1つ前の記事で、コメントのレスを書いているうち、この件で私ヌルボとしてはめずらしく(?)感情に走ってしまい(笑)、その勢いのままで一気にこの意見記事を書くこととあいなりました。
朝日新聞のニュース(→コチラ)によると、
神戸朝鮮高級学校の生徒62人が6月28日夜「祖国訪問」を終えて関西空港に到着した際、約半数の生徒が、税関職員に北朝鮮の国旗などが描かれた化粧品や薬などの土産品を、経済制裁で持ち込みが禁止された輸入品だとして押収したことに対して、朝鮮総連が29日日本政府に抗議する会見を開いた。
とのことです。
その後、この税関の措置に対する抗議の声は各地で上がっているようで、韓国紙の中央日報は「韓国をはじめ世界各国の約250ヵ所の市民団体と個人が連名で参加して、日本政府による朝鮮学校の修学旅行物品押収を糾弾する記者会見を行った」と伝えています。(→コチラ。)
ネット上でも賛否の論議はいろいろありますが、朝日新聞の記事を読んだ人の多くは土産を没収された生徒たちに同情するのではないでしょうか? 「押収品には親族や友人からの贈り物も含まれていた」というし・・・。
私ヌルボ思うに、この出来事ではっきりしているのは、「被害者」は当の生徒たちだということ。
では「加害者」は誰なのか?
直接ナサケ無用の措置をとった税関について、朝日新聞の記事には次のように書かれています。
税関関係者によると、政府は核実験などへの制裁措置として、北朝鮮からの全ての貨物について、経済産業相の承認がない限り輸入を禁じている。税関では旅客の土産品なども含め、そのつど経産省に確認しているという。
経産省貿易管理課は「個人の携帯品は、出国時に持ち出したものや旅行中に使用したと認められるものを除き、個別に承認することになる」としている。
「個別に承認」というのは誰がするのか、わからず。しかし、税関は(批判する側にとっての)主敵ではなさそうです。
朝日の対極の夕刊フジの記事(→コチラ)にも、
もともと、北朝鮮への経済制裁は、国際社会のルールを破った核実験などに対する報復措置であり、「核・ミサイル開発」の資金源を絶つのが目的だ。そのため、私的に使うことが明らかな衣類などは没収されない。
・・・と書かれていますが、この記事では自民党政調会長代理の片山さつき参院議員の
「日本は、法と正義のもとに北朝鮮に経済制裁を科している。土産品も、生徒への嫌がらせではなく、経済制裁で持ち込みが禁止された輸入品ゆえに、法令に基づき押収した」
・・・という反論を紹介するとともに、
日本は、北朝鮮側の恫喝に動じることなく、完全非核化の達成までは、経済制裁を維持し、毅然と対応すべきだ。
・・・と結んで、(多少は距離を置きつつも?)税関の措置を擁護しているようです。
しかし。生徒が持ち帰った土産を没収することがどれだけ「核・ミサイル開発」の資金源を絶つ」ことにつながるのでしょうか?
そして、直接当事者だけではない、海外を含めて抗議が上がるともなると、政治的判断も誤ったと言わざるをえません。
私ヌルボの考えることでもありませんが、ここは<厳密には疑問もあろう>が、<生徒たちの心情を尊重>して、<私的に使うことが明らか>であり、<人道的>に対応し<特例として認める>ことにした、・・・と総連等に恩を売っておく方が政治的宣伝効果もあり、はるかに賢い選択だったと思うゾ。(もしかして「神対応」と評価されたり、とか?(笑))
ところが片山さつき参院議員の大反論なんぞ、かえって反発を招くばかりでは? あ、<右>方面の人たちを元気づけるのが目的だったですか?
没収措置を肯定する側の意見でそれなりにナルホドと思ったのは<夾竹桃日記>の主張(→コチラ)の一部です。一部というのは、次の2カ所。
・修学旅行へ出向く際、日本から持ち出せる物、日本へ持ち帰れない物について、事前に確認してたのはずであり、経済制裁による規制があると承知の上でそれを破ろうとしたのか、と疑いたくなります。
・北朝鮮への経済制裁が発動中であるのを承知の上で、北朝鮮へ修学旅行に出向いたのに、「自分たちを特別扱いしろ」と言い放つ彼らの態度には呆れますし、うんざりさせられます。
たしかに、ネット上の記事だけではわかりませんが、朝鮮学校の先生方が事前にこのような事態を予測していたのかどうか、また生徒や保護者たちに説明していたのかどうかという点は私ヌルボも知りたいところです。
今の情勢で予測していなかったとしたら鈍感すぎるし、予測していたら事前に何らかの対応をすべきで、常識的にはしていたのではと思いますが・・・。
もしその点で手落ちがあったのなら、抗議の前にまず謝罪でしょう。
そもそも、朝鮮総連は何がこのような事態を生んだのかをどのように理解しているのでしょうか?
