井戸川さんは高校の国語の教師、佐藤さんは仙台丸善の書店員という、お二人共二足の草鞋で創作活動をなさっているのが凄いです。
(すみません、井戸川 射子(イドガワ イコ)さんのお名前を、最初は読めませんでした。作家であり詩人でいらっしゃるんですね)
☆「2作は対照的な世界、最後に小さな光芥川賞・堀江敏幸さん講評」より引用
gooニュース
https://news.goo.ne.jp/article/mainichi/entertainment/mainichi-20230120k0000m200001000c
第168回芥川賞(日本文学振興会主催)は19日、井戸川射子さん(35)の「この世の喜びよ」(群像7月号)、佐藤厚志さん(40)の「荒地の家族」(新潮12月号)のダブル受賞となった。
佐藤厚志さんの「荒地の家族」は、東日本大震災という「災厄」後の宮城県亘理町で造園業を営む男性が主人公。癒えることのない傷痕を前にした日常の中で、人の生と死を見つめる作品だが、震災後10年の世界をリアリズムの手法で正面から、てらいなく描いた点が評価された。時を重ねて生まれる「きしみ」をまっすぐに受け止め、常に主人公が自分の肉体を通じて言葉を発している。震災にここまでまっすぐに向き合い、直球で書き切った小説は今までなかったのではないか。そこも評価のポイントだった。それは10年という時間がなせること。時を経て熟成されたということではなく、言葉がそういう表現を必要としていた。そして、そういう表現を必要としている人が正しく語られた、と理解している。
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地元の作家さんなのに、私は佐藤さんのお話は読めないので、皆さんぜひ買って読んで下さい。(ハードカバーの売上が有ると書店員さんは嬉しいそうです)震災から12年もたったのに、まだそんな事言っているのと思われるかもしれませんが、私は震災を書いたお話も映画もドラマも、読みたくないし観たくないんです。
一晩中真夜中の雲が火災で赤かった門脇の跡地にできた、復興祈念公園にも行きたくないです。一度だけ、車で近くを通りましたが、様々な事が思い出されて辛くて見れませんでした。あの日の午前中まであった世界が二度と戻らない辛さ、泥まみれで余震に怯えて暮らした毎日、そうものは薄れましたが消えません。
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