ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

①韓国文学②韓国漫画③韓国のメディア観察④韓国語いろいろ⑤韓国映画⑥韓国の歴史・社会⑦韓国・朝鮮関係の本⑧韓国旅行の記録

コンス(拱手)という韓国式のお辞儀が「日本に浸透しつつある」というウワサ! その真偽は?

2015-02-28 14:48:29 | 韓国・朝鮮と日本の間のいろいろ
 2月12日の記事で韓国の児童書「方言の味(사투리의 맛)」を紹介しました。
 物語の本筋とは関係ないのですが、その本の挿絵で私ヌルボが気になったのがコレ。
【(少年の絵の右)恭しく、礼儀正しく (左)顔には微笑 (下)「おばあさん、こんにちは!」 私は大きな声で挨拶します。】

 物語では、この少年、とても良い子なのですが、このお辞儀の絵については奇異な印象を受けました。肘を張り出して手を胸の前に組む姿勢が不自然だし、「微笑」もわざとらしい感じで、何か媚びへつらっているように感じられるのです。
 おりしも、このようなお辞儀の仕方が近年ネット社会の一部で問題となっていることを教わりました。早い話が、数年前からこのように胸の前あたりで手を組むお辞儀がデパート・スーパー・ホテル等でよく見かけるようになったということ、またこの形はコンス(拱手.공수)という韓国の礼法であり、このコンスが接客サービス業等での礼法指導を通して日本社会に浸透しつつあるということです。

 たしかに検索してみるとずいぶんたくさんの記事がヒットします。こんなに話題になっているとはウカツなことに今まで気づきませんでした。
 なるほど、たとえば「ホテル」と「お辞儀」で画像検索してみるとアララ!という画像がわんさか出てくるではないですか!(→コチラ。)
 近所のスーパー。レジのおねーさんはどうかなと見ると、なるほど、「またお越しくださいマセ」とこのポーズを取っているではないですか! 今まで気づかなかったなー。(別の1店はやってなかったですが・・・。)

 で、いつ頃からこの話題が盛り上がっているのかを探ってみると、たとえば2009年9月に<Wow!Korea>のQ&A欄で「韓国人女性がお辞儀をするときに胸元を押さえている理由」についての質問がありました。(→コチラ。) これには「昔の韓服を着ていた時の名残で、胸元で結んだリボンを押さえるしぐさ」という回答がありました。ただ、この質問は「TVで見た韓国人女性」についてのもので、日本人とは関係ナシ。この時期はまだ問題になっていなかったようです。
 おそらく、この件についての初期のブログ記事は、2013年1月にアップされた<変なお辞儀・【いつの間にか蔓延】変なお辞儀の正体【朝鮮式(韓国式)立礼】>という→コチラの記事あたりではないかと思われます。
 専門学校のホテルコースでの立礼指導を、韓国の女子高卒業式での立礼の画像と並べて、「変なお辞儀の正体」は「朝鮮式立礼」であると看破(?)しています。
 これより先、2011年7月に「本来の日本人の作法、立居振舞を子供たちに習得させましょう」と題した記事を載せたのが→コチラですが、その2013年3月の追記で「朝鮮式立居礼法だそうです。清楚な日本式作法と比べて、なんて下品なんでしょう」と批判されていたのが下の動画です。

 たしかに、日本人ヌルボとしては違和感はありますね。腕の形、体の傾け方だけでなく、足を前後に開く形も・・・。

 そしてこの話題が一気に盛り上がった(?)のが2013年夏頃。その口火を切った(?)のが→コチラ<おかしなアノお辞儀は韓国式コンス>という記事。古今東西のお辞儀についても言及する等、とても詳しく記されています。
 たとえば、コンスの起源については次のように説明されています。

 もともとは、このお辞儀の仕方が李氏朝鮮の時代で行われていたわけではなくて、聞くところによれば、ロッテが韓国に百貨店を作った際に、お客様をお迎えするにあたって、日本における最高の立礼はどのようなものかと日本の某百貨店に問い合わせてきたことが発端のようです。
 この百貨店では、普通の両脇を締めた日本式のお辞儀を教えようとしたようなのですが、あちらさんは納得しない。
 普通ではなく、もっとも高貴なものを教えろというわけです。
 日本におけるお辞儀としては、旧華族が衣冠束帯姿でお辞儀をする際に、檜扇をおへその前で両手に持ち、お辞儀する形があります。
 で、それを教えたところ、その姿がやや変形されて広まったのがコンスといわれています。


 以後、数多く出てきたブログ記事では、上記の起源論に関連して小笠原流や皇室、さらには三越等のお辞儀も引き合いに出されました。
 その中で、→コチラのブログ記事(2013年9月)で「朝鮮式(韓国式)コンスのポイントは以下の2つ」であるとして①肘の左右への張り出し具合 と ②お辞儀をする際の手首の高さ をあげているのはなるほどと思いました。
 ここで공수というハングルを手がかりに韓国サイトを見てみると、たしかに多くの学校で礼儀指導としてこのコンスが教えられていることがわかります。初等学校(小学校)から高校に至るまでです。
    

    
【晋州の初等学校(上左)、天安の中学校(上右)、大田中央高校(下左)、全州の高校(下右)のコンス指導。】

 また韓国の記事を見ると、たとえば→コチラでは拱手法が陰陽説と関連付けられて説明されています。
     
 たとえば上の図のように手を組む時には、男性は右手で左手の親指を握り左手で右手を覆います。女性は男性の逆で、右手が上になるように組むとされています。(凶事の場合は逆。)
 これ以外にもいくつかの拱手法についての韓国記事を読むかぎりでは、それが李氏朝鮮時代からの礼法としてふつうに認識されているようです。

 一方、小笠原流の本によると、なるほど、両手を前で組むのは悪いお辞儀とされています。
    

 ネット内の論議が続く中、2014年5月の<「朝鮮お辞儀」と「三越風お辞儀」は別物>という記事(→コチラ)では、それまでの議論内容を次のような図で整理しています。(※私ヌルボは、これをそのまま受け入れているわけではない。)

 日本(皇室)
  ↓
 三越他 → 朝鮮へ
  ↓       ↓
 日本の    朝鮮式と混ざる
 接客業     ↓(肘を張る)
  (肘張らない)   ↓
  ↓       ↓
 今ココ ←← 侵略中(マナー教室を悪用?)


 また2014年7月に公表された動画<日本では変なお辞儀-朝鮮式(韓国)お辞儀コンス>(→コチラ)は、一見コンスのように見える皇族のお辞儀はコンスとは異なる等の内容のもので、毎日100をこえるアクセスがあるようです。

 ところで<ウィキペディア>のお辞儀(→コチラ)の項目にはどう説明されているのかを見ると・・・・
 近年、ビジネス界では男女のお辞儀の仕方に差異が見られ、例えば男性は腰を曲げたときに手は体の横にそのまま添わせ、女性は臍の下あたりで両手の指先を重ねるように、ビジネス・スクールやマナー教室で教えているが、本来の礼法ではない。
 ・・・とあり、さらに続けて「正しくない理由」が具体的に書かれているのですが、あれ?ちょっと前に見た時よりずいぶん詳しくなってるぞ?と思ったら、最終更新2015年2月17日。10日ばかり前につけ加えられたのか。これも上述のようなネット内論議をふまえたものでしょうね、おそらく。(※2021年9月20日の追記:最新(2021年8月25日)の更新まで何度か更新されたようで、上記のような「本来の礼法ではない」といった断定的な記述はなくなっています。)

 さて、例によってあれこれ長々と書いてきましたが、最後に私ヌルボの見解。
 まず、今の日本のお辞儀文化をみると、一般人の日常の礼儀としてのお辞儀と、接客サービス業を中心としたビジネス界のお辞儀とは分けて考える必要があるのでは?ということ。
 デパートの店員さんに支払いを済ませた後「ありがとうございました」と小笠原流の心のこもったていねいなお辞儀をされるとドギマギしてしまうし、個人的にいろいろ面倒をみてやった相手からコンスの形でお礼を言われても「オレを馬鹿にしてるのか!?」と思っちゃいそう(笑)だし・・・。で、今後もしかしたら体の前で手を組むお辞儀が接客用として定着していく可能性もあるかも・・・。しかし、相手に不自然な印象どころか不快感まで与えてしまっては当然アウトですが。
 ただ、近年ビジネススクールやマナー教室で教えられているという「コンス風のお辞儀」が実際に韓国の影響かどうかは確証に乏しいように思います。カタチを見るとたしかによく似てはいますが、ぜひ日韓間のビジネススクール等の結びつき(←そんなもんあるのか?)を示す資料とか、またなによりも当事者(マナー講師等)の証言がほしいところです。
 また、先に紹介したような日本と朝鮮(韓国)間の相互影響の歴史も、かなり詳しいもののまだ推測の域を脱していないのでは?・・・と何事にも慎重なヌルボは思うわけですが、いかがなものでしょうか?

韓国書「日本語翻訳スキル」は、日本の韓国語学習者にも勉強になるゾ!

2015-02-26 23:45:39 | 韓国語あれこれ
 韓国語を自然な日本語にするのも苦心しているレベルなので、日本語を自然な韓国語にするのははるかにむずかしいのはいうまでもありません。自然でなくても相手に意味が通じる韓国語を話したり書いたりするのでさえ大変なのに・・・。
 私ヌルボ、以前中級レベルの韓国語の講習で教わった「自然な韓国語にするコツ」で憶えているのは次の2点です。
①日本語が名詞に重点を置くのに対して、韓国語では用言に重点がおかれる。
 たとえば、日本語では「今日はいい天気ですね」というのを、韓国では「今日は天気がいいですね」という。
②韓国語の表現は直接的で明快。日本人はよく「私は彼が間違ってると思います」という言い方をするが、韓国人は「彼が間違っています」とストレートに言う。日本人が「私もそう思います」と言うのを、韓国人は「マジャヨ(맞아요.その通りです)」という。

 まあそんな程度で、あとは漢字の多くが日韓共通であり、文法も似通っているのをいいことに、日本語をアタマの中で韓国語にほぼそのまま置きかえてしゃべったり書いたりしている状態。
 しかし、たまに韓国の新聞や本等を読んでいて「これが韓国語らしい表現なのか」とほんの少しステップアップしたように思うこともないではありません。
 で、そんな「韓国語らしい表現」といえば昨年暮れに通販で購入した韓国本が大正解でした。


 タイトルは「일본어 번약 스킬(日本語翻訳スキル)」。 文字通り日本語の訳し方についてのテキストなのですが、ポイントは「いかに自然な韓国語に訳すか」ということ。したがって、(ヌルボのような)日本人の韓国語学習者にとってもおおいに勉強になるというわけです。
 このテキストは、名詞・動詞・形容詞・副詞等々の品詞別の他に、慣用句の訳し方についても多くの例を載せています。ほかにも実践翻訳にもかなりのページを割くなど、多岐にわたって緻密に構成されています。
 そしてヌルボがとくに注目したのが<韓国人がしばしば犯すミス>という項目。つまり日本人が韓国語を韓国語っぽい日本語に訳してしまうのと同様に、韓国人が日本語を日本語っぽい韓国語に訳してしまいがちだということで、その例を8つあげています。
 それぞれ、原文を掲げた後にまず直訳的な「一般翻訳」を提示し、最後に推奨の韓国語らしい「代案翻訳」を載せるという形式になっています。

①漢字熟語をそのまま音訳してはダメ。
   
 同じ漢字でも日韓で意味が違うものはけっこうありますからねー。
 また、通じないことはないが微妙にニュアンスが違う言葉ももちろんたくさん。ほかのページを見ると、たとえば次のような例が載っていました。
 ・気力(기력)だけで走りぬけた。→精神力(정신력)
 ・即戦力となる労働者(즉전력이 되는 노동자) →実戦能力を持った勤労者(실전 능력을 갖춘 근로자)
 ・動画(동화)を作成(작성)する。→動映像(동영상)・製作(제작)
 ・向上心(향상심)→開発精神(개발 정신)

②日韓の進行形表現の違いを区別せず「~고 있다」と直訳しないこと。
   

   
 この微妙な違い、去年も「初級を卒業した人のための韓国語文法」で学習したんだけどなー。「가방이 열렸어요.」(カバンが開いています。)「옷에 껌이 붙넜어요.」(服にガムがついています。)等々。・・・しかし、あいかわらず苦手。

③受け身表現を乱発しないように。
   
 韓国では「피동표현(被動表現)」というのですね。

④二重否定を乱発しないこと。
   
 昔、韓国語学習を始めた頃のテキストには「~않으면 안된다」が先に載っていて、がんばって覚えた後に「~야 한다」が出てきて肩すかしをくらったことがありました。

⑤日本式の敬語表現をそのまま翻訳しないこと。
   
 これも韓国では「대우표현(待遇表現)」といいます。韓国式の敬語の方がシンプルでわかりやすいかも。

⑥終助詞の「よ」を「요」と錯覚しないように。
   
 日本人も錯覚しがち。

⑦「この国」、「わが国」を「이 나라」「우리 나라」と機械的に訳さず、どの国を指すのか明確に表示して誤解のないように訳す。
   

   
 日本人が韓国に行って「ウリマル」なんて言ったらややこしくなりそう。

⑧格助詞「は」を「는(은)」「が」「가(이)」とそのまま訳してはダメ!
   
