中国で訪れた郊外のレストランの庭に、ナツメの実がなっていた。
懐かしくなって口に入れると、甘酸っぱいリンゴと梨の中間の味がした。
英語ではjujubeと言うが、Chinese dateとも言うようだ。
Chineseと断っているのは、dateという植物が別にあるからだ。
これがいわゆるナツメヤシで、北アフリカや中東で産する。
実の形はよく似ているが、植物の種類は全く異なる。
ナツメの原産は、西アジアから中国にかけての乾燥地帯だ。
この実には、特別な思い出がある。
私が小さい時、となりの家の庭に実ったものを食べさせてもらった記憶があるからだ。
その時に遊んでくれたお姉さんが、旅行作家の西本梛枝さんだ。
今、NPO法人びわこトラストでお世話になっているのだが、60年の歳月を経て接点ができるのも不可思議な話だ。
店の前には黄色の花畑が広がる。
ポピーのようだが、どうも違うらしい。
のどかな場所だ。
思わずゴッホの絵を思い出す。