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ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

①韓国文学②韓国漫画③韓国のメディア観察④韓国語いろいろ⑤韓国映画⑥韓国の歴史・社会⑦韓国・朝鮮関係の本⑧韓国旅行の記録

映画「ディア・ピョンヤン」にみる北朝鮮(その2) 国外にも知られる冷麺の店・玉流館

2009-08-31 17:01:56 | 北朝鮮のもろもろ
 映画「ディア・ピョンヤン」を観て、北朝鮮や在日関係についてわかること、わかったこと。(その1)の続きです。

①梁英姫監督がお父さんに、「お父さんのお墓は北朝鮮に? それとも(故郷の)済州島?」とたずねると、「いや日本で・・・。統国寺。」との答え。この統国寺のことをヌルボは知りませんでした。
大阪にある、在日と密接な結びつきのあるお寺なんですね。サイトを見るとな~るほど、です。
 境内に在日の信徒が祖国統一を願って1998年喜捨したという「ベルリンの壁」があるとのことです。

②父親がゴキゲンで歌っていた歌は「島の村の先生(섬마을 선생님)」(1967年)。「椿娘」とともに李美子の代表曲。この歌を愛唱している人はけっこう多いようです。 以前読んだ「母の思い出の歌(?)」とかいう本(韓国語)で、韓国各界の人が母にまつわる歌をいろいろ挙げていましたが、その中で多かったのが「皇城旧跡(황성 옛터.ファンソンイェット)とこの「島の村の先生」でした。

③一家の部屋に金日成・金正日の<御神影>が掲げられています。以前テレビで見た、中国の田舎の貧しい農家の部屋に毛沢東の写真が飾られていたのを思い出しました。まあ今の日本でもないことはないけど・・・。
 書斎には金日成全集が揃えられていました。

④お母さんは30年間せっと平壌の息子たちへ仕送りを続けています。ボールペンや消しゴムが喜ばれる、というのはちょっと意味ありかも。薬類の不足はつとに知られている、かな?

⑤平壌市内の、冷麺で韓国等にも広く知られている店が玉流館。その2階で父親の誕生会。私ヌルボがこの店に行った時も2階でした。1階は現地の人たちで一杯! 2階は観光客とか、地元の人以外用なんでしょう。
※北朝鮮観光客に対する受け入れ側の<鉄則>は、「北朝鮮の一般人との接触をさせないこと」です。
 ヌルボが1991年行った時、平壌→開城の列車での移動があったのですが、駅の近くの高麗ホテルからなのにわれわれをバスに乗せ、そのバスがそのままプラットフォームに入っていったのは驚きました。われわれが下車したのはブラットホフォーム前方で、一般市民は後方。きっちり区分されていました。

 ヌルボが冷麺を初めて食べたのがその平壌の玉流館だったのです。そんなに美味しいとも思わなかったのですが(不味くはなかった)、帰国後大阪鶴橋で食べた冷麺はとても美味しかった!
※北朝鮮旅行者のブログに、それぞれの感想や現地の写真が載っています。たとえば、<トンガリキさんの旅行ブログ>。

⑥平壌から帰る監督と、兄たちとの別れの時に交わす「がんばって!」の言葉には、第三者のヌルボにもその重みがずっしりと感じられました。
 生き抜くためには、何をおいても<がんばる>という強い意志と体力を要する<北>と、ヌルボも含めてお気楽な日本人の「がんばってネ」とのなんという落差!

★「ディア・ピョンヤン」に映し出される映像、ずっと以前なら<お宝映像>の部類だったかもしれませんが、パンフによると「税関ですべてチェック済み」とありました。北朝鮮当局には不都合と思われるシーンとかもあるんですが、チェックがいいかげんになってきてるのか、そんなに気にしていないのか、そんな重大なものとは考えていないということなのか・・・・
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8月29日は韓国の「国恥日」でした。(も一つあるけど・・・)

2009-08-30 21:37:39 | 韓国・朝鮮関係の知識教養(歴史・地理・社会等)
 8月15日の<終戦記念日>が、韓国では<光復節>(クァンボクチョル)といって祝祭日になっていることは日本でもかなり知られているようです。
 しかし、昨日8月29日<庚戌国恥日(キョンスルククチイル)>であることはほとんど知られていないのでは?
 実は私ヌルボも知らなかったのですが、たまたま聴いていたKBSラジオでそのことを知りました。
 <庚戌>(キョンスル)は1910年のこと。つまりこの日は「韓国併合に関する条約」が発効した日なんですね。(※この条約が寺内正毅統監と李完用首相により調印されたのは1週間前の8月22日でした。)
 この記念日は2005年制定。当時の盧武鉉政権が、<親日派>追及と同様のねらいで行った政策だと思います。ということで歴史も浅く、今多くの韓国国民の間に広く定着しているとは(私ヌルボとしては)感じられません。
 <光復節>なら皆で喜んで祝えますが、<国恥日>ではどうも・・・ですしねー。

 来年は<韓日合邦>(と韓国ではいう)からょうど100年、韓国ではどのような迎え方をするのでしょうか?

 関連で、YTNで「韓国 日帝の建物取り壊し反対!日帝への恨みを忘れないために」という記事がありました。(YouTubeで動画が見られます。) 内容を略述します。

 南山にあった中央情報部(KCIA)の建物は1996年からソウル市庁舎別館等として用いられてきたが、今年3月ソウル市は自然の生態と歴史復元のため建物を撤去し、「南山ルネサンス」と称して水路や緑地を造成すると発表した。
 これに対し、ある市民団体が待ったをかけた。「恥辱の歴史を象徴する建物を保存して未来に向け<歴史の鏡>とすべきだ」というのがその主張。具体的には、併合条約が締結されたその地に、朝鮮統監府の官署を復元しよう、というもの。

 市側は、計画の修正はむずかしいとの対応ですが、このような声もあるんだなあ、と興味をもちました。

 あ、特に関係はないですが、8月29日はヨン様の誕生日だったんですね~。「ペ・ヨンジュンの誕生日8月29日を前に、韓国と日本のファンが寄付金を募り、国際救護団体「ワールドビジョン」の両国支部に寄付した」とか。他にもいろいろあったことと思います。
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「ディア・ピョンヤン」にみる北朝鮮(その1) あれ?景色がゆがんで見える!