もちろん北朝鮮の核武装です。朝鮮総連はそのことについて素通りして今回のことに抗議しているのは、私ヌルボとしてはとても引っかかることです。
逆に素通りしてないのは、「米朝和解の流れが出てきた中で、唯一、日本政府だけが敵対行為に固執し、子どもの人権を踏みにじっている」と主張していること。
今、非核化の道筋さえ不明瞭な時点で、このような「流れ」が仮に事実だとしても、それは北の指導者同志の外交手腕(?)等によって醸し出された雰囲気にすぎません。
私ヌルボ、今回の件に限って言えばたしかに人権蹂躙だと思います。
しかし、あなた方朝鮮総連がそれを言うとは・・・。
いや、非を唱えるつもりはありません。ただ、人権をいうならこの何倍も北朝鮮の政権に対して言ってほしいものです。いや、1万倍でも足りないくらいです。
修学旅行に限って言っても、「日本から北朝鮮には行けるのに北朝鮮の生徒たちが日本に来られないのはとはどうしてですか?」と生徒に質問されたら、朝鮮学校の先生はどう答えますか?
北朝鮮の人たちは、日本どころか、国内を自由に旅行することすらできません。それはなぜですか?
北朝鮮の独裁政権による人権蹂躙の数々は数え切れるレベルではありません。犯罪的な、いや犯罪そのものの拉致事件も、政治犯収容所でさえもその一部にしかすぎません。総連の職員の皆さんも実は知っているんでしょ? また、総連がそれらの人権蹂躙の片棒を担いできたことも。そんな「人権蹂躙」について、今まで(1万倍とは言いませんが)10回、いや5回くらいは物申したことはありますか? もしかして、疑問を感じつつも上からの指示に従ったことはなかったですか?
たぶん総連の職員の皆さんもある意味では被害者的側面もあり、本国の政権をメイワクと感じる部分があるかもしれません。この数十年の組織の先細りも、日本及び在日の現状を知らない本国の政権とその政治姿勢が大きな要因ではないですか。もちろん、総連が本国と在日朝鮮人の間にあってそれなりに意義ある役割もはたしてきたことは否定しませんが、個々の職員の皆さんが(北朝鮮の人々の実情も視野に入れつつ)良心に恥ずることのないよう期待するばかりです。
もっと早い時点(金日成の独裁が確立した1970年代)に本国と直接的な関係を断って、在日朝鮮人の生活と権利を守る組織として自立していればよかったのに、と今言ってもしょうがないですけど・・・。
<夾竹桃日記>と反対の主張では、<アリの一言>というブログの「「朝鮮学校生の修学旅行土産不当押収事件」その後」という記事(→コチラ)も読みました。が、ほとんど朝鮮総連の機関紙・朝鮮新報の引き写しで、7日ソウルで開かれた抗議集会で発表された抗議声明等、北朝鮮側メディアの記事をそのまま紹介しています。内容的に当たっている部分はかなりあるとは思うし、ブログ主さんが上掲の議員とは全然別の良心的な方だとは思います。ところが、上述のように北朝鮮のことは当然すべて棚に上げられています。
「泣きじゃくる子どもたちを前に、機械的に持ち物を押収し・・・」云々と言うのなら、脱北して中国に潜んでいる人たちを見つけて強制的に北朝鮮に送り戻し、拷問を加えて等々は、はるかに重大な人権侵害、いや犯罪行為でしょう。そんな事例は過去70年、山ほどあります。それらのことを知らずに、あるいは知っていても全然ふれずに日本政府・日本社会の人権侵害を批判しても説得力に乏しく、幅広い支持が得られるとは思えません。国対国の枠組みではなく、また民族とか国籍とかよりも、まず個々の人間の人権に即して考えたいものです。(韓国の文在寅政権が脱北者に冷淡で北朝鮮に好意的なのはなんでですかねー。日本の<左>の方の人も「人権」と叫ぶわりには北朝鮮に何も言わない人が多いし・・・。)
このブログ主さんにはぜひ「日本語訳国連北朝鮮人権報告書」(ころから)とか、数多く出ている脱北者の手記等を読んでほしいものです。政治色が気になるなら、伊藤亜人「北朝鮮人民の生活」(弘文堂)もおすすめです。
一方、この問題に対するネット上の反応を見ると、あいかわらず多いのは明かな民族差別的言辞です。
先の<夾竹桃日記>の記事の末尾も「それほど日本政府の対応が気に入らないのなら、北朝鮮へ帰国し、そこで暮らした方がよいのでは?」とありますが、まだまだ穏やか(?)な部類です。
この人たちは、自分たちの論理が当の生徒たちに対して説得力があると思っているのでしょうか? あ、そういうことは全然考えていないし、考える必要がない、ということ?