 「トイレどこですか?」「화장실 어디예요?」ですね。

 以上ですが、読んで思ったのは、やっぱり意味が明快だということ。したがって、これも以前教わったことですが、極力わかりやすい日本語に直した上で韓国語に直すとよいということ。
 しかし、韓国語は表現がストレートということは、日本に向けての(「反日的な」といわれる)政治的な意見・主張も、その内容のみならず韓国語の特性もあって強度が増幅されているといえるでしょうね。

※この本の宣伝動画があったので、貼っておきます。

 速すぎてわからないよ~(笑) 読んでちゃダメ。瞬間的に見る!のかな?
 自分のペースで読める<yes24>のこの本のページは→コチラ

興味深かった日韓の映画製作の比較についての講演 ・・・映画産業のあり方が作品にも影響するということ

2015-02-25 23:34:20 | 韓国映画(&その他の映画)
 2月23日韓国文化院の講演会を聴きに行きました。<韓日文化比較>シリーズの第2回で「最近の韓国と日本の映画製作の傾向の比較-両国の協力やコラボレーションを考える」という標題。
講師は金容範さんという数多くの韓国の映画・ドラマ等の日本配給・宣伝・製作業務に携わってこられた方です。(肩書は、㈱博報堂C&Eコンテンツ事業部 エグゼクティブプロデューサー。)
 20年以上前からいろいろ韓国映画を観てきた私ヌルボのような韓国映画ファンでも、業界の方から直接このような話を聞く機会はなかったこともあり、興味深い内容でした。
 講演の骨子は①原作の取り入れ方 ②製作・投資システム ③テレビとの付き合い方 ④映画配給 の4項目について日韓それぞれの特徴を比較したものです。
 以下、スクリーンの説明画面の文言を中心に、金容範さんの言葉、さらに私ヌルボの感想等を整理してみました。

①原作の取り入れ方
[日本]
・原作が企画の出発点になる場合が多い。 
  直木賞・本屋大賞の受賞作、人気漫画等。
  最近の例:「風に立つライオン」「マエストロ!」「娚の一生」「悼む人」「ソロモンの偽証」等々・
   cf.黒澤明の時代は原作ナシ。シナリオがオリジナル。
・セリフがストーリー構造を説明する傾向がある。原作を尊重。・・・・韓国人からみるとテンポが遅い。
・映像的な想像力より、原作の文学的(漫画的)な表現を重視する傾向がある。
・何らかのメッセージを伝えようとする。観客を教えようとする。

   cf.「国際市場」のユン・ジェギュン監督の言葉「観客に何かを教えようとはしなかった。」

    ※ヌルボ注:この監督の発言は主に進歩陣営からの「時代意識を反映していない」「軍事独裁体制に対する批判がない」等の非難に対する言葉です。→コチラの記事参照。
[韓国]
・ほとんどオリジナルの脚本。原作があるにしても、アイディアにすぎない。

   ・・・・KOFIC(韓国映画振興委員会)やコンテンツ振興院でシナリオ募集もしているそうです。
   ex. 「鳴梁」「国際市場」「10人の泥棒たち」「7番房の奇跡」「王になった男」「弁護人」、「TSUNAMI -ツナミ-」「グエムル」「王の男」「ブラザーフッド」「シルミド」等、興行ランキング上位の作品はほとんど原作はナシ。「王の男」だけは小説があるが、内容的には別物。
・原作の人気が興行のカギを握ることはない。


②製作・投資システム
[日本]
・製作委員会方式
・・・・テレビ局・出版社・配給会社・DVQ会社・代理店等から成る製作委員会が共同出資・配給協力。製作プロダクションが制作を受注する。
・製作プロダクションは力が弱く、テレビやインターネット等々へのIP(著作権)の権利がなく、成功報酬も少ない。

[韓国]
・2000年頃から映画に投資するコンテンツファンドが登場。
・政府(文化観光部)からの韓国ベンチャーへの投資(母体ファンド)の運用も。

  ※2007~08年資金が大量に入って質の低い作品も作られたとか。
・ファンドには厳しいシナリオのチェック機能(投資審議委員会)がある。
   ・・・・ファンドマネージャーの判断能力が向上。複数の会社の参加でリスクヘッジ(リスクの回避・軽減)が図られる。
・約30社のベンチャーキャピタルがファンドを運営している。1つが10億円ほどの規模の資金を持つ。
・プロデューサーの力が強く、成功報酬も高い。IPの権利取得が可能。

   ・・・・プロデューサー(製作)と、ファンド(資金提供)と、配給会社が同レベルということか?


③テレビとの付き合い方
[日本]
・映画とテレビは共存関係
・テレビ局が企画・製作も主導する。
・ドラマの映画化、映画のドラマ化が自然に行われている。

[韓国]
・映画とテレビはほとんど接点がない。
・映画とテレビは異なる文化

   ・・・・代表的な映画俳優(ソン・ガンホ、ソル・ギョング等)はほとんどテレビには出ない。


④映画配給
[日本]
・プラットフォーム・リリース
・・・・拠点のメイン映画館で先に上映し、観客動員数等を見て上映館を順次増やしていく。
・ブロックブッキング・・・特定の配給会社の作品だけを観客の入りの多少に関わらず、系列館すべてで一定期間上映する日本独自の方式。
  ※ヌルボ注:シネコンの急増で状況が大きく変わる中、現在ブロックブッキングという興行形態を維持しているのは東宝と東映の邦画チェーンのみで、松竹は1999年撤退している。なおアメリカでは、1948年の最高裁判決(パラマウント判決)でハリウッドメジャー5社に劇場チェーンの売却が命じられ、製作配給と劇場興業が分離されることとなった。
<特徴>
・多様な映画が上映機会を得られない。
・ヒット作でも上映館を増やすのは容易ではない。
・映画館での収入とDVDの販売収入はほぼ同じ。映画館収入の伸びに限界がある。

[韓国]
・ワイド・リリース
・・・・プラットフォーム・リリース方式と異なり、一度に多くの劇場で同時に公開する方式。
・フリーブッキング・・・・映画館側が上映する映画を自由に選択し、観客の入り具合によって上映期間を定めるシステム。
・シネコンチェーンは、それぞれの系列配給会社から分離して運営の自立が図られる。
   ・・・・主要配給会社はCJエンタテインメント、ショーボックス、ロッテエンタテインメント、NEW(ネクスト・エンタテインメント・ワールドの4社だが、シネコンチェーンはCJエンタ→ CGV、ロッテエンタテインメント→ロッテシネマ、ショーボックス→メガボックスと分離・自立。(NEWはシネコンなし。)
<特徴>
・映画コンテンツの収入の95%は映画館の興行収入。
・売れる映画に偏りやすい体質があり、配給機会の格差を生んでいる。

   ・・・・スクリーン数は、日本の3000に対し、韓国は2080スクリーン。アメリカは2万で、中国も最近2万を超えた。昨年の大ヒット作で観客動員歴代1位の「鳴梁」(1700万人動員)は1500スクリーンで上映。この数字は日本ではありえない。
・製作表現が大型スクリーン向き。刺激的、意外性の反転&感動等。
   ・・・・「映画は映画館エンタテインメント」という文化が定着。
     日本映画が「テレビ画面向き」であるのに対して韓国映画は「映画館向き」。(「韓国映画はぜひ映画館で観てください」と金容範さん。)


◎結論・提言
[日本に対して]
・オリジナル脚本作りに力を!
・文学から自立した映画に。
・・・・すでに経験値は高い。ex.宮崎駿のアニメ。

[韓国に対して]
・ヒット狙いの商業映画回避!
・製作、配給に均等な機会を!
・中国の映画界との協力

   ・・・・韓国映画も中国市場へ向かっていて、中韓合作「猟奇的な2番目の彼女」が作られたり、「怪しい彼女」をリメイクした韓中合作映画「重返20歳」が興行収入60億円を超える大ヒットとなった。
 「最後の晩餐」も中韓合作映画史上最高の大ヒットを飛ばした。ホ・ジノ監督(「八月のクリスマス」等)でチャン・ツィイー、チャン・ドンゴン、セシリア・チャン等が出演した中国映画「危険な関係」は「興行的にはイマイチだったが個人的には大好き♡」(金容範さん)
 ※ヌルボの付記:2014年12月27日の<もっとコリア!>の記事(→コチラ)によると、「中国最大のドラマ制作会社の華策影視が最近韓国の映画配給会社NEWの株式15%を535億ウォンで買い取った」とのことです。講演会後のQ&Aでもありましたが、中国との関係強化については懸念される点も大きいですね。
・製作においての極東アジアのコラボレーションの必要
   ex.韓国映画の「オールドボーイ」(原作:土屋ガロン)・「カンナさん大成功です!」(原作:鈴木由美子)・「白夜行」(原作:東野圭吾)の原作は日本。
    ・・・・「カンナさん大成功です!」は韓国では「美女はつらいよ」のタイトルで、主人公の名もハンナだったが、日本側が邦題を原作漫画と同じにするよう求めたとのことです。ヌルボが観た「オールドボーイ」をはじめとする日本の小説や漫画を原作とする韓国映画は、たしかに原作とはかなりの「隔たり」がありました。
   ex. 「国際市場」で主演のファン・ジョンミンは20代~70代を演じる。老人時代は特殊メイクだが、20代は日本のグラフィックチームによるCGで若く見えるようにした、とのことです。


 事後の質疑応答も興味深ったのですが、それについては差しさわりもあるかもしれない(?)ので省略します。
 聞いてみて私ヌルボが思ったのは、記事のタイトルにも書いたように、映画産業のあり方が作品にも影響しているんだな、ということ。具体的には、手堅い儲けを念頭において作られた映画は、質的にもそれ相応のものになってしまうということ。60年代後半以降の映画興行の極端な退潮という背景を考えれば業界としてやむをえない対応策だったかもしれませんが・・・。
 50年代頃の全盛期の日本映画の質の高さはやはり作り手の「作りたい!」という情熱が最初にあって、それが作品にそのまま表現されていたからで、それはまたそんな作品を生むようなシステムになっていたということでしょう。しかし映画産業の斜陽化以降は作品自体のことよりもまず採算を優先して考えるようになってしまって今に至っている感じですね。そんな中、金容範さんの「オリジナル脚本作りに力を!」という提言はヌルボとしても日頃思っていたことで、まさに同感!でした。
 話をいろいろ聞くと、韓国のシステムにも問題はあるにしろ、日本に比べると質の高い映画が作られる条件はそろっているように思われました。

韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績 [2月20日(金)~2月22日(日)]

2015-02-24 19:21:57 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 先週の韓国は18日から旧正月で3連休。映画の観客動員も増えた中で「国際市場」が3位に再浮上して1400万人突破。5月16日から日本でも公開とのことで公式サイト(→コチラ)も公式ツイッター(→コチラ)もすでにできているのですが、それにしても邦題が「国際市場で逢いましょう」というのはなんなんだ!? どういう意図で、どういう経緯できまったのかわかりませ~ん! 「有楽町で逢いましょう」を思い浮かべる人なんて60歳以上くらいじゃないの?
 
 昨日のニュース。第87回アカデミー賞の受賞作については→コチラ参照。
 概して私ヌルボの好みとはわりとズレがあるのが通例だったのが、今回外国語映画賞に選ばれたが「イーダ」。私ヌルボの2014年ベスト1(→コチラ)です。「キネマ旬報」ではベスト10にも入っていなかったのに。こういうこともあるんだな、と・・・。
 韓国関連ネタでは、作品賞の「バードマン」の中で、主人公リーガン・トンプソンの娘が花を指差して「みんなキムチのようにいやなにおいがする」と言うセリフはキムチを(韓国文化を)貶めるものではないかという声がネチズンたちから上がっているとか・・・。またそれに対して日本のネット社会(嫌韓系?)では「またか」といった反応もさっそくあったりして・・・。ホントにこのテの情報は広がるのが速い!

 先週18日渋谷(シアター・イメージフォーラム)で「SHOAH/ショア」の1・2部鑑賞。かなり混んでます。この日行ったのは、トークイベントとして字幕翻訳を担当した高橋武智さんの話があったから。半世紀近く前のベ平連関係の本を読んだ印象だともっと「闘士っぽい」方かと思ったら全く反対の穏やかな方だったのはちょっと意外。この映画関連の話だけでしたが(当然)、機会があれば当時のお話をうかがいたいものです。(2人の韓国人脱走兵のこと等。)

 23日つまり昨日の夜は韓国文化院の講演会。これは行って大正解でしたね。<韓日文化比較>というシリーズの第2回で、㈱博報堂C&Eコンテンツ事業部 エグゼクティブプロデューサーという肩書の金容範さんという方が「最近の韓国と日本の映画製作の傾向の比較-両国の協力やコラボレーションを考える」というテーマで話されました。前職の(株)アミューズ、(株)アミューズコリアの時代から約15年間、「シュリ」「JSA」「猟奇的な彼女」「シルミド」「タイフーン」「カンナさん大成功です」「肩越しの恋人」等の映画、その他ドラマ、ミュージカル等まで数多くの韓国の映画、ドラマ、舞台の日本配給、宣伝、製作業務に勤める・・・という経歴の方で、日韓の映画作りについて①原作の取り入れ方②製作・投資システム③テレビとの付き合い方④映画配給 の4項目について日韓の違いをわかりやすく説明してくださいました。
 質疑応答もいろいろ興味深かったです。そのやりとりの中で出てきた釜山国際映画祭についての「ハンギョレ」の記事、帰ってから探しました。→コチラです。見出しは「탕웨이는 아름다웠고, 중국의 큰손은 막강했네(タンウェイは美しく、中国の大手会社は強力だった)」です。
 この講演の要点についてはいずれなんらかの形で記事にします。(気持ちとしては・・・。)

 「朝鮮日報」の「封切映画 ぴったり10字評」は先週掲載されませんでした。

           ★★★ Daumの人気順位(2月24日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】

①クォ・ヴァディス(韓国)  9.3(181)
②千と千尋の神隠し(日本)  9.3(1096)
③犬どろぼう完全計画(韓国)  9.3(1008)
④ユー・アー・ノット・ユー  9.1(33)
⑤ポンヌフの恋人たち9.1(51)
⑥ビリー・エリオット ミュージカルライブ リトル・ダンサー  9.0(27)
⑦スポンジ・ボブ 海のみんなが世界を救Woo(う~)!  9.0(119)
⑧あなた、あの川を渡らないで(韓国)  8.9(1197)
⑨イエローバード  8.8(29)
⑩妻への家路  8.7(103)

 ⑦と⑨の2作品が新登場です。
 ⑦「スポンジ・ボブ 海のみんなが世界を救Woo(う~)!」はアメリカの3Dアニメ。舞台は深い海の底にある都市ビキニタウン。秘密のレシピが書かれた魔法の本が海賊に奪われてしまうという一大事に立ち上がったのがスポンジ状の生きものスポンジ・ボブと仲間たち。魔法の本を取り返して海賊の悪事を阻止すべく、地上の世界に飛び出して大冒険を繰り広げます。・・・って、あいかわらず悪者退治? ま、これはコメディか。しかし3Dアニメはやっぱりブキミ感が払拭できない私ヌルボ。韓国題は「스폰지밥3D」。日本公開は5月16日です。
 ⑨「イエローバード」(仮)はフランスのアニメ。 生まれて一度も家の近くを離れたことのない子鳥イエローバード。渡り鳥の偉大な隊長ダリウスが不慮の事故で世を去ると、残された渡り鳥たちは大混乱に陥ってしまいます。おしゃべりてんとう虫おばさんのせいでうっかり彼らのリーダーになってしまったイエローバードは冬が来る前に渡り鳥たちを率いて暖かいアフリカに飛び立たちましたが、困難の末にたどり着いたのはアフリカの草原ではなく・・・、えっ?雪と氷に覆われた北極?! で、どうするの? 韓国題は「옐로우버드」。日本公開は未定です。

