▶今回の記事でまず注目の映画はフランス映画の「フルタイム」です。2人の子供を抱えて育児や仕事(それも遠距離通勤)で多忙な毎日を送っているシングルマザーが大規模な交通ストライキのためピンチに追い込まれて、まさに24時間フルタイム労働の状態に。一観客までハラハラ、ドキドキ、→予告編(韓国版)の字幕にあるように「手に汗を握る映画」のようです。
本作は<第78回ベネチア国際映画祭(2021)>のオリゾンティ部門で最優秀監督賞(エリック・グラベル)と最優秀女優賞(ロール・カラミー)を受賞しました。フランスに限らず、同じような状況にある働くシングルマザーは世界中に大勢いると思います。もちろん日本にも。そんな社会へのアピールという意味がこの賞に込められているのでしょう。この作品に関心を向けるのは私ヌルボ以外にも多数いるはずですが、日本公開が未定のようなのはなぜなのかな?
※国によって保育園や幼稚園の制度の違い(子供を預かる時間等)やシングルマザーへの公的支援等に違いがあります。フランスはその点日本より厳しいのかなと思いましたが、<フランス移住してみたら、子育て中の女性の7割がフルタイムで仕事をしていた。日本と何が違うのか?>と題したパリ在住のジャーナリスト吉田理沙さんが書かれた記事を見つけました。(→コチラ。) 多岐にわたって具体的に記されています。そして最後に次のようにまとめられています。
日本同様フランスでも、家事の負担割合は依然として女性の方が多く、「ワーママ」は息をつく暇もない。それでも、3歳児以降の教育と保育だけに焦点を当てれば、フランスのシステムは日本のそれよりずっとわかりやすく、母親の負担も圧倒的に軽い。フランスの幼稚園制度と学童の充実ぶりには、今でも狐につままれたような気分になる。
ふーむ、そうなのか・・・。
▶個人的にチラッと注目の韓国映画は「アウェイク」。たまたま同日公開の日本映画「CUBE 一度入ったら、最後」同様の密室脱出スリラーですが、私ヌルボ、菅田将暉・杏・岡田将生等々なかなかの俳優陣ながら観てなかったどころか認知さえしてませんでした。(なぜ ??) 今各映画サイトの評点を見ると案の定高くはなくて、いや低くて、やっぱりなーの感あり。この手の密室脱出スリラーの原点とされるのがヴィンチェンゾ・ナタリ監督の「キューブ」(1997)とのことですが、ミニシアターで社会勉強のような映画ばかり観てないで時にはこういう評点の低いB級映画を観るのも悪くないかも、と「チラッと」思った次第です。
★★★ NAVERの人気順位(8月24日(水)現在上映中映画) ★★★
【ネチズンによる順位】
※[記者・評論家による順位]とも①等の右の( )は前週の順位。評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。
①(1) トップガン マーヴェリック 9.77(40,119)
②(2) 名探偵コナン ハロウィンの花嫁(日本) 9.48(1,577)
③(3) しなやかに(韓国) 9.47(17)
④(10) モア(韓国) 9.42(212)
⑤(5) 劇場版サバイバルシリーズ
: 人体のサバイバル!/深海のサバイバル!(日本) 9.42(38)
⑥(4) アナタの顔(韓国) 9.41(153)
⑦(新) トゥーランドット 闇の王国(韓国) 9.36(14)
⑧(6) 詩人の歌、チョン・テチュン(韓国) 9.35(146)
⑨(7) 犯罪都市2(韓国) 9.34(27,203)
⑩(新) アウェイク(韓国) 9.31(16)
⑦⑩の2作品が新登場です。
