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普天間基地問題に関する私見

2009年12月07日 21時31分04秒 | 外交問題
この問題については、これまで敢えて放置してきた。鳩山政権の出方を見るためである。オバマ大統領の苦境を察して、「今は触れないで」ということにしておいたら、どうなったかといえば、恫喝好きのゲーツ(笑)が訪日までに結論を出せ、と強硬に迫ってきたわけである。鳩山総理は、いつまで経っても答えを出せず、ある意味「のらくろ」ではなかった、のらりくらりとはぐらかし続けてきたわけである。ある種の「抱きつきクリンチ」戦法とも言うべき、苛立たしい対応であったわけである。もしもこれを、計算尽くでやっているのだとすると、これは凄いことかもしれない。岡田外相は一体何に駆り立てられているのか判らないけれども、慌てて答えを出そうとしているようではある。

社民党に肩入れしたいわけではないが、福島大臣のゴネに付き合わされて「県外移転」しか目処が立たないということで国内統一を図れるのであれば、沖縄ではOKと言うであろうし、鳩山政権の公約や社民党の顔も立つということになり、国内的には困ることが少ないのである。唯一あるのは、「米国は激怒した」というメロスの出だしのようなことだけであろう。


ここは、沖縄積年の願いであるところの、基地の県外移転を叶えるよりないであろうね。それが政権交代の意味である。
何故か大変泡を食っている方々が出てきているようですので、そういう兆候も恐らくは(というよりも、私得意の野性の勘ってヤツです)「拒否した方がよい」ということではないかな、と。

では、各論について述べたい。


1)国際協定という話

やたらと「約束を破る気か」とか言う人たちはいるわけだが、普天間基地の移転先について米国と協定を締結した事実はあったのだろうか?
ないのである。そんな事実はない。
日本政府は、辺野古沖移転というのを外交上の協定で約束してなどいないわけである。

問題の協定というのを探してみたよ。すると、グーグルさんの検索でも、外務省HPの検索でも、敢えて出てこないようになっているのですな(笑)。探せたから、まあいいけど。

外務省 第三海兵機動展開部隊の要員及びその家族の沖縄からグアムへの移転の実施に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定(略称:在沖縄海兵隊のグアム移転に係る協定)

麻生政権下に、ドサクサみたいな駆け込みで国会提出され、衆院で可決したものの参院では否決?か審議未了かで、時間切れで衆院議決により決まった協定である。既に発効してしまっているのだ(21年5月19日効力発生)。多分、自民党政権が転覆されそうだ、ということで、米国からの尻をぶっ叩かれて、麻生バッシングの「激しいムチ」が入れられたからこそ、慌てて通したのであろうね。

非常に長い名前だ。気になった条文をピックアップしてみたよ。


>第三海兵機動展開部隊の要員及びその家族の沖縄からグアムへの移転の実施に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定
(在沖米海兵隊のグアム移転に係る協定)


○第三条

移転は、ロードマップに記載された普天間飛行場の代替施設の完成に向けての日本国政府による具体的な進展にかかっている。日本国政府は、アメリカ合衆国との緊密な協力により、ロードマップに記載された普天間飛行場の代替施設を完成する意図を有する。


○第九条

1 第一条1に規定する日本国の資金の提供は、第二条に規定する措置においてアメリカ合衆国政府による資金の拠出があることを条件とする。

2 第二条に規定する合衆国の措置は、(1)移転のための資金が利用可能であること、(2)ロードマップに記載された普天間飛行場の代替施設の完成に向けての日本国政府による具体的な進展があること及び(3)ロードマップに記載された日本国の資金面での貢献があることを条件とする。


○第十条 

両政府は、この協定の実施に関して相互に協議する。


○第十一条

この協定は、日本国及びアメリカ合衆国によりそれぞれの国内法上の手続に従って承認されなければならない。この協定は、その承認を通知する外交上の公文が交換された日に効力を生ずる。



