1984年のジム・ジャームッシュの映画です。
ハンガリーから来た若い女性と、彼女のいとことその相棒のチンピラ男性たち(いかさまポーカーや競馬でその日暮らしをおくっています)との奇妙な関係を、ニューヨーク(といっても、いとこの男性のアパートの中だけですが)、クリーブランド(二人のおばさんが暮らしていますが、雪に閉ざされています)、マイアミ(といっても、ほとんどはモーテルの中ですが)を舞台に描いていますが、ロードムービーの趣もあります。
底辺で暮らす若者たちの虚無感、絶望感、刹那的な生き方などが、感覚的に表現されていて、日本でも当時の若い世代の共感を得ました。
しかし、作品内容よりも、全編を通して、モノクロ映像で描いた場末の雰囲気や、短いカットの連続、若者言葉での断片的な会話、バックに流れるひねりのきいた音楽などの表現方法の斬新さの方が、この映画の魅力でしょう。
娯楽重視の今の日本での外国映画公開状況では、この映画も公開当時に得られたような高い評価は得られないでしょう。
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