ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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★2023年 ヌルボの個人的映画ベスト10 <続き その1> 戦争・紛争・内乱・クーデター等

2024-01-30 11:12:15 | 韓国映画(&その他の映画)
 以前2015~16年頃)の<ヌルボの個人的映画ベスト10>を見ると、映画を評価する3つのモノサシ中、「私ヌルボ自身は、[A]娯楽性=20%、[B]社会性=50%、[C]芸術性=30% といったところかなと思っています」と書いています。
 今もほとんど変わっていませんが、近年世界の至るところで国家間の戦争や内戦、内乱、クーデター、地域紛争、独裁政権による民衆の弾圧等々が繰り広げられています。映画も、とくに社会性といったことを意識しなくても、印象に残った作品を挙げていくと、自然と上記のような国々や地域を撮った作品、とくにドキュメンタリーが思い浮かびます。
 そんな状況は、たとえば昨年10月のハマスによるイスラエル攻撃がメディアで大きく報じられて多くの国民が知るところとなり、そして「ガザ 素顔の日常」(2019.カナダ等3ヵ国合作のドキュメンタリー)が再上映され、(私ヌルボの場合)パレスチナ子どものキャンペーン・エルサレム事務所代表の手島正之さんの詳しいトークも聞けるわけです。(※スクリーンに映ってる人々と、それを観ているわれわれ日本人。このまさに両極端ともいうべき運命を分かった偶然は<いたずら>と呼ぶにはあまりに重すぎます・・・。)
 今パレスチナvsイスラエルに世界の目が向けられた分、ロシアのウクライナ侵攻に対する関心はやや薄らいでしまいました。
 しかし日本ではあまり知られていない、上記のような問題を抱えた国は数多くあります。
 たとえば2021年ミャンマーの国軍によるクーデターは日本ではどれほど知られているのでしょうか? あのアウンサンスーチーさんが自宅軟禁状態とかは小さく(?)報じられましたが・・・。
 昨年8月、ミャンマーでクーデターに抗する人たちが撮った「ミャンマー・ダイアリーズ」を観て心打たれました。軍政に反対する女性たちが住居の上の階の窓からフライパンを打ち鳴らし抗議の意思表示をします。彼女たちは街に出て堂々と抗議もします。そんな市民を軍は武力で制圧するのです・・・。
 このドキュメンタリーは軍政に対して地方を拠点に武力反抗を期して訓練中の人々が撮ったため制作スタッフ等の名前は一切ありません。私ヌルボ、このクーデターの実像(の一部)はこの映画を観て初めて知りました。なお、日本(の外務省)はこれまでの縁(?)からミャンマーの軍政とは良い関係にあるようですよ。クーデター後も。(この件書くと長いので以下省略)
 そしてトルコに対してクルド人組織による独立をめざす紛争。埼玉県蕨市に多く居住するクルド人は<ワラビスタン>と呼ばれているそうですが、難民認定をもとめても多くは認められません。ウクライナからの移住者に対する厚遇とはまさに対照的! クルドは日本と友好的なトルコを相手にしているという事情があるのかな? 
 日本はすでに1970年代後半のベトナム・ラオス・カンボジアからの難民大量流出をきっかけとして1981年に難民条約に加入しました。神奈川県でも横浜市泉区と大和市にまたがるいちょう団地では当時入国したベトナム人等の集住地域が形成され今に至っていますが、当時は政府も定住促進センターを設けたり日本語や日本の習慣等を学ばせたりと積極的に支援をしたのです。その後とくに彼らとの間では交流行事等はあっても諍いとかは聞いたことがありません。小学校では日本人と何ヵ国もの子供たちが一緒に学び、また個々の生徒に応じた語学教育も行われています。校内には、いくつもの言語で書かれた貼り紙もあります。
 ところが今、蕨や川口に暮らすクルド人たちは多くの(??)日本人から厄介者扱いされたりしているようですが、それにしても現地の事情も知らず(?)「トルコに送り返せ!」はないでしょう! 一昨年公開の映画「マイスモールランド」、機会があればぜひ観てほしいものです。(配信があるようです。)
 どうも近年、他国の不幸な人々には同情はしても日本には「来てくれるな!」と言う人がずいぶん増えたようです。日本の難民認定率が他国と比べると極端に低いのもそんな国民の雰囲気を反映しているからでしょうか? それとも政府がそのように誘導している?
 日本で「不法滞留者が多い」というのも、日本政府がとくに高くしたハードルにひっかかるからなので、殺傷事件や盗み、密輸等の犯罪をイメージするのは誤りです。
 人口の減少が進み外国人の労働力が必要なはずの日本の今の産業にとっても、外国人の受け入れどころか排斥とは「馬鹿なことをやっている」としか思えません。
 あまり日本人にはなじみのない国や地域でも内戦が長く続いている所があります。チュニジアのジャスミン革命(2011)以来延々と続いているシリア内戦については「娘は戦場で生まれた」(2020)でそのごく一部を知りました。ごく一部と言っても、登場する家族にとってはもちろん命に関わる一大事です。
 その他リビアイエメン等でも内戦が続いているようです。

 1月12日付毎日新聞(夕)の<シネマの週末・チャートの裏側>で大高宏雄さんがアメリカのエリート傭兵集団の活躍を描いた「エクスペンダブルズ」の最新作「ニューブラッド」について次のようなことを書いてました。
 正直、複雑な思いを抱いた。核爆弾を巡り、CIAの傭兵部隊と、敵対する組織が激しい戦闘を繰り広げる。容赦ない殺戮と血しぶきなど、アクション描写はかなりハードだった。それはいいのだが、アクション=戦闘シーンがどうにも気持ちを逆なでする。世界で起きている戦争がダブってくるのだ。いったい、何を見ているのか。ちょっと、いたたまれなくなることも度々だった。かつてのようには、のんきに戦闘シーンを見られなくなっていた。(中略)観客はどう感じているだろうか。

 私ヌルボも全く同感です。

独裁国家は、民主主義国家よりも数が多く、ある記事によると世界の人口の約7割は独裁国家に住んでいるのだそうです。
 また別のサイトでは独裁国家として以下の20ヵ国がリストアップされていました。
 アゼルバイジャン・トルクメニスタン・ウズペキスタン・エジプト・エリトリア・ベラルーシ・カンボジア・カメルーン・チャド・イラン・キューバ・セキドウギニア・カザフスタン・北朝鮮・ルワンダ・スホダン・シリア・中国・ベトナム・ベネズエラ

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