▸先週から一段とせわしない日々が続いています。おおかたは好きでやってることなんですけどね。とくに週末。26日(土)は、午前中は伊藤博文の命日ということで、西大井の墓所で催される墓前祭のようすを始めて見てきました。午後は恵比寿の東京都写真美術館ホールで懸案の中国映画「流転の地球」を鑑賞。併せて写真美術館の展示を見て、その後はやはり横須賀線で大船に向かい、いつものハングルサークルとその2次会で帰宅は夜12時過ぎ。翌27日(日)は午前中ハングルの私的読書会、午後は横浜キネマ倶楽部主催で11月2日上映される「日曜日の子供たち」(堀田泰寛監督.1980)のロケ地巡りに参加し、鶴見区内でもこれまで行ったことがなかった鶴見川河口辺りのふれーゆから小野町までを監督さんの話を聞きながら歩き、その後も個人的に歩き廻ってこの日は合計2万2千歩と、今年4番目くらいの歩数を記録、さすがにバテてしまって、ぐっすり眠れました。
※「日曜日の子供たち」上映会についてはコチラ参照。
▸昨日28日(月)は、覚悟を決めて(笑)シネマ・ジャック&ベティに行き、例の「サタンタンゴ」を鑑賞。上映時間は438分とありますが、開場時刻が11時30分で、間に休憩が2回入り、終わって場内の照明が点いたのが19時14分だから、合計464分。料金は一律3900円で、客はたしか16人だったかな? それにしても、物好きな人がけっこういるものだ・・・と、おたがい内心で思っていたかも・・・。時間もさることながら、物語の展開も、タル・ベーラ監督らしい長回しの撮り方もはっきり言ってタイクツだから。2012年に観た「ニーチェの馬」も154分ながら十分すぎるほどタイクツだったからなあ。(それでも個人的にはその年1番の映画だった(笑)。) 「サタンタンゴ」も登場人物の会話が少なく、ただ黙ってるだけのシーンがやたらと多いし、それも無表情。延々と続くまっすぐな道を数人が延々と歩く。それもまた無言で。やたら雨が降っていて風景も陰鬱。ハンガリーでは秋~冬が雨季だとか。(欧州は全体的にそうか。) 7時間以上耐えた自分を褒めたいと思います。あ、昨日の疲れが残っていて最初の方は時々寝てましたが。それでも後の方になるとむしろおもしろくなってきたのはなぜか自分でもフシギです。
ハンガリーは日本と同じく名前が姓・名の順になるので姓がタルで名がベーラ。ということは作曲家バルトーク・ベーラと同じ名。ハンガリーによくある男性の名だそうです。
長い映画といえば、「SHOAH/ショア」の第1~4部で全567分というのがありますが、私ヌルボは3日間に分けて観たので何ということでもありません。内容的にすごいドキュメンタリーで、ぜひ多くの人に薦めたい作品です。「アンダーグラウンド 完全版」は前・後編続けて観て314分。これはさすがにクストリッツァ監督、テンポがよくて楽しく、全然退屈さを感じませんでした。
長くても、また技術的に旧式の作品でも、観るに値する作品はやっぱり後々まで観る人は絶えないものです。
▸上述の中国映画「流転の地球」はいろんな意味で画期的かも。原作は、7月に刊行されて話題となり、版を重ねた話題の中国SF「三体」の作者・劉慈欣の短編とか。その発想がユニーク。(と言っていいのかな? 近年あまりSF読んでないので。) 太陽が膨張して地球自体が大ピンチ!ということになって、「全人類(orその一部)は地球を脱出して云々」というんじゃなくて、なんと、地球を丸ごと太陽系から離脱させて、ずうーっと遠く、4.2光年離れた恒星系をめざすってんだから。ところがその長~い旅の最初の辺りで大ピンチに陥るのです・・・。
映画史的に、あるいは世界の映画地理(←という言葉ある?)の上で画期的なのは、中国初の超大作ブロックバスター作品ということ。この視覚効果はすごいすごい(笑)。日本でこんな(いろんな意味で)スケールの大きい映画が作れるでしょうか?(別に作らなくてもいいけど。)
感想としては、いろんなレビューに書かれているように、人物の描き方に深みが欠けるのが残念。やたら感情的になって大声を出していさかいを起こしたりとか、そういうヒトって中国のヤクザ映画なんかでもフツーにいそう。まあSFであろうが子供向けアニメであろうが、日本の作品は日本人、アメリカの作品はアメリカ人、中国や韓国の作品なら中国人や韓国人の姿が自然に反映されているという、これは当然と言えば当然か。あと、上記の<大ピンチ>にどう対処したかについて、私ヌルボはそれなりの疑問を禁じえなかったのですが・・・。