     【専門家による順位】

①6才のボクが、大人になるまで。  9.5(8)
②サンドラの週末  8.6(5)
③クラウズ・オブ・シルス・マリア  8.3(6)
④フォックスキャッチャー  7.8(6)
⑤キングスマン ザ・シークレット・サービス  7.8(5)
⑥イーダ  7.8(5)
⑦自由が丘で(韓国)  7.7(4)
⑧インターステラー  7.6(9)
⑨ターナー、光に愛を求めて  7.2(5)
⑩イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密  7.2(4)
⑩夢より夢占い(韓国)  7.2(4)

 ⑥「イーダ」だけが新登場です。記事冒頭でいろいろ書きました。日本では昨年8月公開。
韓国題は「이다」です。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[2月20日(金)~2月22日(日)] ★★★

         「国際市場」が3位に再浮上、1400万人を超える

【全体】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・朝鮮名探偵・・・・・・・・・・・・・・・・2/11・・・・・・・・・・1,205,587 ・・・・・・・・・3,151,387・・・・・・・・25,085・・・・・・・・817
       :消えた役夫の娘(韓国)
2(2)・・キングスマン・・・・・・・・・・・・・・・2/11 ・・・・・・・・・・・902,958 ・・・・・・・・・2,342,770・・・・・・・・19,522・・・・・・・・728
       ザ・シークレット・サービス
3(6)・・国際市場(韓国)・・・・・・・・・・・12/17・・・・・・・・・・・・454,177・・・・・・・・・14,078,208・・・・・・・109,614 ・・・・・・・792
4(22)・・イミテーション・ゲーム ・・・・・2/17・・・・・・・・・・・・408,132 ・・・・・・・・・・・683,025・・・・・・・・・5,461 ・・・・・・・541
       /エニグマと天才数学者の秘密
5(3)・・セシボン(韓国) ・・・・・・・・・・・・・2/05 ・・・・・・・・・・・268,663 ・・・・・・・・・1,591,703・・・・・・・・12,681・・・・・・・・482
6(47)・・スポンジ・ボブ・・・・・・・・・・・・・2/18 ・・・・・・・・・・・134,909 ・・・・・・・・・・・190,336・・・・・・・・・1,480・・・・・・・・357
       海のみんなが世界を救Woo(う~)!
7(4)・・ベイマックス ・・・・・・・・・・・・・・・1/21 ・・・・・・・・・・・128,214・・・・・・・・・・2,700,730・・・・・・・・21,237・・・・・・・・365
8(5)・・ドラえもん ・・・・・・・・・・・・・・・・・2/12 ・・・・・・・・・・・122,976 ・・・・・・・・・・・358,545・・・・・・・・・2,648・・・・・・・・347
       :スタンド・バイ・ミー(日本)
9(7)・・オズ めざせ!エメラルドの国へ・・2/12 ・・・・・・・71,206・・・・・・・・・・・223,172・・・・・・・・・1,644・・・・・・・・248
10(8)・・名探偵コナン ・・・・・・・・・・・・2/12 ・・・・・・・・・・・・・67,997・・・・・・・・・・・197,187・・・・・・・・・1,457・・・・・・・・149
       江戸川コナン失踪事件 〜史上最悪の二日間〜
       ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 先週は18日から旧正月の3連休で、観客動員数も増えました。その中で「国際市場」の再浮上にはオドロキ! 1400万人の大台に到達しました。
 今回の新登場は4・6位の2作品です。
 4位「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密」は、先週の記事で紹介済みです。日本公開は3月13日で、すでに諸情報が流されています。
 6位「スポンジ・ボブ 海のみんなが世界を救Woo(う~)!」については上述しました。

【多様性映画】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(23)・・サンバ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2/18・・・・・・・・・・・・・18,196 ・・・・・・・・・・・・・31,189 ・・・・・・・・・・258 ・・・・・・・・225
2(1)・・千と千尋の神隠し(日本)・・・・・2002/6/02・・・・・・・・・・・・・・4,310 ・・・・・・・・・・・・153,245・・・・・・・・・1,210 ・・・・・・・・・25
3(2)・・シェフ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1/07・・・・・・・・・・・・・・3,133 ・・・・・・・・・・・・151,678・・・・・・・・・1,239 ・・・・・・・・・29
       三ツ星フードトラック始めました
4(新)・・イーダ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2/18・・・・・・・・・・・・・・2,902 ・・・・・・・・・・・・・・5,765・・・・・・・・・・・・46 ・・・・・・・・・31
5(5)・・リトル・フォレスト 夏・秋(日本)・・・・・・2/12 ・・・・・・・・・・・・・1,837・・・・・・・・・・・・・・・4,994・・・・・・・・・・・・39 ・・・・・・・・・14
 1・4位の2作品が新登場です。
 1位「サンバ」は移民問題を扱ったフランスのコメディ。日本では12月26日に公開され、現在も各地で上映されています。韓国題は「웰컴, 삼바」です。
 4位「イーダ」については上述しました。

「女性東亜 2月号」より ②芸能人ゴシップ集 大半はどろどろのトラブル。ヨン様は株長者第3位等々

2015-02-23 23:58:49 | 韓国の文化・芸能・スポーツ関係の情報

 私ヌルボの数多い苦手ジャンルのひとつが映画以外の芸能関係。とくに芸能人のゴシップは疎いです。
 韓国の人気芸能人についても同様。
  ※韓国では「芸能人」のことを연예인(演芸人)」といいます。연예(演芸)は연애(恋愛)と発音が似ているので紛らわしい!)
 しかし今回「女性東亜」2月号掲載の「新年芸能街ホットイシュー6 ビハインド・ストーリー」はそれなりに興味深く読みました。
 「そーか、ビョン様やグンちゃんは今こんなことになっているのか」ということと、「韓国の女性雑誌も日本とあまり変わりないみたいだなー」といったことがわかったからです。

 以下、6つのイシュー(話題)というのを画像を中心にかいつまんで紹介します。

脅迫女に対する実刑宣告後 妻の妊娠のウワサが伝わったイ・ビョンホン
【イ・ビョンホンと、夫人の女優イ・ミンジョン】
 過去の女性関係をめぐって、動画をネタに脅迫した容疑で実刑判決を受けたモデルのイ・ジヨンとガールズグループ・GLAMのダヒに対してイ・ビョンホンは「処罰を願わない」と善処を求める意見書を裁判所に提出した。熱かったイ・ビョンホン脅迫事件もこれで終わりとなるのか?・・・という状況下、1月には夫人の女優イ・ミンジョンの妊娠というニュースも報じられ、一時は厳しかったネット世論も好転してきたというのが現況。(上の画像中の赤い折れ線は世論の動向を示すものです。)
 なお、出産予定は4月とのことです。
 ★<Wow! Korea>参考記事(日本語)「イ・ビョンホンの決断で5か月の騒動は終わりを迎えるのか」→コチラ

所属社の会長とのカカオトークのやり取りをめぐる<真実ゲーム>クララ
【「世界第2位の美女」なのか。ふーむ・・・。(あえてコメントしません。)】
 たぶん今いちばんどろどろ状態の1件。モデル&俳優のクララの紹介記事は→コチラ
 昨秋には<クララ、ハリウッドのトップスターたち抜いて「世界第2位の美女」に!>というニュースが報じられたこともありました。(→「中央日報日本語版」。)
 ところが、昨年9月「所属事務所(Polarisエンターテインメント)の会長とのカカオトークのやり取りの中で「性的羞恥心を感じた」との理由でに契約解除を要請。その後12月末、所属事務所を相手に専属契約無効訴訟を提起しました。
 以下、今年に入ってからの事態の推移を追ってみると・・・。関係記事として<Wow!Kore>、<Kstyle>の日本語記事とリンクを貼っておきました。
・1月19日<クララと所属事務所会長のメール公開…ポラリス側「内容は事実だ」>(→コチラ。)
  ・・・・事務所側がメールの内容を公開して反論しました。「性的羞恥心」関連の内容はどこにもなかった。むしろ、クララが先にランジェリーやビキニの画報写真などを送り、会長に意見を求めて、会長は「視線やポーズが魅惑的に上手く写っている」と答える程度にすぎなかった。・・・とのこと。
 多分この頃から「失望した」等々のクララに対する厳しいカキコミがネチズンたちの間から沸騰してきました。
 ネチズンたちはこのカカオトークのやり取りをそのままもちろん画像付きで広めました。(たとえば→コチラ。)
・1月21日<クララ側「生理の周期を知っておくべきという発言に感情が爆発した」>(→コチラ。)
  ・・・・クララ側の再反論。「先日報道されたメッセージの内容は事実だが、クララのイメージを損なうよう順序が大幅に編集されていた」と語り、また「性的羞恥心発言の前にグラビア写真を配置した悪意のある編集に、世論は扇情的な写真を先に送っておいて性的羞恥心を感じるということは話にならないと反応するしかなかった」と主張しました。
 この記事によると、SBSの芸能ワイドショーでも報道したそうです。
・1月22日<事務所と紛争中クララ、広告企業から訴訟危機 “四面楚歌”>(→コチラ。)
  ・・・・しかしついにこうした事態に立ち至ってしまいます。この記事末尾に、「これにネットユーザーは「クララ、残念だ」「悪循環の繰り返しだね」「訴訟どうなるのか」「クララ、頑張ってください」などの反応を寄せている」とありますが、最後の「クララ、頑張ってください」なんてどこにあるの?といった様相。
 ※この「泥沼の争い」の詳しい経緯とネチズンの声については→コチラコチラの記事(日本語)参照。
・1月28日<韓国芸能マネジメント協会「クララ、市場の秩序を乱した…遺憾」公式立場>(→コチラ。)
  ・・・・韓国芸能マネジメント協会は「クララは2012年7月専属契約紛争の端緒となった専属効力停止の事前通報及び契約終了後再契約という業界の慣例原則を無視、一方的に二重専属契約問題の原因を提供したことで、一度再発防止のための注意措置が下された」と発表。
 ここまで追いつめられたクララ。はたして挽回の目はあるの?

脱税に対する非難に覆われた「ビルディング富豪」チャン・グンソク
【グンちゃんは「ビルディング富豪」だったのか。】
 「脱税」よりも「ビルディング富豪」の方に目が行ってしまいました。 なるほど、2012年7月の「中央日報日本語版」(→コチラ)に<「20代不動産富豪」チャン・グンソク、日本渋谷のビル購入>という記事が・・・。「これに先立ちチャン・グンソクは昨年(2011年)3月、ソウル江南区論硯洞にある6階建てビル(現在の相場で1000億ウォン台)を購入して話題になったことがある」とも書かれてますね。そして→コチラは、その<渋谷で話題のビル「ZIKZIN」に行ってきた!!>というブログ記事。ZIKZINとはチャン・グンソクのオリジナルブランドで「直進」の意味なんですと。いやー、私ヌルボ、全然知りませなんだわー。
 で、彼の脱税問題については<“脱税疑惑”俳優チャン・グンソクが番組降板…「時期的に適切でない」>という「中央日報日本語版」の記事(→コチラ)は読みましたが、とくに驚かないのは、たとえば昨夏頃には<韓流女優ソン・ヘギョが脱税、2.5億円の申告漏れ>という報道もあったし(→コチラ)、最近の関連記事では<「チャン・グンソク以外にも3~4人いる」相次ぐ人気スターの脱税問題で揺れる韓国芸能界>というのも見てる(→コチラ)からなー。しかし、ソン・ヘギョは人気ガタ落ちの状態が続いているの? するとグンちゃんもしばらくは厳しい状態が続くのかな?

半分の勝利に終わったキム・ジュハの離婚訴訟の1幕
【MBCの人気アナと外資系証券会社の理事(?)、「人もうらやむカップル」じゃなかったの!?】
 2002年からMBCのニュースデスクのアンカーを担当し、テレ朝のSmaSTATION-4で「韓国で最も人気のある女性ニュースキャスター」として紹介されたこともあるそうですよ。で、2004年に外国系証券会社に勤めていたたカン氏と結婚。ところが2013年9月「9年間夫の常習的暴行に苦しめられた。2人の子供まで暴力にさらされた」との理由で離婚訴訟を提起するとともに、夫の接近を防いでほしいという仮処分申請まで出します。一方カン氏は彼女をを暴力容疑で控訴。・・・って一帯なんなんだ!? で昨年から本格的な裁判に入って、これまでの経緯や財産分割・親権指定等について審理が進められて・・・、うーむ、よくわかりませんがようやく泥沼から脱け出す所まで来たってことかな?

ソン・イルグクがうわさに対処する姿勢
【この子たちが例の三つ子か~!】
 ソン・イルグクといえば、ドラマ「朱蒙」で知られる・・・というのが標準なのかな? いわゆる嫌韓の皆さんの間では2012年8月の「竹島水泳問題」ですか? あとヌルボはどこかで外曾祖父が独立運動家の金佐鎮ということを書いたことがありました。そして2012年3月男の子の三つ子が誕生し、テハン(大韓)・ミングク(民国)・マンセ(万歳)と命名したこともけっこう知られています。(よね?)
 最近以前の彼のマネージャーの月給及び採用についてネチズンの間に非難が高まり、それに対して彼の妻チョン・スンヨンさんがネチズンたちに対して多少感情的な発言をして問題が広まったが、ソン・イルグク自らが公式に謝罪した、ということのようです。<Kstyle>の関係記事は→コチラ
 「女性東亜」の本文記事を読んでみましたが、なんでこんなつまらんこと(書きませんけど)をネチズンたちはあげつらうのだろう?というのがヌルボの感想です。
 ※→コチラの記事にも三つ子を連れて外出という写真が載ってます。こういう姿が伝えられるかぎり、悪口を言う側が非難されるでしょうねー。

⑥芸能人の株富豪第5位、豊国酒精の奥様パク・スネ
【「80年代を代表する清純美女」だったって? 知らんなー・・・。】
 さすがに<輝国山人のホームページ>には小さいながらも昔の写真が載ってます。(→コチラ。) しかし→コチラの<ネタりか>の記事の見出しも<芸能界の株長者5位、俳優パク・スネって誰?>ですからねー。それによると豊国(プングク)酒精工業代表理事のイ・ハンヨンさんと結婚して芸能界を引退して、現在同社の理事なんですと。キム・ジュハの結婚と対照的ですねー。
 で、芸能人株富豪のその他の上位者を見てみると次の通り。
 1位=ヤン・ヒョンソク →紹介記事
 2位=イ・スマン →紹介記事
 3位=ペ・ヨンジュン
 4位=パク・ジニョン →紹介記事
 5位=パク・スネ
 つまり、正確には「芸能人の株富豪」というより「芸能人出身者の株富豪」ですね。芸能人の中でプロダクション等の経営や財産の運用等で犀角のある人がこういう番付に名前が上がるということです。

 最初に書いたように日本の芸能界事情もよくわかりませんが、その中で起こるもめごとといい、こうした女性誌が記事に取り上げる(多くがどろどろトラブルの)ネタといい、やっぱり共通しているなあと思います。もっとつぶさに観察すれば何か違いが見えてくるかもしれませんが・・・。あ、事務所と所属タレントの関係なんかはかなり違うかな?

