ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

①韓国文学②韓国漫画③韓国のメディア観察④韓国語いろいろ⑤韓国映画⑥韓国の歴史・社会⑦韓国・朝鮮関係の本⑧韓国旅行の記録

今後の記事の予定テーマ

2009-10-31 23:50:58 | お知らせ、その他いろいろ
 当ブログですが、韓国文化でもたとえば映画とか、本とか、最近のニュースとか、言葉とか限定していればもうちょっとラクだったかもしれませんが、ついつい欲張りにも「韓国文化の海へ」なんて茫漠としたタイトルにしてしまったばっかりに、ネタは種切れになるどころか、次から次に堆積してきちゃってます。
 山積み状態になっている自分の机のようです。(汗)

 記事としてupするからにはあまりいいかげんなままでもダメだし、と思ってメモ程度で保管しておくと、そのこと自体忘れてしまったりして、冷蔵庫の中でいつしか期限切れになってしまう食品のように、そのまま腐ってしまうネタもポツポツ・・・。

 で、この際、自分自身のメモも兼ねて、そのうち記事にしようと思っているネタを予告編という感じで紹介しておきますね。
 近いうちに間違いなくupするネタもあれば、ずっと先になりそうなネタもあります。もしかしたらupされないままのものもあるかも・・・。

 また、上記以外で、当然その日の新聞や雑誌等からピックアップしたネタもけっこう入るでしょうし・・・。まあ一応そんなもんだとご承知おきください。

[最近の韓国内の問題]
・特目高校の改編問題
・世宗市をめぐる問題

[本や作家の紹介]
・<東アジア100冊の本>。
・児童文学作家李元寿について
・キム・リョリョン「ワンドゥギ」の感想
・ク・ピョンモ「ウィザード・ベーカリー」の感想
・張真晟「わたしの娘を100ウォンで売ります」と北朝鮮<苦難の行軍>当時の飢餓
・山野車輪の嫌韓本について
・鄭銀淑の本について
・朴裕河「和解のために」の読まれ方
・李御寧「「縮み」志向の日本人」は一級の日本文化論
・イザベラ・バード「朝鮮紀行」を読む

[韓国ドラマ関係]
・東北工程と高句麗、渤海関係の歴史ドラマ
・韓国ドラマを読み解く①「砂時計」

[韓国語]
・日本の旧かなと韓国語の発音
・同音異義の漢字語

[その他]
・日韓の姉妹都市
・日本の十六茶と韓国の17茶
・タ長調、カ短調とは? 韓国の音楽教科書
・朝鮮全土を歩いた農学者 高橋昇
・朝鮮を描いた画家 加藤松林人
・囲碁の国際化と用語統一の問題
・申智愛等、韓国の女子ゴルファーについて
・「私たちの願いは統一」の歌について
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韓国語:<アクプロ>たちが打つ<肉頭文字>に<束手無策>って??

2009-10-31 13:29:21 | 韓国語あれこれ
 孔枝泳「るつぼ」を読んだ後、8月から休み休み読んできたク・ピョンモ「ウィザード・ベーカリー」、ようやく残り2割までたどりつきました。たぶん10日後くらいには報告できると思います。

 わからない単語は、話の本筋に関わらないかぎりはそのまま読み飛ばすようにしてますが、たまに気になる単語が出てきます。

 今日目にとまって調べてみたのは、コンピュータ関係の用語。

①「ホームページは平素より速い速度で<トゥレピック.트래픽>が超過した」。

 ふつうの韓日辞典はコンピュータ用語には弱いですね。手持ちの電子辞書にはありませんでした。
 まあ英単語だからなんとかわかります。日本ではもちろん<トラフィック>。お客さんですね。日本ではアクセス数というのが一般的では?

②「顧客の掲示板には、匿名(インミョン.익명)で<ユクトゥムンチャ.육두문자>を乱発するいたずらや誹謗の文が<束手無策(ソクスムチェク.속수무책)>で寄せられてきた」。

 <束手無策>はお手上げ状態のことでいいとして、問題は<ユクトゥムンチャ.육두문자>。
電子辞書の「朝鮮語辞典」にはなく、「プライム韓日辞典」の方にありました。意味は、
 「<肉頭文字>。猥談など卑俗なことをいう言葉」。

 この<肉頭文字>で検索すると、韓国のポータルサイトNATEの辞典中にあるのがみつかったのですが、あれれ? 日本語になってる! って、こんな日本語ないぞ!(皆さん、ないですよね?)
 さらに韓国サイトで語源を調べたところ、<肉頭>は、男性器のことだとか性行為のことだとかまちまちで、よくわかりません。
 <ユクトゥムンチャ>の用例を見ると、とくに猥談というわけでもなくて、<きつい悪口>というような意味で使われているようです。となると、たしかに性に関わる言葉が多くを占めることになるわけですが・・・。

③「たいていは面白半分でいたずらをする<アクプロ.악플러>たちだったが・・・」。

 <アクプロ>の<アク>はたぶん<悪>だろうと見当はつきますが、<プロ>って何?
とりあえず韓国サイトをいろいろ探った結果わかったのは、

(1)インターネット掲示板に書き込まれる意見・反論等すなわちreplyを<リプル.리플>という。
(2)悪口や侮辱等を含む、悪性の<リプル>を<アクプル.악플>という。<アク>はやっぱり<悪>
(3)<リプル>や<アクプル>を書き込む人をそれぞれ<リプロ.리플러>、<アクプロ.악플러>という。
(4)<アクプロ>の反対語が<ソンプロ(선플러)>=<善プロ>。

 ・・・ということで、結論として<アクプロ>を日本語に訳すと<悪質ネットユーザー>ってとこでしょうかねー。
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「週刊文春」 ポンジュノ監督「母なる証明」に高評価 ほか、韓国ネタ2つ

2009-10-29 16:00:11 | 韓国関係の雑情報
 木曜日はイルボン・アジョシ(日本のオジサン)の愛読雑誌「週刊文春」と「週刊新潮」の発売日。
 私ヌルボが購読している「週刊文春」の今号(11月5日号)は、いつもに増して興味深い記事が多かったです。
 その中で、韓国ネタを3つ紹介しましょう。

   === 「母なる証明」は期待できそう! ===

 <シネマチャート>は、映画関係サイトの「映画生活」等とともに、映画選定の重要資料にしています。
 明後日公開の「母なる証明」は芝山幹郎・おすぎが★★★★★、品田雄吉・中野翠・齋藤綾子が★★★★で計22個。今年ではクリントイーストウッド監督の「グラン・トリノ」の計24個、同じく「チェンジリング」の23個につぐ3番目(だと思います)。
 私ヌルボは、あまりおすぎとは合わない感じなんですが、彼は「圧倒的な力に強いられて瞬きもしないでスクリーンを見つめつづけていました。ウォンビンの成長に驚き、感動しました」とコメント。

   === 安重根記念行事をめぐるいろいろ ===

 2つ目の韓国ネタは、重みのない言葉をメディアでタレ流し続けている(たまにマグレ当たりもある?)勝谷誠彦の<「安重根」に燃えるソウル・ルポ>。

 10月26日のソウル・南山の安重根記念館前で開かれた国主催の記念式典のようすを伝えているが、勝谷はこのイベントが彼の没後100年(来年の3月26日)でなく、伊藤博文暗殺成功100年の日であることを調べて知って、「椅子から転げ落ちそうになった」と記しています。(驚いた後、「なぜそうなのか?」まで追及しない点が週刊誌。)
 そして鄭雲燦(チョン・ウンチャン)首相のスピーチ中の「安重根は世界に平和を悟らせた光であります」「韓国人の精神を世界に知らしめたのです」という言葉を載せて、「しかし、史実では伊藤は実は日韓併合に否定的な立場であって、彼が殺されたことがむしろそれを進めたとも言われている」とコメントをつけています。(そうだとしても、「ではなぜ?」と続かない・・・。)

