1954年のアメリカ映画です。
デビュー作の「ローマの休日」で一躍世界的大スターになった、オードリー・ヘップバーンの主演第二作です。
彼女の魅力を見せるためだけの映画と言っても、過言ではありません。
大金持ちの兄弟と、その家の運転手の娘との恋愛コメディですが、途中二年間のフランス滞在で幼虫から美しい蝶に変身したヘップバーンがさまざまな衣装(その中には彼女の役名を冠したサブリナパンツもあります)で、その魅力をふんだんに見せてくれます。
白黒映画なのにすごく華やかな映像と、主題歌の「ラ・ヴィ・アン・ローズ」の甘い調べに乗せて、ロマンチックな場面やセリフが満載です。
それにしても、ハリウッドはよっぽどヘップバーンが大事だったのでしょう(まあ、彼女には余人に変えがたい魅力がありますが)。
前作のウィリアム・ワイラーに続いて、この作品でもビリー・ワイルダーといった大監督の映画に出演させています。
新人女優としては、破格の扱いです。
また、相手役にも、前作のグレゴリー・ペック、この作品のハンフリー・ボガード(ボギーですね)とウィリアム・ホールデンと大スターを惜しみなく使っています。
それにしても、彼女のスレンダーな美しい肢体は、それまでマリリン・モンローに代表されるようなグラマー女優全盛の時代を一変させてしまいました。
現在の若い女性たちの痩身志向は、彼女のせいと言えるかもしれません。