2009-08-30 09:10:20 | 北朝鮮のもろもろ
 別の記事に記したように、梁英姫(ヤン・ヨンヒ)監督のドキュメント映画「ディア・ピョンヤン」はいい映画です。その映画自体の評価とは別に、私ヌルボ、その画面から読み取ったピョンヤンの実情(の一端)その他をメモしました。

①映画の最初の方で映されていた平壌の街並み。と見ると、波状のゆがみが上下に動いているのに気付きました。
 私ヌルボが思い出したのは、1991年北朝鮮に行った時のこと。団体バスで元山から平壌に向かう途中の休憩所で、なんとなく外を眺めると、なんかヘン。景色がゆがんで見えるのです。
 つまり、窓ガラスが均質でないため、そう見えるんですね。
 日本ならふつうの、平らで均質なガラスを作るということが、国によっては必ずしも当り前ではないんだな、と思ったものです。湯呑み茶碗をテーブルに置いても、底が真っ平らになっていないので、少しぐらぐらするし・・・。またこれは北朝鮮だけでなく韓国や中国でも思ったのですが、扇子の要があまりしっかりしていない等々。
 技術レベルの問題だけでなく、国民性といったものとも関わりがあるのかもしれませんが・・・。

②新潟港を出た万景峰号が着くのは元山(ウォンサン)港。「20年間変わっていない」とナレーション。
 ・・・ということは、私ヌルボが行った1991年も同じだったということ。たしかに、迎える側の人々の姿、ブラスバンドの曲(ミーミ/ミッミミレド/レッミレドミ/レッソソッソ/ラーラ/ソッソミレド/レッミレドラ/ドッドド  (/と/の間は2拍)、映画に映っていたそのままです。
 着岸前、甲板から元山の街を見て、私はその人通りの少ない、何かどろーんと停滞しているような雰囲気に、まったく違った世界、まったく違った時代に来てしまったような感覚にとらわれました。
 1959年以降、帰国船でこの元山や清津に下り立った人たちのかなり多くが、その時点で自らが選択を間違ったと悟ったということです。ヌルボの場合は「私は旅行者だから日本に帰れるのだ」ということを頭の中で確認して少しほっとしたのですが、彼らの気持ちを推し量ると、心が痛みます。

③元山の丘の中腹等に、大きくスローガンの板が掲げられているのもヌルボが見たまま。
 その文字は「速度戦」「電撃戦」「殲滅戦」のハングル表記。元山だけでなく、いろんな所に同様のものがありました。(そのように鼓舞しないと働く気にならない?)

④平壌の街で、路上で練炭を干している光景が映されていました。家々の中は暗く、電力不足は慢性的なんでしょうね。
 山に緑が乏しく、ヌルボは最初緯度とか気候の関係かなと思いましたが、燃料用に木を切ってしまった結果だとある本で読みました。
 5年前に、中国東北地方の、北朝鮮との国境近くに行ったのですが、そちら方面の山は木々がふつうに生い茂っていました。

⑤映画を見ていてこれも同じだったなあと思ったのは、土埃で霞んだ平壌の空気。 ヌルボが行ったのは夏で乾燥していたためか・・・。バスの車窓から見ると、工事現場がかなりの土埃の発生源のようでした。(季節にもよるが中国からの黄砂の関係があるかも。) 重機類は全然と言っていいほど見られず、大きな立方体のコンクリート塊をほとんど人力で積み重ねているような建築現場でした。

⑥高級アパートに見えても、実際はいろいろ問題が・・・。
 パンフレットによると、「映画で見ると兄貴たちはいい部屋に暮らしているように見えますが、実際は床に空いた穴をカーペットで隠しています。兄たちの家族の一ヵ月の生活費は日本円で約3万円なんですが、これは兄貴たちが内職して生活を切り詰めて1日3回ご飯を食べられるレベルです。北朝鮮では上の中くらいの水準でしょうか」とあります。
 ※ヌルボが払った約30万円がいかに<大金>であったことか・・・
 高層アパートも、エレベーターが稼働していなくて階段を上り下りしなければならなかったり、④で書いたように日常的に停電の時間帯が設定されるようなこともあったりして、日本のモノサシで考えると不便なことがたくさんあるようです。それでも北朝鮮では平壌に住んでいること自体が恵まれている証しですが・・・。

⑦芸術やスポーツ等の隠れた名手はいるかも・・・。
 兄の息子、つまり梁監督の甥は、1995年の訪問時点で平壌音楽舞踊大学付属小学校。2001年の訪問時にはリストとか弾いていました。上手いです。(パンフには「学校でトップ3に入る名手」とありました。) ショパンの「革命」も。<この曲>が<ここ>で<このような少年>によって弾かれるというのは、相当にスケールの大きな、一種の皮肉である、と思いました。これらの楽譜は、日本から送られた物です。
 このような学校に通えて、自宅にもピアノがあって、というのはやはり<上流階級>なんでしょう。
※平壌音楽舞踊大学は日本でいえば東京芸術大学、といったところ。
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「グッド、バッド、ウィアード」は楽しめました!

2009-08-29 20:21:07 | 韓国映画(&その他の映画)
 いやー、ハッハッハ。「グッド、バッド、ウィアード」はおもしろかった!

 私ヌルボ、今年41本目にして初めて封切初日に観ましたですよ。去年は全60本中封切初日はなし。
 大体はマイナーな映画しか観ず、観客も20人を越えると「多いな」という感じですが、今日の川崎TOHOシネマ16:40~の回は6,70人はいましたよ。
 ※過去、客が私1人ということもありました。2人の時も・・・。1桁はふつうの部類。
 ただ、マカロニ・ウェスタン風のアクションという内容にしては、ビョン様めあての韓流おばさんとかも相当数いらっしゃって、平均年齢はやや高めかな、という感じでした。

 この映画の[みどころ]は、「イ・ビョンホン、チョン・ウソン、ソン・ガンホという韓国を代表する人気スターが豪華共演。宝の地図をめぐって、男たちが壮絶なバトルを繰り広げるエンターテインメント大作」で、「1930年代の満州。日本軍が残した宝の地図をめぐって、賞金ハンター、ギャングのボス、マヌケなコソ泥が大陸横断列車を襲撃する。お互いの正体も知らぬまま戦いを繰り広げるが、そこに日本軍まで入り乱れる事態に」というのがその[ストーリー]。愛用の映画サイト<ムービーウォーカー>のコピペそのまんまですみません。

 <グッド>の賞金ハンター=チョン・ウソン、<バッド>のギャングのボス=イ・ビョンホン、<ウィアード(ヘンな奴)>のマヌケなコソ泥=ソン・ガンホという配役で、それぞれに持ち味を出していました。とくにチョン・ウソンの株は急上昇でしょうね。
 ソン・ガンホが出ると、「グエムル~漢江の怪物」のような怪獣映画でも脱力的ギャグのような要素が入っておもしろかったですが、やっぱりこの映画でもそれが随所に散りばめられています。