 さらに勝谷は、安重根の銅像の除幕式が開かれた富川市へ。
1 億7千万ウォンをかけた銅像は当初ハルビンに建てられたが、その後撤去されて、3年8ヵ月もお蔵入りしていたとか・・・。(この辺の詳細はヌルボも知りませんでした。)
 韓国の前国会議員が「周恩来がかつて演劇で安重根の役をやったこともあったというのに、どうして中国は私たちの望みをかなえないのか」と声を張り上げるのに対し、「周恩来もさぞかし泉下で苦笑していることだろう」と勝谷は揶揄してますが、多角的な視点が持てないのはみんな(勝谷氏も韓国の多くの人たちも・・・)あまりかわらないように思えます。
 国内の少数民族を抑圧している中国政府が、被抑圧民族の<テロリスト>=<民族独立運動の英雄>を称えるわけはないのにねー。

※他民族を<理解>することが、双方(日←→韓、日←→中、韓←→中等々)にとっていかに難しいか、最近「戦争文学を読む」(朝日文庫)中のイ・ヨンスク、川村湊、成田龍一の3人の対話を読んで痛感しました。このテーマについてはいずれ記事にします。

   === やっぱり冬はチゲでしょう! ===

 3つ目の韓国ネタは、巻末グラビアの「ソウル海鮮鍋天国」。
 ナクチヨンポタン(タコのスープ)、センテチゲ(タラ鍋)、コッゲチゲ(ワタリガニのチゲ)&アグメウンタン(アンコウスープ)、ポッシャブシャブ(フグのしゃぶしゃぶ)、トォクヘサンモドゥムチゲ(海鮮チゲ)、チョゲタン(アサリのスープ)の美味しそうな写真を6枚載せて、それが食べられるソウル市内の食堂を紹介しています。
 ヌルボとしては、やっぱりチョゲタンですね~。和食(=日食(イルシク.일식)のしゃぶしゃぶを除くと、辛くないのはこれだけ。
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♪西洋の歌を韓国語で歌う♪ まず「ハッピー・バースデイ・トゥ・ユー」から・・・

2009-10-28 22:42:10 | 韓国の音楽
 もうだいぶ前から書店では来年の日記帳を売り出しています。
 まだ11月にもならないのに、ぼちぼち年末モードに入りかけています。

 暮れになるとクリスマス・ソングが街に流れるのは日本も韓国も同じのようです。
 10年以上前だったか、私ヌルボが初めて西洋の歌の韓国語版を聞いたのが「サンタが町にやってくる(Santa Claus Is Coming to town)」でした。
 ラジオで聞いたのですが、「サンタハラボジ(サンタおじいさん)ヌン なんとやら・・・」を除いて全然歌詞は聞き取れず。
 ただ、西洋由来のクリスマスで、当然サンタは白人というイメージがあったから、<サンタハラボジ>などと歌われると、何となくソン・ガンホみたいな(?)うさんくさい(??)サンタさんをイメージしてしまいました。
 ・・・ということを、ネイティブの韓国サラムに話すと、「日本語のクリスマス・ソングを聞いて、私もそう思った」と言ってました。たぶん西田敏行のような(?)あやしい(??)サンタを連想したかも・・・。

 今、韓国のサイトで「サンタが町にやってくる」の歌詞を調べると、タイトルは<サンタハラボジ ウリマウレ オシネ(&#49328;&#53440;&#54624;&#50500;&#48260;&#51648; &#50864;&#47532;&#47560;&#51012;&#50640; &#50724;&#49884;&#45348;)>で、歌の冒頭は次の通りでした。

 「ウルミョン アンデ ウルミョン アンデ /サンタハラボジヌン ウヌネドゥレン /ソンムルル アンジュシンデヨ」
 「울면 안 돼 울면 안 돼 /산타할아버지는 우는 애들엔 /선물을 안 주신대요 」(泣かないで 泣かないで /サンタおじいさんは 泣く子には /プレゼントは あげないんだって)

※この歌詞の続きや、「ジングルベル」「聖夜」等々、他のクリスマスソングの韓国語版を知りたい方はテグ・トリトリネ(대구・똘똘이네)さんのブログで見てください。

 カラオケでふつうに韓国の歌謡・ポップスが入ってる現在、幅広いレパートリーをお持ちの韓国語学習者の方も大勢いらっしゃるでしょうが、洋楽の韓国版はいかがでしょうか?

 まだこれからという方にぜひお薦めなのが「ハッピー・バースデイ・トゥ・ユー」です。
 日本では英語の歌詞でそのまま歌われていますが、韓国では(中国でも)翻訳して歌っています。
 映画だかドラマでも歌う場面を観たことがあります。

 歌詞は次のとおり。単純で覚えやすいし、曲に無理なくはまっています。
 あ、<センイル>の所は1拍ですよ。(英語歌詞だとハッピーと同じ長さ) <チュッカハムニダ~>は5拍、<サラン>は1拍、<ハヌン>は2拍です。

 「センイル チュッカハムニダ~ /センイル チュッカハムニダ~ /サランハヌン(   )エ /センイル チュッカハムニダ~」

 「생일 축하합니다 /생일축하합니다 /사랑하는 (   )의 /생일축하합니다」(誕生日おめでとう /誕生日おめでとう /愛する(   )の /誕生日おめでとう)
※(   )の部分には、祝う相手の名前を入れます。
★YouTubeで聴いてみるのが早いですね。たとえば、→コチラ
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韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績[10月23日(金)~25日(日)]

2009-10-27 21:54:45 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
     ★★★ Daumの人気順位(10月27日現在上映中映画) ★★★
                   (順位:映画名:評点:投票者数)

【ネチズンによる順位】

①国家代表(韓国)   9.6 (7541)
②飛べ、ペンギン(韓国)  9.4 (52)
③プラネットB-boy  9.4 (23)
④召命(韓国) 9.2 (132)
⑤ハバナ・ブルース  9.0 (27)
⑥ブラック  9.0 (942)
⑦エジャ(韓国) 9.0 (804)
⑧クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ 歌うケツだけ爆弾!(日本)  9.0 (45)
⑨クイーン・ロック・モントリオール 8.9 (53)
⑩ボーイA  8.8 (50)

 ③、「プレニットゥ・ビボイ(플래닛 비보이)なんて最初何かと思いましたよ。B-boyとはブレイクダンスを踊る人、つまりブレイクダンサー。まあこのトレーラー映像を見てみてください! 大阪・パリ・ラスベガス・ソウルといった世界各地ですごいダンスやってます! 実は韓国、ブレイクダンスはハイレベルなんですよ。

【専門家による順位】

①木のない山(韓国)  8.1 (6)
②アルジェの戦い  8.1 (5)
③ディストリクト9  7.6 (6)
④枯渇(韓国)  7.5 (2)
⑤掠奪者たち  7.0 (4)
⑥ブラック  7.0 (4)
⑦静かな混沌  7.0 (3)
⑧ララ・サンシャイン(韓国)  7.0 (1)
⑨国家代表(韓国)  6.7 (4)
⑩ボーイA  6.7 (4)

 ②、1966年作の往年の名作なのに韓国初公開。60年代(その後も)は軍事政権下で、この作品は上映禁止だったというわけです。それにしても遅いけど・・・・。たまに職安通りに行った時購入してる格調高めの映画週刊誌「シネ21」の724号の<must see>に掲載されてました。44年の時代を超えて「必見の映画として紹介できる」と激賞しています。
 ⑧が初登場。キム・アロン監督の昨年の作品。いかにも評論家好みの映画のようで情報に乏しいですが、「なあごの韓国映画大好き」というブログはさすがです。詳細はソチラ参照。

      
    【「グッドモーニング、プレジデント」のポスター】

   ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[10月23日(金)~25日(日)] ★★★
        「グッドモーニング、プレジデント」が初登場1位

