廣島パイレーツ・チャンネル

広島の名も無き”田舎侍”が地元プロスポーツを中心に色々と書いて行く過激なスポーツコラムや、広島の市政や街づくりについても

横恋慕

2009-10-26 22:22:22 | Weblog
 今日からカープの日南キャンプが始まりました。 一方の私はと言うと、2日続けて広島市内に行ってメンズデーを利用し映画『空気人形』を見に行って来ました。 本来ならそのレビューを書くところなのですけど今日はあの話題に絞って書きます。 映画の事はまた明日の記事で。 それにしても久しぶりに映画を映画館に行って見ましたね...

                                 

悩みに悩んで…菊池 涙のメジャー断念(スポーツニッポン) - goo ニュース

 甲子園大会で活躍し、今年のドラフト会議で最大の注目を集める左腕・菊地投手(花巻東高校)は以前から強い大リーグ志望を打ち出しており、卒業してすぐにアメリカに渡ってマイナーリーグ大リーグを目指すのか、それとも一旦日本のプロ野球に入って大成してから大リーグを目指すのかと進路が注目されたのだが、ドラフトを前に進路を表明するとして先週末にプロ野球12球団と大リーグで菊地投手に関心を持つ8球団が菊地投手本人に野球部の佐々木監督を交えて面談し、ドラフトを前に”決断”して今回の記者会見となったのだが、菊地投手が口にしている”用意された言葉”と、これで本当に悔いは無いのかと記者に聞かれて思わず流れた涙は意味が違うのでしょうね。 言うまでも無くあれは”嬉し涙”では無くて”悔し涙”でしょう。 私は個人的に菊地投手には国内のプロ野球で”先発完投型投手”として大成してから大リーグに行って”中4日・球数限定”の向こうの投手起用法も経験すればと思っていましたが、スポーツニュースで見た菊地投手の涙を見て考えが変わりました。 彼はどんなリスクを背負ってでも今すぐ大リーグに行きたかったのだとあの涙は語っていましたから...



18歳怪腕、涙の決断 菊池雄星投手が国内プロ野球へ(河北新報) - goo ニュース

 一夜明け、今日の新聞報道によると菊地投手は大リーグに行く気満々で小学校時代から大リーグ挑戦の夢を持ち、高校に入った時から卒業後にすぐ海を渡るつもりでいたみたいですね。 厳しいマイナーリーグでの生活や他の選手との厳しい生存競争の事も知っていたみたいで覚悟もしていたのでしょう。 しかしドラフトを前に逸材の”流出”を恐れる日本プロ野球側からの凄まじい”圧力”で泣く泣く諦めさせられた様で。 学校にも中傷や批判の電話が掛かったりしていたそうで、実際には大リーグに挑戦させてやれよと言う”激励”の電話もあったと思いますけど学校側からすれば批判の声の方が大きく感じられたのでは? 先日の菊地投手とプロ野球側との面談で、この時点で既に菊地投手指名の意思は無くなっていたカープとジャイアンツまでが面談に参加して「君を指名はしないけど大リーグには行かずに国内に残ってくれ。」とわざわざ言いに行ったと聞いて、おかしな事をするなと思っていたのですが、要するに”12球団の総意”だと言う無言の圧力だったのでしょう。 こうなると菊地投手だけの問題では済まなくなり、後輩も含む他の野球部員や、佐々木監督の指導者としての将来も案じて大リーグ行きの夢は引っ込めざるを得なかったのではと...

 カープが菊地投手の争奪戦から降りた事にファンから批判の声もあるそうですが、私はこれに関しては仕方が無かったと思います。 FAによる主力選手の移籍、と言うより引き抜きに悩まされるカープとしては、将来の大リーグ移籍を公言する菊地投手は怖くて入団させられないでしょう。 FA権を取ったら移籍したいと話し続けて他の選手までがその気になってしまっては”チーム崩壊”に繋がりますし... だから菊地投手の断念は理解出来ますけど他球団と一緒になって菊地投手に”圧力”を掛ける様な事はしないで欲しかった。 争奪戦だけで無くこんな行為からも降りて欲しかったですね。 18歳の少年に寄ってたかって”圧力”を掛ける様なやり方の片棒を担ぐのは止めて欲しかったものですが...