 アクションの舞台の広大な平原は、「世界最速のインディアン」のユタ州塩平原を思わせましたが、エンディング・クレジットによるとどうも敦煌方面のようで・・・。
 
 ネタバレは避けますが、イキナリなかなかに大がかりなアクションシーンで始まって、最後まで楽しめました。けっこう史実とかにこだわりがちなヌルボではありますが、この映画についてはそんなことはどーでもいいです。
 ハッハッハ。
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未見の方はぜひ観て! 映画「ディア・ピョンヤン」

2009-08-28 10:48:33 | 韓国・北朝鮮に関係する映画
 在日二世の女性・梁英姫(ヤン・ヨンヒ)監督が、10年間にわたって朝鮮総連の活動家だった父を撮ったドキュメンタリー映画「ディア・ピョンヤン」は2006年一般公開されて話題となり、いくつかの映画祭で賞を受けたりもしています。
 私ヌルボは、韓国オタク・映画オタクを自任している(?)にもかかわらず、見逃してしまっていましたが、先頃横浜のシネマジャック&ベティで、「よこはま若葉町多文化映画祭」という企画特集の中で上映していたので観てきました。

 梁英姫監督自身のナレーションで進行します。
 英姫さんは日本で一番の在日コリアンの集住地域・大阪市生野区で育ちました。
 彼女の父は大多数の在日と同じく<南>の出身(済州島)。しかし<北>の金日成を信奉し、長く朝鮮総連の幹部として活動してきました。
 
 1972年、英姫さんが幼いころ(6歳?)、3人の兄は帰国船で北朝鮮へ。下の兄は中学生でした。
※北朝鮮帰国事業関係の本を読むと、1959年に始まってから数年後にはもう北朝鮮の実情がわかって帰国者数は急減していったといいます。この父親の場合、内部にいながらもそれがわからなかったのか、疑問が残りました。(総連幹部としての立場もあったのか・・・。)
 
 英姫さんの初の平壌行きは1983年。兄たちとは12年ぶりの再会でした。
 祖国の窮状を知った両親は、息子たちにせっせと仕送りを始めます。(その回数と分量はハンパじゃない!)
 英姫さんは民族学校に通い、模範的両親の娘として模範的な生徒でしたが、その後北朝鮮への違和感を募らせます。それは父に対する反抗心となります。父を愛してはいても、祖国と金日成に絶対的な忠誠を捧げ続ける一面を理解することができない・・・。

 ところが・・・・、
 カメラ自身が持つ力、なんでしょうねー。
 以前「home」というドキュメンタリー映画が一部で話題になりました。日本映画学校の学生だった小林貴裕さんが「引きこもり」の兄にカメラを向けた映画です。執拗にとりつづける中で、閉ざされていた兄の心が徐々に開かれていく過程に、とても興味を覚えました。
 「ディア・ピョンヤン」でも、カメラを向けて撮り続ける中で、お父さんとと英姫さんの関係性が変わっていくんですね。お父さんも、総連の幹部だった人がこんなことを言ってしまっていいのか?ということまで口にするようになります。

 この映画は、「在日の家族の生活」「在日の韓国・北朝鮮との関わり」「北朝鮮の今の姿」「朝鮮総連」「北朝鮮帰国事業」等々に関心のある方なら、政治・思想的立場を問わず非常に得るところの多い映画です。

 ただ、この映画の<キモ>は家族愛なんですねー。ヌルボが「皆さんにお薦め!」という理由もそこにあります。
 映画の最初と最後に収められている娘から父親への<セベトン>(お年玉)のやりとりにも、ホントに気持ちがこもっている感じでよかったです・・・。

 この映画は韓国でも上映されました。ネットで検索して観た人の感想をいくつか読んでみましたが、
 「なんの事前情報もなく、偶然に観ましたが、後に何も残らない娯楽映画と違い、胸の奥に何か深く考えさせる、また静かな余韻を残してくれる映画でした」「わが韓民族の歴史的傷とその後遺症はまだ現在進行形だという考えがする」等々、至極まっとうなコメントが記されていました。

※シネマジャック&ベティでの上映は終わってしまいましたが、レンタル店でDVDがあると思います。

☆この映画に収められた映像中、<北>の実像を読み解こうという観点からの記事は、別立てで記事をアップします。
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韓国映画「木のない山」の一般公開を期待

2009-08-27 17:49:27 | 韓国映画(&その他の映画)
     

 「木のない山」という韓国映画は、幼いころ移住した在米韓国人女性ソヨン・キム監督が無名の俳優を起用して撮った作品で、これまで世界各地の映画祭等で上映されています。

 7歳のジン、5歳のビンという姉妹、父親はどこへ行ったかわからず、その父を探しに母も2人を田舎の叔母に預けて出ていってしまいます。「ブタの貯金箱がいっぱいになったら戻ってくるから」という母の残した言葉を信じて、幼い姉妹は・・・。
というドキュメンタリー風の物語です。

 昨年11月東京filmexで上映したのですが、私ヌルボは見逃してしまいました。韓国では今日8月27日封切、と25日付「朝鮮日報」で内容紹介とともに報じていました。
 記事には「韓国映画の今後歩むべき道のひとつを明確に示す」「抜きんでた秀作」と賛辞を呈しています。
 映画のタイトルですが、「山」は家族、「木」は父母を意味しているそうです。
 
 アメリカでも上映されるとのことですが、日本での一般公開は決まっていないようです。観た人の感想をサイトでいくつかみると、とても好評のようで、ヌルボとしては強く一般公開を希望しています。
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韓国内の映画 週末興行成績  8月21日(金)~23日(日)

2009-08-27 17:48:38 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 韓国映画関係の便利なサイトということで、先に紹介したシネマコリアですが、そのサイト中の韓国内の映画館の「週末興行成績」が昨年9月を最後に更新されていません。皆さんいろいろとお忙しいのかなあ? 幸い、データの元のサイトが載せられたいたので、ヌルボ自身で作成してみました。