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・封切り日・・・週末観客動員数・・・・・・累計観客動員数・・・・上映館数
1・・グッドモーニング、プレジデント(韓)・・10/22・・713,116・・・・・・・・・・・・・・・・823,886・・・・・・・・670
2・・ディストリクト9・・・・・・・・・・・・・・10/15・・・・・・・159,984・・・・・・・・・・・・・・・・・627,509・・・・・・・・307
3・・パンドラム・・・・・・・・・・・・・・・・・10/22・・・・・・・・・71,149・・・・・・・・・・・・・・・・・83,073・・・・・・・・・214
4・・ニューヨーク・アイラブユー・・・10/22・・・・・・・・・38,426・・・・・・・・・・・・・・・・・・46,489・・・・・・・・101
5・・私の愛 私の側に(韓)・・・・・・・・9/24・・・・・・・・・34,454・・・・・・・・・・・・・・・2,120,057・・・・・・・・267
6・・炎のように蝶のように(韓)・・・・9/24・・・・・・・・・33.342・・・・・・・・・・・・・・・・1,659,864・・・・・・・263
7・・アイ・カム・フロム・ウィズ・ザ・レイン・・10/15・・28,520・・・・・・・・・・・・・・・・・201,083・・・・・・・255
8・・釜山(韓)・・・・・・・・・・・・・・・・・・10/15・・・・・・・・・18,935・・・・・・・・・・・・・・・・・・146,018・・・・・・・208
9・・エジャ(韓)・・・・・・・・・・・・・・・・・・9/09・・・・・・・・・18,830・・・・・・・・・・・・・・・・・・189,806・・・・・・・161
10・・ナルト疾風伝 火の意志を継ぐ者(日) ・・10/22・・・18,107・・・・・・・・・・・・・・18,956・・・・・・・・74

 初登場1位はコメディ映画で、任期を終える半年前244億ウォンの宝クジ(韓国語でポックォン.복권.福券)に当たった庶民大統領(イ・スンジェ)、若くてハンサムな大統領(チャン・ドンゴン)、韓国初の女性大統領(コ・ドゥシム)と3人の大統領の物語を描く。第14回釜山国際映画祭の開幕作で上映されて話題になりました。
 3位は独米合作のSFホラー。「エイリアン」と「キューブ」と「ソウ」をミックスしたような映画だって(?)
 4位、世界の多くの監督が、9.11から復興したニューヨークを、<10の出会いが、恋になる>をキャッチコピーに、1話5分くらい(?)で描いた<ラブ・アンサンブルムービー>。岩井俊二監督も参加。日本公開は2010年2月とか。
 10位、このテの映画のファンは韓国にも多いようですね。
コメント (1)
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北朝鮮 150人に1人は政治犯収容所に・・・・

2009-10-26 23:32:25 | 北朝鮮のもろもろ
 先週、韓国政府発表による北朝鮮政治犯収容所の実態が報じられていました。
 当然ながら、韓国紙や「統一日報」(←在日による保守系日本語紙。統一教会とは関係ナシ)では詳しく伝えています。
 北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会>のサイトにもかなり詳しく載っていました。

 これらによると、北朝鮮には6ヵ所の収容所に総計政治犯約15万4000人が収容されているとのことです。
 これは北朝鮮住民のおよそ150人に1人が収容されている計算になります。

 6ヵ所の収容所の内訳は以下の通りです。

①14管理所=平安南道价川(1万5000人)
②15管理所=咸鏡南道耀徳(5万人)
③16管理所=咸鏡北道化城(1万5000人)
④18管理所=平安南道北倉(1万9000人)
⑤22管理所=咸鏡北道会寧(5万人)
⑥25管理所=咸鏡北道清津(5000人)

 これらの収容所は、北朝鮮では<管理所>とよばれていて、国家保衛部が管理しています。
 上記の中で、②15管理所=耀徳収容所は、一定期間を経て審査が通れば出所できる<革命化区域>ですが、その他の5ヵ所はすべて<完全統制区域>すなわち死ぬまで収容される終身収容所です。
(2014年2月11日の補足。現在ウィキペディアを見ると、「2013年、革命化区域がなくなり完全統制区域のみになったという証言あり」とある。)
※2000年まであった11管理所=平安南道天摩、21管理所=咸鏡南道端川、23管理所=咸鏡南道徳城、21管理所=慈江道東新の4ヵ所はその後閉鎖されたとのことです。

 北朝鮮の収容所の実態については、これまでハンナラ党が情報公開を要求してきましたが、金大中・盧武鉉政権は「南北関係を悪化させる」として拒否してきました。
 李明博政権になって、この16日、国会提出の報告書「北韓の政治収容所現況」として公表するに至ったというわけです。

 報告書によると、収容者は主に失脚した幹部や脱北者などで、また金日成・金正日を批判したり、政治批判の失言をした一般住民も多く含まれています。
 収容者は1日10時間以上の強制労働を課せられ、医療はまったく受けられず、食事も1日平均100~200グラムが配給されるだけ。食糧配給制を実施する北朝鮮の0~4歳の配給基準が234グラムであることを考えれば、生存そのものが危ぶまれる水準です。

 私ヌルボも、これまで何冊もの北朝鮮脱出者の手記を読みました。
 昨年刊行された申東赫(シン・ドンヒョク)「収容所に生まれた僕は愛を知らない」(KKベストセラーズ)はとくに衝撃的でした。
 著者略歴は以下の通りです。
 1982年11月19日、价川(ケチョン)14号管理所で収容者夫婦の息子として生まれ、囚人生活を始める。1996年11月、母と兄が脱出を企て失敗、公開処刑される。2005年2月、中国に脱北。2006年8月、韓国入国。

     

 この本に記された収容所の実態も、北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会>のサイトにくわしく載っています。

 日本でも、拉致問題に対して、安倍晋三元首相のような右翼的な政治勢力の声ばかりが大きく、逆に他の場面では<人権擁護>を訴えてきたはずの革新勢力の多くは「北朝鮮との国交正常化」の方を優先しているようですが、これは韓国内と同じ図式ですね。
 上記の<北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会>サイト内の記事も雑誌「正論」に掲載されたものとのことだし・・・・。

 李明博政権の場合も、このところ、進歩的メディアや労組等の反対勢力に対する露骨な弾圧を進めている一方で北朝鮮に対しては人権を語っているわけですから・・・・。

 自らの地位・権力活維持が大事の北朝鮮の権力層、「性急に統一を求めず、北朝鮮の経済水準が一定程度まで上昇するまで待つ」という韓国・李明博政権、朝鮮半島の現状を維持したい中国、朝鮮半島の政治的混乱はもちろん望まない日本・・・・。
 そんな中で、多くの北朝鮮の人たちは文字通り生存権でさえも持ちえず、今後も希望が見えない状況です。

 日本の保守勢力や、韓国の保守派の人たちとは別の観点から、つまり<国家>とか<国益>とか<安保>とかとは対極の、本来的な個々人の人権の観点から、何か新しい動きが出てきてほしい、と思うんですが・・・、と言ってるだけでは変わらないって?

※韓国の民間団体がやった、風船にビラと1ドル紙幣を結びつけて北朝鮮に飛ばすという作戦はかなり効果があったようですね。

[2014年2月11日の補足]
 以下は本ブログ中の関連記事です。
 →北朝鮮の強制収容所についてのアムネスティのアクション(上)
 →北朝鮮の強制収容所についてのアムネスティのアクション(下)
 →北朝鮮の地獄のような強制収容所から脱出したシン・ドンヒョクさんの話を聞きに行く
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在日韓人歴史資料館に行ってきました!

2009-10-26 22:21:17 | 韓国・朝鮮と日本の間のいろいろ
 韓国でいうところの<安重根義士の義挙>、すなわちハルビン駅での伊藤博文暗殺から今日がちょうど100年です。このところKBSラジオでも安重根関係のいろいろを放送していましたが、(中国が安重根義士に対して冷淡だとか・・・。)今日はやっぱり大々的。
 
 「毎日新聞」夕刊で、今日ソウルで開かれた記念行事を伝える記事に添えて、安重根の看守だった千葉十七の菩提寺の、宮城県栗原市・大林寺で法要が行われたこと、千葉が安重根から託された墨書が79年に韓国に返還されて国宝になっていること等が載せられていました。ここらへんが「毎日新聞」らしい。(?)

