2月3日10時ころ、びわ湖に注ぐ大津市晴嵐の盛越川(もりこしがわ)の河口付近で青色のスーツケースに入った女性の遺体が発見された。
女性の年齢は70歳以上とみられ、髪は白髪交じりで短く身長155センチのやせ型だった。
「SB」というロゴが入った紺色の七部袖のTシャツを着て、2本のラインが入った黒いジャージのズボンをはいていた。
司法解剖の結果、女性は1月28日ごろ死亡したとみられている。
女性の背中には床ずれのような痕があり、紙おむつを着用していた。
外傷はなく、胃の中に目立った内容物がなかったことから、警察は、女性が介護生活を送り自然死した後、何者かによって遺棄されたとみている。
歯が1本もなく、身元を示す所持品もなかった。
びわ湖での遺体投棄は、2008年のバラバラ事件以来、久しぶりだ。
今回は全身が見つかっており、目撃者も多いことから、犯人の発見も時間の問題だと思われている。
ただ、気になるのは、如何に介護疲れとはいえ、簡単に遺体をびわ湖に投棄する神経だ。
びわ湖はゴミ箱ではない。
びわ湖で遺体が投棄されるたびに警察から相談を受ける私は、これではいけないといつも痛感する。
このような強い思いから、2008年秋に、私たちはNPO法人びわ湖トラストを立ち上げた。
びわ湖の調査や清掃活動、環境学習を通して、常にびわ湖に目を向けている。
あらゆる手段を通じてマスコミにも発信する。
だから、近隣の住民がびわ湖に遺体を捨てることは少なくなった。
問題は、びわ湖から離れた周辺府県に住む人々だ。
もっと大々的に広報する必要があるのかもしれない。
そう思って、びわ湖文庫という書籍を発刊しようと考えている。
昨年、認定特定非営利活動法人となったびわ湖トラストでは、4月以降に、滋賀県が廃棄する予定の実験調査船「はっけん号」を入手する予定だ。
これを使って、びわ湖に投棄されいまだに発見されていない死体(大阪府警)や爆弾(第2次世界大戦当時の毒ガス弾か?)の捜索をしたいと考えている。
徹底的に、びわ湖から迷惑ごみをなくしたい。
そう思っている。
そのためには、お金が必要だ。
緊急に寄付金を募集している。
滋賀県から要求されている500万円ほどの資金を集めたいと思っている。
ぜひお知り合いに、以下のURLを転送してほしい。
http://www.biwako-trust.com/labo/kotei-chosa/pdf/e402donate.pdf
ボランティアだけでは、びわ湖をきれいにすることはできない。
一人ひとりの活動が集積すれば、びわ湖もよくなるし、世界文化遺産登録も可能になるかもしれない。
ただ、現実には、人々の意識があまりにも低い。
日本の30%の淡水が貯留されているびわ湖。
この湖を守ることは、国土を守ることにつながる。
一人でも応援団が増えることを期待しながら、今度の遺体遺棄事件の解明に協力している。