昨年の夏、「チェリスト、青木十郎」という本に出合いました。
現在97歳、現役チェリストとしては最年長ではないでしょうか。
88歳の時にバッハ無伴奏チェロ組曲6番、91歳で5番、95歳で4番のCD録音をされた方です。
今上天皇のチェロの先生としても有名です。
今週、1日に1回、1週間だけ青木十良のドキュメンタリー映画が上映されたので
観てきました。
始終、穏やかで優しく語りかけてこられ、その言葉に深く感銘を受けました。
特に印象に残った言葉は、
「50・60歳は一生懸命勉強しなくちゃならない。
70歳で花を咲かせたらいい」
「西洋音楽は品格を競い合うもの。品格のないものは邪魔だ」
これから何年も練習すれば、もう少し上手くなるかも・・・。でもずっと練習し続けなければ
いけないのか・・・と複雑な気持ちにもなりましたが、少し肩を押してもらえた
気もします。
自分が何を求めているんだろうと、
それが「エレガンス」なんだと
最近になってやっと発見しました。
「エレガンス」という言葉の根底にあるのは、「自尊」です。
そう、日本語の「品格」「気品」に通じるものだと思います。
自分を信じ、他の人を尊ぶ。
それが全身にみなぎって表現できたときには、
100パーセント良い音楽をやったと思いますね
(「チェリスト、青木十良」本文より)