 話は全然かわって・・・
 韓国関係の料理店が多いといえば、現在では新大久保(職安通り)方面を思い浮かべる人が多いでしょうが、以前から在日の多い上野・三河島方面にも焼肉店等がたくさんあるし、また韓国大使館の近くの赤坂~麻布一帯には高級な店がいろいろあるようです。(私ヌルボは高級な店とかとはまず無縁なのでよくわからないのです。)
 そもそも麻布・赤坂方面自体、新宿・渋谷などと比べるとめったに行きません。

 しかし、二ノ橋にある、前の韓国文化院にはときおり行ったものです。
目的は、月1回開かれる韓国映画上映会。無料ということもあって、年3~4回程度は行きました。
 今でこそ地下鉄麻布十番駅(大江戸線&南北線)ができ、ずいぶん便利になりましたが、以前はホントに不便な所でした。

 今年5月11日に新しい韓国文化院が四谷に開館しました。
 地下鉄丸ノ内線・四谷三丁目駅から徒歩2分、特異な形態のすぐ目につく建物です。
 ・・・といっても、私ヌルボはまだ行ってません。(汗)
韓国文化院のHPによると、最初池袋サンシャインシティで開館したのが1979年。1995年以降麻布なんだそうです。
※韓国文化院のHP中の映画等のリスト、いろんな作品がそろってますよ!

    
       【真露とロッテの広告がいかにも韓国らしい】

 で、今年四谷に移ったといっても麻布の建物がなくなったわけではなく、現在は韓国中央会館別館になっています。
 その中に、今回見学してきた「在日韓人歴史資料館」があります。2005年11月に開設されたとのことで、知ってはいたのですが、訪れたのは今回(10月22日)が初めてです。

 何やら内装工事をやっていて、アレレ?と思ったのですが、入れました。
資料館はこの建物全体からみればほんの一部。3階に受付と資料室等があって、2階が展示室です。
 展示室も、思っていたよりもかなり狭い感じ。・・・とはいっても、展示資料一つひとつ見ていくと、貴重なもの、めずらしいものがいろいろありました。

 在日の人たちが昔用いていたものを寄付したと思われる展示物も多く、かつての苦しかった生活が偲ばれるというものです。

 展示室のドアから屋外テラスに出て、まず目に入ったのが巨大な鐘! 慶州にある伝説の鐘<エミレの鐘>のレプリカで、大阪万博の時韓国館に展示されたものとか・・・。

      
         【エミレの鐘は近くでみると、すごくでかい!】

 長い在日の歴史の中で、貴重な資料や記録、遺されるべき文化等々はまだまだ山ほどあるでしょう。そういった意味では、まだ完成途上の資料館ということでしょう。
 資料館のパンフ(「100年のあかし」や、図録「写真で見る在日コリアンの100年」を販売していたので、購入してきました。

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「母なる証明」等々 注目の韓国映画続々!

2009-10-25 22:18:58 | 韓国映画(&その他の映画)
     

 今後上映予定の韓国映画で、「これは観なくっちゃ!」という作品が急に目白押し状態になってます。
 とくに特集上映などでは上映回数も限られていて、ここで見逃すと今後観る機会はないのでは、というのもあるので、私ヌルボ自身の備忘録もかねて、ここで一通りあげてみます。

★まず一番の期待作は、今月31日公開のポン・ジュノ監督の「母なる証明」。
 物語はというと、陰惨な女子高生殺人事件の容疑者として拘束された息子トジュン(兵役によるブランク後ウォンビンが復帰!)の無実を信じて、韓方(漢方)薬店で働く母(<韓国の母>キム・ヘジャ)が一人で真犯人を追走していく、という話。
「殺人の追憶」「吠える犬は噛まない」「グエムル 漢江の怪物」と、ポン・ジュノ監督にハズレなし! 今度も大いに期待してます。
 この映画、23日の「毎日新聞」夕刊でかなり大きく紹介してました。
 その中で、前ソウル特派員の堀山明子記者が「韓国語でMother(母)とMurder(殺人犯)は、同じ「マダ(마더)」という発音とハングル表記になる。映画の原題は「Mother」だが、二つの境界が混然とするところに、この映画の本質があるのではないかと思う」と記しているのはナットク。

★これも間違いなく◎のつくであろう映画が12月公開の「牛の鈴音」です。
 東京での上映館は銀座シネパトス、シネマライズ、新宿バルト9。やっぱりねー。(個性的な映画館ばかり。新宿バルト9はちょっと保留だけど・・・。)
 今月18日、東京国際映画祭提携企画<コリアン・シネマ・ウィーク>として新宿ミラノ2でプレミア上映したのですが、私ヌルボは行けませんでした。観た人たちの感想がぼちぼちブログ等で出てきてます。やっぱり、すこぶる好評です。
 老いた農夫と、40年間飼った一頭の老いた牛との生と別れを描いたこのドキュメンタリー映画は、最初わずか6館でささやかに封切られましたが、口コミで評判が広がり、結局は300万人(約15人に1人)に達する大ヒットになりました。
 韓国での封切1ヵ月後の状況は<ジョンフンJohn-Hoonが好き!>というブログに詳しく記されています。

★11月14日(土)公開の韓中合作映画「きみに微笑む雨」はどうでしょうかねー?
 韓国でも今月10日に封切られたばかりの映画です。
 「八月のクリスマス」のホ・ジノ監督によるラブ・ストーリー。10年前、告白できないまま離れ離れになった韓国人男性(チョン・ウソン)と中国人女性(カオ・ユアンユアン)が再会し、愛を再燃させていく、という展開。

★11月21(土)~29日(日)の<第10回東京フィルメックス>の中で、韓国映画が2本あります。
 注目はクロージング作品の「サースト~渇き~」。今年のカンヌ映画祭で審査員賞受賞作です。原題は「コウモリ(パクチュイ.박쥐)」なんだけどなー・・・。監督は「オールド・ボーイ」のパク・チャヌク。ソン・ガンホはこんな役(説明略)をやるの!? 上映は有楽町朝日ホール(マリオン11F)で11月29日(日)16:40~のみ。
 他の韓国作品はコンペティション部門の「息もできない」1作だけ。これも有楽町朝日ホールで、11月23日(祝)18:10の1回だけ。
詳細はフィルメックスのサイトで見てください。

★10月31日(土)~11月6日(金)に、「東京フィルメックスの軌跡」というタイトルで、2000年の第1回以来の主要な作品11本が、シネマート六本木で上映されます。
 韓国映画では「地球を守れ!」と「シークレット・サンシャイン」の2本。
 「地球を守れ!」は11月2日(月)と4日(水)でどちらも13:00~。(フツーの社会人・学生は行けないよ~)。
 「シークレット・サンシャイン」は11月1日(日)19:00~と4日(水)16:00~。
 「地球を守れ!」は前「ビミョーな映画」と評しましたが、観る価値はあります。
 「シークレット・サンシャイン」、見逃した方はぜひ観ておいてください。チョン・ドヨンの演技に注目!