⑦「トゥーランドット 闇の王国」は韓国のミュージカル。<トゥーランドット>といえばもちろん元はプッチーニのオペラ。韓国では2011年に創作ミュージカルが初演。2020年までに8回の公演が行われてきたとのことですが、オペラの場合と音楽がどう違うのかよくわからず。そこで本作の予告編(→コチラ)を見てみました。なるほど、です。実際に韓国でミュージカルの公演を観た方のブログ記事(→コチラや→コチラ)を読むとドチラも「すごくよかった!」との感想。アイドルグルーブ出身の歌手が多いとのことで、そうしたイケメンスターへの人気もあるのかな? なお、本作はトゥーランドット姫(ペ・ダヘ)、カラフ王子(ミン・ウヒョク)、侍女リュー(ヤン・ソユン)という配役。韓国題は「투란도트 어둠의 왕국」です。
⑩「アウェイク」は韓国の密室脱出スリラー。ハン・ソジン(イム・セミ)・28歳・水原。イ・ドンヒョク(ソン・ジル)・48歳・大田。チョ・ヘリン(ハン・ジウォン)・19歳・ソウル。年齢も違うし、住んでいる所も違う3人がどこかもわからない、1人がやっと横になれる窮屈な空間で目を覚まします。どうやってここに来たのかも分からず、拉致された時の記憶もありません。誰が、なぜ、どのようにして彼らをここに閉じ込めたのか? わずかな手掛かりは受信のみの携帯電話。この状況を設計した人物と一方通行ながら情報は得られそうです。そして壁越しに聞こえる他の2人との声のやりとり。各自が記憶をたどり共通点を見つけられれば脱出方法も見つかるかもしれませんがはたして・・・。原題は「어웨이크」です。※折しも日本版密室脱出スリラーの「CUBE 一度入ったら、最後」が韓国で本作と同日に公開されています。韓国経済新聞でこれら密室脱出映画の元祖と言うべきヴィンチェンゾ・ナタリ監督の「キューブ」(1997)も合わせて言及した記事がありました。(→自動翻訳) 私ヌルボ、どれも観ていませんが、それぞれにお国柄が反映されているようです・・・(って当たり前か。)
【記者・評論家による順位】
①(1) 別れる決心(韓国) 8.71(14)
②(-) ドライブ・マイ・カー(日本) 8.44(9)
②(2) トップガン マーヴェリック 8.44(9)
④(3) 偶然と想像(日本) 8.29(7)
⑤(5) 小説家の映画(韓国) 8.00(3)
⑥(6) アフター・ヤン 7.80(5)
⑦(4) NOPE/ノープ 7.67(9)
⑧(8) モア(韓国) 7.38(8)
⑨(新) フルタイム 7.33(9)
⑩(9) ベルイマン島にて 7.30(7)
⑨「フルタイム」が新登場です。フランスのドラマ。冒頭に書いたように<第78回ベネチア国際映画祭(2021)>のオリゾンティ部門で最優秀監督賞と最優秀女優賞を受賞した作品です。
ジュリー(ローレ・カラミー)はパリ郊外で暮らすシングルマザー。それも2人の子供(姉弟)をベビーシッターに預けてパリのホテルに長距離通勤しルームメイドとして忙しく働いています。家計は厳しく、離婚した前夫とは連絡が途絶えているうえ養育費も送られてきません。一方、融資を受けたお金の返済が滞っていると、銀行から督促の電話がかかってきます。そんなこんなで息の詰まるような毎日なのに、2人の子供もなかなか言うことを聞いてくれません。
それでも1人でなんとか支えてきた彼女の日常は大規模な交通ストライキのため最悪の状況に陥ります。公共交通機関の運行が止まり、彼女はヒッチハイク等さまざまな方法を試みるものの職場には遅刻を繰り返し、結局解雇の危機に立たされます。その上交通手段がないため帰宅時間が遅くなるとベビーシッターは怒って仕事を辞めると言い出します。ジュリーは職場の上司には内緒で出産前に携わっていた市場調査関係の会社の面接を受けようとしますが、誰も彼女と勤務を代わってくれそうにありません。こんな状況の中でジュリーの生活と心理状態は困難を越えて恐怖に陥ってしまいます・・・。韓国題は「풀타임」。日本公開は未定のようですが、なんで?
★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績8月19日(金)~8月21日(日) ★★★
「ハント」が2週連続1位だが、<夏の勝者>の座は難しい?
