意とするところで、逆にップダウンアプローチではうまくいかないところはトボトムアップアプローチのヤツが得意とするところだ。
なんとこの両者は補完関係にある。
ある意味で我々はいいコンビなのかもしれんという気もする。