この協定上では、「普天間飛行場の代替施設」とだけ述べられているだけであり、別に特定施設が決まっているわけではない。完成する意図を有する、としてあるけれど、実施されるかどうかは決まってもいないわけである(笑)。米国は、九条2項の条件が整っていないので、予算措置としては「金を出せない」ということなんだろうね。上院議決で予算がカットされました、とかニュースが流されていたように思いますので。
だったら、九条1項に基づいて、日本も金を出さなくてよい、ということになるので(米国が二条規定を履行しない限りは1条の金を出さないのだから)、単に進展がなくなるというだけであろう。つまりは、頓挫。

結局、普天間の代替施設の問題が解決に向かわない限りは、どうにもなりませんよ、ということでしょう。
ロードマップというのが出てきますけれども、これは、『日米安全保障協議委員会文書「再編の実施のための日米ロードマップ」』のことであって、協定でも何でもない文書ということに過ぎないわけである。政府高官同士が協議していて、協議の途中経過に簡単な「まとめの中間文書」みたいなものを作成した、というようなことでしょう。これに類する協議や文書は、他の外交協議であっても多数存在しているのではないかと思えます。これが特別に重みのあるものである、ということはないでしょう。日本に履行義務があるとも思えません。

さて、政府見解はどうなっていたかというと、こうなっていたようです。

衆議院議員照屋寛徳君提出「在沖米海兵隊のグアム移転に係る協定」に関する質問に対する答弁書

「法的拘束力を有する文書ではない」というのが政府公式見解なので、ロードマップの遵守義務は存在しない、ということでしょう。

そもそも、米国の上院がこの協定について承認したという国内手続を経ているかといえば、全然そういうことはありません。そんな事実は存在しないという程度の協定なのです。あるのは、署名だけ。米国は国際条約について、署名しても議会承認を拒否して発効していないことなどあるんじゃないでしょうか。京都議定書なんかはそうでしょう。また、署名撤回という大技を繰り出したこともあるらしいじゃないですか(笑)。多国間条約において、「やっぱ、やーめた」ということで署名撤回をしたんですよ、米国は。

だから、日本だけが議会承認を取りつけて、「条約だ、条約だ」と大袈裟に騒ぎ過ぎではないかな、と。発効しているから普天間移設は絶対、とか言うのは間違っていると思いますけど。それに、十条によれば「協定実施は相互協議」と謳っているわけで、米国だけがさっさと代替施設をよこせって言ったとしても、日本が難しいよと表明し協議すればいいだけですから(笑)。協議なしでは、実施できないのよ、この協定は。


2)気になる恫喝外交

さて、ゲーツが来てからというもの、米国側の厳しい態度というのがニュースによく流されるようになりました。あんなに温厚で物分りの良かった駐日大使のルースさんが、突如として「顔を真っ赤にして激怒」したとか、報じられたりしてませんでしたか?
これは本当なんでしょうか?
外交官に求められるのは、冷静さとかポーカーフェイスであっても、烈火の如く怒りまくる「族議員の先生」みたいなことはないんじゃないのかな、と思うわけなんですよ。あの記事を取り立てて大喜び風に書いていた新聞はどこだったのか、ということは、どなたかもう一度調べておいた方が宜しいんじゃございませんかね(笑)。ゲーツ長官は前から「恫喝」がお好きですから判るんですが、ルースさんはそういうのは「ちょっと疑問かな」と思うわけなんですよ。前のシーファー大使がそれ系だったので、オバマ大統領は敢えて慎重にソフト路線の人物を選んだはずですからね。そんなカッカするような大使閣下(ダジャレすまぬ)を送り込んでくるとも思えないわけです。

ただ、何か「成果を挙げなければならない」という米国内の事情か、「金を必要としている」という失業対策とか何とかの話が関連しているのかもしれず、米国内の企業家の中には「グアム移転利権」にありついて、これでうまい汁を吸えると待っていた人たちも大勢いるでしょうから、そういったあっちの都合(笑)とかがあるんだろうと思うわけなんですよ。特に、経済危機後の金欠病がダメージが大きくて、支持基盤とかそういうところからの突き上げなんかもあったりとか、「早く金出させて、移転話を進めろや」という一日千秋の方々というのがいるのかな、とか。