とはいえ、この「流転の地球」を映画館の大きなスクリーンで観られたのはラッキーでした。開映の1時間前に行ったらすでに残席は1ケタで、じき完売。Netflixで配信しいるので、ふつうなら→ソチラで観ることになります。なお、関連記事は→<映画com.>、→<Filmarks>等。
★★★ NAVERの人気順位(10月29日現在上映中映画) ★★★
【ネチズンによる順位】
※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。
①(1) 私の歌は遠く遠く(韓国) 9.75(122)
②(-) グリーンブック 9.61(6,047)
③(3) 今日も上、上(韓国) 9.56(148)
④(4) 主戦場 9.50(978)
⑤(5) マダム・ベー ある脱北ブローカーの告白(韓・仏) 9.47(103)
⑥(-) シークレット・スーパースター 9.46(78)
⑦(7) ディーター・ラムス 9.33(91)
⑧(6) ポーランドに行った子供たち(韓国) 9.32(537)
⑨(8) 教会のお兄さん(韓国) 9.27(1,551)
⑩(-) チェックの忍者 9.10(10)
⑥と⑩の2作品が新登場です。
⑥「シークレット・スーパースター」はインドの感動ドラマ。日本では8月9日から公開されています。韓国題は「시크릿 슈퍼스타」です。
⑩「チェックの忍者」については後述します。
【記者・評論家による順位】
①(1) 寄生虫[パラサイト](韓国) 9.06(16)
②(2) ハチドリ(韓国) 8.38(13)
③(3) ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド 7.90(10)
④(4) ブラッド・シンプル 7.75(4)
⑤(5) ストライキ前夜(韓国) 7.71(7)
⑥(7) ジョーカー 7.64(11)
⑦(6) マダム・ベー ある脱北ブローカーの告白(韓・仏) 7.60(5)
⑧(-) キム君(韓国) 7.57(7)
⑨(9) 主戦場 7.33(6)
⑩(-) グリーンブック 7.29(7)
⑩(-) ボーダー 二つの世界 7.29(7)
⑩「ボーダー 二つの世界」が新登場です。カンヌ映画祭<ある視点部門>でグランプリを受賞したスウェーデン・デンマーク合作のサスペンス(&ダーク・ファンタジー)。日本では10月11日から公開されています。韓国題は「경계선(境界線)」です。
★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績10月25日(金)~10月27日(日) ★★★
話題の韓国小説「82年生まれ、キム・ジヨン」の映画化作品が1位に
【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・・累積収入・・上映館数
1(45)・・82年生まれ、キム・ジヨン(韓国)・・10/23・・・・・・829,320・・・・・・1,120,474 ・・・・・・・・9,705・・・・・・1,486
2(1)・・マレフィセント2・・・・・・・・・・・・10/17 ・・・・・・・・・324,293・・・・・・1,125,654 ・・・・・・・・9,667 ・・・・・・・880
3(2)・・ジョーカー・・・・・・・・・・・・・・・・・10/02 ・・・・・・・・・240,070・・・・・・4,960,162 ・・・・・・・43,027 ・・・・・・・702
4(3)・・いちばん普通の恋愛(韓国)・・・・10/02 ・・・・・・・・・130,119・・・・・・2,793,365 ・・・・・・・23,890 ・・・・・・・613
5(新)・・ランボー5/ラスト・ブラッド・・10/23・・・・・・・・・・47,096 ・・・・・・・・72,265・・・・・・・・・・605 ・・・・・・・483
6(63)・・ビッグ・トリップ ・・・・・・・・・・・10/23・・・・・・・・・・28,550 ・・・・・・・・32,728・・・・・・・・・・258 ・・・・・・・373
:赤ちゃんパンダ配達大冒険
7(5)・・パーフェクトマン(韓国)・・・・・・10/02 ・・・・・・・・・・14,391・・・・・・1,224,925 ・・・・・・・10,207 ・・・・・・・182
8(42)・・ターミネーター2 3D・・・・・1991/7/06 ・・・・・・・・・・・7,903 ・・・・・・・・11,744・・・・・・・・・・112 ・・・・・・・112
9(68)・・チェックの忍者・・・・・・・・・・・・・10/23・・・・・・・・・・・6,801 ・・・・・・・・11,124・・・・・・・・・・・84 ・・・・・・・221
