1997年公開のアメリカ映画です。
マンハッタンの広いアパートメントに住む変人の恋愛小説家が、周囲の人たちとの交流でだんだん人間性を回復していく話です。
主人公は、隣人(ゲイの画家です)の飼い犬が共有スペースでおしっこをしただけで、ダストシュートに放り込むような偏屈な人間です。
孤独な生活を送る彼が唯一人と交流するのは、行きつけの食堂のウエイトレスとだけです。
彼女は母親と一人息子と三人で暮らすシングルマザーです。
そんな彼女が病気がちな息子の看病のためにレストランを欠勤したために、主人公は食堂で問題を起こして追い出されてしまいます。
早く彼女に復帰してもらいたい主人公は、彼女の家にまで押しかけ、さらに事情を知ると自分のお金で医師や看護師まで派遣します。
そんなことで、彼女と知り合いますが、偏屈な主人公は、なかなか彼女とうまくいきません。
一方、主人公は、ひょんなことから隣人の飼い犬を預かることになり、すっかり気に入ってしまいます。
犬の方でも、飼い主より主人公になついています。
その隣人の画家が、強盗傷害と個展の失敗のために破産してしまいます。
ひょんなことから、画家が仲たがいしている両親に援助を求める小旅行に、主人公は付き添うことになります。
その小旅行に、ウエイトレスも同行することになります。
結果的に、その小旅行は成功し、画家はウエイトレスにミューズを見出して立ち直り、主人公とウエイトレスの間もぎこちないながらも進展します。
最後に、二人が結ばれることを予感させながら、ハッピーエンドを迎えます。
主演のジャック・ニコルソンと相手役のヘレン・ハントは、この演技でアカデミー賞の主演男優賞と主演女優賞を受賞しました。
主人公がだんだんまともな人間になっていくとともに、決して美人とは言えないヘレン・ハントがだんだん魅力的な女性に感じられていくのは、二人の演技力もさることながら、監督のジェームズ・L・ブルックスの腕前でしょう。