順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・封切り日・・・週末観客動員数・・・・・・累計観客動員数・・・・上映館数
1・・国家代表(韓) ・・・・・・・・・・・・・・7/29・・・・・・・・806,069・・・・・・・・・・・・・・・・5,351,001・・・・・・・613
2・・海雲台(韓) ・・・・・・・・・・・・・・・・7/23・・・・・・・・517,871・・・・・・・・・・・・・・・10,007,059・・・・・・・511
3・・G.I.ジョー 戦争の序幕・・・・・・・8/06・・・・・・・・252,661・・・・・・・・・・・・・・・・2,281,324・・・・・・・371
4・・アイスエイジ3・・・・・・・・・・・・・・・8/12・・・・・・・・168,081・・・・・・・・・・・・・・・・・720,108・・・・・・・380
       ティラノのおとしもの
5・・ヨガ学院(韓) ・・・・・・・・・・・・・・・・8/20・・・・・・・・132,695・・・・・・・・・・・・・・・・・188,388・・・・・・・328
6・・パーフェクト・ゲッタウェイ・・・・・・8/20・・・・・・・・129,167・・・・・・・・・・・・・・・・・166,888・・・・・・・291
7・・オーファン  天使の秘密・・・・・・8/20・・・・・・・・・98,719・・・・・・・・・・・・・・・・・121,110・・・・・・・222
8・・ソフィーの恋愛マニュアル(韓)・・8/20・・・・・・・・60,196・・・・・・・・・・・・・・・・・・・80,561・・・・・・・235
9・・パブリック・エネミー ・・・・・・・・・8/12・・・・・・・・・44,938・・・・・・・・・・・・・・・・・・418,874・・・・・・・294
10・ラルゴ・ウィンチ・・・・・・・・・・・・・・8/20・・・・・・・・・36,408・・・・・・・・・・・・・・・・・・・52,093・・・・・・・219

 この中で注目は、2位の「海雲台(ヘウンデ)」。観客動員1000万人突破のスピードは「グエムル 漢江の怪物」に次いで2番目だそうだ。
過去1000万人を越えた作品は①「グエムル 漢江の怪物」(1301万人)②「王の男」(1230万人)③「ブラザー・フッド」(1174万人)④「シルミド」(1108万人)の4つ。「海雲台」はこれらにどこまで迫れるか?
 その内容は、簡単にいえば大津波の恐怖を描いたパニック映画。主演はユン・ソナと結婚とかいうソル・ギョングとドラマ「黄真伊」のハ・ジウォン。パク・チュンフンとオム・ジョンファが友情出演。
 海雲台(ヘウンデ)といえば、釜山にある有名な海水浴場。肝心のすごい津波シーンのCGは、韓国ではできずハリウッドに依頼したとか。

 今週1位の「国家代表」は、冬季五輪誘致のため急造されたスキー・ジャンプチームの話。宣伝文句は「このクズたちで何をなさろうと? 不純な目的(?)で韓国国家代表になったやつら」。

 その他の作品。「ヨガ学院」は韓国のホラー、「オーファン」はアメリカのホラー。「パーフェクト・ゲッタウェイ」はアメリカのアクション・スリラーと、夏向きの映画が多いですね。「ラルゴ・ウィンチ」はフランスのアクション映画で、「パブリック・エネミー」はジョニー・デップの新作です。

 私ヌルボが今期待している韓国映画といえば「木のない山」という映画なんですが、これについては別立てで記しました。

soramoveというブログでも韓国国内最新映画ランキングを載せています。出所は当方と同じではないでしょうか? ほぼ毎日更新で内容も豊富、たいしたものです。
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金薫「孤将」を読む  壬辰倭乱(文禄の役)で耳や鼻を切って送ったのは・・・

2009-08-26 19:08:10 | 韓国の小説・詩・エッセイ
 文禄・慶長の役(韓国では壬辰倭乱・丁酉再乱)の時、朝鮮に派遣された日本兵は朝鮮兵の鼻を切り、塩漬けにして樽に入れて日本に送った。それを埋葬し弔ったのが京都の豊国神社門前にある耳塚(元来は鼻塚)である。

 このことは(一部の?)日本史の教科書にも記述があり、また韓国に興味関心のある人であればおおよそは知っていることだと思います。ヌルボもその一人です。

 ところが、韓国の人気作家金薫が李舜臣を描いた小説「孤将」(新潮文庫)を読んでアレレ!?と思いました。
 援軍としてやってきた明軍が、ちゃんと戦って戦果をあげたぞっ、という証拠として、敵の戦死者の耳(右耳だっけな?)を切って本国に送っているんですね。(金薫が史実にしたがって書いてるとすれば。)

 つまり、日本兵だけがやってたことじゃないのか、ということ。

 また、日本では昔から合戦で敵を倒したら、その首級を上げる、つまり首を切る習慣が長く続いていたわけで、これは自らの戦功の証しと、プラスαの何かがあったのだと思います。

 ヌルボの言いたいことは、文禄・慶長の役で、鼻切りをもって「日本兵は朝鮮人に対してかくも残酷なことをやっていた」と説明するのはちょっと違うな、ということです。

 日本人だけじゃない、というと「自虐史観」を否定する皆さんの常套句と重なってしまいますが、たしかに中国の歴史を見ると残酷の具体例は山ほどあるし、意外な感はないですねー。
 また朝鮮人の耳鼻を切ったというのは日本人どうしで首を取り合う延長みたいなところもあるし、「残酷だ」というのはどうも現在のモノサシをそのまま用いているという感じですね。それをいうと、日本人は(他の多くの民族同様)ずっと昔から残酷だったことになります。
 もちろん、突然半島に大軍を送りこんで云々というこの戦いの基本的性格は侵略そのものですよ。誤解なきよう。

 この本を読むと、朝鮮の政府と軍、さらに民衆との間の関係性が日本と違う点がいろいろあるようです。まとまりのなさ、なんて一言で言っちゃうと問題もありそうですが、まあそういった感じですかねー・・・。

 前述のようにちょっと読む側も力を要しますが(?)、絶版にならないうちにとりあえず買っておいて、できれば読んでみてください。
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蓮池薫さん・小倉紀蔵さんの対談

2009-08-26 19:03:05 | 韓国の小説・詩・エッセイ
 日販発行の「新刊展望」は、書店のレジ横などにおかれている小冊子です。
その9月号に、「韓国文学とその周辺」というタイトルの蓮池薫さん・小倉紀蔵さんの対談が(判型は小さいが)11ページにわたって収められています。
 なかなか濃い内容で、読み応えがありました。韓国の文学や社会に興味をお持ちの方、ぜひ書店にあるうちにお求めください! (タダだし、全然かさばらない冊子だし・・・。)

 小倉さんは、蓮池さんの新刊書「半島へ、ふたたび」の中で、蓮池さんが金薫の「孤将」(原題は「刀(カル)」)で翻訳家デビューするまでの顛末について「特におもしろく読ませていただいた」と述べています。
 また「闘う将軍(李舜臣)の内面を哲学的に描いた内容はもちろんのこと、文章の素晴らしさに驚いた」、さらに「孤将」以外の翻訳ではがらっと違う(軽やかな)日本語になっていて、・・・これはプロだなと思いました」との感想を語っています。