10(新)・・キング・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10/23・・・・・・・・・・・6,745 ・・・・・・・・10,724・・・・・・・・・・・85 ・・・・・・・146
※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。
今回の新登場は1・5・6・8・9・10位の6作品です。
1位「82年生まれ、キム・ジヨン」は、韓国同様日本でもベストセラーとなった女性作家チョ・ナムジュの話題の小説の映画化作品。この映画の主演はチョン・ユミで、私ヌルボ、彼女はもっと若いと思っていたら1983年1月生まれでほとんど同世代なんですね。で、たまたま「主演チョン・ユミに非難の声、なぜ?」と題した成川彩さんの記事(→コチラ)が目に留まったので読んでみたら、チョン・ユミになんら非はないということでホッとしましたが、それはそれとして、韓国内の反フェミニズムの勢力の声の大きさについて記されていました。意外には思わなかったものの、ここまで強いとは・・・。→翻訳者の斎藤真理子さんへのインタビュー記事と併せて、韓国社会での反応や日韓の違い、翻訳の際の留意点等々が説明されています。日本の場合MeToo運動が韓国ほどのパワーが感じられないのはいろんな理由が考えられますが、日本の場合は韓国ほどの深刻な問題はないと考えるとしたら大きな間違いでしょう。
ところで、この映画を観た人たちの評点が男女別でどれくらい違いがあるか、→コチラのページで見てみました。すると、平均評点は男性=2.48 女性=9.52。この極端な差にビックリ! 以下内容紹介。ジヨン(チョン・ユミ)は1982年の春生まれ。娘として妻として、同僚として母として2019年の今日を生きています。時につらいことがあっても、夫のテヒョン(コン・ユ)と愛らしい娘、そして日頃は合わなくても家族が大きな力になっています。しかし、ジヨンはいつからか、まるで他の人になったかのような話し方をしています。テヒョンは妻が傷つくことを恐れて、その事実を告げず、ジヨンは、このようなテヒョンにいつも「大丈夫」と笑ってみせるだけでしたが・・・。原題は「82년생 김지영」です。
5位「ランボー5/ラスト・ブラッド」(仮)は、1982年から続く<ランボー>シリーズの最新作。シルヴェスター・スタローン、70歳を超えてもよく頑張るなー。それにしても、アメリカでの公開日が9月20日だから、その3日遅れとは早い! で、今作は彼の最後の戦い、ですか? 36年間数々の戦場で激しく戦ったジョン・ランボー。地獄のような戦争のトラウマから抜け出して平和な時間を過ごすのも束の間、娘のように思っていた隣の女の子がメキシコのカルテルに拉致されます。そこで骨に深く刻印されていた彼の本能が再び目覚めます! 自分の戦闘本能と凶器を総動員して容赦なく敵を処断するために・・・。韓国題は「람보 : 라스트 워(ランボー : ラスト・ウォー)」です。
6位「ビッグ・トリップ:赤ちゃんパンダ配達大冒険」は、アメリカ・ロシア合作のコメディ・アニメ。原題は<ビッグ・トリップ>だけですが韓国題を仮題としました。ファンタスティックな野生ワールドを騒然とさせた事故が発生します。それは赤ちゃんパンダの配送事故! 1人で静かに過ごすのが一番好きな引きこもりクマのミクミクの所に、ある日間抜けなコウノトリのミスでお母さんに届けられるはずのかわいい赤ちゃんパンダがに間違って届きます。この事故を解決するために、ミクミクの他にシカやトラ、ウサギなどの仲間たちがパンダの赤ちゃんをお母さんの所に戻すために、荒野を通り抜ける困難ながらも楽しい冒険に出かけます・・・。韓国題は「빅트립: 아기팬더 배달 대모험」。こういうマイナーっぽい外国アニメ、韓国での公開はなかなか多いですが、日本ではまず公開はなさそうな・・・。
8位「ターミネーター2 3D」は、1991年製作の旧作の3Dリメイク版。日本では
2017年に公開されています。韓国では10月30日からシリーズ新作の「ターミネーター:ダーク・フェイト」が始まるので、その<呼び水>かな? 日本ではなぜか<ニュー・フェイト>と原題と少し変えて11月8日公開。もうかなり情報が出されいるので内容等は省略します。「ターミネーター」シリーズの第1作は1984年。もう35年か。シュワちゃんアンドロイドだから年取っちゃいられない? 韓国題は「터미네이터2 3D」です。