【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・上映館数
1(1)・・ハント(韓国)・・・・・・・・・・・・8/10・・・・・・714,746 ・・・・3,042,157 ・・・・・31,603・・・・1,579
2(2)・・閑山:龍の出現(韓国)・・・・7/27・・・・・・343,514 ・・・・6,711,674 ・・・・・68,716・・・・1,114
3(23)・・NOPE/ノープ・・・・・・・・・8/17・・・・・・157,970 ・・・・・・253,839・・・・・・・2,912・・・・・・971
4(4)・・トップガン マーヴェリック・・6/22・・・・96,695・・・・・7,865,812 ・・・・・84,103・・・・・・539
5(3)・・非常宣言(韓国)・・・・・・・・・・8/03・・・・・・・50,054・・・・・2,020,671 ・・・・・20,562・・・・・・578
6(6)・・ミニオンズ フィーバー・・・7/20・・・・・・・39,205・・・・・2,212,170・・・・・・21,452・・・・・・428
7(5)・・DC がんばれ!スーパーペット・・8/10 ・・33,318 ・・・・・・217,564・・・・・・・2,503・・・・・・436
8(7)・・オクトノーツの探検船大作戦・・8/11・・・12,928・・・・・・・・64,493・・・・・・・・・609・・・・・・198
9(9)・・別れる決心(韓国) ・・・・・・・・6/29・・・・・・・11,331 ・・・・1,845,542 ・・・・・19,141・・・・・・144
10(新)・・ブレット・トレイン ・・・・・8/24・・・・・・・10,153 ・・・・・・・10,777・・・・・・・・・132・・・・・・177
※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。
今夏の大作韓国映画の勝者は?と累計観客動員数を見ると「閑山:龍の出現」があの「鳴梁」には遠く及ばないものの1位になりそう。ただこの先「ハント」がどこまで数字を伸ばすか?といったところです。
3・10位の2作品が新登場ですが、3位「NOPE/ノープ」(韓国題「놉」)については1つ前の記事で紹介しました。
10位「ブレット・トレイン」はアメリカのアクション。伊坂幸太郎の小説「マリアビートル」が原作、ブラッド・ピットが主演ということで注目されています。日本では9月1日公開ということで私ヌルボも予告編を観ました。→公式サイト等々で諸情報が流されているので内容紹介等は省略します。韓国題は「불릿 트레인」です。
【独立・芸術映画】
順位 ・・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・上映館数
1(36)・・フルタイム・・・・・・・・・・・・・・・・・8/18・・・・・・・・・2,813 ・・・・・・・・4,771・・・・・・・・・・45 ・・・・・・・59
2(8)・・ノクターン(韓国) ・・・・・・・・・・・・8/18・・・・・・・・・2,204 ・・・・・・・・4,658・・・・・・・・・・37 ・・・・・・・48
3(新)・・破虜湖[パリョホ](韓国)・・・・・・8/18・・・・・・・・・1,385 ・・・・・・・・2,749・・・・・・・・・・24 ・・・・・・・46
4(1)・・幸運を祈ります、レオ・グランデ・・8/11・・・・・・・・・904・・・・・・・・・7,581・・・・・・・・・・74 ・・・・・・・34
5(4)・・サマーフィルムにのって(日本)・・7/20 ・・・・・・・・・880 ・・・・・・・30,406 ・・・・・・・・289 ・・・・・・・24
1・2・3位の3作品が新登場です。
1位「フルタイム」については上述しました。
2位「ノクターン」は韓国のドキュメンタリー。自閉症スペクトラム障碍のあるソンホは音楽だけは得意ですが母親のミンソがいなければ自分でひげ剃りもできません。ミンソはこれまでただソンホの音楽のためにすべてを捧げてきましたが、ソンホと同じくらい音楽を愛する弟のゴンギはそんな兄が大したものでもなく役に立たないと思っています。しかし、時間が経つにつれてソンホの音楽はますます輝いていきます。そしてゴンギは兄と母の人生で何かを発見することになります・・・。原題は「녹턴」です。
3位「破虜湖[パリョホ]」は韓国のスリラー。ドウ(イ・ジュンオク)は認知症の老母の世話をしています。そのため嫁を迎えることもできなかった彼は村で噂の孝行息子です。ところが老母が行方不明になると、人々は彼に疑いの目を向け、ドウの味方はただなじみの美容院院長(カン・マルグム)だけになります。しばらくして正体不明の男(キム・デゴン)が現れてドウの周りをうろつき、知り合いの喫茶店従業員の女性(キム・ヨンギョ)は突然謎めいた目つきと笑顔でドウを魅了します。疑うことで支配する者、そして疑われて支配される者。真実を飲み込むヒステリックな心理的追撃が始まり、破虜湖を背景に湖深く沈んだ真実の断面が徐々に明らかになっていきます・・・。原題は「파로호」です。※<破虜湖>は北朝鮮との軍事分界線に近い江原道華川にある湖で、太平洋戦争中の1944年に日本が作ったダムによってできた韓国最北端の人工湖。朝鮮戦争の際に中共軍に勝利を収めた後「蛮族を打ち破った湖」という意味のこの名前が付けられた。
本作は<第78回ベネチア国際映画祭(2021)>のオリゾンティ部門で最優秀監督賞(エリック・グラベル)と最優秀女優賞(ロール・カラミー)を受賞しました。フランスに限らず、同じような状況にある働くシングルマザーは世界中に大勢いると思います。もちろん日本にも。そんな社会へのアピールという意味がこの賞に込められているのでしょう。この作品に関心を向けるのは私ヌルボ以外にも多数いるはずですが、日本公開が未定のようなのはなぜなのかな?