★11月21日(土)~30日(月)は<韓国映画ショーケース2009>です。
 上映映画については、CINEMATOPICS ONLINEのサイトの方が一目でわかります。
 その中身については、今後検討してみます。

★11月21日(土)~1月15日(金)はシネマート六本木で<韓流シネマフェスティバル2009>をやってます。
 注目は、初日の最初(10:30~)1回だけの特別上映作品「霜花店(サンファジョム)」。「国家存亡の危機の中、運命の愛に翻弄される男女3人を描いた歴史ロマン」で、韓国では300万人以上動員の大ヒットを記録しました。
 この映画で百想芸術大賞映画部門・最優秀演技賞を獲得したチュ・ジンモがオープニングゲストとして来場するようです。
 あと、私ヌルボとしては特集上映のキム・ギヨン監督の「下女」等3作品はこの際観ておかないと・・・。
 その他の作品は、これも<韓流シネマフェスティバル2009>のサイトで見てみてください。
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たるい展開に味がある<私映画> 「よく知りもしないくせに」

2009-10-24 14:46:38 | 韓国映画(&その他の映画)
       
 23日は3本の映画をハシゴ。2年ぶりくらいかな?
 それも全部韓国映画。10年ぶりくらいかも。
 六本木シネマート(「木浦は港だ」)からせっせか歩いて、東京国際映画祭会場の六本木ヒルズへ。

 観たのは<アジアの風>中の「よく知りもしないくせに」。
 開映前、近くの席で40代ほどの女性同士がおしゃべり。「これで28本目」とか「私もそれくらいかな?」とか「コンペティション部門は全部観たのよ」とか、いいなあ・・・。「招待券もらって・・・」とか、いいなあ。って、私ヌルボもウィークデイの午前から映画3本観られるからいいしゃないか(怒)と言われれば「ごもっとも」とうなずくばかりですが・・・。

 「よく知りもしないくせに」の主人公は注目の(?)映画監督ク・ギョンナム。映画祭の審査員として提川(チェチョン)に来て、映画の審査は二の次で後輩やら女優やらと酒を飲んだりケンカをしたり等々。これが前半。
 後半はその2週間後。先輩から呼ばれて済州島へ行き、学生相手に自作の上映と講演。そして先輩や学生、さらに昔の彼女とかと酒を飲んだりケンカをしたり等々。

 どうもこの映画、ホン・サンス監督の私小説ならぬ<私映画>のようです。 
 自作の上映後のQ&Aで、一女子学生が質問と意見を述べます。
 「全然理解不能です。ドラマ的展開もなく、教訓もメッセージもない」。監督が「観る人が観たままに・・・」などと答えると、さらに追い打ち。「謙虚でなく、無責任に聞こえます」。
 この場面、ホン・サンス監督自身の実体験のように思えます。この映画自体そうだし・・・。

 内輪ネタも一杯。映画祭審査員の言動とか、この東京国際映画祭の審査員諸氏も苦笑したりしたのでは?
 「監督にとって一番大切なものは何ですか?」なんて、実際何度となく質問されてるんだろうな?(少なくとも、プロのインタビュアーはこんな愚問はもうしないように!)

 「なぜ自分のことばかり書くの?」と聞かれて、「自分のことしかよくわからないから」と答える。その監督が、一方的な思い込みで昔の彼女に思いを伝えると、帰ってきた言葉が「よく知りもしないくせに」。(このセリフ、別場面でも出てきましたが・・・。)
 彼女は、「私のこと映画にしないでね」とも言ってましたが、結局映画にしちゃいましたね。(笑)

 主人公は一貫して感情をあまり表情に出しません。その代わり、所々で<内心の声>が入ります。
 この監督(劇中&ホン監督)、いつも周りの人たち、そして自分自身を第三者的に観察するのが習い性となっているようです。
その名前ク・ギョンナム(具敬(景?慶?)男.구경남)が、クギョン・ナム(구경남)=見物男に通じるのは意図的でしょう。(・・・と思い韓国サイトをいくつか見たら、やっぱりそのようです。)

 「ドラマ的展開もなく、教訓もメッセージもない」、たらたらした映画ではありますが、深いと言えば深い、おもしろいといえばおもしろい、予想外に(?)楽しめた映画でした。

※ホン・サンス監督の「アバンチュールはパリで」も今上映中ですね。(シネカノン有楽町2丁目、シネマ・ベティ) そんなに話題にはなってないようですが、これもたるそうな映画のようで・・・。シネマ・ベティは一応近所だし、そのうち行ってみようかな・・・。

※23日3本目の映画はやはり東京国際映画祭の中の「玄海灘は知っている」です。これについてはいずれ・・・。
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やっと観ました! 大正解◎のB級映画「木浦は港だ」

2009-10-23 23:48:23 | 韓国映画(&その他の映画)
     
 いやあ、あやうく見逃すところだった!
 六本木シネマートで、今日が最終日。それも10:50~の1回だけ!
 「木浦は港だ」ですよ~、・・・って、あんまり知られてないかも・・・。

 2005年に韓流シネマ・フェスティバルでちょっと上映された程度じゃないですか? 韓国では200万人が観たヒット作だったのに、韓流ファンの趣味に合わないと見られたのか、それっきりだったようで・・・。一応チャインピョは出てるんですけどね。(「星に願いを」とはちょっと(以上?)雰囲気は違いますが・・・。)

 内容はというと・・・・
 ソウルから麻薬犯罪を捜査のためにヤクザの街ともいわれる港町の木浦に潜入調査に訪れた刑事スチョル(チョ・ジェヒョン)。ヤクザになりすますし組長ソンギ(チャ・インピョ)の子分となり、麻薬取引を巡る組織内の陰謀をつかむチョルスだったが・・・
・・・・というあらすじだけだと、緊迫感漂うアクションかと思ってしまいますが・・・

 感想はというと、楽しい映画ですよ~。B級映画の魅力が一杯で・・・。
 なんといっても、いかにも韓国らしい<臭い>に満ち満ちているのが魅力!

 韓国料理の定番のコチュジャン(トウガラシ味噌)やニンニク。それに木浦の名物のホンオ(エイ←クサいので有名)とサンナクチ(生タコ←生きてるのを食べる。)
そんな臭くても美味しそう(?)な臭いだけでなく、一応ヤクザ(건달.コンダル)&刑事のアクション物だから血と汗の臭いもあり、コメディでもあるので、クサいギャグ(文字通りエンガチョ系の・・・)がてんこ盛り。

 郷土色も豊かで、ヤクザの人たちも当然ながら語尾に「~イン」がつく全羅道サットリ(方言)。「弟」のことは「トンセン(동생)」じゃなくて「トンサン(동상)」と言ってましたね。
 また木浦の観光ポイントの一つ、国立海洋遺物展示館の新安沈没船をしっかり宣伝したりして、ハハハ。

 こういう映画のDVDががレンタル店にもないというのはどういうわけ? 六本木シネマートでは客は4人しかいなかったが、そのうちの1人(知らない人)も「やっと観られた!」と言ってたし、皆さん満足そうだったですよ。
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1979年生まれのスエが「31歳」って・・・・(?)

2009-10-20 22:06:32 | 韓国・朝鮮関係の知識教養(歴史・地理・社会等)
     
       【(イ・ビョンホンさんは)そんな私を警戒してたみたいです】

 韓国MBCテレビ9月19日(水)放映の「黄金漁場」の録画DVDを見ました。
 ゲストが女優スエで、今回もカン・ホドン(강호동)がいろいろ興味深い話を引き出していました。本名はパク・スエだとか、2億ウォン貯めたら仕事をやめると約束したとか、弟が彼女を連れてきたので会ったら、その彼女がずっと硬直したままだったとか・・・。またスエ自身<涙の女王>といわれるそのままで、とくに靴修理の仕事をしていたというお父さんのことに話が及ぶとポロポロ涙を流したりしていました。

      
   【お父さんのことを話していて、泣いてしまった・・・・】

 さて、今回のテーマは上記のこととは関係なく、他の多くのブログ等で取り上げられてる「「夏物語」で共演したイ・ビョンホンさんに謝りたい」発言についてでもなく、彼女の年齢についてです。

 トークの冒頭で、スエさんについて、上記の本名等の紹介の他に、「1979年生まれ、31歳」が大声で叫ばれていました。それも字幕入りで・・・。
 まず日本だったら、女性の年齢についてこんな形でドカンと公表されたら、まず間違いなく当人は怒るし、裁判沙汰になるかもしれません。が、この番組ではスエさんはただ笑ってうなずいただけでした。

 それから、もしかしたらこの番組を視ていた日本人は「あれ?」と思ったかもしれません。
 「1979年生まれで、なんで31歳になるの?」という疑問です。ふつうに数えると29か30なのにね。

 つまり、韓国ではまだ<数え年(セヌンナイ세는 나이)が一般的なんですね。

 日本でも、昔は数え年がふつうでした。
 私ヌルボの世代だと、子供の頃は歳をきかれたら「満で8歳、数えで10歳」などと答えたりしていました。

 ところが今では<数え年>とは何なのかわからない、という人も増えているようです。

 簡単に説明すると、生まれた時が1歳、正月を迎えると全国民がプラス1歳となる、というのがその数え方です。
 したがって、大晦日に生まれた赤ちゃんは翌日(元日)にはもう2歳になっちゃいます。