 うーむ、クララのどろどろゴシップについて長々と書きすぎてしまったな。

韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績 [2月13日(金)~2月15日(日)]

2015-02-17 23:52:27 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 昨16日夜やっと「ハン・ゴンジュ」を観に行ってきました。開映(18:50)の1時間以上前に行ったらすでに残りはわずか13席。その後まもなく満席に。あと渋谷での上映は18~20日の各1回だけ・・・と思ったら、今!ヒュートラ渋谷の公式ツイッターで「韓国映画3作『ハン・ゴンジュ 17歳の涙』『ハイヒールの男』『その怪物』の追加上映が決定しました!22~27日の日替わり上映です!タイムテーブルは当館HPにてご覧いただけます!」ですと。ハハハ。しかし、チケットはオンライン購入の方が確実。「ハン・ゴンジュ」だけでなく、韓国映画では「ある怪物」(原題「モンスター」)も「ハイヒールの男」(原題「ハイヒール」)も満席の可能性あり、ですよ。
 で、この作品の感想ですが思ったより抑制的な表現で、その点あまり韓国映画らしくない(?)ですが、内容的にはその方がむしろ訴える力があると肯定的に受けとめました。ただ予備知識全然なしで観ると、フラッシュバックの入れ方も少し不親切なこともあって、ゴンジュの置かれている具体的状況が真ん中あたりまで理解しにくいかも。(そんな感想が<DAUM映画>の中にもありました。) なお、<シネマコリア>のサイト中に加藤知恵さんによる「前へ進もうとする者へのエール」と題したこの作品のReviewが掲載されています。(→コチラ。) この映画をご覧になった方は必読です。なお、そこにも記されていますが、この作品を含む「未体験ゾーンの映画たち2015」は3月7日からシネ・リーブル梅田でも開催されます。
 ★オマケ。女生徒たちがアカペラで歌っていた歌は→コチラ(YouTube)です。

 先日ちょっと<大阪アジアン映画祭>(3月6~15日)を紹介しました(→公式サイト)が、首都圏からはもっと遠い福岡市総合図書館では<林権澤(イム・グォンテク)監督と韓国映画>(4月1~19日)(→コチラ参照)と銘打って以下の15作品を2回ずつ上映します。
 「望夫石(マンブソク)」「族譜」「曼陀羅」「キルソドム」「シバジ」「開闢」「酔画仙」「春香伝」「下流人生」「荷馬車」「成春香」「帰らざる海兵」「馬鹿たちの行進」「ハンネの昇天」「長雨」
 私ヌルボが観てない作品が5つ、かな? 近ければ全部観に行くんだけどな・・・。

 韓国映画以外では、イメージフォーラムで「SHOAHショア」一気に全作上映。実は未見なのでこの機会に観ておこうかな。

 韓国映画関係の見逃してはならないニュース。釜山国際映画祭は東京国際映画祭と比べると観客数で6倍強、作品数では3倍強も上回っている映画祭だそうです。それが昨年セウォル号事件を題材にしたドキュメンタリー映画「ダイビングベル」の上映をめぐって行政サイドからクレームがつけられて以降もめごとが続いているのですね。この件については、今月初めの「ハンギョレ」の<各国映画界で釜山国際映画祭の独立性を憂慮>という記事(→コチラ.日本語)を参照のこと。「最近では、釜山市が組織委員会の監査結果をもとに、イ委員長の辞任を要求したが、映画界周辺の激しい反発に直面して辞任を迫った事実を否定するなど、独立性の侵害が問題になった。また、映画振興委員会は、映画祭で上映する映画の事前審議を強化する方向に映画振興法改正を進めたことで、映画界から批判を受けている」・・・という中で、「ベルリン・ロッテルダム映画祭執行委員長等が釜山国際映画祭の独立性毀損の懸念を表明」という主旨です。昨日(2月16日)の「釜山日報」の記事(→コチラ.韓国語)には釜山市側と映画祭側の対立点とその背景を詳しく伝えています。行政と文化の異なる観点と論理の乖離が存在する、とのことですが・・・。で、それにつけても思い出されるのは籾井NHK会長の相次ぐナサケナイ発言。
 先頃報じられた<報道の自由度ランキング>(→コチラ)では韓国57位→60位に対して日本59位→61位。韓国を批判する人は日本に対しても厳しくしないとダメですね。やれやれ。

「朝鮮日報」2月13日掲載の「封切映画 ぴったり10字評」 (ハングル文も訳文も10字です。)
 「リトル・フォレスト 夏・秋」
  正しい癒しの田舎ご飯 ★★★☆
 「夢より夢占い」
  夢との間に素敵な慰め ★★★☆
 「オズ めざせ!エメラルドの国へ」
  虹の彼方のどこかには ★★★
 「キングスマン ザ・シークレット・サービス」
  大量虐殺もゲームかね ★★★
 「ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール」
  拙い音楽と成長の痛み ★★★☆
 「ドラえもん:スタンド・バイ・ミー」
  ドラえもん~ こっちにも! ★★★
 「朝鮮名探偵:消えた役夫の娘」
  気軽な旧正月コメディ ★★★
 「7番目の息子」
  竜はいい感じだったが ★★☆
 8作品すべて以下の記事中で紹介しています。

           ★★★ Daumの人気順位(2月17日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】

①クォ・ヴァディス(韓国)  9.5(146)
②千と千尋の神隠し(日本)  9.3(1084)
③犬どろぼう完全計画(韓国)  9.3(930)
④ドラえもん:スタンド・バイ・ミー(日本)  9.2(29)
⑤ユー・アー・ノット・ユー  9.1(33)
⑥ポンヌフの恋人たち9.1(51)
⑦ビリー・エリオット ミュージカルライブ リトル・ダンサー  9.0(26)
⑧あなた、あの川を渡らないで(韓国)  8.9(1174)
⑨妻への家路  8.8(29)
⑩オズ めざせ!エメラルドの国へ  8.7(23)

 ⑨「妻への家路」はチャン・イーモウ監督作品で、これまで当ブログでは「帰来(カミング・ホーム)」との仮題で表記してきましたが、この邦題で3月6日から公開されることがわかりましたので変更しました。
 ④と⑩の2作品が新登場です。
 ④「ドラえもん:スタンド・バイ・ミー」は韓国でも大人気。今回で5作目の公開ですがどれも高い評点がついています。韓国題は「도라에몽:스탠바이미」。
 ⑩「オズ めざせ!エメラルドの国へ」は、「オズの魔法使い」の作者ライマン・F・ボームのひ孫ロジャー・S・ボームが書いた「ドロシー・オブ・オズ」が原作のアニメ。日本では1月10日公開されています。韓国題は「오즈의 마법사: 돌아온 도로시」。

     【専門家による順位】

①6才のボクが、大人になるまで。  9.5(8)
②サンドラの週末  8.6(5)
③クラウズ・オブ・シルス・マリア  8.3(6)
④フォックスキャッチャー  7.8(6)
⑤キングスマン ザ・シークレット・サービス  7.8(5)
⑥自由が丘で(韓国)  7.7(4)
⑦インターステラー  7.6(9)
⑧ターナー、光に愛を求めて  7.2(5)
⑨イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密  7.2(4)
⑨夢より夢占い(韓国)  7.2(4)

 ⑤「キングスマン ザ・シークレット・サービス」、⑨「夢より夢解き、」⑨「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密」の3作品が新登場です。
 ⑤「キングスマン ザ・シークレット・サービス」については後述します。
 ⑨「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密」は、第二次世界大戦中ドイツ軍の暗号を解読する極秘任務に携わったイギリスの数学者アラン・チューリング(ベネディクト・カンバーバッチ)の業績と苦難を描いた作品。彼はゲイだったため長い間不当な扱いをされた実在の人物です。ドイツ軍との戦いで劣勢を強いられていた連合軍の急務は、敵の暗号エニグマの解読。そこでイギリスが白羽の矢を立てたのが天才的数学者だった彼でした。しかしそのミッションは困難を極め、また彼はさまざまな困難に直面していきます・・・。韓国題は「이미테이션 게임」。日本公開は3月13日です。
 ⑨「夢より夢占い」は、韓国の独立系作品。人気のない公演に出続けている無名女優(シン・ドンミ)が今日も観客が一人もいない公演場へ。友人に電話しても以前のように簡単には会えない。有名俳優になった昔の同僚からは久しぶりの電話で「夢が叶っても大変だぞ」と警告される。一人寂しく公園にいた彼女の前に現れたのは、近所で自殺事件の捜査をした後、落ち着かない気持ちでいる刑事(ユ・ジュンサン)。2人で焼酎を飲みながら昨日の夢の話になる。女優の夢には最近よく昔の彼氏が出てくる。良い時代を共に過ごした2人だったが現実の厳しさの前に別れることに。かしか彼氏を忘れるどころか、彼は今も彼女の夢と現実の間に留まっている・・・。うーむ、「夢と現実の境界で作られた物語」というふれ込みですが、いかにもインディーズっほい作品だなー。原題は「꿈보다 해몽」です。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[2月13日(金)~2月15日(日)] ★★★

         「朝鮮名探偵」、3年ぶりの新作がトップ

【全体】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(新)・・朝鮮名探偵・・・・・・・・・・・・・・・2/11 ・・・・・・・・・・・729,592 ・・・・・・・・・・・961,525・・・・・・・・・7,592・・・・・・・・811
       :消えた役夫の娘(韓国)
2(新)・・キングスマン・・・・・・・・・・・・・・2/11 ・・・・・・・・・・・547,383 ・・・・・・・・・・・713,540・・・・・・・・・5,880・・・・・・・・706
       ザ・シークレット・サービス
3(1)・・セシボン(韓国) ・・・・・・・・・・・・・2/05 ・・・・・・・・・・・216,677 ・・・・・・・・・1,091,759・・・・・・・・・8,635・・・・・・・・522
4(2)・・ベイマックス ・・・・・・・・・・・・・・・1/21 ・・・・・・・・・・・141,289・・・・・・・・・・2,475,829・・・・・・・・19,504・・・・・・・・434
5(28)・・ドラえもん ・・・・・・・・・・・・・・・・2/12 ・・・・・・・・・・・139,634 ・・・・・・・・・・・157,147・・・・・・・・・1,157・・・・・・・・432
       :スタンド・バイ・ミー(日本)
6(3)・・国際市場(韓国)・・・・・・・・・・・12/17・・・・・・・・・・・・120,879・・・・・・・・・13,352,030・・・・・・・103,724 ・・・・・・・418
7(新)・・オズ めざせ!エメラルドの国へ・・2/12 ・・・・・・88,716・・・・・・・・・・・103,503・・・・・・・・・・・759・・・・・・・・330
8(27)・・名探偵コナン ・・・・・・・・・・・・2/12 ・・・・・・・・・・・・・69,884 ・・・・・・・・・・・・80,143・・・・・・・・・・・591・・・・・・・・187
       江戸川コナン失踪事件 〜史上最悪の二日間〜
9(45)・・7番目の息子・・・・・・・・・・・・・2/11 ・・・・・・・・・・・・・48,006 ・・・・・・・・・・・・74,742・・・・・・・・・・・595・・・・・・・・358
10(5)・・江南 1970(韓国)・・・・・・・・・・1/21 ・・・・・・・・・・・・・29,858 ・・・・・・・・・2,167,223 ・・・・・・・・17,531・・・・・・・・209
       ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 前週トップの「セシボン」は今ひとつ伸びず。「建築学概論」のような初恋物という感じで最近のレトロブームには乗り切れなかったのでは、というのが「朝鮮日報」の分析。替わって1位の「朝鮮名探偵」シリーズ第2作はどうかな? 評点は1作目より少し下のようですが・・・。
 今回の新登場は1・2・5・7・8・9位の6作品です。
 1位「朝鮮名探偵:消えた役夫の娘」は、上記のように「朝鮮名探偵:トリカブトの秘密」(2011)に続く犯罪コメディ時代劇のシリーズ第2作。朝鮮王朝第22代王の正祖19年。ある時は王の密命を受けたデキる特使だったが恨みを買ってしまい、無人島に流されてしまった朝鮮一の名探偵キム・ミン(キム・ミョンミン)。会いに来てくれる人と言えば相棒のソピル(オ・ダルス)か、毎日一緒に妹を探してほしいとやってくる少女だけ。そんな中、キム・ミンは朝鮮に不良の銀塊が流通しているとの知らせを聞き、眠っていた探偵本能が再び湧き上がる。島を抜け出し、不良の銀の流通事件と少女の行方不明の妹を探すため両方の本格的な捜査にとりかかる朝鮮名探偵キム・ミンとソピル! しかし正体不明の美女ヒサコ(イ・ヨンヒ)を通し捜査はさらに大混線。はたして事件の解決、名誉の挽回に至るのか? 原題は「조선명탐정: 사라진 놉의 딸」。「놉」(とりあえず「役夫」)の訳語には難儀しましたがな。「差別語」になるとまずいしねー。
 2位「キングスマン ザ・シークレット・サービス」は、「キック・アス」の原作コミックの作者マーク・ミラーのコミックを、同じく「キック・アス」のマシュー・ヴォーン監督により映画化した英国スパイ・アクション。キングスマンとはイギリスの諜報機関の名称。そこのベテラン工作員のハリー(コリン・ファース)が、頭も良く身体能力も高いのに学校は中退し海兵隊も中途でやめてストリートギャングをしている甥っ子のゲイリー(タロン・エガートン)を強引にスカウトし、過酷な試練を課して鍛え上げます。そして組織の一員として生まれ変わったゲイリーはハリーと共に世界危機を目論むヴァレンティン(サミュエル・L・ジャクソン)率いる悪の組織に立ち向かいます・・・。韓国題は「킹스맨: 시크릿 에이전트」。日本公開は今夏とのことです。
 5位「ドラえもん:スタンド・バイ・ミー」については上述しました。
 7位「オズ めざせ!エメラルドの国へ」についても上述の通りです。
 8位「名探偵コナン 江戸川コナン失踪事件 〜史上最悪の二日間〜」は、日本では劇場公開作ではなく、昨年末にTV放映されたもののようですね。韓国題は「명탐정 코난 : 코난 실종사건 - 사상 최악의 이틀」です。
 9位「7番目の息子」は、SF作家ディレイニーの「魔使いの弟子」(創元文庫)の映画化作品。魔使いとは自分が魔法を使うのではなく、人に邪悪を行う魔女やゴーストの力を封じて人々を守るのが仕事。中でも強大な力を持つというセブンス・サンすなわち7番目の息子の7番目の息子。その長老グレゴリー(ジェフ・ブリッジズ)はかつて魔女マルキン(ジュリアン・ムーア)を封印しましたが、彼女は時を経ては蘇り、再び民を恐怖に陥れるとともにグレゴリーへの復讐を企てます。そこでグレゴリーが見出した新たなセブンス・サンがトム(ベン・バーンズ)。トムはグレゴリーが課した厳しい修行に耐え、魔女との戦いに備えます・・・。韓国題は「7번째 아들」。日本公開は未定、かな?