9位「チェックの忍者」(仮)は、はデンマークのアニメ。デンマークの有名なコメディアンのアンダース・マテセンが書いた児童書が原作。原題「Ternet Ninja」(デンマーク語)も英題「Checkered Ninja」も訳せば「チェック模様の忍者(Ninja)」です。不良生徒たちに圧迫されていて片思いの少女には何も言えない13歳の少年アスキは叔父からタイ製の忍者のぬいぐるみをプレゼントされます。ところが、そのチェック柄の人形は実は正義を求めるサムライの心が宿っていたのです。アスキは、自分を学校の人気スターにしてくれるというチェックの忍者と交換条件で彼の任務を支援することにします。チェックの忍者は、アスキの学校での諸問題を解決してくれ、アスキはスターになりました。さて、その忍者へのお返しは何かというと、忍者は自分を作ってくれたタイの工場の児童労働者が殺害された事件の解決のため協力してほしいというものでした。アスキはさっそく支援を開始しますが、やがて彼は忍者の使命に驚くべき秘密が隠されていることを知ります・・・。韓国題は「체크 히어로(チェック・ヒーロー)」。日本語の<ニンジャ>は意識して避けたんでしょうね。日本公開はない感じですが、私ヌルボとしては先が知りたいなー。観た人たちの評価も高いし・・・。
10位「キング」は、英・豪・ハンガリー合作の歴史ドラマ。舞台は15世紀のイギリス。父の英国王ヘンリー4世の死後、渋々王位を継承した自由奔放な放蕩者の王子・ハルが数々の困難を乗り越えて国王として成長していく物語。日本でもすでに2日遅い25日から公開されています。韓国題は「더 킹: 헨리 5세(ザ・キング:ヘンリー5世)」です。
【独立・芸術映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・・・上映館数
1(21)・・シークレット・スーパースター・・10/24・・・・・・・・4,483・・・・・・・・・・7,403 ・・・・・・・・・・59 ・・・・・・・・・112
2(1)・・最高の夏、最高の私たち・・・・・・・・10/16・・・・・・・・・3,500・・・・・・・・・28,933 ・・・・・・・・・241 ・・・・・・・・・100
3(34)・・ボーダー 二つの世界 ・・・・・・・・・10/24・・・・・・・・・3,434・・・・・・・・・・6,244 ・・・・・・・・・・54 ・・・・・・・・・・48
4(3)・・ハチドリ(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・8/29・・・・・・・・・1,516・・・・・・・・132,557・・・・・・・・1,082 ・・・・・・・・・・27
5(新)・・雪のように白く・・・・・・・・・・・・・・10/24・・・・・・・・・1,344・・・・・・・・・・2,540 ・・・・・・・・・・21 ・・・・・・・・・・72
1・3・5位の3作品が新登場です。
1位「シークレット・スーパースター」と、3位「ボーダー 二つの世界」については上述しました。
5位「雪のように白く」(仮)は、フランス・ベルギー合作のドラマ。すごく遠い昔ではないしばらく前のある日、美貌の女性クレア(ルー・ドゥ・ラージュ)は、継母のモード(イザベル・ユペール)と一緒に、父が遺産として残した城のようなホテルを運営していました。ある日、自分が愛している人がクレアに心を寄せているという事実を察知したモードは、嫉妬心に囚われてクレアをそこからいなくすることにしました。継母の悪巧みでアルプスのいなかの村に追い出されたクレアは、そこで七人の男と出会って本当の自分を見出すのですが・・・。韓国題は「스노우 화이트(スノー・ホワイト)」。「白雪姫」と訳してもいいかも。日本公開は未定のようです。注目の2女優ですが・・・。
※「日曜日の子供たち」上映会についてはコチラ参照。
▸昨日28日(月)は、覚悟を決めて(笑)シネマ・ジャック&ベティに行き、例の「サタンタンゴ」を鑑賞。上映時間は438分とありますが、開場時刻が11時30分で、間に休憩が2回入り、終わって場内の照明が点いたのが19時14分だから、合計464分。料金は一律3900円で、客はたしか16人だったかな? それにしても、物好きな人がけっこういるものだ・・・と、おたがい内心で思っていたかも・・・。時間もさることながら、物語の展開も、タル・ベーラ監督らしい長回しの撮り方もはっきり言ってタイクツだから。2012年に観た「ニーチェの馬」も154分ながら十分すぎるほどタイクツだったからなあ。(それでも個人的にはその年1番の映画だった(笑)。) 「サタンタンゴ」も登場人物の会話が少なく、ただ黙ってるだけのシーンがやたらと多いし、それも無表情。延々と続くまっすぐな道を数人が延々と歩く。それもまた無言で。やたら雨が降っていて風景も陰鬱。ハンガリーでは秋~冬が雨季だとか。(欧州は全体的にそうか。) 7時間以上耐えた自分を褒めたいと思います。あ、昨日の疲れが残っていて最初の方は時々寝てましたが。それでも後の方になるとむしろおもしろくなってきたのはなぜか自分でもフシギです。