 還暦というと、現在は満60歳のことと思っている人が大半かもしれませんが、本来的には数え年で61歳なんですね。たとえば十干・十二支の組み合わせでいえば今年2009年は己丑(つちのとうし)の年ですが、1949年(己丑)生まれの人が今年元日に数え年で61歳となり、生まれ年と同じ己丑年に還った、ということで還暦というわけです。

 新正月より旧正月がメインだったり、旧暦に基づく秋夕(チュソク)が今も一大年中行事だったり、還暦(韓国では還甲(ファンガプ환갑)や古稀の祝いを盛大に祝ったり、韓国は(中国も同様ですが)まだまだ伝統が日常生活の中に生きてますねー。
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韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績[10月16日(金)~18日(日)]

2009-10-20 21:14:56 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 17日から東京国際映画祭が始まりました。
 韓国映画では、これまでこのブログで紹介した「キングコングを持ち上げる」「よく知りもしないくせに」の2作が<アジアの風>の中で上映されます。
 また兪賢穆(ユヒョンモク)監督追悼上映ということで「誤発弾」(1960年)も。17日(土)だけの上映なのでもう終わってしまいました。韓国の戦後映画史上の名作ということでDVDがあると思います。(アマゾンでは今は在庫ナシ。) 「誤発弾」にはチェ・ミンスの父のチェ・ムリョンや子役時代のアン・ソンギも出演しています。
 その「誤発弾」等のカメラマン金学成についてのドキュメンタリー「2つの名前を持つ男/キャメラマン金学成・金井成一の足跡」も18日(日)上映されたのですが、私ヌルボはうっかり見逃してしまいました。残念!
 過去の名作でもう一本「玄海灘は知っている」(1961年)も上映されます。21日(水)13:30~or23日(金)21:10~TOHOシネマ六本木ヒルズです。これについては観た上でコメントします。

韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績[10月16日(金)~18日(日)]

     ★★★ Daumの人気順位(10月20日現在上映中映画) ★★★
                   (順位:映画名:評点:投票者数)

【ネチズンによる順位】

①国家代表(韓国)   9.6 (7522)
②飛べ、ペンギン(韓国)  9.4 (48)
③クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ 歌うケツだけ爆弾!(日本)  9.2 (42)
④召命(韓国) 9.2 (132)
⑤ハバナ・ブルース  9.0 (26)
⑥エジャ(韓国) 9.0 (797)
⑦ブラック  9.0 (938)
⑧クイーン・ロック・モントリオール 8.9 (53)
⑨ディストリクト9  8.8 (414)
⑩ボーイA  8.8 (50)

 ⑨が新しく入ったくらいで、先週とあまり変わってません。
 ②は国家人権委員会が制作した人権映画にしては(?)高評価ですねー。


【専門家による順位】

①木のない山(韓国)  8.1 (6)
②アルジェの戦い  8.1 (5)
③ディストリクト9  7.6 (6)
④サイレント・ウェディング  7.5 (5)
⑤枯渇(韓国)  7.5 (2)
⑥掠奪者たち  7.0 (4)
⑦ブラック  7.0 (4)
⑧静かな混沌  7.0 (3)
⑨ボーイA  6.7 (4)
⑩国家代表(韓国)   6.7 (4)

 ①、以前このブログで「韓国映画「木のない山」の一般公開を期待」という記事を書きましたが、その後も公開のうわさはないようですね。
 ②は1966年ジロ・ポンテコルヴォ監督がアルジェリア独立戦争を描き、ベネチア映画祭でグラン・プリを獲得したという往年の名作。
 ③、大型SF娯楽映画と思ったら、順位は専門家の方が上なんですね。
 

   ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[10月16日(金)~18日(日)] ★★★
        ダントツ1位は米SF「ディストリクト9」  日本公開はいつ?

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・封切り日・・・週末観客動員数・・・・・・累計観客動員数・・・・上映館数
1・・ディストリクト9・・・・・・・・・・・・・10/15・・・・・・・・・242,489・・・・・・・・・・・・・・・・・288,668・・・・・・・287
2・・アイ・カム・フロム・ウィズ・ザ・レイン・・10/15・・83,840・・・・・・・・・・・・・・・・・108,851・・・・・・・201
3・・炎のように蝶のように(韓)・・・・9/24・・・・・・・・・76,799・・・・・・・・・・・・・・・・1,564,089・・・・・・・262
4・・釜山(韓)・・・・・・・・・・・・・・・・・・10/15・・・・・・・・・76,390・・・・・・・・・・・・・・・・・・・91,555・・・・・・・242
5・・私の愛 私の側に(韓)・・・・・・・・9/24・・・・・・・・・75,979・・・・・・・・・・・・・・・・2,027,076・・・・・・・269
6・・サロゲート・・・・・・・・・・・・・・・・・10/01・・・・・・・・・53,827・・・・・・・・・・・・・・・・・753,827・・・・・・・206
7・・チョン・スンピル失踪事件(韓)・・10/08・・・・・・・51,960・・・・・・・・・・・・・・・・・275,896・・・・・・・238
8・・エジャ(韓) ・・・・・・・・・・・・・・・・・9/09・・・・・・・・・46,450・・・・・・・・・・・・・・・・1,819,301・・・・・・・226
9・・きみに微笑む雨(韓)・・・・・・・・10/08・・・・・・・・・42,978・・・・・・・・・・・・・・・・・244,720・・・・・・・259
10・・国家代表(韓)・・・・・・・・・・・・・・7/29・・・・・・・・・24,766・・・・・・・・・・・・・・・・8,051,247・・・・・・127
※このデータの出所はKOFICです。

 いきなりダントツ1位は8月に全米公開され大旋風を巻き起こしたという映画ですが、社会的風刺をも込めた、知的なSFとのことで、各メディアの評価も非常に高いそうですよ。南アフリカ・ヨハネスブルグに円盤が飛来するんだそうな・・・。しかし、日本公開はいつになるんだ? 韓国に比べて日本が遅い理由を追及しなけければ・・・って、前にも書いたっけ?
 2位は日本では6月にすでに一般公開。韓国題は「私は雨とともに行く」。イ・ビョンホンとキムタクが共演ということで注目されたフランス映画ですが、日本での評価はイマイチ、かな? 釜山映画祭で特別上映されたのですが、その際(今月9日)キムタクが現地に行ってビョン様と友情の再会をしたこと等が報じられて、韓国では日本よりも注目度が高いようです。
 4位、賭博で負けて、唯一の家族の息子までも捨てて鉱夫人生を送っていた男ガンスは、ある日息子が(   )ということを知り、初めて父親らしいことをしようと、18年間隠していた(   )という真実を・・・、という(??)釜山の裏町の、ざらついた世界に生きる3人の男たちの物語。
 9位、日本では11月14日からシネマスクエアとうきゅう等で公開。
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「登壇」って何なの? 韓国の小説界が抱える問題

2009-10-19 17:55:13 | 韓国の小説・詩・エッセイ
 10月6日の記事「韓国で人気の小説 韓国の作品は約2割」の末尾で、「なぜ韓国の小説があまり読まれないか、その背景について考えてみます」と記しました。
 今回は、その点の考察です。

 私ヌルボが韓国の小説家や詩人の紹介文を見る度に気になっていた言葉<登壇(등단)>です。

 たとえば、「1970年、朴婉緒(パク・ワンソ)は40歳で「女性東亜」の女流長編小説公募に「裸木」が当選して登壇した」とか、「黄皙暎(ファン・ソギョン)は1970年「朝鮮日報」新春文芸に「塔」が当選して登壇した」のように用いられます。

 つまり、<登壇>とは文壇に登る、という意味なんですね。

 かつては日本でも<文壇>というものがあって、<文壇作家>という人たちがいて、<文士劇>などというオアソビ(?)なんかもやっていましたが、現在では、多様な年齢層の、多様な経歴を持つ作家が、多様なジャンルの作品を世に送り出しています。そして数多くの文学賞が彼らのデビューに大きな役割を果たしています。