 「孤将」の訳出について蓮池さんは、「特に昔の言葉がたくさん出てくるので、ずいぶん辞書を引いて調べました」、「この本が難しかったおかげで、たくさん勉強をさせていただきましたし、最初のハードルが高かったので、その後がスムーズにできたという思いもあります」とのこと。

 ☆私ヌルボも、この本のモトとなった新潮社のサイト中の蓮池さんのブログを読んでいた時から、蓮池さんの翻訳家修行については興味をひかれました。→ヌルボ・イルボ 8月12日「孔枝泳の最新作「るつぼ」を読む①」参照

 ☆ヌルボも以前「孤将」を新潮文庫で読みました。訳者が蓮池さんということと関係なく、作者の金薫が韓国で高い評価を得ている作家なので、ぜひ読んでみなければ、と思っていたからです。
 で、読んだ感想なんですが、(先入観と違って)反日の英雄を英雄らしく描いた物語ではなく、彼の内面を、時には国王や明軍に対する冷めた観察も含んで描いた作品で、いろいろ勉強になりました。ただ、蓮池さんの言葉にもあるように、懸命に「辞書を引いて調べた」等で力が入り過ぎたためか、元の金薫の文体ゆえか、堅苦しさが2~3割ほど混じっている感じで、その分読書の感興といったものは今ひとつ欠けるかなという印象を持ちました。

 小倉さんが韓国について具体的に語っている事例はおもしろいです。たとえば・・・
①民衆は警察を完全に馬鹿にしている。「パトカーが赤信号で停まっていたら、横断歩道を歩く酔っ払いたちがみんなパトカーを蹴っ飛ばしていく(笑)。おまわりさんも慣れてる様子で何も言わない」。
②韓国人がよく議論し主張するのは、「伝統的に家族と国家の間に位置するものがほとんどなかった」から。会社や趣味のサークルといったものが数十年前までの韓国には基本的に存在しなかった。「昔は会社の掟より自分の道徳性のほうが重要だった」。したがって自分が嫌だったら会社をすぐ辞めてしまうから離職率は高い。それが今だいぶ変わってきて、「だんだん浸透しつつある段階」という。
③韓国も1980年代までは「我々の願いは統一」というスローガンをテレビでも毎日掲げていたような状態だったが、ベルリンの壁崩壊後のドイツの現実を見てからは「統一の話は急にしぼんでしまった」。「政権によって雰囲気は大きく変わりますが、基本的には今は統一を考えてはいないと思います」。

 ☆「我々の願いは統一」=<ウリエソウォヌン トンイル>・・・この南北両方でしばしば歌われる歌については、いずれこのブログで取り上げます。③の小倉さんの見解は一般的なものでしょうね、ヌルボもそう思います。

 蓮池さんは、韓国の小説は1990年代に転機を迎えたと述べています。
それ以前は、「60年代は戦争を、80~90年代には民主化を書かなければならない雰囲気があった」が、「90年代以降の韓国の小説は、私小説的なもの、個人の悩みや問題を描いたものが主流になってきました」と概観しています。

 ☆蓮池さん、帰国後にずいぶん<南>の本なんかも読んで努力してこられたんだな、と思います。また続けて、「しかし、個人の問題を描く小説であれば、日本のほうがはるかに先を行っていますよね。韓国でも日本の現代小説はかなり受け入れられ、よく売れているようです。韓国の小説はまだ始まったばかりで、洗練されていない。ゆえになかなか日本で浸透できないという現実もあるみたいですね」。
 うーむ、蓮池さん、私ヌルボはほとんどそのお話の線でひとつ文章をアップさせようともくろんでいたんですよー。・・・と言ってもオッチョルス オプソヨ(しょうがないです)。
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昨日・今日・明日の出来事③  「人事を尽くして天命を待つ」ナロ号、結果は・・・

2009-08-25 22:13:50 | 韓国の時事関係(政治・経済・社会等)
 25日付「東亜日報」<キョクセジカム>=「隔世の感」はなんとかわかっても、<진인사대천명チニンサデチョンミョン>なんてねえ・・・、<盡人事待天命>の漢字6文字を韓国式音読みで書かれるとつらい、という韓国語学習者は多いのでは? ただ、<チョンミョン=天命>に気がつけば、全体の推定がつくかも・・・。

 <光化門で>というタイトルのコラム。見出しはこの<진인사대천명>と、その下に小さく<盡人事待天命>とあるだけで、何が書いてあるのかと本文を読むと、ナロ号の発射についてなんですね。

 本文紹介の前に、ナロ号についてちょっと・・・。
 韓国初の<宇宙発射体>、というナロ号の名の由来は、全羅南道の外羅老島(ウェナロド)にある韓国最初のロケット打ち上げ施設・羅老(ナロ)宇宙センターによるものです。
 全長は33m、重さは140トンというから、ずいぶんでかいんですね。衛星体は約100キログラム。
 当初は2005年発射の計画だったのが、いろいろあって(←便利な言葉)現在に至った。19日17時に発射予定だったが、<技術的問題>で約8分前に中断、25日に延期になってしまいました。

 <宇宙発射体>なんて、<北>のロケット発射関連報道でも見ましたが、私ヌルボの理解では、ロケットには宇宙空間を目指さないのもあるのに対し、これは文字通り宇宙に向けて発射される、ということでしょうか? 韓国の報道でも2つの用語が混在しています。

 ★★えっ!?「ブタを屠って通信衛星打ち上げ成功を祈った」(96年米国)って・・・★★

 さて、このコラムの内容を見てみましょう。
 まず、以下のようにこれまでの関係者の努力と期待があげられています。
 
・1996年米国・ケープカナベラルで、通信衛星ムグンファ2号発射の前日、韓国人関係者たちは衛星が無事軌道に乗ることを祈願して、ブタを屠って韓国式祭祀を行った。95年は失敗したのだが、その時は祭祀のおかげか完璧に成功した。

・今回のナロ号発射までには、現地で寝泊まりしているロシア人科学技術者160余人の中にはヒャンスビョン(향수병)にかかっている人もいる。
 ヒャンスビョン=郷愁病、つまりホームシックですね。
  ※ヌルボは、詩人鄭芝溶の代表作「郷愁」を「香水」(スペルは同じ)と誤解して、ヘンな詩だなと思ったことがあります。