※国によって保育園や幼稚園の制度の違い(子供を預かる時間等)やシングルマザーへの公的支援等に違いがあります。フランスはその点日本より厳しいのかなと思いましたが、<フランス移住してみたら、子育て中の女性の7割がフルタイムで仕事をしていた。日本と何が違うのか?>と題したパリ在住のジャーナリスト吉田理沙さんが書かれた記事を見つけました。(→コチラ。) 多岐にわたって具体的に記されています。そして最後に次のようにまとめられています。
日本同様フランスでも、家事の負担割合は依然として女性の方が多く、「ワーママ」は息をつく暇もない。それでも、3歳児以降の教育と保育だけに焦点を当てれば、フランスのシステムは日本のそれよりずっとわかりやすく、母親の負担も圧倒的に軽い。フランスの幼稚園制度と学童の充実ぶりには、今でも狐につままれたような気分になる。
ふーむ、そうなのか・・・。
▶個人的にチラッと注目の韓国映画は「アウェイク」。たまたま同日公開の日本映画「CUBE 一度入ったら、最後」同様の密室脱出スリラーですが、私ヌルボ、菅田将暉・杏・岡田将生等々なかなかの俳優陣ながら観てなかったどころか認知さえしてませんでした。(なぜ ??) 今各映画サイトの評点を見ると案の定高くはなくて、いや低くて、やっぱりなーの感あり。この手の密室脱出スリラーの原点とされるのがヴィンチェンゾ・ナタリ監督の「キューブ」(1997)とのことですが、ミニシアターで社会勉強のような映画ばかり観てないで時にはこういう評点の低いB級映画を観るのも悪くないかも、と「チラッと」思った次第です。
★★★ NAVERの人気順位(8月24日(水)現在上映中映画) ★★★
【ネチズンによる順位】
※[記者・評論家による順位]とも①等の右の( )は前週の順位。評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。
①(1) トップガン マーヴェリック 9.77(40,119)
②(2) 名探偵コナン ハロウィンの花嫁(日本) 9.48(1,577)
③(3) しなやかに(韓国) 9.47(17)
④(10) モア(韓国) 9.42(212)
⑤(5) 劇場版サバイバルシリーズ
: 人体のサバイバル!/深海のサバイバル!(日本) 9.42(38)
⑥(4) アナタの顔(韓国) 9.41(153)
⑦(新) トゥーランドット 闇の王国(韓国) 9.36(14)
⑧(6) 詩人の歌、チョン・テチュン(韓国) 9.35(146)
⑨(7) 犯罪都市2(韓国) 9.34(27,203)
⑩(新) アウェイク(韓国) 9.31(16)
⑦⑩の2作品が新登場です。
⑦「トゥーランドット 闇の王国」は韓国のミュージカル。<トゥーランドット>といえばもちろん元はプッチーニのオペラ。韓国では2011年に創作ミュージカルが初演。2020年までに8回の公演が行われてきたとのことですが、オペラの場合と音楽がどう違うのかよくわからず。そこで本作の予告編(→コチラ)を見てみました。なるほど、です。実際に韓国でミュージカルの公演を観た方のブログ記事(→コチラや→コチラ)を読むとドチラも「すごくよかった!」との感想。アイドルグルーブ出身の歌手が多いとのことで、そうしたイケメンスターへの人気もあるのかな? なお、本作はトゥーランドット姫(ペ・ダヘ)、カラフ王子(ミン・ウヒョク)、侍女リュー(ヤン・ソユン)という配役。韓国題は「투란도트 어둠의 왕국」です。