 ところが、どうも韓国ではそのデビューのワクが限定されているようなんですね。伝統ある新聞等が主催する新春文芸賞に入選すること(=登壇)がまず作家としてのステイタス確立の第一歩というわけです。
 しかし近年、この韓国の文学世界、出版界の<しきたり>が曲がり角を迎えているというのが共通認識になってきています。
 とくに1990年代以降の、激しい社会の変化に対応しきれていない、ということです。

 たとえば、韓国のベストセラー中で多数を占める韓国以外(日本を含む)の小説は、奥田和朗や東野圭吾のような軽く読めるエンタメが主流です。純文学でも、村上春樹に代表されるように、都会を舞台にした、1人または少人数で暮らしている青年を主な登場人物とした、軽い感覚の小説がよく読まれています。江國香織しかり、吉本ばななもしかり・・・。

 東アジアに広く見られる村上春樹現象について、藤井省三先生は「村上春樹の中の中国」(朝日選書)で<経済成長踊り場法則>を提示しています。中国語圏では彼の作品は台湾→香港→中国の順に約十年の時間差で紹介され、ヒットしていったが、これは各国の経済発展が急成長を経て踊り場状態に達した段階に相応している、というもの。
 また村上春樹は消費神話の背後にある都市生活の孤独と無力感を小市民の目線で描くことに長けているが、そのような情緒は政治の季節の後に体験する疲弊と挫折に誘発されやすい。つまり<ポスト民主化運動の法則>という法則も読み取れる、ということです。
※この点については、毎日新聞の書評欄を参考にしました。

 つまり、韓国でも1990年代に入って経済成長は踊り場を迎え、政治的にも文民政権の成立で80年代の民主化運動の季節は過去のものになったわけですが、そのような新しい時代にマッチした小説がまさに村上春樹だったのですね。

 一方、韓国の小説はというと、80年代までは小説も詩も政治・社会を題材とした作品が主流でした。90年代以降になると、たとえば申京淑(シン・キョンスク)のような個人の内面を緻密に描く作家が<登壇>し、よく読まれるようになりました。
 今でも今年大ベストセラーになった申京淑の「オンマをお願い」のように読まれてはいるのですが、ある韓国の文学評論家によれば、世界的にみた場合の韓国文学の弱点として、多くの小説が「主人公≒作者となっている」点をあげています。そういえば申京淑も朴婉緒も、孔枝泳(コン・ジヨン)も呉貞姫(オ・ジョンヒ)も、みんなそうですね。
 それぞれに感動的で、おそらく過去の歴史を共有している多くの韓国人(とくに女性)は共感するところが多いと思われます。

 しかし、90年代以降の、とくに都市青年層の嗜好に合いそうなエンタテインメントとしての小説となると、韓国作家は非常に層が薄いとしかいえず、またその理由として先にあげた<登壇>の問題があるというわけです。

 今、韓国の出版界で求められているのは、一言で言えば「文壇外の大衆作家」ということになります。
 上記の<登壇>の問題や「軽い感じの小説は外国作品ばかり」という問題は、先月ソウル行きの機内で読んだ9月17日付の「東亜日報」<記者の目>のパク・ソニ記者の記事に記されていました。その後さらにいくつかの韓国のサイトを見て、かねてヌルボが感じていたことがわりとフツーの認識なんだな、と確認した次第です。

 なお、その「東亜日報」<記者の目>のパク・ソニ記者の記事中で、最近注目の次世代大衆作家として、SF小説「タワー」のペ・ミョンフン(배명훈)、今年の第1回マルチ文学大賞の大賞受賞作「絶望のグー」のキム・イファン(김이환)、コメディとロマンスを混合させた時代物「新文物検疫所」のカン・ジヨン(강지영)をあげ、また彼らが<登壇>ではなく、ウェブサイトで注目を集めた作家である点にも着目しています。
 パク記者は最後に、「大衆文学はまだ国内文学批評の対象から疎外されていて、作家群の形成も初期段階だが、最近の趨勢をみると外国文学の国内出版界蚕食状態をかえる大型作家がでないともかぎらないようだ。韓国のベルナールヴェルベールや奥田英朗を期待してみる価値はあるのではないか」と結んでいます。

 思うに、新しい文学賞として今年上記のマルチ文学大賞が創設されたり、2008年創作と批評社が昨年青少年文学賞を設け、受賞作が昨年の「ワンドゥギ」、今年の「ウィザード・ベーカリー」と連続してヒットしているのも現在の出版界の状況のなにがしかを反映しているようですね。
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韓国でも合い言葉は「自然」と「健康」  = 景福宮 カフェ<古宮トゥラク> =

2009-10-18 23:00:13 | 韓国旅行の記録
 韓国料理といえば、8割方はコチュジャンで真っ赤、激辛、匂いもキツイ! ・・・というのが定番で、韓国オタクを自任しつつも、食べ物の好みについては人柄同様穏やかな私ヌルボとしては、1日に3食韓国料理はキツイなー、というのが正直なところでした。
 とくに、生ガキにもコチュジャンをつけて食べているのを見た時には、人柄の穏やかな私ヌルボ(くどい!!)も、内心込み上げる憤りを抑えるのがやっとでした。

 ところが、どうもこの頃ようすが変わってきたのでは?と感じています。
そのキーワードは、<自然>と<健康>。

 9月に景福宮を訪れた時、とくに予定していたわけではないのですが、お腹が空いたので手近な所にあった景福宮敷地内の古宮博物館のミュージアムショップ兼カフェの<古宮トゥラク(고궁뜨락)>に入りました。

 メニューを見たら、伝統茶があったり、料理も韓国独自の物があるのですが、それがなんかフワ~ッとした感じで、いかにも韓国らしい<味も臭いもキョーレツ>の逆をいってるんですね。
 私ヌルボが食べたのが下の写真の<荷葉飯(ハヨプパン하옆반)>。
 もち米にクリや松の実、ナツメ等を入れて、ハスの葉でくるんで蒸したものです。(※その後ググってみたところ、荷葉飯は中華料理とのことです。)

     

 あとでこの<古宮トゥラク>の情報を集めてみると、2007年国立古宮博物館がリニューアルオープンしたときにできたカフェで、「昔、王様が食べていた食事メニュー。化学調味料は一切使わず、食べ物や自然調味料本来の味を活かして、現在の韓国料理に比べて味が濃すぎず、全体的にあっさりした味&強すぎない香りが特徴」とのことでした。
ソウル・ナビ等を参照。

 そこで思い出したのが、最近「地球の歩き方」等のガイドブックや韓国グルメサイト等で紹介されている明洞のお粥の店<味加本>。案の定シルバーウィークは行列状態だったようです。

 また今回ヌルボたちが韓国の方のご案内で訪れた新羅ホテル近くの<大長今>の韓定食も、順々に料理が出てくるフュージョンぽい韓定食で、やはりこれも同じセンを行ってるなと思いました。

 つまりは自然志向、健康志向ということです。

 グルメ以外で、これも同様かなと思っているのが女性の化粧やファッションについてです。
 ヌルボにとっては一番苦手な分野ではありますが、初めて韓国に行った1990年代前半は、たとえば同じ20代の女性でも、日本と韓国ではメイクの仕方がかなり違っていて、たとえば韓国ではルージュが濃く、衣服も色が派手めで、韓国女性の方が大人っぽく感じられました。
 ところが、その後韓国でもナチュラルメイクがふつうになってきたようです。