【多様性映画】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・千と千尋の神隠し(日本)・・・・・2002/6/02・・・・・・・・・・・・・20,330 ・・・・・・・・・・・・138,242・・・・・・・・・1,092・・・・・・・・142
2(2)・・シェフ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1/07・・・・・・・・・・・・・・7,968 ・・・・・・・・・・・・144,413・・・・・・・・・1,179 ・・・・・・・・・61
       三ツ星フードトラック始めました
3(3)・・フォックスキャッチャー ・・・・・・・・・・・・2/05・・・・・・・・・・・・・・2,336 ・・・・・・・・・・・・・19,987・・・・・・・・・・・160 ・・・・・・・・・35
4(17)・・ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール・・・・・・・・・2/12・・・・・・・・・・・・・・1,610 ・・・・・・・・・・・・・・2,937・・・・・・・・・・・・22 ・・・・・・・・・26
5(22)・・リトル・フォレスト 夏・秋(日本)・・・・・2/12 ・・・・・・・・・・・・・1,312・・・・・・・・・・・・・・・1,992・・・・・・・・・・・・15 ・・・・・・・・・10
 4・5位の2作品が新登場です。
 4位「ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール」は、グラスゴー出身のポップバンドのベル・アンド・セバスチャンの中心人物であるスチュアート・マードックの初監督映画。拒食症のため入院中の少女イヴは病院で1人ピアノに向かい曲を書いています。ある日、彼女は病院を抜け出してライブハウスへ。そこで出会ったのがアコースティックギターを抱えた少年ジェームズ。そして音楽仲間のキャシーを紹介されます。そんな彼ら3人のる恋や友情を描いた青春ミュージカル・コメディです。韓国題は「갓 헬프 더 걸」。日本公開は8月です。
 5位「リトル・フォレスト 夏・秋」は日本では昨夏公開。私ヌルボは観てませんが、韓国ネチズンの平均評点は8.9となかなか高レベル。「冬・春」は2月19日から。12日のニュースによると、主演の橋本愛がベルリン映画祭に着物で出席してドイツ語で挨拶したそうですよ。韓国題は「리틀 포레스트: 여름과 가을」です。

「女性東亜 2月号」より ①双子の兄妹を連れたイ・ヨンエ(44)の今

2015-02-16 23:59:47 | 韓国の文化・芸能・スポーツ関係の情報
 横浜市立図書館で、「もしや?」と思って久しぶりに「女性東亜」2月号を見てみました。
 「もしや?」というのは、例のナッツリターン事件を契機に話題になっている<財閥家族>関係のことが載っているかと思って、ということです。
 で、案の定というわけだったのですが、その件に入る前に芸能人関係の話題や写真がいろいろ興味深いものがあったのでまずそちらから。(やっぱり「新東亜」が<理>とすると「女性東亜」は<気>といったところですね。)

 まず最初は最近のイ・ヨンエ

 2009年8月に在米韓国人と結婚したと報じられた彼女。その後11年2月に二卵性双子の男の子と女の子を出産しました。
 そして今年1月で44歳に。2人の子供ももう5歳になるんですね。早いものです。

 ホントにかわいい盛りです。 
 この男の子の扮装は、EBSの番組「集まれディンドンデン(모여라 딩동댕)」の人気キャラクターポンゲメン(번개맨.稲妻マン)。家族全員がこのポンゲメンのファンで、この写真もその公演会場で撮影されたものです。女の子の後ろに稲妻マンの姿が半分写っています。
 最初の写真下の見出しも<쌍둥이 엄마 이영애의 ‘번개’(双子のお母さんイ・ヨンエの‘稲妻’)>となってます。‘電撃ショット’といったところでしょうか?
 ※この記事は「女性東亜」の公式サイト(→コチラ)で見られます。

[蛇足] よけいなことですが、私ヌルボ、ちょっと思い出したのが日本のイナズマン(→ウィキペディア)のこと。しかし、これだけ違えば問題ナシでしょうね、たぶん。画像検索結果は、→イナズマン、→ポンゲメンです。ポンゲメンの方がいかにも優しそう。

 さて、芸能人関係の次の注目記事は、<새해 연예가 핫 이슈6 (新年芸能街ホットイシュー6)>なんですが、6つの話題の多くはドロドロのトラブル関係で・・・、って長くなりようなので続くということで・・・。(またか。)

韓国の学校の朝礼について考えてみる① すごくリッパな韓国の学校の朝礼台にびっくり!

2015-02-13 18:50:39 | 韓国の時事関係(政治・経済・社会等)
 1つ前の記事で初等学校3年生を主人公にした「方言の味」という児童書を紹介しました。
 その本の中でちょっと気になったのは「조회대(朝会台)」という言葉。日本ではもちろん「朝礼台」というのがふつうですね。で、ハングルで検索してみると조례대(朝礼台)89万件に対して조회대(朝会台)908万件で、10倍以上조회대(の方が多く、コチラが一般的に用いられているということのようです。
 また日本の学校ではその集会のことを「朝会」とも「朝礼」とも言っていますが(半々くらいか?)、韓国の場合はこれも「조회」あるいは아침조회(朝 朝会)」とよんでいます。「조회」だと「照会」と同音なので紛らわしいからか、「아침조회(朝 朝会)」の方がより一般的のようです。なお<韓国ウィキペディア>では「조례(朝礼)ともいう」と書かれています。

 上記のような呼称もさることながら、私ヌルボがまず驚いたのは朝礼台が日本とは全然違うこと。
 日本語で<朝礼台>と入力して画像検索(→コチラ)した結果の最初の方は次のようなものです。
 別に載せるまでもなかったかも。おなじみの台ですね。

 次に<조회대>で画像検索検索(→コチラ)してみると・・・。
 なんか、すごいですね。日本のような簡単に移動できる小さなものではなくて、費用と手間をかけて造った、大きくてかなりの高さがある「建造物」です。
 ※韓国の学校から注文を受けて朝礼台を設計したという日本人建築家のブログ記事(写真付き)は→コチラ。なかなかオシャレな朝礼台です。
 ↑これはある初等学校(小学校)の体育の授業風景。上から見るとずいぶん高く感じられます。

    
 ↑これは中学校の行事だかで競売大会をしているところ。
 このように、朝会以外にもいろいろ利用されているようです。
 右の写真のように階段が2つ付いているのがふつうのようですが、朝会の場で賞状授与等を行う時に、上がる人と降りる人を分けるためなのでしょう。

 ・・・さて、ここで私ヌルボ考えたのは、この日韓の朝礼台の形態の違いは何によるものか?ということ。歴史的政治的背景と関わりがありそう、ということで韓国サイトをいろいろ見てみました。そしてわかったことは・・・。以下は続く、ということで。(いつになることか??)

[韓国の児童書]「方言の味」は全羅道サトゥリ(方言)のベンキョーになる!

2015-02-12 23:54:03 | 韓国の小学生~高校生向き小説・物語

 1月29日の記事で書いたアラディン中古書店江南店で買った本の1つがリュ・ホソン(류호선)作:チョン・ジユン(정지윤)絵「方言の味(사투리의 맛)」です。
 買った理由は、中をパラパラ見ると①全羅道サトゥリ(사투리.方言)がいろいろ出てくるようである。②児童書なので字が大きく、約120ページなのですぐ読めそう。③挿絵から判断すると楽しそうな内容のようである。
 ・・・で実際読んだところすべて当たり。定価8500ウォンの本を中古価格3500ウォンで買いましたが、ホントにいい買い物でした。

 物語の骨格は、全羅道の島からソウルに引っ越した初等学校(小学校)3年の少年ク・チョルファンがソウルの学校で方言を理由にからかわれたりして悩みながらも、担任の先生の支えもあって結局は級友たちの間に方言に対する興味・関心を呼び起こし、校内放送でも番組を担当して人気を得るというもの。

 以下、ちょっとくわしく書くと・・・
 チョルファン少年の故郷は全羅南道麗水市の突山島(トルサンド)という島。韓国で7番目に大きい島で、突山大橋(1984年完成)で陸続きになっています。彼が通っていたのはそこの突山初等学校金鳳(クムボン)分校。調べてみたら実在の学校ですが2005年に突山初等学校に統合されて廃校になっています。突山初等学校の画像は→コチラで見られますが、その記事(韓国語)によると全校の生徒数が約100人。ということは各学年1クラスですね。その分校となると生徒たちは当然お互いをよく知っているということ。
 チョルファン少年はその学校で「アナウンサー」を自任しています。毎週朝会の時には朝礼台に上がり、週訓を読むほか、自分で取材して集めた町内ニュースを発表します。たとえば「(級友の)ヒョギの家で黒ヒツジの子が産まれました。記念としておばあさんがススブクミ(수수부꾸미)を作ってくれます。食べてお祝いしたい人は皆で行きましょう」といった内容。 
 ※ススブクミ・・・・とうもろこしの粉の生地にアズキあんを入れて焼いた軽食。(→画像。)
 ところが、おとうさんの仕事の関係でソウルに転校したチョルファン少年は生活環境や学校のようすが大きく変わってとまどいます。
 マンションのエレベーターに乗り合わせた大人たちは階の表示を見るだけで挨拶しても返事はないし、あったとしても「いなかから来たのか?」「全羅道か?」というものばかりで、突山島とは大違い。このあたりは日本でも同じか。
 そして肝心の学校生活。チョルファン少年は自分なりに言葉のことを意識していて、担任の先生(若い女性)に「ソウルに転校してきて大変じゃない?」と優しいソウル弁で尋ねられた時も、
 “아니여라! 암씨롱토 안 혀요.” (いえ、だいじょうぶです)
という全羅道方言をぐっと飲み込んで
 “아니요.괜찮습니다. ”
とソウル弁で答えます。
 先生は“정말? ”(「本当?」)と少し心配そうですが、彼はこの「チョンマル(정말)?」を女性が発音すると「チョンマルチョンマル、ソウルマルはいいなー」と思ったりします。
 ※全羅道方言では참말로(チャンマルロ)という。
 ところが1週間経つうちに彼が何か話すと級友たちが笑うようになってしまいます。「ウハハハ、ヤクザ(조폭.チョポク)のように話すなあ。ヤクザだ!」
 そして授業で先生がチョルファン少年に「夢は何なの?」と質問した時も、
 “나넌 아나운서가 되고 잡습니다.”(ぼくはアナウンサーになりたいです)
という全羅道方言を頭の中でソウル弁に置きかえ、はっきりと
 “저는 아나운서가 되고 싶어요. ”と言うとクラス中が笑いの渦。「ホントにヤクザみたいに話すなあ」。
 歯をくいしばって涙をこらえるチョルファン少年、「全羅道のヤクザが出てくる映画が多いせいだ、監督がいたら腕をひねり上げてやりたい」と思ったりします。
 ※全羅道関係でヤクザが登場する映画といえば、まず思い出すのが「木浦は港だ」「偉大なる系譜」というのもありますが、私ヌルボは見ていません。釜山を舞台にしたヤクザ映画はいろいろありそうですけどね。
 あだ名も<突山島アナウンサー>から1週間経たないうちに<全羅道ヤクザ>に変わってしまった彼。からかいに耐えられず「やめろ!」と発した言葉がまたソウル弁の「그만해!」ではなく「그만혀!」だったので、笑い声はさらに広がります。
 そこに「うるさいわよ。静かにして!」とヘヒャン。かわいくて級長で子役タレントで、皆から一目置かれている彼女のこの一声で一瞬にして静かになります。
 そのヘヒャンは放送部のアナウンサーでもあります。入部希望生徒が多いので、学年当初に選抜試験が行われます。それも3次まで! その年度の試験は終わっていますが、その後空きができたのでチョルファン少年も挑戦することに。ヘヒャンも発音トレーニングをしてくれるのですが、本番最初の試験で原稿を読み始めると、担当の先生「やめ! あんた故郷どこなの? なんでそんな発音なの?」。
 気が動転した彼は思わず선상님! 지가요・・・・」(先生、ぼくは・・・)の「先生」の発音もソウル弁の「ソンセンニム」ではなく「ソンサンニム」に。(ふーん、そうなるのか・・・。)
 ほかの生徒たちのクスクス笑い。担当の先生は「何ですって?」 「トイレに行きます」と言って放送室を出たチョルファン少年、とめどなく涙。すると後ろから「どうしたの!?」と声をかけたのは担任の先生。「オンオンオン、方言を使っちゃったよ」と今は声をあげて泣くチョルファン少年の言葉も「참말로 속이 징하개 상허요,엉엉엉」(ホントにすごく傷ついたよ、オンオンオン)以下は「熱心に練習したのに、試験の最初から先生が「あんた故郷どこなの?」なんて仰ってすぐ終わっちゃったよ~・・・」等々、すっかり方言丸出し。(訳すのに手間どるほどの濃ゆ~い全羅道語。)
 ところが、ここで驚いたのが担任の先生が彼にかけた言葉。なんと「으짜쓰까 잉」で始まるこれまた濃ゆ~い全羅道語だったのです。流暢なソウル弁を話しソウルの人だと思っていた先生も同じ全羅南道のお茶の産地として知られる宝城(ポソン)出身だったとは! その方言のままでチョルファン少年を慰める先生、「私も最初はどんなに大変だったかしれないのよ(나도 첨에는 을매나 힘들었는지 모른다야)」と打ち明ける先生が、最後に「だいじょうぶよね?(암씨롱토 안 헌 거 맞냐?)」と言うと「だいじょうぶ(암씨롱토 안 허다)」と答えるチョルファン少年。(ここらへん、うるうる来るな~。)
 ※先生の最初の言葉「으짜쓰까 잉」は、標準語では「어찌하면 좋을까요?(どうすればいいでしょうね?)」といった意味、のようです。


 ↑先生の言葉は全羅道方言のオンパレード!
 物語はこの後放送部アナウンサー試験に落ちたチョルファンも他の級友たちと同様クラスのアナウンサーとして先生からのお知らせを読み上げたりしているうちにソウル弁もよどみなく話せるようになります。
 チョルファン少年に続いて新しくクラスに入ったウミニもクラスアナウンサーをやりましたが、彼はイギリスから帰国児童で(don.トン)」(お金)(ddong)」(ウンコ)の区別ができず笑われたりしています。