⑩「アウェイク」は韓国の密室脱出スリラー。ハン・ソジン(イム・セミ)・28歳・水原。イ・ドンヒョク(ソン・ジル)・48歳・大田。チョ・ヘリン(ハン・ジウォン)・19歳・ソウル。年齢も違うし、住んでいる所も違う3人がどこかもわからない、1人がやっと横になれる窮屈な空間で目を覚まします。どうやってここに来たのかも分からず、拉致された時の記憶もありません。誰が、なぜ、どのようにして彼らをここに閉じ込めたのか? わずかな手掛かりは受信のみの携帯電話。この状況を設計した人物と一方通行ながら情報は得られそうです。そして壁越しに聞こえる他の2人との声のやりとり。各自が記憶をたどり共通点を見つけられれば脱出方法も見つかるかもしれませんがはたして・・・。原題は「어웨이크」です。※折しも日本版密室脱出スリラーの「CUBE 一度入ったら、最後」が韓国で本作と同日に公開されています。韓国経済新聞でこれら密室脱出映画の元祖と言うべきヴィンチェンゾ・ナタリ監督の「キューブ」(1997)も合わせて言及した記事がありました。(→自動翻訳) 私ヌルボ、どれも観ていませんが、それぞれにお国柄が反映されているようです・・・(って当たり前か。)
【記者・評論家による順位】
①(1) 別れる決心(韓国) 8.71(14)
②(-) ドライブ・マイ・カー(日本) 8.44(9)
②(2) トップガン マーヴェリック 8.44(9)
④(3) 偶然と想像(日本) 8.29(7)
⑤(5) 小説家の映画(韓国) 8.00(3)
⑥(6) アフター・ヤン 7.80(5)
⑦(4) NOPE/ノープ 7.67(9)
⑧(8) モア(韓国) 7.38(8)
⑨(新) フルタイム 7.33(9)
⑩(9) ベルイマン島にて 7.30(7)
⑨「フルタイム」が新登場です。フランスのドラマ。冒頭に書いたように<第78回ベネチア国際映画祭(2021)>のオリゾンティ部門で最優秀監督賞と最優秀女優賞を受賞した作品です。
ジュリー(ローレ・カラミー)はパリ郊外で暮らすシングルマザー。それも2人の子供(姉弟)をベビーシッターに預けてパリのホテルに長距離通勤しルームメイドとして忙しく働いています。家計は厳しく、離婚した前夫とは連絡が途絶えているうえ養育費も送られてきません。一方、融資を受けたお金の返済が滞っていると、銀行から督促の電話がかかってきます。そんなこんなで息の詰まるような毎日なのに、2人の子供もなかなか言うことを聞いてくれません。
それでも1人でなんとか支えてきた彼女の日常は大規模な交通ストライキのため最悪の状況に陥ります。公共交通機関の運行が止まり、彼女はヒッチハイク等さまざまな方法を試みるものの職場には遅刻を繰り返し、結局解雇の危機に立たされます。その上交通手段がないため帰宅時間が遅くなるとベビーシッターは怒って仕事を辞めると言い出します。ジュリーは職場の上司には内緒で出産前に携わっていた市場調査関係の会社の面接を受けようとしますが、誰も彼女と勤務を代わってくれそうにありません。こんな状況の中でジュリーの生活と心理状態は困難を越えて恐怖に陥ってしまいます・・・。韓国題は「풀타임」。日本公開は未定のようですが、なんで?
★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績8月19日(金)~8月21日(日) ★★★
「ハント」が2週連続1位だが、<夏の勝者>の座は難しい?
