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私は、湖に沈んだものを回収することを、必然的に学んできた。
調査用の機器やブイが、沈んだりするのである。
時には、自律型水中ロボットが浮上しないこともあった。
その都度、自分たちで工夫して揚げてきた。
ただ、すべて目的物が見つかるということが前提となる。
広い湖で、小さなものをピンポイントで探し出すことは、とても難しい。
そこで特殊な装置を使う。
まず、サイドスキャンソナー(SSS)という機器だ。
今世界で一番性能が良いのは、Kline社製のものらしい。
図に示したのは、びわ湖の最深部近くを2011年に測定した結果だ。
前方に崖らしいものが見える。
10メートルくらいはあるのだろうか。
最深部が落ち込んでいるのがわかる。
この機器だと、30センチメートルくらいのものは判別できるらしい。
車くらいは平気だ。
白っぽいところは泡が出ているところである。
「この機器を使おう」
Hにそう伝えた。
こうしてSSSを用いて大まかに場所を特定する。
その後、水中ロボット(ROV)で探索し。ターゲットの確認と沈没状況を映像に収める。
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これで完璧、、、の筈だ。
さっそく提案書を英語で作成しモンゴルへ送った。