chuo1976

心のたねを言の葉として

『草のそよぎ』 天野忠

2012-01-21 15:20:49 | 文学
『草のそよぎ』 天野忠



時間という草のそよぎに頬っぺたを吹かれているような老年。ヴァレリーが云ったように神は無からすべてのものを創り出したのだから、人間の材料も無から成り立っているわけで、老年も幼年も青年も、すべて無であるというわけだ。草のそよぎというような無の情感は、老年の無をやさしく撫でていく。暖簾が揺れているのは無が無と遊んでいるような風景であろうか。
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