【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・上映館数
1(1)・・ハント(韓国)・・・・・・・・・・・・8/10・・・・・・714,746 ・・・・3,042,157 ・・・・・31,603・・・・1,579
2(2)・・閑山:龍の出現(韓国)・・・・7/27・・・・・・343,514 ・・・・6,711,674 ・・・・・68,716・・・・1,114
3(23)・・NOPE/ノープ・・・・・・・・・8/17・・・・・・157,970 ・・・・・・253,839・・・・・・・2,912・・・・・・971
4(4)・・トップガン マーヴェリック・・6/22・・・・96,695・・・・・7,865,812 ・・・・・84,103・・・・・・539
5(3)・・非常宣言(韓国)・・・・・・・・・・8/03・・・・・・・50,054・・・・・2,020,671 ・・・・・20,562・・・・・・578
6(6)・・ミニオンズ フィーバー・・・7/20・・・・・・・39,205・・・・・2,212,170・・・・・・21,452・・・・・・428
7(5)・・DC がんばれ!スーパーペット・・8/10 ・・33,318 ・・・・・・217,564・・・・・・・2,503・・・・・・436
8(7)・・オクトノーツの探検船大作戦・・8/11・・・12,928・・・・・・・・64,493・・・・・・・・・609・・・・・・198
9(9)・・別れる決心(韓国) ・・・・・・・・6/29・・・・・・・11,331 ・・・・1,845,542 ・・・・・19,141・・・・・・144
10(新)・・ブレット・トレイン ・・・・・8/24・・・・・・・10,153 ・・・・・・・10,777・・・・・・・・・132・・・・・・177
※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。
今夏の大作韓国映画の勝者は?と累計観客動員数を見ると「閑山:龍の出現」があの「鳴梁」には遠く及ばないものの1位になりそう。ただこの先「ハント」がどこまで数字を伸ばすか?といったところです。
3・10位の2作品が新登場ですが、3位「NOPE/ノープ」(韓国題「놉」)については1つ前の記事で紹介しました。
10位「ブレット・トレイン」はアメリカのアクション。伊坂幸太郎の小説「マリアビートル」が原作、ブラッド・ピットが主演ということで注目されています。日本では9月1日公開ということで私ヌルボも予告編を観ました。→公式サイト等々で諸情報が流されているので内容紹介等は省略します。韓国題は「불릿 트레인」です。
【独立・芸術映画】
順位 ・・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・上映館数
1(36)・・フルタイム・・・・・・・・・・・・・・・・・8/18・・・・・・・・・2,813 ・・・・・・・・4,771・・・・・・・・・・45 ・・・・・・・59
2(8)・・ノクターン(韓国) ・・・・・・・・・・・・8/18・・・・・・・・・2,204 ・・・・・・・・4,658・・・・・・・・・・37 ・・・・・・・48
3(新)・・破虜湖[パリョホ](韓国)・・・・・・8/18・・・・・・・・・1,385 ・・・・・・・・2,749・・・・・・・・・・24 ・・・・・・・46
4(1)・・幸運を祈ります、レオ・グランデ・・8/11・・・・・・・・・904・・・・・・・・・7,581・・・・・・・・・・74 ・・・・・・・34
5(4)・・サマーフィルムにのって(日本)・・7/20 ・・・・・・・・・880 ・・・・・・・30,406 ・・・・・・・・289 ・・・・・・・24
1・2・3位の3作品が新登場です。
1位「フルタイム」については上述しました。
2位「ノクターン」は韓国のドキュメンタリー。自閉症スペクトラム障碍のあるソンホは音楽だけは得意ですが母親のミンソがいなければ自分でひげ剃りもできません。ミンソはこれまでただソンホの音楽のためにすべてを捧げてきましたが、ソンホと同じくらい音楽を愛する弟のゴンギはそんな兄が大したものでもなく役に立たないと思っています。しかし、時間が経つにつれてソンホの音楽はますます輝いていきます。そしてゴンギは兄と母の人生で何かを発見することになります・・・。原題は「녹턴」です。
3位「破虜湖[パリョホ]」は韓国のスリラー。ドウ(イ・ジュンオク)は認知症の老母の世話をしています。そのため嫁を迎えることもできなかった彼は村で噂の孝行息子です。ところが老母が行方不明になると、人々は彼に疑いの目を向け、ドウの味方はただなじみの美容院院長(カン・マルグム)だけになります。しばらくして正体不明の男(キム・デゴン)が現れてドウの周りをうろつき、知り合いの喫茶店従業員の女性(キム・ヨンギョ)は突然謎めいた目つきと笑顔でドウを魅了します。疑うことで支配する者、そして疑われて支配される者。真実を飲み込むヒステリックな心理的追撃が始まり、破虜湖を背景に湖深く沈んだ真実の断面が徐々に明らかになっていきます・・・。原題は「파로호」です。※<破虜湖>は北朝鮮との軍事分界線に近い江原道華川にある湖で、太平洋戦争中の1944年に日本が作ったダムによってできた韓国最北端の人工湖。朝鮮戦争の際に中共軍に勝利を収めた後「蛮族を打ち破った湖」という意味のこの名前が付けられた。