・韓国人チームも2002年以後休暇を返上して準備してきて、ある研究員は重要なテストを終え何とかセンターを脱出し翌日の結婚式に臨む。同僚たちは作業服のまま式にかけつけた。

 ・・・まあ、感動的なイベントの報道にはつきもののネタという感じですね。「ブタを屠って」は別として・・・。

 一方、とくに19日の発射中止後、パートナーのロシアに対する疑念の声も大きくなっているようです。
 
 1段ロケットはロシア側が非公開で設計・製作・試験し納品し、発射場でも許可なく接近するのは禁止で、韓国側への技術移転はなし。これで「韓国のロケット」といえるのかとの声も内外からあるようです。 「ロシアが新型ロケット<アンガラ>を、韓国の費用負担で試験発射しようとしている」との皮肉的な見方も、別のサイトで紹介されていました。

 この「東亜日報」のコラムでは、「結局技術従属の悲しさに帰着する」と述べ、「米国、フランス、日本等、宇宙先進国もロケット発射で手痛い失敗を何度も味わったというが、それをもって慰めとするしか・・・」と自嘲的な書きぶり。

 ・・・で、今日の午後5時。結果は一応「打ち上げ成功!」。
  ※<一応>というのは、衛星の分離が遅れて予定の軌道に乗れなかったため。<部分失敗>と伝えられているようです。
 
 しかし、韓国のマスコミも国民の皆さんもこんなに盛り上がっているんですねえ。「チョンマル キブン チョッスムニダ!(実にいい気分です!)」とか、KBSラジオで感動の声をあげている人もいました。

 ひるがえって日本をみると、今<宇宙>とか<人工衛星>とか聞いて、わくわくする人がどれほどいるんでしょうかねえ?
 昔と違って、<ふつうのこと>の部類に入ってしまっている感じで、特に夢とかあこがれの対象でもくなっているのでは? またそれが韓国のように<国民の所願(ソウォン)>とされるとは、日本では<ありえない>のではないでしょうか?

★以下は8月26日の追記
26日付「毎日新聞」では8面[国際]の下の方に2段見出しで「韓国人工衛星 失敗 正常軌道に投入できず」と報道。本文34行の小さめの記事。韓国の人たちは、「世界が注目している」と思っていただろうなあ。
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昨日・今日・明日の出来事②  17年前とは<キョクセジカム>    

2009-08-24 23:50:23 | 韓国語あれこれ
 8月24日付「東亜日報」の社説は以下の3テーマ。①「今こそ民主化を越えて先進化へ進もう」、②「<南北協力進展>金正日委員長がまずやること」、③「한중 수교 17년,그날과 오늘의 격세지감」とあります。
 ③だけ原文にしました。韓国語学習者の皆さん、いかがですか? <격세지감>(キョクセジカム)って? これは<隔世の感>ですね。之が<지>(ジ)になる四字熟語はいっぱいありますね。<漁夫之利>とか、(あれ!? 2つ目がすぐ出てこない!) ・・・えーと<竹馬之友>とか<邯鄲の夢><水魚之交><他山之石><蛍雪之功>等々。辞書によると、なぜか連理の枝は<連理枝>、胡蝶の夢は<胡蝶夢>と<之>が抜けてますが・・・。これらのハングル表記は略。学習者の皆さん、自ら努力してこそ勉強になりますよっ!(・・・って、ヌルボが面倒なだけ。)
 で、③全体は「韓中修交(国交のこと)17年、その日と今日の隔世の感」になります。
つまり、17年前の1992年の8月24日に中韓の国交が樹立された、というわけですね。

 社説の内容を読むと、この17年で両国の貿易額は36倍に、相互投資額は94倍に急増したこと、中国内の韓国人留学生は約5万7000人、韓国内の中国人留学生は約4万4700人で、滞留留学生の国籍で各々1位を占めること、韓国経済に及ぼす中国の及ぼす影響力は米国や日本をしのぐまでになったことを挙げています。しかしそれに続けて、両国間の<頂上会談(トップ会談)>で中国は<戦略的同伴者>と言うが、<北>の核問題や、<北>に<急変事態>が起こった場合の中国の対応に疑問を投げかけています。そして「われわれは伝統的韓米同盟を強化すると当時に、中国と<윈윈하는>道を求めてこそ国益を極大化できるだろう」と結んでいます。

      ***  <ウィンウィンハヌン>道ってどんな道?  ***

 この<윈윈하는>、リアルタイムで、つまり今、ヌルボはわかりません! 辞書にもありません。
 苦しい時の韓国語ネット検索で、  →  ・・・・えっ、英語? <win- win>だって?? 韓国語にすると<상생>、そうか、<相生>。中国と韓国のどちらにとっても得になるような道、ということのようですね。ひとつ利口になりました。(って、歳のせいで日々ふたつ以上はアホになってるんでしょうが・・・。)

 さて、その1992年8月24日、私ヌルボはソウルにいました。
 前年の北朝鮮に次いで、2回目に訪れた外国が韓国でした。古代からの表玄関から半島に渡ることにこだわって下関から関釜連絡船に乗って釜山に上陸。その後釜山市内や扶余や独立記念館等を巡りつつ計5泊し、6日目にようやくソウルに入り、南大門近くの旅館で泊まった翌朝、当時の国立博物館(今はない、旧朝鮮総督府の建物)に向かって歩いて行く途中で、新聞社のビル(?)の電光ニュースで中国との「수교」の特報を大々的に流していました。
 当時のヌルボは「수교」の意味も全然わからないレベルだったので、分厚い民衆書林の「エッセンス韓日辞典」を引いたことを今も覚えています。今では電子辞書を肌身離さず(?)持ち歩いてますが・・・。(次々に登場する文明の利器に対しては概して「もういらんわい!!」と叫びたくなるヌルボではあるが。)
 
 私自身にとっても、この17年は、まさに<キョクセジカム>であります。
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昨日・今日・明日の出来事①  国葬と宗教との関係など

2009-08-24 23:48:46 | 韓国の時事関係(政治・経済・社会等)
 ウェブサイトではなく、今日付けの「東亜日報」を手に取ると、1日分の情報量の「重さ」を実感します。
 ざっと眺めただけでも、興味深い記事がいくつも目にとまります。
ということで、今日は3つに分けて載せることにします。あ、時間がないから3つ目は明日に回しますね。