あるいは、自分たちの主張が味方を増やすか敵を増やすかということは・・・、あ、それも考えていない?
私ヌルボ、「弱者に手を差し伸べる」というのは<日本人の美徳>と思っていましたが、少なくとも今はそうではなくなってきてるようですね。在日以外にも<弱者タタキ>が近年いろいろ目につきます。
江戸時代、鳥取に漂着した12人の朝鮮人漂流民を地元の人たちや鳥取藩が手厚く保護して本国に返してあげたという内容の記事を少し前に書きました。(→コチラ。)
それから約200年後の今は、「朝鮮有事の事態になって難民が押し寄せてきたら武力を行使してでも撃退しろ」という主張まで出ているしねー・・・。
<嫌韓>は<反日>を生み、<反日>もまた<嫌韓>を生む
・・・という言葉があります。(って、ヌルボ自身の言葉ですけど。)
今回の一件も、また新たな<反日>と<嫌韓>を生み出してしまったかもしれません。あーあ。
それにしても、当の生徒たちを取り巻く大人たち、なんでこんなにヒドい連中ばかりなんだ!
遅まきではありますが、今からでも「北朝鮮の政治犯収容所や拉致事件にも等しい人権蹂躙をしてしまいました」と謝罪して土産を返すべきです。
朝日新聞のニュース(→コチラ)によると、
神戸朝鮮高級学校の生徒62人が6月28日夜「祖国訪問」を終えて関西空港に到着した際、約半数の生徒が、税関職員に北朝鮮の国旗などが描かれた化粧品や薬などの土産品を、経済制裁で持ち込みが禁止された輸入品だとして押収したことに対して、朝鮮総連が29日日本政府に抗議する会見を開いた。
とのことです。
その後、この税関の措置に対する抗議の声は各地で上がっているようで、韓国紙の中央日報は「韓国をはじめ世界各国の約250ヵ所の市民団体と個人が連名で参加して、日本政府による朝鮮学校の修学旅行物品押収を糾弾する記者会見を行った」と伝えています。(→コチラ。)
ネット上でも賛否の論議はいろいろありますが、朝日新聞の記事を読んだ人の多くは土産を没収された生徒たちに同情するのではないでしょうか? 「押収品には親族や友人からの贈り物も含まれていた」というし・・・。
私ヌルボ思うに、この出来事ではっきりしているのは、「被害者」は当の生徒たちだということ。
では「加害者」は誰なのか?
直接ナサケ無用の措置をとった税関について、朝日新聞の記事には次のように書かれています。
税関関係者によると、政府は核実験などへの制裁措置として、北朝鮮からの全ての貨物について、経済産業相の承認がない限り輸入を禁じている。税関では旅客の土産品なども含め、そのつど経産省に確認しているという。
経産省貿易管理課は「個人の携帯品は、出国時に持ち出したものや旅行中に使用したと認められるものを除き、個別に承認することになる」としている。
「個別に承認」というのは誰がするのか、わからず。しかし、税関は(批判する側にとっての)主敵ではなさそうです。
朝日の対極の夕刊フジの記事(→コチラ)にも、
もともと、北朝鮮への経済制裁は、国際社会のルールを破った核実験などに対する報復措置であり、「核・ミサイル開発」の資金源を絶つのが目的だ。そのため、私的に使うことが明らかな衣類などは没収されない。
・・・と書かれていますが、この記事では自民党政調会長代理の片山さつき参院議員の
「日本は、法と正義のもとに北朝鮮に経済制裁を科している。土産品も、生徒への嫌がらせではなく、経済制裁で持ち込みが禁止された輸入品ゆえに、法令に基づき押収した」
・・・という反論を紹介するとともに、
日本は、北朝鮮側の恫喝に動じることなく、完全非核化の達成までは、経済制裁を維持し、毅然と対応すべきだ。
・・・と結んで、(多少は距離を置きつつも?)税関の措置を擁護しているようです。
しかし。生徒が持ち帰った土産を没収することがどれだけ「核・ミサイル開発」の資金源を絶つ」ことにつながるのでしょうか?
