Always Autumn

Letter from Perth

猿みたい、だって

2008-07-01 15:45:00 | Weblog
こちらの人は、お互い―いわゆるハグというやつ―抱き合って挨拶をかわすのはまあ、日常普通のこと。
しない人ももちろんいるけれど。

私は別に、こっちに暮らしているからという理由だけではなく
昔から母親だの友人だの、何かとひっつくのが好きな方。

家では日々、子供たちにひっついている。

今朝も学校へ行く息子に「行ってらっしゃい」と背中からくっつき
大学がお休み中の娘が起きてくれば「おはよう」と言って、ひしっ。

今日はお昼から仕事へ行く旦那は、朝食を食べながらそんな私たちの様子をのんびり見ていたが
マジマジと私の顔を見て何を思ったか、ぼそっとこう言った。

「君ってさ、猿みたいだよね」。

チーーーン

はいっ
思わずコーヒーを噴き出しそうになった私。

「ごほ・・・っ
え、エクスキューズ・ミー、今、あなたは私のことをみたいだって
言ったような気がするけど、聞き間違いでしょ~か

「いや、言ったよ」

「な、な、なんでだよっ」W,W,WHYっ

ここでかなり逆上モードに入っていた私
猿と言うより、のような形相をしていたと思う。

「何でかな。温泉に入っているJapanese Monkeyのイメージなんだよ、君って。

よく人にくっついているし、友達とのんびり過ごすのが好きみたいだからかな」

お~~~いぃ~~~

旦那は、何で私がそんなにムカついているのか、全くわかっていない様子。
変な喩えを言っている自覚もまるで無し。

和やかそうに過ごす猿に例えるのは、良いことだと思っているらしい。

そりゃ私は確かに、お友達と遊ぶの好きだけどさぁ。

「あのねぇ・・・どうせならコアラって言ってよ、コアラ
くっつきアニマルの代表だし、コアラの方が可愛いじゃない

「No,No。コアラの爪はとても鋭くて、かわいい顔してるけどかなり凶暴なんだぞ。
それに、声がすごくやかましいんだ」

そう言われてみれば、コアラ・ドキュメンタリーで見たことがあったっけ。

「あ~、そうだった。
コアラはのんびり弱い動物だけど、ちゃんと自己防衛できるようになってるんだよね~」
って感心している場合じゃない

気を取り直して、更に詰め寄ってみる。

「な、ならスワンが良いThey are Beautiful
ちょっと苦しい例えだけど。

「う~ん。スワンはスワンでも、何でもパクつくブラック・スワンって感じかな」

ムムム、ムッカーーーッ

こういうのをKYな男と言うのだろうか。
その言い方を、日本でまだ使うかどうか知らないけれど。

英語で言い返すのは、倍、疲れるのでその話は強制終了。

全くもって、朝から一日分のエネルギーを消費した気分だわっ。



ちなみにブラック・スワンは西オーストラリア州の州鳥なので
まあ、愛すべき鳥なのだろうけれど・・・

彼らは、怖い

パース市内にあるモンガ―湖は、ブラック・スワンがたくさんいることで有名。
様々なネイティブの鳥や“フレンドリーな”ブラックスワンが見られると観光ガイドブックにも出ている場所。

あれはもう、だいぶ前のこと。

ある時、モンガ―湖の湖畔に座ってのんびりとサンドイッチを食べ始めたら

自分の周りを何羽ものブラック・スワンが取り囲んで来て、ものすっごい殺気を感じたとたんに

手に持つサンドイッチを右からパクッと食いつかれ

逃げれば今度は左からパクッと・・・

“フレンドリーな”ブラックスワンは、人のランチを勝手に召し上がる程のフレンドリーっぷり(笑)

あまりの恐さに、ひぇ~っと車の中に逃げ込めば
車もブラックスワンたちに囲まれて、それはそれは恐ろしい光景だった。

ヒッチコックの映画じゃないんだからっ


そして情けないことに・・・

それが何と今の旦那との初デート

そんなデートをしたら、今どきの人は絶対引くに違いない。


以来、公園でも動物園でも、ブラックスワンを見れば避けるように歩いている旦那。

かなりなトラウマになってしまったとか
















Comments (4)
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