 以前紹介した「韓国ライバル企業列伝」中の、化粧品メーカー<アモーレ・パシフィック>vs<LG生活健康>の章を読むといろいろ興味深い関連記事がありました。

・2008年ロッテ百貨店1階の特A級売り場からシャネルが退き、かわって<アモーレ>のブランド<ソルファス(雪花秀)>が入ったのだが、売り上げはシャネルをむしろ上回っている。
・<ソルファス>は1997年韓方に基づいた化粧品として売り出されたもので、「東医宝鑑」中の身体によいとされる2万の成分中3千を選び、さらに30種を厳選して用いたとのことである。
・<ソルファス>というブランド名も、それまで一般的だったフランス語等によらないで、あえて韓国語から命名した。
・僕の猟奇的な彼女を紹介します(違うか・・・)のチョン・ジヒョンが髪を揺らめかせて「エラスティンしたわよ!」と叫ぶCMとともに、<LG生活健康>が2001年に発売したシャンプー<エラスティン>の発売によって、韓国内のシャンプー市場は「地殻変動した」。つまり、それまで生活用品とみなされていたシャンプーが化粧品というイメージに変わった、ということ。
・景気が沈滞する中で<LG生活健康>も危機に見舞われたが、<ビューティとヘルス>という製品概念を進めて危機に対処したという。
・<アモーレ>はまた、2000年にアイルランドの詩人イェーツの詩から命名した<Innisfree>を自然主義化粧品として売り出した。
・湖の島<Innisfree>に対する<LG生活健康>の側のコスメ商品はフランス語で緑の湖を意味する<LacVert>である。
・・・・等々、等々。

 つまりは、やっぱりこの10年の間に化粧品業界でも<自然>とか<健康>を売りにしてきたんですね。

 <健康>といっても、以前からあったような<精力をつけるゾォ~!>というような、「健康のためだったら命も惜しくはない!」(??)というような、パワフルな健康志向じゃなくてその反対。

 とくに日本・韓国にかぎらず、先進諸国の人たちの共通認識というか、合言葉というか、まあ世界的にそうなってるということなんでしょうねー。

予告:この記事の続編として、「<十六茶>のパクリだ!」とネット社会でよく取り沙汰されている韓国の<17茶>について近日中に記事をupします。
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韓国の進学成績最上位高校の現況 「特目高」・「自私高」が目立つ

2009-10-17 10:33:25 | 韓国の時事関係(政治・経済・社会等)
 昨日の記事で10月12日「朝鮮日報」が修能試験の高校別平均点の順位を、高校の実名入りで公開したことを紹介しましたが、その続報がいろいろ伝えられています。

 全教組&市民団体が資料を「朝鮮日報」に流したチョ議員を告発した一方、ハンナラ党はチョ議員の擁護を確認。李会昌自由先進党総裁も「学校間学力差公開は教育改革の出発点」と語ったとのことです。
 「朝鮮日報」は「アメリカは成績公開、フランスは順位も公開している」との記事を載せました。

 今後の展開が注目されます・・・・って、典型的な第三者的コメントですが・・・。

 韓国の進学熱は非常に高く、家庭の教育費負担も大きいことはよく知られています。
 進学率を見ると、たしかに中学→高校が99.3%、高校→大学が98.8%ですから、日本を上回る非常に(異常に?)高い数値になっています。

 韓国の高校は、大学進学を目的とする普通高校と、就職を目的とする実業系高校(商業高校・工業高校等)に大別されます。生徒数の比率はおよそ2:1ですが、近年は実業系高校からの大学進学者も急増しているとのことです。

 厳しい受験競争の背景として、政官界・企業で<学縁(ハギョン.학연)>の有無が採用や昇進にかなり大きく関わってくるという現実があるようです。

 「朝鮮日報」は、13日の紙面で政府が管理している<国家人材データベース>に収録されている各分野の専門家17万余人について、その出身高校を多い順に30位までのリストを載せています。10位までを挙げると次の通りです。
※( )の数字は人数。
①京畿高(2559) ②ソウル高(1528) ③慶北高(1496) ④全州高(1464) ⑤光州第一高(1308) ⑥大田高(1285) ⑦景福高(1107) ⑧釜山高(1074) ⑨晋州高(947) ⑩慶南高(936)

 韓国の学閥は、大学もさることながら、高校の同窓がかなりの重要性をもつとされています。
 上記の<名門高校>からソウル大学や、私学の名門延世大学や高麗大学に進むのが出世コースの定番だったわけです。

 ところが、1973年から<高校平準化>が進められていく中で、これらの高校も突出した名門校とはいえなくなってきました。
 この新聞記事でも、「伝統名門名門高校が上位に目立つのは、収録されている人物の大部分は平準化以前の50代以上であるため」と記しています。

 今年5月、国会教育科学委員会(日本の文教委員会に相当)所属のハンナラ党ファン・ウヨ議員に提出した最近5年間のソウル大合格者数の高校別順位は次の通り。

①ソウル芸術高(439) ②ソウル科学高(321) ③大元外国語高(311) ④漢城科学高(175)⑤仙和芸術高(171)⑥明徳外国語高(166)⑦国楽高(124)⑧韓国科学英才学校(117)⑨韓英外国語学校(106)⑩徽文高(100)
 (この中でソウル以外の学校は、釜山にある韓国科学英才学校だけです。)
 過去の名門高校はといえば、多い順に
京畿高(92)・ソウル高(67)・京畿女子高(45)・竜山高(41)・慶北高(39)・大田高(36)
・・・となっていて、毎年2ケタの生徒をソウル大に送りこんでいるのは京畿高だけとなってしまいました。

 かつての名門校に代わって、現在とくに目立っているのが○○外国語学校・○○科学高校等の名がついている<特殊目的高校(特目高)><自立型私立高校(自私高)>で、上記のソウル大合格者数でも、修能試験平均点でも最上位ランクの大半を占めています。
 旧来の伝統ある<一般高校>は、ソウルをはじめとする広域市では前述の<高校平準化>によってかなり進学実績は落ち込んでしまいましたが、教育ママたちの教育熱の焦点となっているソウルの江南地区にある徽文(フィムン휘문)高校・京畿(キョンギ경기)高校等はそれなりに高い水準を保っているといえるでしょう。
 なお、例の「朝鮮日報」掲載のリスト等によると、まだ平準化されていない地方では伝統校が高レベルを維持しているようです。

 さて、<特目高>とは、本来的には外国語・理科系・芸術系等、特定分野に重点を置いた高校で、予算面等でも優遇されたりして学力レベルの高い生徒が集まり、進学成績を急速に伸ばしてきたのですが、「結局進学優先の受験校になったじゃないか」との批判の声もあがっています。学校数は少ないですが、ソウル大合格者の18%を占めています。(昨年は16%)
 修能平均点で全国第1位と報じられた大元外国語高校は1983年で韓国初めて設立された外国語高校です。

 <自私高>とは、政府の支援金を受けず、独自の財政・独自の教育課程で運営している私立学校です。その分学費負担が大きく、<貴族学校>と批判されたりもしています。
 全国で7校と数は少ないですが、修能平均点で第2位となった民族史観高校(民史高)を見てみると、そのユニークさには驚いてしまいます。
 江原道にあるこの高校が目標として掲げるのは「民族精神で武装した世界的指導者の養成」です。
 生徒たちは皆寄宿舎で生活し、制服は韓服で、国語・国史・芸術・体育等の一部科目以外は授業でも生活の中でも英語のみの使用が原則。生徒が校則に反した場合は、教師ではなく生徒自治的に運営する生徒法廷で罰点を与え、罰点が累積すると「心得宝鑑」を書かねばならず、さらにひどい程度だとスペシャルトレーニング(体力鍛練)が科されるということです。
 東京ドーム27個分のキャンパス(!)を有し、授業料は韓国の高校で最高額という年約150万円、校長は元教育科学技術部長官(文部大臣)というだけでもオドロキです。 私ヌルボが中学生だったら絶対このテの高校は避けるところですが、な~んとこの学校、競争率がえらく高くて、150人の定員に17倍以上(2007年)もの志願者があったとのこと!

 上記の大元外国語高校や民族史観高校のような韓国でも最上位レベルの高校では、世界の大学ランクで87位(2008年)というソウル大学よりも上をめざすということで、10人以上の生徒がアメリカの名門大学に進学しているんですと。
 日本でも<受験戦争>という言葉が(何十年か前には)語られたことがありましたが、現在の状況は日韓でずいぶん違いがあるように思います。

[2014年5月8日の追記] 2014年度のソウル大合格者の出身高校に関する記事は→コチラです。
コメント (3)
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