そして、直接当事者だけではない、海外を含めて抗議が上がるともなると、政治的判断も誤ったと言わざるをえません。
私ヌルボの考えることでもありませんが、ここは<厳密には疑問もあろう>が、<生徒たちの心情を尊重>して、<私的に使うことが明らか>であり、<人道的>に対応し<特例として認める>ことにした、・・・と総連等に恩を売っておく方が政治的宣伝効果もあり、はるかに賢い選択だったと思うゾ。(もしかして「神対応」と評価されたり、とか?(笑))
ところが片山さつき参院議員の大反論なんぞ、かえって反発を招くばかりでは? あ、<右>方面の人たちを元気づけるのが目的だったですか?
没収措置を肯定する側の意見でそれなりにナルホドと思ったのは<夾竹桃日記>の主張(→コチラ)の一部です。一部というのは、次の2カ所。
・修学旅行へ出向く際、日本から持ち出せる物、日本へ持ち帰れない物について、事前に確認してたのはずであり、経済制裁による規制があると承知の上でそれを破ろうとしたのか、と疑いたくなります。
・北朝鮮への経済制裁が発動中であるのを承知の上で、北朝鮮へ修学旅行に出向いたのに、「自分たちを特別扱いしろ」と言い放つ彼らの態度には呆れますし、うんざりさせられます。
たしかに、ネット上の記事だけではわかりませんが、朝鮮学校の先生方が事前にこのような事態を予測していたのかどうか、また生徒や保護者たちに説明していたのかどうかという点は私ヌルボも知りたいところです。
今の情勢で予測していなかったとしたら鈍感すぎるし、予測していたら事前に何らかの対応をすべきで、常識的にはしていたのではと思いますが・・・。
もしその点で手落ちがあったのなら、抗議の前にまず謝罪でしょう。
そもそも、朝鮮総連は何がこのような事態を生んだのかをどのように理解しているのでしょうか?
もちろん北朝鮮の核武装です。朝鮮総連はそのことについて素通りして今回のことに抗議しているのは、私ヌルボとしてはとても引っかかることです。
逆に素通りしてないのは、「米朝和解の流れが出てきた中で、唯一、日本政府だけが敵対行為に固執し、子どもの人権を踏みにじっている」と主張していること。
今、非核化の道筋さえ不明瞭な時点で、このような「流れ」が仮に事実だとしても、それは北の指導者同志の外交手腕(?)等によって醸し出された雰囲気にすぎません。
私ヌルボ、今回の件に限って言えばたしかに人権蹂躙だと思います。
しかし、あなた方朝鮮総連がそれを言うとは・・・。
いや、非を唱えるつもりはありません。ただ、人権をいうならこの何倍も北朝鮮の政権に対して言ってほしいものです。いや、1万倍でも足りないくらいです。
修学旅行に限って言っても、「日本から北朝鮮には行けるのに北朝鮮の生徒たちが日本に来られないのはとはどうしてですか?」と生徒に質問されたら、朝鮮学校の先生はどう答えますか?
北朝鮮の人たちは、日本どころか、国内を自由に旅行することすらできません。それはなぜですか?
北朝鮮の独裁政権による人権蹂躙の数々は数え切れるレベルではありません。犯罪的な、いや犯罪そのものの拉致事件も、政治犯収容所でさえもその一部にしかすぎません。総連の職員の皆さんも実は知っているんでしょ? また、総連がそれらの人権蹂躙の片棒を担いできたことも。そんな「人権蹂躙」について、今まで(1万倍とは言いませんが)10回、いや5回くらいは物申したことはありますか? もしかして、疑問を感じつつも上からの指示に従ったことはなかったですか?