                            

 この光景に既視感があると思ったら”男の中の男”上原投手(現ボルティモア)のジャイアンツ入団の時でしたね。 彼もまた大学時代から大リーグ行きの意思が強く、大リーグか日本か迷った末に逆指名制度で(日本の)ジャイアンツ入りを決めましたが、上原投手も記者会見の席で笑顔を見せませんでした。 彼もまたリスクを背負ってでも直接大リーグに行きたかったけど周囲が許さなかったのでしょう。 上原投手は今は断念するが、将来は大リーグに行きたいと入団の時点で公言してOBの”長老”達を激怒させました。 ジャイアンツの長い歴史の中で、入団して嬉しいと言わず、将来は移籍すると言う選手など見た事が無かったのだから...

 上原投手は新人の年にいきなり20勝を挙げるなどエースとして抜群の功績を挙げましたが、彼の強い大リーグ志向は在籍する事自体がステータスだとするジャイアンツの球団イメージを壊し、”大リーグ>巨人”の図式を作り出してしまいました。 現役バリバリのエースが大リーグへの夢を語り、四番打者がFAを取ると大リーグに移籍し、そして上原投手も”巨人のエース”の地位をあっさりと捨ててFAを取ったら大リーグに行きました。 ジャイアンツは上原投手の大リーグ思考を捻じ曲げてエースとして活躍させるも、一方で失ったものも大きかったのでは... 今回、ジャイアンツが菊地投手の争奪戦に参加しなかった(まだドラフト当日まで分かりませんが)のも他球団の指名を拒否してジャイアンツ入りにこだわった長野選手(ホンダ)への義理もありますが、それ以上に上原投手で懲りているからかも知れませんが...



 それにしても残るなら残るで菊地投手にはもっとスッキリした形で日本に残って欲しかった。 アメリカでも菊地投手大リーグ断念のニュースが大リーグの公式サイトなどですぐに報道されるなど関心が高く、かつてポスティング制度が決まった時みたいに日本とアメリカを巻き込んでの騒動に発展する可能性もあるのでは。 今のところ大半の球団は”大人の対応”を見せていますが、ニューヨーク・メッツのスカウトさんは相当に怒ってられたみたいでしたし... ちゃんとした日米間の選手獲得のルールを作るべきで、例えば希望する大リーグの球団が日本のドラフト会議に参加出来る(大リーグが考えていた世界ドラフトとは違う)様にするとか。 菊地投手も仮に大リーグの球団も参加してくじ引きとなり、それで日本の球団になったのならスッキリと諦められたし、大リーグのスカウトにすまないと思う必要も無かったのでは。

 今回の騒動でまたドラフトに自由競争をと言う声が出て来そうですが、周囲の大人を巻き込んで強引に本人の意思を捻じ曲げていて何が”職業選択の自由”なのかと言いたくなります。 こんな世界に夢は無い、20代前半のプロ選手が何人もヨーロッパリーグで活躍しているサッカーのニュースと見比べて今の子供はどう思ったのか考えた事もあるのだろうか? 20年に1人の逸材とやらが日本残留を選んだ(?)からとキャッキャッと喜んでいられる日本球団の神経が理解出来ません。 ”相思相愛”など、選手と球団の関係を恋愛に例える人もいますが、自分に振り向かせるでも無く強引に相手を自分のものにして本当に幸せになれるのか、メロドラマの悪役は最後にどうなったのか、とにかく菊地投手には自分で決めた以上、大成して自分の力で夢を叶えてもらいたいと思っています...

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 ...以上です。
コメント
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