1984年公開のアメリカ映画です。
1930年代のテキサスの田舎町を舞台に、事故(酔った黒人少年の銃で偶発的に撃たれた)で保安官の夫を亡くした専業主婦が、一人で家族(幼い息子と娘)と農場を守って闘っていく姿を描いています。
姉夫婦の結婚の危機(夫が友人の妻と不倫をしている)、竜巻による町の壊滅的な被害、綿花の摘み取り競争(一番早く出荷すると賞金が出る)、奇妙な仲間たち(綿花栽培に詳しい流れ者の黒人の使用人、第一次大戦で失明した下宿人など)、南部の風俗(カントリーミュージックやダンスなど)、KKKによる黒人差別などを取り混ぜながら、初めはお金を稼ぐことは何もわからなかった女性が、だんだんたくましく成長していく姿が感動的です。
ラストの教会のミサのシーンで、主人公のまわりには、家族や地域の人たちに交じって、KKKに追われて町を去った使用人の黒人、離婚の危機を乗り越えようとしている姉夫婦、そして、冒頭で死んだ保安官の夫と犯人の黒人少年(直後に白人たちによって虐殺されました)までが参加しているところに、この映画のテーマと作品の題名が意味するところがはっきりと表れています。
アメリカ南部の風景や風俗も魅力的なのですが、なんといってもこの映画で素晴らしいのは、サリー・フィールドが演じるヒロインの魅力でしょう。
決して美人でもなければスタイルもいいわけでもありませんが、なんともチャーミングな女性で、周囲の登場人物だけでなく観客までもが彼女を応援したくなってしまいます。
サリー・フィールドは、この女性役で二度目のアカデミー主演女優賞(一回目は「ノーマ・レイ」)を獲得しています。
プレイス・イン・ザ・ハート [DVD] | |
クリエーター情報なし | |
復刻シネマライブラリー |