1982年初版の少年詩集の古典です。
「少年」とついていますが、特に男の子向けというわけでありません。
ここでいう少年は、老年、壮年、青年、幼年などと同じく、単なる年齢区分を意味します。
少年詩集は一般的に売れないものですが、私の読んだ本は2004年で36刷なので例外的にロングセラーになっているようです。
それには佐野洋子の個性的な絵が貢献していて、絵本のようにして読まれているのかもしれません。
「いきものたち」、「出会いのものがたり」、「たくさんの心」、「胸の中の風景」、「春・夏・秋・冬そして春」の五部構成になっています。
最初の「いきものたち」が、少年詩としては一番優れているでしょう。
短い言葉で端的に、風景や気もちを捉えています。
いくつかご紹介しましょう。
「ライオン 雲を見ながらライオンが
女房にいった
そろそろ めしにしようか
ライオンと女房は
連れ立ってでかけ
しみじみと縞馬を喰べた」
「動物園 その日
動物園は 暑く暑く暑く
ハンカチほどの日かげで
ライオンは涙ぐんでいた」
「七面鳥 極彩色紙風船」
「スピッツ ボクジャナイ!
ボクジャナイ!
ボクジャナイ!」
「出会いのものがたり」は物語詩で、表題の「てつがくのライオン」も含まれていますが、切れ味がなくてあまり感心しませんでした。
「たくさんの心」、「胸の中の風景」、「春・夏・秋・冬そして春」は、少年詩というよりは普通の詩でしょう。
どの詩にもきれいな言葉が選ばれていますが、私が詩に求めている詩集ならではの言葉の鋭さがなくて、大人向けの詩集を読みなれた目にはどれも平凡に感じられました。
「少年」とついていますが、特に男の子向けというわけでありません。
ここでいう少年は、老年、壮年、青年、幼年などと同じく、単なる年齢区分を意味します。
少年詩集は一般的に売れないものですが、私の読んだ本は2004年で36刷なので例外的にロングセラーになっているようです。
それには佐野洋子の個性的な絵が貢献していて、絵本のようにして読まれているのかもしれません。
「いきものたち」、「出会いのものがたり」、「たくさんの心」、「胸の中の風景」、「春・夏・秋・冬そして春」の五部構成になっています。
最初の「いきものたち」が、少年詩としては一番優れているでしょう。
短い言葉で端的に、風景や気もちを捉えています。
いくつかご紹介しましょう。
「ライオン 雲を見ながらライオンが
女房にいった
そろそろ めしにしようか
ライオンと女房は
連れ立ってでかけ
しみじみと縞馬を喰べた」
「動物園 その日
動物園は 暑く暑く暑く
ハンカチほどの日かげで
ライオンは涙ぐんでいた」
「七面鳥 極彩色紙風船」
「スピッツ ボクジャナイ!
ボクジャナイ!
ボクジャナイ!」
「出会いのものがたり」は物語詩で、表題の「てつがくのライオン」も含まれていますが、切れ味がなくてあまり感心しませんでした。
「たくさんの心」、「胸の中の風景」、「春・夏・秋・冬そして春」は、少年詩というよりは普通の詩でしょう。
どの詩にもきれいな言葉が選ばれていますが、私が詩に求めている詩集ならではの言葉の鋭さがなくて、大人向けの詩集を読みなれた目にはどれも平凡に感じられました。
てつがくのライオン―工藤直子少年詩集 (詩の散歩道) | |
クリエーター情報なし | |
理論社 |