なので、オバマ来日までに結論を出せよ、とか、年内にどうにかしろよ、とか、やたら時間を区切ってくるようになっているのです。普通に考えて、10年かかってやってきたものを、あと2年や3年くらい間延びしようとも、大勢に影響なんかないとしか思えないでしょう?ところが、そういう事情ではない、ということらしいんですわ。こういう「早くしろ、急げ急げ」というような場合というのは、喩えて言えば「借金の取立て」に遭っているような時とか、支払期限が迫っている「ああ、早く入金がないと、このままでは不渡りになってしまう!!」とか、そういう切羽詰まった感触があるわけです。そういう人たちには、尻に火がついているわけですから、焦るのも当然ということになりますわな。さて、それは誰なんだろうか?、という話なんですわ。

あれだな、給油活動がなくなれば「日米同盟は崩壊する」とか大袈裟に言い募っていた人たちがかなりいましたけれども、その後、給油活動を停止するということが決まったからといって、米国側からもう同盟はお終いだとか言ってきた事実はあったのですか?
こういうのと同じようなものなんですわ。


3)「嫌がらせ」の工夫

はっきり書いておくことにするから。
米国は、昔みたいな手を使うのを堪えているわけなんですよ。どうしてか?
日本車の輸入が多すぎるとか、言えないわけ。中国からの輸入が圧倒的に多いから。日本に文句を言うと、その同じロジックは中国にどうしても向かざるを得ないから。で、そういう手を使わないことにしたんですよ。

新たな方法とは何か、というと、それは、消費者問題、という手法なんですよ。
例えば中国産の毒ギョーザ事件とか、偽装ウナギとか、ああいうのと一緒。米国だと、粉ミルク事件とか、玩具の問題とか。これは、他国の工業製品に「ピンポイントでケチを付けるのには都合がいい」という方法なんです。で、ターゲットが絞られたわけなんですよ。それはトヨタ。天下のトヨタに対して、ネチネチ攻撃をすることにしたわけなんですよ。

どうしてか?
GMの救済の時に、いい顔をしなかったから、というのはあったのだろうと思いますね。で、米国内工場のことなんかもあるのかもしれません。失業に一役買うことになったと。これまでの関係から、態度を変えてきたということなのであろうと思うのですよ。
そうすると、米国側としては面白くないというのもあったし、日本で一番の企業であるトヨタにミソを付けてやれば効果があるはずだ、と考えるのは当然だろうと思いますもんね。

そこで、レクサスのアクセルペダルの問題をセンセーショナルに取り上げたわけなんですよ。リコールにも応じない、ということを言ったら、どうあれ「回収させてやる」ということで、様々な圧力をかけてきた、と。安全性能ランキングなんかからも、ことごとく外したりとか。次は、台数の多いカローラということで、嫌がらせをやってきているんじゃなかろうか、と。さすがは、米国。イジメの手法は得意だからね(笑)。イジメにかけては、長年の経験を持つ筋金入りなんだもの。

本当に、レクサスのアクセルペダルが原因である、ということなら、再現性が高いということだろうし、実験を完全公開すればいいだけなんだよ。事故調みたいに、調査報告を完全公開して、アクセルベダルの何が問題だったのか公表できるはずだろう。ところが、そういう情報が公開されたかどうかは知らないのだ。事故車の音声記録にしても、あれが事実かどうかって、誰か確かめられるのかな?
ブレーキが効かない、という時、ギアを抜けばいいだけなのに、それもできず指示もできなかったというのも不自然だし。シフトレバーは、必ず切り替えできるはずだから、バックギアに入ることはないだろうけど、低いギアとかに落とせるようにはなっているのが普通だよね。だとすると、ニュートラルに入れらないってことがあると思うか?ないよね、多分。
本当の技術的問題があるとするなら、調査結果を完全に公表し、日本国内でも適用すべきかどうかを検討せねばならんだろうよ。国土交通省とかは、そうした情報照会とかしたのか?やってないなら、やるべきだろうね。日本で独自に調査結果を出してもいいよ。