 ↑チョルファン少年も笑ってますが、この区別はもちろん日本人も苦手な発音の代表例ですね。
 またクラスでは先生の働きかけもあって方言に対する関心も高まり、チョルファン少年は一転して人気者に。隣席の女の子に「おばあさんがパーマをかけてる時に「쪼까 거시기허지?」(ちょっとコシギかしら?)と言ってたんだけど、「거시기」ってどういう意味?」と訊かれたりもします。
 거시기・・・人、物等すべてに使える代名詞というばかりでなく、用言として用いられることもある。①言葉が思い出せない場合 ②口にするのがはばかられるような言葉の場合 ③言葉をアイマイにぼかす場合 に使う。早い話が日本語の「ナニがナニしてね」のナニに相当する・・・というわけですね。
 上記のパーマの例では「ちょっとよくないかしら?」くらいの意味になります。なお쪼까もよく使われる方言で조금(少し)と同じ。
 クラスではその後特別活動の時間で朝鮮半島各地(計八道)に中国黒竜江省の朝鮮族の方言も合わせてそれぞれの方言を調べ、班ごとに各方言による「シンデレラ」の劇を上演するに至ります。
 また入部試験に落ちたチョルファン少年もゲストとしてちょくちょく放送室に入り、金鳳分校にいた時に運動場に逃げ込んだブタを捕まえようと皆で追っかけ回した話等を方言を交えて話したりするようになります。
 そしてラストは「今までは方言の味アナウンサー・ク・チョルファンでした。さて! 私が方言のせいで泣いたりわめいたり(울고불고)した事実は重ねて秘密にしてくださいますように。ありがとうございます」とアナウンサーらしく締めくくってメデタシメデタシ。

 うーむ、こんなに長々と内容紹介しないで全羅道方言を中心に書くつもりだったのになー。
 今まで私ヌルボ、全羅道サトゥリといえば文の最後にやたらに「잉」がつくことと「그런데」「근디」のように「~데」「~디」と変化するくらいしか知らなかったのがこの本でいろいろ学習しちゃいましたからねー。
 しかしたくさん書きとめても大半は忘れそうだし、とりあえずは前掲の「암씨롱토 안 혀요」「거시기」と、それ以外では「아따」「오메(으메)」という2つの代表的な感嘆詞(意味は「あら」「おっ」等々)を頭に入れておくことにします。

韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績 [2月6日(金)~2月8日(日)]

2015-02-10 23:50:26 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 「キネマ旬報 2月下旬決算特別号」は本当に読みでがあります。例によって審査員諸氏の採点表が載っていて、自分のベスト10(→コチラ)と比較してみました。1位「ジャージーボーイズ」は予想通りで妥当な結果。しかし今回は私ヌルボとかなり重なっているという方はいなかったですね。ポイントはヌルボが1位にした「イーダ」を入れた人が5人だけで、思ったよりずっと少なかったこと。その中で、四方田犬彦先生が2位、佐藤忠男先生が3位に置いていたのはうれしかったです。韓国映画以外では「祖谷物語 おくのひと」をベスト10に入れた7人には共感を覚えました。(渡部実さんは1位にしています。)

 韓国映画中で得点&順位の最上位はというと、やっと43位に「レッド・ファミリー」(22点)とは。「怪しい彼女」(11点・78位)を選んだ人がわずか2人というのは悲しいなー。「新しき世界」(9点・90位)はさらに下。低調だった昨年よりも下がってしまったかも。残念。

 この「キネ旬特別号」掲載の今年の外国映画の上映予定作のリストから韓国映画をピックアップすると以下の通り。青色は邦題・茶色は原題です。
 「皇帝のために」初夏・「傷だらけのふたり(男が愛する時)4月4日・「一対一」年内・「君に泳げ!(ノー・ブレッシング)2月28日・「私の少女(ドヒよ)5月1日・「国際市場で逢いましょう(国際市場)5月16日・「海にかかる霧(海霧)4月17日・「群盗(群盗:民乱の時代)4月下旬・「パイレーツ(海賊:海へ行った山賊)4月下旬・「神の一手」初夏・「レディーアクション青春」初夏・「朝鮮名探偵:消えた役夫の娘」初夏・「良い友だち」夏・「どきどき僕の人生」年内・「ハン・ゴンジュ 17歳の涙(ハン・ゴンジュ)2月10日・「犬どろぼう完全計画(仮)(犬を盗む完璧な方法)夏・「無頼漢」晩秋
 さしあたってはヒューマントラストシネマ渋谷で2月10日から20日まで計7回上映の「ハン・ゴンジュ 17歳の涙」は必見だな。しかし他の映画館での上映はないのかな?

 <大阪アジアン映画祭>(3月6~15日)のプログラムが発表されました。詳細は→公式サイト参照。クロージング作品として「国際市場で逢いましょう」が上映されます。

「朝鮮日報」2月6日掲載の「封切映画 ぴったり10字評」 (ハングル文も訳文も10字です。)
 「フォックスキャッチャー」
  S.カレルが最高の演技 ★★★★
 「オマール、最後の選択」
  障壁の後ろに希望? ない ★★★☆
 「ジュピター」
  視覚効果◎ 前観た感じ ★★★☆
 「セシボン」
  新派に夢中で道に迷う ★★★
※「ジュピター」の訳は自信ナシ。「セシボン」文中の<新派>はこの場合「新しい流行」ということですかねー。4作品すべて以下の記事中で紹介しています。

           ★★★ Daumの人気順位(2月10日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】

①クォ・ヴァディス(韓国)  9.5(146)
②千と千尋の神隠し(日本)  9.3(1056)
③犬どろぼう完全計画(韓国)  9.3(824)
④ユー・アー・ノット・ユー  9.1(31)
⑤ポンヌフの恋人たち9.1(51)
⑥ビリー・エリオット ミュージカルライブ リトル・ダンサー  9.0(26)
⑦あなた、あの川を渡らないで(韓国)  8.9(1133)
⑧帰来(カミング・ホーム)  8.7(91)
⑨6才のボクが、大人になるまで。  8.7(171)
⑩ワイルド  8.6(89)

 ②「千と千尋の神隠し」だけが新登場。もちろん2001年 (韓国では2002年)公開作の再上映。<DAUM映画>のネチズン評(→コチラ)では、111人全員がで、はゼロです。韓国題は「센과 치히로의 행방불명」=「千と千尋の行方不明」。そう訳すしかないのかなー?

     【専門家による順位】

①6才のボクが、大人になるまで。  9.5(8)
②サンドラの週末  8.6(5)
③クラウズ・オブ・シルス・マリア  8.3(6)
④フォックスキャッチャー  7.8(6)
⑤自由が丘で(韓国)  7.7(4)
⑥インターステラー  7.6(9)
⑦ターナー、光に愛を求めて  7.2(5)
⑧巨人(韓国)  7.1(8)
⑨ワイルド  7.1(6)
⑩犬どろぼう完全計画(韓国)  7.0(4)
⑩ビッグ・アイズ  7.0(4)

 ④と⑦の2作品が新登場です。
 ④「フォックスキャッチャー」は、「カポーティ」(2005)等のベネット・ミラー監督によるミステリー。1996年に起こった財閥御曹司によるレスリング五輪金メダリスト射殺事件を映画化した作品。日本公開は2月14日なので、すでに諸情報が流されています。韓国題は「폭스캐처」。
 ⑦「ターナー、光に愛を求めて」は、仏・独・英合作による風景画家ターナーの伝記映画。とくに後半生に重点が置かれています。19世紀、すでに美術界で名をはせていたターナーはイギリスへの旅行中インスピレーションを得る中で1人の女性と恋に落ちます。同時に既存の画風から脱して破格な技法の風景画を描きますが、これは世間の嘲笑を浴び、視力が衰えたのではという噂まで広まります・・・。主演のティモシー・スポールは2014年のカンヌ国際映画祭で男優賞を獲得しました。韓国題は「미스터 터너」。日本公開は今年初夏とのことです。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[2月6日(金)~2月8日(日)] ★★★

         懐メロポップスの再人気が映画化にまで至った「セシボン」がトップに

【全体】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(46)・・セシボン(韓国)・・・・・・・・・・・・2/05 ・・・・・・・・・・・534,676 ・・・・・・・・・・・642,265・・・・・・・・・5,145・・・・・・・・829
2(1)・・ベイマックス ・・・・・・・・・・・・・・・1/21 ・・・・・・・・・・・353,015・・・・・・・・・・2,250,695・・・・・・・・17,799・・・・・・・・611
3(2)・・国際市場(韓国)・・・・・・・・・・・12/17・・・・・・・・・・・・228,356・・・・・・・・・13,122,389・・・・・・・101,970 ・・・・・・・606
4(新)・・ジュピター ・・・・・・・・・・・・・・・・2/05 ・・・・・・・・・・・208,219 ・・・・・・・・・・・253,370・・・・・・・・・2,231・・・・・・・・561
5(3)・・江南 1970(韓国) ・・・・・・・・・・・1/21 ・・・・・・・・・・・146,732 ・・・・・・・・・2,081,527・・・・・・・・16,855・・・・・・・・434
6(新)・・最強戦士ミニ特攻隊 ・・・・・・2/05・・・・・・・・・・・・・78,550 ・・・・・・・・・・・・83,630・・・・・・・・・・・632・・・・・・・・318
       :新たな悪党の襲撃(韓国)
7(新)・・千と千尋の神隠し(日本)・・2002/6/27 ・・・・・・・・69,431 ・・・・・・・・・・・・85,285・・・・・・・・・・・677・・・・・・・・339
8(新)・・すすめ! オクトノーツ ・・・・・・・2/05 ・・・・・・・・・・・・・3,862 ・・・・・・・・・・・・36,678・・・・・・・・・・・275 ・・・・・・・・210
9(4)・・私の心臓を撃て(韓国)・・・・・・1/28・・・・・・・・・・・・・26,397 ・・・・・・・・・・・371,779・・・・・・・・・・2,741・・・・・・・・270
10(5)・・今日の恋愛(韓国)・・・・・・・・・1/14 ・・・・・・・・・・・・25,771・・・・・・・・・・1,879,143・・・・・・・・・14,825・・・・・・・・184
       ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 「国際市場」は先週予測した通り「グエムル –漢江の怪物-」(1301万人)も抜いて韓国映画歴代2位に上がりました。外国映画も含めると、上に「アバター」(1362万人)がいて、これはとどくかどうか? その上の1位は昨年の大ヒット作「鳴梁」(1761万人)です。
 今回の新登場は1・4・6・7・8位の5作品です。
 1位「セシボン」は韓国のラブコメ、なのですが、元はといえば「ラストダンスは私に(마지막 춤을 나와 함께)」等々の翻案ポップスで40年ほど前に人気を博したチョ・ヨンナム等のフォーク1世代のグループのこと。(→コチラ参照。) さらにその元は、ソウルの武橋洞にあった韓国最初の「音楽鑑賞室」(←旧世代には懐かしいようです)の店名で、そこを根城に彼らが活躍したのです。このセシボンが2011年頃TVの歌番組に登場して再び人気を集めるようになった、というのが本作の前提。この映画はその音楽鑑賞室セシボンが舞台。そのセシボンでライバルとして出会った歌手のユン・ヒョンジュ(カン・ハヌル)とソン・チャンシク(チョ・ボンネ)でしたが、セシボンのキム社長(クォン・ヘヒョ)は彼らにトリオを結成することを提案します。セシボン専属プロデューサーのイ・チャンヒ(チャン・ヒョンソン)は偶然オ・グンテ(チョンウ、キム・ユンソク)の歌声を聴いてその素質を直感します。ギターのコードさえよくわからないグンテでしたが、チャンヒに乗せられてトリオのメンバーに加わり、そしてセシボンの看板娘ミン・ジヨン(ハン・ヒョジュ、キム・ヒエ)に一目ぼれをして彼女のために歌を歌おうと決心するのですが・・・。原題は「쎄시봉」です。
 4位「ジュピター」はウォシャウスキー兄弟監督のSF。時代は未来。ジュピター(ミラ・クニス)は偉業を成し遂げる運命を示す“サイン”を持って生まれてきましたが、現実はトイレ掃除の仕事と失恋を繰り返すばかり。そんなある日、遺伝子操作された元兵士のハンター、ケイン(チャニング・テイタム)が彼女を探しに地球にやって来ます・・・。ペ・ドゥナも出演しています。韓国題は「주피터 어센딩」。日本公開は3月28日です。
 6位「最強戦士ミニ特攻隊:新たな悪党の襲撃」は、2014年9月からEBSで放映されている韓国アニメの劇場版。動物仲間が暮らすブルーベリー村を守るために結成されたのがこのミニ特攻隊。リーダーのリスはピーナツが大好物(笑)で、スピードが売り物で名前がボルト(笑)です。原題は「최강전사 미니특공대:새로운 악당의 습격」。
 7位「千と千尋の神隠し」については上述しました。
 8位「すすめ! オクトノーツ」は英BBCの子供向き人気アニメ。韓国でも「海探検隊 オクトノーツ(바다 탐험대 옥토넛)」というタイトルで放映されています。日本でもCATVとかスカパーでやっているようです。コチラもいろんな動物のメンバーで構成されるエージェント集団オクトノーツが、タコ状の乗り物に乗って海中の生き物たちのピンチを救うべく出動するというお話。韓国題は「바다 탐험대 옥토넛 스페셜」です。

