“自民党の高村正彦副総裁は4日午前、イスラム過激派組織「イスラム国」(IS)に殺害されたとみられる後藤健二さんについて「どんなに使命感が高かったとしても、真の勇気ではなく蛮勇とも言うべきものだったと言わざるをえない」と、党本部で記者団に語った。”
フーム、蛮勇か。
「蛮勇とは、周囲への配慮をも捨てて,事をなす乱暴な大胆さ。事の理非や是非を考えずに発揮する勇気である」と辞書にある。
本当に、蛮勇だったのだろうか?
もし後藤さんの行為が蛮勇ならば、高所登山家や宇宙飛行士も蛮勇なのだろう。
後藤さんは趣味でこのような危険な行為をしていたわけではないのだろう。
彼にとって、今回の行為は、リスクを犯してもやり遂げなければならない、彼にしかできない仕事だったのではないのか。
だからこそ、自己責任という言葉を使ったのだと思う。
その意味で、彼はプロだったのだ。
確かに、彼の優しさとか勇気とかという一面がマスコミで取り上げられているのだが、その前に紛争地の映像を世界に発信するプロのカメラマンとしての自負と責任があったのだと思う。
そこに命をかけたのだ。
決して、蛮勇とはいえないのだろう。
対岸で傍観する人には、蛮勇と見えるかもしれない。
しかし、当事者はいたって真剣だし、周囲への配慮も含めたあらゆるリスクを考えた上での、決断だったのだと思う。
結果的には失敗に終わったが、真の勇気であったことに間違いはない。
だからこそ、取り乱すこともなく生涯を終えたのだ。
彼の命がけの行為は、素直に評価してあげようではないか。