たぶん総連の職員の皆さんもある意味では被害者的側面もあり、本国の政権をメイワクと感じる部分があるかもしれません。この数十年の組織の先細りも、日本及び在日の現状を知らない本国の政権とその政治姿勢が大きな要因ではないですか。もちろん、総連が本国と在日朝鮮人の間にあってそれなりに意義ある役割もはたしてきたことは否定しませんが、個々の職員の皆さんが(北朝鮮の人々の実情も視野に入れつつ)良心に恥ずることのないよう期待するばかりです。
もっと早い時点(金日成の独裁が確立した1970年代)に本国と直接的な関係を断って、在日朝鮮人の生活と権利を守る組織として自立していればよかったのに、と今言ってもしょうがないですけど・・・。
<夾竹桃日記>と反対の主張では、<アリの一言>というブログの「「朝鮮学校生の修学旅行土産不当押収事件」その後」という記事(→コチラ)も読みました。が、ほとんど朝鮮総連の機関紙・朝鮮新報の引き写しで、7日ソウルで開かれた抗議集会で発表された抗議声明等、北朝鮮側メディアの記事をそのまま紹介しています。内容的に当たっている部分はかなりあるとは思うし、ブログ主さんが上掲の議員とは全然別の良心的な方だとは思います。ところが、上述のように北朝鮮のことは当然すべて棚に上げられています。
「泣きじゃくる子どもたちを前に、機械的に持ち物を押収し・・・」云々と言うのなら、脱北して中国に潜んでいる人たちを見つけて強制的に北朝鮮に送り戻し、拷問を加えて等々は、はるかに重大な人権侵害、いや犯罪行為でしょう。そんな事例は過去70年、山ほどあります。それらのことを知らずに、あるいは知っていても全然ふれずに日本政府・日本社会の人権侵害を批判しても説得力に乏しく、幅広い支持が得られるとは思えません。国対国の枠組みではなく、また民族とか国籍とかよりも、まず個々の人間の人権に即して考えたいものです。(韓国の文在寅政権が脱北者に冷淡で北朝鮮に好意的なのはなんでですかねー。日本の<左>の方の人も「人権」と叫ぶわりには北朝鮮に何も言わない人が多いし・・・。)
このブログ主さんにはぜひ「日本語訳国連北朝鮮人権報告書」(ころから)とか、数多く出ている脱北者の手記等を読んでほしいものです。政治色が気になるなら、伊藤亜人「北朝鮮人民の生活」(弘文堂)もおすすめです。
一方、この問題に対するネット上の反応を見ると、あいかわらず多いのは明かな民族差別的言辞です。
先の<夾竹桃日記>の記事の末尾も「それほど日本政府の対応が気に入らないのなら、北朝鮮へ帰国し、そこで暮らした方がよいのでは?」とありますが、まだまだ穏やか(?)な部類です。
この人たちは、自分たちの論理が当の生徒たちに対して説得力があると思っているのでしょうか? あ、そういうことは全然考えていないし、考える必要がない、ということ?
あるいは、自分たちの主張が味方を増やすか敵を増やすかということは・・・、あ、それも考えていない?
私ヌルボ、「弱者に手を差し伸べる」というのは<日本人の美徳>と思っていましたが、少なくとも今はそうではなくなってきてるようですね。在日以外にも<弱者タタキ>が近年いろいろ目につきます。
江戸時代、鳥取に漂着した12人の朝鮮人漂流民を地元の人たちや鳥取藩が手厚く保護して本国に返してあげたという内容の記事を少し前に書きました。(→コチラ。)
それから約200年後の今は、「朝鮮有事の事態になって難民が押し寄せてきたら武力を行使してでも撃退しろ」という主張まで出ているしねー・・・。
<嫌韓>は<反日>を生み、<反日>もまた<嫌韓>を生む
・・・という言葉があります。(って、ヌルボ自身の言葉ですけど。)
今回の一件も、また新たな<反日>と<嫌韓>を生み出してしまったかもしれません。あーあ。
それにしても、当の生徒たちを取り巻く大人たち、なんでこんなにヒドい連中ばかりなんだ!
遅まきではありますが、今からでも「北朝鮮の政治犯収容所や拉致事件にも等しい人権蹂躙をしてしまいました」と謝罪して土産を返すべきです。