【多様性映画】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(新)・・千と千尋の神隠し(日本)・・・・2002/6/02・・・・・・・・・・・・・69,431 ・・・・・・・・・・・・・85,285・・・・・・・・・・・677 ・・・・・・・・339
2(1)・・シェフ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1/07・・・・・・・・・・・・・11,097 ・・・・・・・・・・・・129,699・・・・・・・・・・1,057 ・・・・・・・・・47
       三ツ星フードトラック始めました
3(2)・・あなた、あの川を渡らないで(韓国)・・11/27 ・・・・・・・・・・・・1,484・・・・・・・・・・・4,791,577・・・・・・・・・37,305 ・・・・・・・・・40
4(新)・・サンタクロース・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2/05・・・・・・・・・・・・・1,304 ・・・・・・・・・・・・・・2,668・・・・・・・・・・・・・20 ・・・・・・・・・58
5(新)・・オマール、最後の選択・・・・・・・・・・・・・2/05 ・・・・・・・・・・・・・・755・・・・・・・・・・・・・・・1,348・・・・・・・・・・・・・・9 ・・・・・・・・・15
 1・4・5位の3作品が新登場です。
 1位「千と千尋の神隠し」については上述しました。
 4位「サンタクロース」(仮)はフランスのコメディ。家のベランダにサンタさんが落ちてきてアントワーヌ少年は大喜び。ところが実はサンタに扮して宝石を盗んだりしている泥棒。ところが彼、ついて回るアントワーヌを追い払えないまま「仕事」に連れて行くことに・・・。またアントワーヌにもついて回るわけがあったのです・・・。原題は「Le père Noël」で韓国題は「노엘의 선물(クリスマスの贈り物)」ですが、とりあえず原題直訳の仮題にしておきました。日本公開は未定です。
 5位「オマール、最後の選択」は、2013年のカンヌ国際映画祭である視点で特別審査員賞を獲得したパレスチナ映画。自爆テロに向かうパレスチナ人青年を描いた「パラダイス・ナウ」(2006年)のハニ・アブ・アサド監督作品で、彼の言葉によると「私が一番誇りに思うことは、本作の制作がすべてパレスチナ人の手によって行われ、パレスチナ人のお金が出資されたことだ」とのことです。パン焼きの仕事をしている青年オマール(アダム・バクリ)には恋人ナディア(リーム・リューバニ)がいますが、彼女に会うためにはは監視塔からの銃撃を避けながら分離壁を越えなければなりません。オマールはまたナディアの兄タレクの率いるパレスチナ自由戦士のメンバーで、ある晩友人たちと3人でイスラエル兵を狙撃します。ところがイスラエル軍警察に追われ、彼だけが捕まってしまいます。厳しい拷問を受けた彼は二重スパイという条件で釈放されますが・・・。韓国題は「오마르」。年内にアップリンク等で公開とのことです。

韓国のTV番組 週間視聴率ベスト20(2015年1月26日~2月1日)

2015-02-04 20:06:07 | 韓国のTV番組 週間視聴率ベスト20
 2ヵ月に1回の記事です。前回は→コチラ

 データの出所は韓国の視聴率調査機関<TNmS>のサイト中の「全国・地上波」の部です。(→コチラ。)

 12月、私ヌルボの韓国旅行中にいろいろ報じられていた例のナッツ・リターン事件。日本でも大きく報じられていたのには驚きましたが、それだけ国境を超えた話題性があったということですね。ロイターでも報じられてヨーロッパでも関心を集めたようですよ。
 あのナッツ姫だけでなく、3世などの財閥御曹司の「破格の出世」なんかも非難の的になっていますが、周知のように韓国ドラマの多くに国民の中のごく一握りの財閥家族が出てきます。で、かわいくて性格もいい庶民(orそれ以下)の女の子のシンデレラ・ストーリーが展開したりして・・・。なんのかの言いながらも、財閥批判もかなりヤッカミが混じっているんじゃないの? ・・・とは誰しも思うところでしょうね。
 ただ、これからは財閥家族の描き方も多少は変わってくるかも・・・。

【1月26日(月)~2月1日(日)】

①週末連続劇「家族同士、どうして[가족끼리 왜 이래]」(KBS2)  34.4%
 連続①位。

②週末特別企画「伝説の魔女[전설의 마녀]」(MBC)  27.7%
 13.4%から大幅アップで③位→②位にアップ。

③日日連続劇「あなただけが私の愛[당신만이내사랑]」(KBS1)  24.4%

④週末ドラマ「バラ色の恋人たち[장미빛 연인들]」(MBC)  24.4%
 16.8%から大幅アップで⑥位→④位。

⑤AFCアジアカップ・サッカー生中継<決勝:韓国vsオーストラリア>[AFC아시안컵축구(생)<대한민국:호주-결승전>](MBC)  19.6%
 1月31日。延長の末1:2で韓国の負けでした。

⑥日日ドラマ「甘い秘密[달콤한 비밀]」(KBS2)  18.8%

⑦KBSニュース9(KBS1)  17.2%

⑧朝ドラマ「嵐の女[폭풍의 여자]」(MBC)  15.6%
 このドラマも11.9%から上昇して順位も⑱位から大幅アップ。

⑨AFCアジアカップ・サッカー生中継<準決勝:韓国vsイラク>[AFC아시안컵축구(생)<대한민국:이라크-준결승전>](MBC)  15.5%
 1月26日。2:0で韓国が勝ちました。

⑩AFCアジアカップ・サッカー生中継<決勝:韓国vsオーストラリア>[AFC아시안컵축구(생)<대한민국:호주-결승전>](SBS)  15.3%
 MBCだけでなくSBSでも中継していたんですね。

⑪ハッピー・サンデー[해피선데이](KBS2)  15.1%
 ③→⑦→⑪位と下落が続いています。

⑫ギャグコンサート[개그콘서트](KBS2)  14.4%
 これも⑤→⑨→⑫位。アジアカップの中継と重なったのかな?

⑬「全国歌自慢[전국노래자랑]」(KBS1)  14.2%
 根強い人気の長寿番組。

⑭MBC日日特別企画「狎鴎亭白夜[압구정백야]」(MBC)  14.1%
 「母の庭園」の後番組として10月6日からスタートしていたドラマ。ソウルナビには「家族の姿をコミカルに描く! テレビ局の芸能部を舞台に繰り広げられるファミリードラマ!」とあったけど、全然そうじゃないみたいだぞ。脚本は「オーロラ姫」等のいわゆる<マクチャン>ドラマで(批判されながらも)ヒットを飛ばしてきたイム・ソンハン。タイトルの白夜(ベギャ.ペク・ヤ)はヒロインの名前。ベギャ(パク・ハナ)は両親を亡くし、兄ペク・ヨンジュン(シム・ヒョンタク)と2人で生きてきたため、兄に対して強い愛情をもっている。そのヨンジュンは、その後幼い頃に死んだと思っていた母ソ・ウナ(イ・ボヒ)に会った。・・・と、このあたりがマクチャン。しかしウナはヨンジュンに「このまま、知らなかったことにして生きていこう」と冷たく言った。そしてまだスタートして1ヵ月も経たないのに、ヨンジュンは「交通事故によってこの世を去った」とは・・・。←マクチャンその2。ペクヤはそれまで懐かしんでいた実母・ウナ(イ・ボヒ)に復讐心を抱くようになり、ストーリーの緊張感とスピードが高まって・・・(以下3ヵ月分省略^^;)、一昨日2月2日の回ではペク・ヤととチョ・ナダン(キム・ミンス)の結婚式。ようやく結婚した2人は式後盲腸(!)で式に行かれなかったウナに会うため病院へ向かったのだが、病院のロビーで2人の仲睦まじいようすを見たチンピラに喧嘩を売られ、ナダンもカッとなって揉めている内に転倒して気を失って、エッ、そのまま死んじゃうの!? ←マクチャンその3。いやはや、です。(笑)

⑮キム・ビョンマンのジャングルの法則withフレンズ[김병만의 정글의 법칙 I WITH프렌즈]」(SBS)  13.8%
 あら、今回は趣向を変えてきたのかな?(内容は未確認ですが。)

⑯歌謡舞台[가요무대](KBS1)  13.8%
 手堅い人気の歌謡番組。

⑰視聴者コラム「私たちが暮らす世の中[우리 사는 세상]」(KBS1)  12.7%
 1998年から続いている番組。視聴者から寄せられる声を平日の18:55~19:00の5分間放映。

⑱日日朝連続劇「恍惚の隣人[황홀한 이웃]」(SBS)  12.6%
 「清潭洞スキャンダル」の後続の朝ドラ(月~金.8:30~)として1月5日にスタートしましたが、数字的には及ばすといった感じかな? この邦題、「韓流ぴあ」にも多くのサイトにも「恍惚な隣人」となってますが、日本語としてヘン! それはそれとしてドラマの梗概。主婦のコン・スレ(ユン・ソナ)は、家計を維持するために朝は洗車、昼はチキンの店、夕方には肉屋で働いたりして懸命に生きている女性。そしていわゆる「夫バカ」でもあり、結婚以来無名俳優の夫ソ・ボングク(ユン・ヒソク)だけを見つめて生きてきた。忙しくても彼女は楽天的で明るく過ごしてきた。しかし、夫は多少無責任な面が多く、妻を無視するような態度も見せたりするようになっています。そんな彼らの隣の邸宅に住むのは衣料品メーカーの社長の一人娘でミュージカル俳優のチェ・イギョン(パク・タミ)と妻だけを愛してきた夫バク・チャンオ(ソ・ドヨン)。幸せそうに見える夫婦だが、イギョンは音楽を通じて知り合ったソ・ボングクと浮気、ってか!? そしてコン・スレの方もバク・チャンオと浮気、いや本気!? しかしその後チャンオは姿を消す? 復讐のため?(やっぱり韓ドラか?) そんなコン・スレとソ・ボングク夫婦が配偶者の浮気で傷付き、これを克服する過程でまた別の出会いを経験し、自身の価値を探していくドラマ・・・ってことですが、あいかわらずすごいサワヤカな朝ドラだな~。(笑)

⑲KBSニュース7(KBS1)  12.6%

⑳シニアトークショー「黄金の池 [황금연못2]」(KBS1)  11.2%
 土曜の朝8:30からの1時間番組として1月3日から始まったトークショー。初回のテーマは「専業主夫に転向したい夫vs反対する妻」、1月31日は「通帳の管理は誰がする?」ということで、およそ番組の性格がわかるようです。

韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績 [1月30日(金)~2月1日(日)]

2015-02-03 22:25:17 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 先週「王の涙 -イ・サンの決断-」を観てきました。観て損をしたということでは全然ないものの、なぜか全体的にイマイチの感が残るというか・・・。原題の「逆鱗」ではなく、ドラマでおなじみのイ・サンの名を邦題に入れたのは妥当なところ。ヒョンビンの時代劇初出演作というのもそれなりに注目かもしれないし、内容的にも目立ったマイナス点があったわけでもないんですけどねー。
 2014年公開の前評判から高かった時代劇4つ、つまり「逆鱗」「群盗:民乱の時代」「海賊:海へ行った山賊」「鳴梁」を観客動員数で比べると「逆鱗」384万人・「群盗:民乱の時代」477万人・「海賊:海へ行った山賊」866万人・「鳴梁」1761万人と差がつきました。符号をつけると、順に×・△・○・◎といったところでしょうか。観客動員数がそのまま作品としての「質」とか「格」を表しているわけではないのですけど、「商業映画」としては重要なモノサシであることはいうまでもないことです。
 「群盗」と「海賊」を観てないのではっきりとは言えませんが、「逆鱗」はオーソドックスでよくできてはいるものの、たとえていえばそこそこ勉強はできるが光るものに欠ける生徒といった感じですかねー。この数年観た時代劇の中でも「王になった男」には全然及ばず、「観相師」のような素材のおもしろさもなかったし、スケール感はないものの楽しめた「風と共に去りぬ!?」にも負けていたかもしれません。
 人気スターを起用して、大がかりなアクション等々を盛り込んで・・・だけではダメなことはわかるとして、じゃあどうすればいいのか?というのが作り手としてはむずかしく、またそこが肝心なとこなんでしょうね。いわくいいがたし。うーむ。

「朝鮮日報」1月30日掲載の「封切映画 ぴったり10字評」 (ハングル文も訳文も10字です。)
 「ビッグ・アイズ」
  ティムだから全て良し ★★★
 「劇場版 進撃の巨人 前編~紅蓮の弓矢~」
  原作のファンは満足ね ★★
 「私の心臓を撃て」
  何か少しずつ足りない ★★
 「ビヨンド・ザ・ライツ」
  「ボディガード」そっくり ★★☆
 「ウォーター・ディヴァイナー」
  親父の話がはやりかも ★★☆
 「イコライザー」
  創意性なき殺人の行進 ★★
 「西遊記~はじまりのはじまり~」
  周星馳西遊記、自己複製 ★★
 「AFFLICTED アフリクテッド」
  ゲームと映画、異種交配 ★★☆
「劇場版 進撃の巨人 前編~紅蓮の弓矢~」については説明省略。「AFFLICTED アフリクテッド」はカナダ・アメリカ合作のホラー。旅先で出会った女性と一夜を共にした男が身体を蝕まれていく一方で得た超人的な能力とは? 今ヒューマントラストシネマの【未体験ゾーンの映画たち2015】で上映中。(2月6日まで。) 他の6作品は以下の記事中で紹介しています。

           ★★★ Daumの人気順位(2月3日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】

①その人、その愛、その時代(韓国)  10.0(20)
②クォ・ヴァディス(韓国)  9.5(144)
③犬どろぼう完全計画(韓国)  9.3(723)
④いのち(韓国)  9.3(106)
⑤ユー・アー・ノット・ユー  9.1(30)
⑥ポンヌフの恋人たち9.1(51)
⑦ビリー・エリオット ミュージカルライブ リトル・ダンサー  9.0(26)
⑧ハウルの動く城(日本)  9.0(881)
⑨アクト・オブ・キリング  9.0(48)
⑩あなた、あの川を渡らないで(韓国)  8.9(1130)

 若干の順位変動はありましたが、新登場の作品はありません。

     【専門家による順位】

①6才のボクが、大人になるまで。  9.5(8)
②サンドラの週末  8.6(5)
③クラウズ・オブ・シルス・マリア  8.3(6)
④鉄の夢(韓国)  8.0(5)
⑤アクト・オブ・キリング  7.8(6)
⑥自由が丘で(韓国)  7.7(4)
⑦インターステラー  7.6(9)
⑧アメリカン・スナイパー  7.5(2)
⑨マップ・トゥ・ザ・スターズ  7.4(5)
⑨ワイルド  7.4(5)

 順位・評点とも前回と同じです。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[1月30日(金)~2月1日(日)] ★★★