 昨日23日は金大中元大統領の国葬。汝矣島(ヨイド)の国会議事堂前広場には遺族と政府関係者、歴代大統領(といっても全斗煥と金泳三の2人だけですが)、12ヵ国(11ヵ国という報道もあるゾ)の政府代表等が参列。市民約1万5千人が集まった、というのは警察発表で、「東亜日報」「韓国日報」等には「歴代の国葬・国民葬中、史上最大規模の2万余人が見守る中・・・」とありました。
 全斗煥の参席は、私ヌルボとしては「ムムムッ」という感じ。去年、光州事件犠牲者の遺児たちが青年となって、親の敵(かたき)の全斗煥の命を狙う、というカンプル作の迫真の群像劇画「26年」を読んだ印象が強く残っていたからです。

 午後2時に始まった永訣式は、愛国歌演奏と黙祷、故人の略歴報告のあと、葬儀委員長韓昇洙総理以下の弔辞が続きました。
 で、その後ですが、<4つの宗教>が順にそれぞれの葬礼儀式をとり行った、というわけです。

 日本で国葬とされたのは、過去伊藤博文、山県有朋、松方正義、西園寺公望、吉田茂の5人だけです。戦後は1967年10月31日日本武道館の吉田茂の一例だけで、その時は宗教色を排した形式で行われました。
 ※1967年はヌルボの浪人時代です。県立図書館で勉強していた浪人仲間は、正午に図書館員が「黙祷をお願いします」と言ったことを憤慨していました。

 金元大統領の国葬はというと、上記のように<4つの宗教>で儀式とのこと。日本では上記のように政治と宗教の分離が図られるのに対し、韓国は4つの代表的な宗教を式の中に位置づけることで中立を図るということでしょうか。ちなみに金元大統領はカトリックの信徒で、洗礼名は<トマス・モア>(!)なんだそうです。

 さて、ここで皆さんに質問! 「Q.<4つの宗教>というのは、カトリック(=天主教チョンジュギョ)の他は何でしょうか?」
 ・・・・永訣式での順序にしたがって正解を並べると、カトリックの次が「仏教(ブルギョ)」。<アジェアジェパラアジェ>と般若心経を唱えてました。続いて「プロテスタント(=基督教(キドククョ)」。ここまではいいとして、むずかしいのは4番目ですね。正解は「円仏教(ウォンブルギョ)」です。
 円仏教は、1916年に朴重彬(パク・ジュンビン.1891~1943)が創立した宗教ということですが、それ以上のことは私ヌルボもよく知りません。永訣式の儀礼は、(ラジオの音声を聞いたかぎりは)仏教的といえばいえるが、もっと現代的な雰囲気というか・・・、まあ興味をお持ちの方はご自身でお調べください。

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ウメギの思い出

2009-08-23 22:13:27 | 北朝鮮のもろもろ
 ウメギ(우메기)もふつうの辞書には載っていない言葉です。

 私ヌルボの初めての外国旅行の行く先はどこだったかというと・・・
 ヒントは、「新潟から船に乗って行きました」。
 すると、「韓国」「中国」「ロシア」等々、けっこういろんな答えが返ってきます。「フィリピン」とかもありました。「ロシア」は、実際に新潟から船が出ているので、当たらずといえども遠からず。最近、束草(ソクチョ)~新潟~トロイツァ(中国・吉林省の琿春(フンチュン)に近いロシアの町)という航路が開かれたとのことです。
※「国際定期航路INTERNATIONAL LINES」のサイトはおすすめ。

 ・・・・で、正解は北朝鮮なんですね。このサイトの訪問者の皆さんは正答の方が多いのではと思います。

 パスポートの北朝鮮例外条項がなくなった1991年だから、もう18年経ちました。金日成の時代に終止符(마침표.マッチムピョ)が打たれる前に見ておきたいと思い、ぬわんと、8日間で約30万円(!)という代金を支払って(涙)行ってきたというわけです。

 もうずいぶん前のことになりましたが、今でもいろんなことが印象に残っています。今後、小分けにして紹介していこうと思います。

 まず食べ物の話。先日、ある在日の人に「1991年に<共和国>に行ったんですよ」と言ったら、「経済的に厳しい時に行かれたんですねえ」とのこと。※北朝鮮及び「北」系の人は北朝鮮のことを<共和国>と言います。私ヌルボは迎合的に相手により使い分けてる。
 飢餓の状況が深刻化したのはもっと後だったのでは?とも思いますが、たしかに食料事情の厳しさは(アチラの基準では)大名旅行のわれわれの料理からもうかがわれました。

  ***  カレーライスの味も忘れがたいが・・・・  ***
 
 高麗時代の古都開城(ケソン)に行った時出されたカレーライスは忘れられません。「日本の方はカレーライスがお好きだと聞いたので作りました」というその味は、なんというか、キョーレツで・・・。特にご飯は色からしてネズミ色。カビ臭いというか・・・。一匙でやめるのも失礼と思い、二匙目まではなんとか食べたのですが、それが限度でした。
 ただ救いは食後の菓子。(当時は知らなかった)伝統菓子の薬菓(ヤックァ)の一種なんでしょう。けっこう美味しくて、「イゴッ、ムオラゴハムニッカ?(これ、何といいますか?)」とたどたどしく聞いたら、食堂のアガシがニッコリ微笑みながら「<ウメギ>ラゴハムニダ」と教えてくれました。
 平壌に戻って、ディナーの時に隣の人(政府関係者?)にウメギの話をしたら彼はウメギを知らず、ウェイターを呼んで「ウメギを知ってるか?」と尋ねたところ、「魚じゃないか、と言ってる」などとトンチンカンなやりとりが続きました。
     

 冒頭で「ふつうの辞書には載っていない言葉」と書きましたが、韓国語でネット検索すると、韓国の料理サイト中などにはちゃんと紹介されていました。
 そればかりか、日本語の「ウメギ」でもヒットするではないですか!
 NHK-BSで2008年放送した「アジア・クロスロード」という番組では、その作り方も紹介してるんですねえ。(韓国のサイトでは焼酎を用いているが、コチラはマッコリです。)
 あの当時、平壌の人も知らなかったウメギを、今NHKで、ねえ・・・・
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知られていない韓国の代表作家たち  お寒い翻訳状況

2009-08-22 13:35:18 | 韓国の小説・詩・エッセイ
金大中元大統領の逝去後、韓国の主要ウェブサイトではサイバー弔花を添えた特製ロゴが掲げられている。(下の画像)
 
 
 思い起こせば、彼の大統領時代以降、ドラマ・映画・音楽・スポーツ等々、さまざまな分野で日韓間の文化交流が双方向的に進んできた。
 しかし、出版文化については、日本→韓国という方向の文化流入が圧倒的で、とても双方向的とはいいがたい。日本のマンガやアニメの影響力はよく知られているが、ここでは小説について考えてみたい。