こういうのは、陰謀好きのボクだけの発想だからなのかもしれないけど、向こうの態度がヘンだ、というのは判るもんね。


もう一つは、読売だな。
またか、という感じではあるけれど、あんなに鳩山政権誕生に貢献したにも関わらず、ここに来てヘタレになってしまったみたいですよ。こういう時にプレッシャーをかける方法というのは、やっぱり「支持率低下」だろ。麻生政権でもかなり効き目のある手段だったでしょう?
突然、支持率9%、までは行かないまでも、下がった下がったと言えば「圧力」の足しにはなるから。で、献金問題ね。あれをいかに「圧力の材料」として使うか、というのがあるのだけれど、あんまり煽りには国民も乗ってこないので、今ひとつなんだそうですよ(笑)。

アフガン支援の大幅後退というか、譲歩なんてものではなかったけれど、民生支援という名目で、実際には米軍の金銭的支援に殆どが消えていってしまい、現地の人たちには全然届くようになんてならないんだよ。あんなのはウソっぱちですから。


で、今度は基地問題で大きく後退ということになれば、政権交代が起こった意味は多分ないわな。
米兵のひき殺し犯は知らぬ存ぜぬを通すし、クソガキどもは殺人まがいのことをやっても米軍が匿うわけだし、そういう基地のせいで日本人が死んでゆくだけなんだろ。今までに、日本を守って敵の凶弾に倒れて死んだ米兵は一人もいないが、米兵に殺された日本人は数千人規模でいることは間違いないわな。これが事実だ。


そういうわけで、普天間基地の移設問題は沖縄県外移転、これ以外はないという結論としてよいでしょう。


沖縄県民の皆さん、ここで譲歩すれば、また同じ事の繰り返しになります。
どうか、反基地運動の機運を高めていただき、県外移設を民主党に決断させてあげてください。



オレはみとらんもん

2009年12月07日 16時27分25秒 | 俺のそれ
そんなに大袈裟に言うほどのイヴェントだったのか?(笑)

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ウチでは、誰も話題にもしとらんが。
というか、オレの周囲には、この亀田戦を話題にしとった人はおらん。


全く観てないよ、オレは。
だって、その日にはNHKドラマ『坂の上の雲』をやっていたので、そちらを選択。

はっきり言って、あんまり格闘技番組には興味を持てないかも。


ガキの頃に観た、キックボクシングの飛び膝蹴りとか、ああいうのに馴れすぎたのかもしれない。鮮烈な印象だったのは、巨漢を一撃で倒した延髄蹴りだったかな。あれを超える試合には、出会っていないような気がするのだ。あの当時のキックボクシングは筋書きのあるヤラセ的なものだったのか、よく知らない。そういう台本のない、ただの本気の格闘技だったのかもしれないけど、子供にはそんなの見分けられないし。

が、ゴールデンタイムに放映されていて、かなり人々を興奮させていたのであろうと思う。詳しくは憶えてないけど。画面の向こうで、リングの周囲の男達がやたらと気合を入れる掛け声とか、そういうのはあったような気がする。攻め込んで、ダウンを奪えそうという感じが出てくると、大歓声だったし。


ああ、格闘技といえば、あれがあったな。
アントニオ猪木のモハメド・アリ戦。

リングの真ん中で寝転んで、アリを挑発する猪木。
グルグル回り続けるだけ、というマヌケな姿。
寝そべってる恰好で、「来いよ、オラァ!かかって来いよ!!」と叫んで手招きするジェスチュアの空しいことといったらなかったな。いくら口では威勢のいいセリフを吐いてみても、実際おまえは寝転んでいるだけだろ、という、ガキでも判る「究極の逃げ」戦法であったのだ。

あれが、延々と最終ラウンドまで続けられたので、笑ったというかバカじゃないのかこれは、とか、当時には思ったものだ。史上最高傑作の格闘技中継は、あれを置いて他にはないな(笑)。


それよりも、『坂の上の雲』の続きを期待していますよ、勿論。