         「ベイマックス」がトップの座に

【全体】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(2)・・ベイマックス ・・・・・・・・・・・・・・・1/21 ・・・・・・・・・・・611,389・・・・・・・・・・1,739,760・・・・・・・・13,821・・・・・・・・787
2(3)・・国際市場(韓国) ・・・・・・・・・・12/17・・・・・・・・・・・・420,456・・・・・・・・・12,719,606・・・・・・・・98,876 ・・・・・・・606
3(1)・・江南 1970(韓国) ・・・・・・・・・・・1/21 ・・・・・・・・・・・403,414 ・・・・・・・・・1,769,027・・・・・・・・13,341・・・・・・・・691
4(54)・・私の心臓を撃て(韓国)・・・・・1/28 ・・・・・・・・・・・168,686 ・・・・・・・・・・・273,620・・・・・・・・・2,019・・・・・・・・452
5(4)・・今日の恋愛(韓国)・・・・・・・・・・1/14 ・・・・・・・・・・・116,396・・・・・・・・・・1,801,832・・・・・・・・14,230・・・・・・・・374
6(5)・・ナイト ミュージアム ・・・・・・・・・1/14・・・・・・・・・・・・81,816 ・・・・・・・・・・1,056,542・・・・・・・・・7,841・・・・・・・・301
        /エジプト王の秘密
7(20)・・ウォーター・ディヴァイナー・・1/28・・・・・・・・・・・・61,118 ・・・・・・・・・・・101,129・・・・・・・・・・・749・・・・・・・・324
8(55)・・イコライザー・・・・・・・・・・・・・・1/28・・・・・・・・・・・・・37,368 ・・・・・・・・・・・・62,869・・・・・・・・・・・488・・・・・・・・255
9(75)・・ビッグ・アイズ・・・・・・・・・・・・・1/28・・・・・・・・・・・・・36,468 ・・・・・・・・・・・・54,973・・・・・・・・・・・422・・・・・・・・289
10(6)・・許三観(ホ・サムグァン)(韓国)・・1/14・・・・・・・・・・32,365・・・・・・・・・・・939,359 ・・・・・・・・・7,289・・・・・・・・208
       ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 「国際市場」は先週の予測通り「王の男」、「王になった男」を抜いて韓国映画歴代5位に。今日「7番房の奇跡」(1281万人)を抜き、近々「10人の泥棒たち」(1298万人)、「グエムル –漢江の怪物-」(1301万人)も抜いて2位に上がるでしょう。ちなみに昨年の大ヒット作「鳴梁」は1761万人と図抜けています。
 今回の新登場は4・7・8・9位の4作品です。
 4位「私の心臓を撃て」は、女性人気作家チョン・ユジョンの同名小説の映画化。私ヌルボ、彼女の「7年の夜」(→コチラ)と「28」(→コチラ)はとてもおもしろく読み、記事にも書きましたが、この「私の心臓を撃て」は未読。しかし読んだ2作品はどちらも迫真のストーリー展開でイッキ読みしました。(といっても数ヵ月かかりましたが。) この作品の舞台はある精神病院。幼いころのトラウマのせいで過去6年間入退院を繰り返している模範的患者スミョン(ヨ・ジング)。一方、スンミン(イ・ミンギ)は家族との遺産争いの過程で無理やりに精神病院に入れられた患者。「動く時限爆弾」というあだ名を持つそのスンミンと関わるようになってスミョンの平和な病院生活は揺らいでいきます。病院での理不尽な監禁から抜け出そうと、スンミンは同じ部屋のスミョンをそそのかして脱出を図ろうとしますが・・・。君は2013年「ファイ:悪魔に育てられた少年」で青龍映画賞の新人賞を受賞したし、映画でも快調ですね。この作品では、1997年8月生まれ(17歳)の彼が1985年1月生まれ(30歳)のイ・ミンギと25歳の同い年の青年を演じるそうです。そういえば今日読んだ「韓流ぴあ」の記事によるとパク・ボヨンが彼と共演したいと言った(→関連記事)とか、少女時代のサニーがその件でヨ・ジングを追及した(?)(→関連記事)とか「太陽を抱く月」で共演したキム・ユジョンが彼にラブコールを送った(→関連記事)とか、おねーさま方にエライもてているようですね。ハハハ。あ、この作品の原題は「내 심장을 쏴라」です。しかし、ずいぶん前から映画化の話が出ている「7年の夜」はその後どうなってるんだろ? 「私の心臓を撃て」が刊行後6年目の映画完成だから、まだまだ先のことかな?
 7位「ウォーター・ディヴァイナー」(仮)は豪・米・トルコ合作の戦争ドラマで、俳優ラッセル・クロウの監督デビュー作。時代背景は第1次世界大戦中のガリポリの戦い(1915~16)。ガリポリはトルコのダーダネルス海峡西側の半島です。そこで上陸作戦を展開する英・仏・豪・ニュージーランド等に対し、オスマン帝国軍が頑強に抵抗し、結局は連合国軍が撤退を余儀なくされた戦いで、双方とも多くの戦死者を出しました。(→ウィキペディア。) この物語は、オーストラリア人のコナー(ラッセル・クロウ)がその戦いに参戦して行方不明になった3人の息子を探すためトルコへ向かうというもので、実話に基づいているとのことです。そういえばラッセル・クロウはニュージーランド出身。そして今年はガリポリの戦いから100年目ということで、彼は「この節目にトルコ側から見たガリポリの戦いを描いてもいいのではないか」と考えたそうです。で、トルコも制作に関わっているのですね。※「オーストラリアとニュージーランドは1901年と1907年にそれぞれ英国の植民支配から解放されたが、英国連合軍として第1次世界大戦に動員された」とのことです。タイトルの「ウォーター・ディヴァイナー」は「水の占い師」の意? 韓国題も「워터 디바이너」です。日本公開は未定のようです。
 8位「イコライザー」は、日本では2014年10月公開済みです。韓国題は「더 이퀄라이저」。「ド・イクォルライジョ」ね。
 9位「ビッグ・アイズ」も、日本では1月23日に公開されています。韓国題は「빅 아이즈」です。


【多様性映画】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・シェフ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1/07・・・・・・・・・・・・・13,196 ・・・・・・・・・・・・109,534・・・・・・・・・・・・889 ・・・・・・・・・46
       三ツ星フードトラック始めました
2(2)・・あなた、あの川を渡らないで(韓国)・・11/27・・・・・・・・・・・・5,392・・・・・・・・・・・4,787,405・・・・・・・・・・37,274・・・・・・・・・70
3(新)・・ビヨンド・ザ・ライツ・・・・・・・・・・・・・・・・1/28・・・・・・・・・・・・・5,338・・・・・・・・・・・・・・10,517・・・・・・・・・・・・・78 ・・・・・・・・129
4(3)・・サンドラの週末・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1/01・・・・・・・・・・・・・1,018・・・・・・・・・・・・・・38,250・・・・・・・・・・・・311 ・・・・・・・・・15
5(新)・・学生王子 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・775・・・・・・・・・・・・・・・7,602・・・・・・・・・・・・・15・・・・・・・・・・・1

 3位と5位の2作品が新登場です。
 3位「ビヨンド・ザ・ライツ」(仮)は、トップスターに上り詰めた女性シンガーのノニ(ググ・ンバータ=ロー)が、プレッシャーと戦う中で出会った恋人との時間を通して自らを取り戻していくというアメリカ映画。ノニは10歳の頃母親(ミニー・ドライバー)に連れられてタレントショーに出演し、ニーナ・シモンの「ブラックバード」を歌って2位のトロフィーをもらい、自分でも満足だったが、母は1番目を取れなかったことでこっぴどく怒られたこともあった。成長した彼女はビルボードアワードいう大舞台で賞を受賞した。キッド・カルプリット(マシンガン・ケリー)の曲に客演したことが評価されたのだ。キッド・カルプリットとのゴシップもあり、レコードデビュー前から人気の彼女だったが、その夜、彼女はホテルのベランダから落ちそうになる。彼女を救ったのはたまたまその日の警備を担当していたLA市警のカズ(ネイト・パーカー)で、メディアには単に酔って落ちそうになったと説明してくれ、以後2人は恋に落ちていくのだったが・・・。韓国題は「블랙버드(ブラックバード)」。日本公開は未定です。
 5位「学生王子」は往年の名作ュージカルの再上映。1954年のアメリカ作品で、あの「アルト・ハイデルベルク」2度目の映画化。作曲は「朝日のごとくさわやかに」「恋人よ我に帰れ」等で有名なシグマンド・ロンバーグ。韓国題は「황태자의 첫사랑(皇太子の初恋)」なんですね。

[韓国の小説]イ・ギホの短編「ボニ(バニー)」はラップの歌詞そのまんま。ちょっとやるせなくて印象的!

2015-02-02 22:29:26 | 韓国の小説・詩・エッセイ

 久しぶりにおもしろい韓国小説を読みました。久しぶりにというのは、「おもしろい」と「韓国小説(原書)」両方の意味で、です。
 その小説はイ・ギホ(이기호)という作家の「チェ・スンドク聖霊充満記(최순덕 성령충만기)」という短編集の最初に収められている「ボニ(버니)」という作品です。
 ※<innolife>の記事(→コチラ.日本語)では「バニー」と表記していますが、とりあえず韓国語の発音に近い「ボニ」にしておきます。「バーニー」でもOKかも。
 「堪能」というにはほど遠い語学力の私ヌルボでもイッキ読みできたのは、正味33ページという短さだけでなく、それ以上に斬新な文体のゆえです。
 最初の1ページを丸ごとコピペして、拙訳を付けてみました。

 来たぞ来たぞ、あの娘(こ)が来たぞ、俺を訪ねて来たぞ、事務所に来たぞ、俺らに会いに事務所に来たぞ、あの娘のマネージャーも来たぞ、すげーヤバいクライスラーのミニバンに乗って来たぞ、マネージャーの子分たちも一緒に来たぞ、あの娘が俺らの愛人バンクに来たぞ、半年ぶりに来たぞ、自分を消しに、消しに来たぞ、新入りの娘(こ)たちは浮かれていたな、歌手が来たって、浮かれて舞い上がって、浮かれて叫んで、ところがあの娘は車から降りず、すげー真っ黒なミニバンの窓の中に、固まったように座っていたな、事務所に来たのはあの娘のマネージャー、マネージャーの下っ端ども、マネージャーが言った、俺を見て言った、俺らに言った、大声で脅してまくしたてた、
 韓国語だと「ワッソワッソ、クニョガワッソ、ナルチャジャワッソ、サムシロワッソ」ですからねー。あとで<yes24>の読者レビューを見たら「冒頭の数行どころか、1行で引きつけられる」という感想がありました。
 で、このリズム感、自然に歌になってる感じだなー・・・と思ったら、小説のキモもラップ(랩)の話じゃないの。次に一応あらすじを載せておきます。

 「俺」は高校生の時国史の試験で「七支刀」と答えるべきところを「サシミ」と答えて先生に馬鹿にされ往復ビンタを受けてブチ切れ、騒ぎを起こして中退し、ポドパン(보도방.愛人バンク)を運営することに。つまり売春斡旋業者。ある日、友人が妹のスニを連れてきて、彼の頼みでどこか体の不自由な彼女をやむなく引き取ることに。「歌だけは上手い」という友人の言葉通り満足に口もきけないスニだがラップでは自分を表現できる。やがて他の娘たちが出払っている時から彼女も「仕事」に出るようになるが、初めの懸念とは逆にスニの評判は(彼女が歌うラップゆえに)高まって店の一番手になる。そんな彼女がある夜ホテルに入ったまま行方不明になる。次に「俺」がスニを見たのは6ヵ月後。TVで見たスニは新世代の女性ラッパー「ボニ」となって登場している。彼女が歌っている歌のタイトルも「ボニ」で、そのラップの歌詞は「움파움파, 너는 버니, 너는 뭘 버니, 돈을 잘 버니・・・(ウンパウンパ、おまえはボニ、おまえは何をボニ(=稼ぐの)、お金をよくボニ・・・)」というものだった・・・。

 ・・・ということで、その「ボニ」のマネージャーが知られてはまずい彼女の過去を口止めするために乗り込んできたというのが上掲の冒頭の場面。
 そして1章の終わりが次の文章です。
 
俺は考えた、俺は念を押した、俺はボニを知らねえ、ボニというラッパーを知らねえ、ボニの本名がスニというのを知らねえ、スニが俺の下で働いていたことを知らねえ、スニが毎晩旅館に、旅館に出張してたのを知らねえ、知らねえ知らねえ、なんにも知らねえ、ラララララララ ラララララ
 「아무것도 몰라,랄랄랄랄랄랄랄 랄라라라라(アムゴット モラ、ラ ラララララ)」と、「モラ(知らねえ)」からそのまま「ラ・・・」と続くこの語感は日本語に置き換えるのは困難ですが・・・。

 こういう物語の部分、ラップの用語だとバースにあたるのかな? それに対し、フックつまりサビの部分が章の最後に繰り返して置かれています。
 俺のあだ名ははバスケット 水を入れれば水が漏れ
 米を入れれば米が漏れる
 竹で作った軽いバスケット
 俺のアタマが軽いから 俺のあだなはバスケット
 生まれた時から軽くて軽くて死んでるようだった
 俺のあだなはバスケット
 なんにも知らねえ親父も知らねえおふくろも知らねえ
 生きることも知らねえ世の中も知らねえ
 誰も俺に話し方を教えてくれなかった
 それでも俺はこんなに話してるぞ
 俺も軽くておまえらも軽い
 俺の言葉も軽くおまえらの言葉も軽い
 俺はバスケットおまえらもバスケット 水を入れれば水が漏れ
 米を入れれば米が漏れる
 世の中はバスケット

 結局は押し殺さざるをえない感情をこのようなリフレインに込めて・・・というところにやるせなさを感じましたねー。
 考えてみればヒップホップ系の音楽はアメリカの社会的に抑圧されてきた階層の間の抵抗等の自己表現として生まれたもので、こうした内容の物語には合ってるのかも。
 この小説が発表されたのは思ったより早くて1999年。1972年生まれのイ・ギホのデビュー(←韓国では「등단(登壇)」)作で「現代文学」新人賞受賞作とのことです。ということは、92~95年頃ソテジワアイドルが韓国でラップブームを巻き起こして「韓国音楽界に革命を起こした」ということもそれなりに関係ありそうですね。
 もうひとつ連想したのは町田康。ミュージシャンの彼がなんともユニークな文体の「くっすん大黒」で作家デビューしたのが1997年でした。(町田康の小説が韓国で刊行されていないのはその文体のためかな?)
 さらにもうひとつ。拍子に合わせ、節をつけて人生を語るといえば身世打鈴(シンセタリョン.신세타령)というのがあるじゃないの、と思ったら、<yes24>の感想の中にも「パンソリを思い浮かべた」と書いていた人がいました。やっぱり、でしたね。

 最後にこの「チェ・スンドク聖霊充満記」所収の他の作品について。他のもラップみたいな文体で書いているのかと思ったらさにあらず。しかし警察の取り調べ調書の形式の「ハムレットフォーエバー」、入社試験用の自己紹介文を借用した「告白時代」、聖書のような形式の表題作「チェ・スンドク聖霊充満記」等、ふつうの小説とは違った多様な形式を用いています。また、現代社会の中で疎外された人々を主に描いている点もこの作家の特色かもしれません。他の作品は読んでないのではっきりとは言えませんが・・・。

※作中に出てくる보도방(ポドパン)は一応「愛人バンク」と訳しましたが、この言葉及び業体について調べればいろいろありそうな感じ。