 韓国での日本マンガ占有率が約7割(?)。日本作家の小説の占有率はそれほどではないにしても、ライトノベルを中心にどんどん訳され、書店にたくさん並べられている。
 ※昨年だったか、ソウルの書店で小説上位20位までに奥田英朗の小説が4つも入っていた。私が彼の名を知った最初で、帰国してから読んだ。

     *** ネット投票 今年の1位作家は孔枝泳 ***

 しかし、韓国人の読む小説はやはり韓国作家の作品が多い。
 自国の文学や、作家に対する関心も決して低くはないと思う。
 韓国一のインターネット書店YES24が7月10~31日実施した「第6回ネチズン推薦 韓国の代表作家」が今月初めに公表された。
 オンライン投票45,984名中、13172票(17.8%)を獲得して1位に選ばれたのは孔枝泳(コン・ジヨン)。2位は10,162票(13.7%)の金薫(キム・フン)、3位は9,545票(12.9%)の李文烈(イ・ムニョル)だった。
 これとともに、「韓国の代表的若手作家」では、映画化されて話題となった「妻が結婚した」の朴賢煜(パク・ヒョヌク) が12,329票(18%)で第1位、キム・ピョラが7,344票(10.7%)で2位、金英夏(キム・ヨンハ)が5,780票(8.4%)で3位となった。
 YES24は、作家投票と併せて「2009韓国人必読書」の投票も行った。<詩部門>については後日述べる。<小説部門>では、1位には申京淑(シン・キョンスク)「オンマをお願い」が19,949票(26.7%)で1位、黄皙暎(ファン・ソギョン)の<宵の明星>が14,07票(18.9%)、孔枝泳「るつぼ」が6,501票(8.7%)、具竝模(ク・ピョンモ)「ウィザード・ベイカリー」が 3,054票(4.1%)で続いた。

 なお、この「ネチズン推薦 韓国の代表作家・若手作家」のこれまでの選定作家は以下の通り。

   代表作家           代表的若手作家
2004年 朴景利(パク・キョンニ)   金薫(キム・フン)
2005年 趙廷来(チョ・ジョンネ)   孔枝泳(コン・ジヨン)
2006年 朴婉緒(パク・ワンソ)    申京淑(シン・ギョンスク)
2007年 黄皙暎(ファン・ソギョン)  殷熙耕(ウン・ヒギョン)
2008年 趙世熙(チョ・セヒ)      鄭利玄(チョン・イヒョン)
2009年 孔枝泳(コン・ジヨン)    朴賢煜(パク・ヒョヌク)

 問題は、日本語に訳されているものが非常に少ない、ということだ。
20冊以上の作品が外国で翻訳・出版されている作家は以下の通りである。(2006年11月現在)
①李文烈(33冊) ②李清俊(イ・チョンジュン)(27冊)(2008年死去)  ③高銀(コ・ウン)(25冊)※詩人 ④黄皙暎(23冊)  ⑤朴婉緒(20冊)   

 この5人は日本でもそれぞれ訳書が出ている。黄皙暎が脱北少女を描いた「パリデギ」は、昨年刊行され、一部で注目されて、今も大きな書店では棚に並んでいるはずである。
 だが、これら韓国作家の名を知っている日本人はどれほどいるのだろうか?

 韓国ドラマの原作本などはそれなりに書店に並んでいる。が、未訳の名作はいくつもあるし、既訳の中にも注目されないまま絶版のうきめに合ってしまった作品も多い。

 私ヌルボとしては、私の知るかぎり、そんな隠れた名作を紹介していきたい。
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小島功「仙人部落」も・・・  韓国週刊紙「日曜新聞」の漫画を読む

2009-08-21 11:37:04 | 韓国の漫画
 韓国の新聞を置いている公立図書館はけっこうあると思います。ヌルボの近くの図書館では「朝鮮日報」を読むことができます。
 また、職安通りのコリアプラザ等では韓国の新聞が買えます。韓国語の勉強にもなり、韓国の今を知る手掛かりにもなります。
 「朝鮮日報」「東亜日報」「中央日報」の、いわゆる三大紙を読むことが多いのですが、先ごろ週刊紙の「日曜新聞」(일요신문)を見てみました。

 判形はタブロイド判と小さめですが、72ページとボリュームたっぷり。
 6月28日号を手に取ってみると、漫画も4つ載っています。ヌルボにとっては昔なじみの、小島功そのまんまの漫画が最初に目に入り、「これはパクリじゃないか!」とあやうく声を荒げるところだった(ハマトミョン하마터면~ポネッタ뻔했다)が、よく見ると、何のことはない、小島功の「仙人」そのものだったんですね。この漫画のエッチ加減が「日曜新聞」のオジサン度にマッチしてる感じ。記事内容や読み物類も日本の夕刊紙とその方面で共通してるしね~。

 ユン・ジュンファン(윤준환)の「水鉄砲(물대표.ムルデピョ)」は世相のネタを拾った4コマ漫画。
 8月10日号を「日曜新聞」のサイトで見てみると、夏休みネタですね~。
 いやいやながら両親に連れられて東海岸に海水浴に出かけた息子。現地の海岸で姿が見えなくなった。「海岸PC房(ネットカフェ)」でラーメンを食べながらコンピューターに熱中していた、というオチ。

 
 キム・ヨンソク(김영석)の「コトゥリ・チャトゥリ(꼬투리 자투리)」は「物事の由来・言葉の由来」とでも訳されるのでしょうか? ある言葉の語源を歴史的に説明するだけでなく、現代の政治等に結びつけたオチをつけたりしています。
 6月28日号は「ミョルチ(멸치)」=イワシの説明です。上はその1コマ。ヌルボはこの漫画で金泳三がチュソク(秋夕)の贈答品としてイワシを濫発していたということを知りました。この絵柄は韓国の伝統を感じさせます。
 ※ちなみに、他の歴代大統領のチュソクの贈答品は、全斗煥=人参、盧泰愚=現金、金大中=海苔、ということです。

 6月28日号の漫画には「社員 島(사원 시마)」も載っています。いうまでもなく弘兼憲史原作。堂々の5面続き。韓国紙は英字新聞のように左→右にページが進むので、右→左に進む日本の漫画は慣れていないとコマの流れにめんくらってしまいます。この号は「第13話 引き金(방아쇠)」だが、第14話は予告によると「ハチのムサシは死んだ(하치의 무사시는 죽었다)」。韓国の人たち、意味わかるのかしら??
コメント (4)
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