ハンガリーは日本と同じく名前が姓・名の順になるので姓がタルで名がベーラ。ということは作曲家バルトーク・ベーラと同じ名。ハンガリーによくある男性の名だそうです。
長い映画といえば、「SHOAH/ショア」の第1~4部で全567分というのがありますが、私ヌルボは3日間に分けて観たので何ということでもありません。内容的にすごいドキュメンタリーで、ぜひ多くの人に薦めたい作品です。「アンダーグラウンド 完全版」は前・後編続けて観て314分。これはさすがにクストリッツァ監督、テンポがよくて楽しく、全然退屈さを感じませんでした。
長くても、また技術的に旧式の作品でも、観るに値する作品はやっぱり後々まで観る人は絶えないものです。
▸上述の中国映画「流転の地球」はいろんな意味で画期的かも。原作は、7月に刊行されて話題となり、版を重ねた話題の中国SF「三体」の作者・劉慈欣の短編とか。その発想がユニーク。(と言っていいのかな? 近年あまりSF読んでないので。) 太陽が膨張して地球自体が大ピンチ!ということになって、「全人類(orその一部)は地球を脱出して云々」というんじゃなくて、なんと、地球を丸ごと太陽系から離脱させて、ずうーっと遠く、4.2光年離れた恒星系をめざすってんだから。ところがその長~い旅の最初の辺りで大ピンチに陥るのです・・・。
映画史的に、あるいは世界の映画地理(←という言葉ある?)の上で画期的なのは、中国初の超大作ブロックバスター作品ということ。この視覚効果はすごいすごい(笑)。日本でこんな(いろんな意味で)スケールの大きい映画が作れるでしょうか?(別に作らなくてもいいけど。)
感想としては、いろんなレビューに書かれているように、人物の描き方に深みが欠けるのが残念。やたら感情的になって大声を出していさかいを起こしたりとか、そういうヒトって中国のヤクザ映画なんかでもフツーにいそう。まあSFであろうが子供向けアニメであろうが、日本の作品は日本人、アメリカの作品はアメリカ人、中国や韓国の作品なら中国人や韓国人の姿が自然に反映されているという、これは当然と言えば当然か。あと、上記の<大ピンチ>にどう対処したかについて、私ヌルボはそれなりの疑問を禁じえなかったのですが・・・。
とはいえ、この「流転の地球」を映画館の大きなスクリーンで観られたのはラッキーでした。開映の1時間前に行ったらすでに残席は1ケタで、じき完売。Netflixで配信しいるので、ふつうなら→ソチラで観ることになります。なお、関連記事は→<映画com.>、→<Filmarks>等。
★★★ NAVERの人気順位(10月29日現在上映中映画) ★★★
【ネチズンによる順位】
※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。
①(1) 私の歌は遠く遠く(韓国) 9.75(122)
②(-) グリーンブック 9.61(6,047)
③(3) 今日も上、上(韓国) 9.56(148)
④(4) 主戦場 9.50(978)
⑤(5) マダム・ベー ある脱北ブローカーの告白(韓・仏) 9.47(103)
⑥(-) シークレット・スーパースター 9.46(78)
⑦(7) ディーター・ラムス 9.33(91)
⑧(6) ポーランドに行った子供たち(韓国) 9.32(537)
⑨(8) 教会のお兄さん(韓国) 9.27(1,551)
⑩(-) チェックの忍者 9.10(10)
⑥と⑩の2作品が新登場です。
⑥「シークレット・スーパースター」はインドの感動ドラマ。日本では8月9日から公開されています。韓国題は「시크릿 슈퍼스타」です。
⑩「チェックの忍者」については後述します。
【記者・評論家による順位】
①(1) 寄生虫[パラサイト](韓国) 9.06(16)
②(2) ハチドリ(韓国) 8.38(13)
③(3) ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド 7.90(10)
④(4) ブラッド・シンプル 7.75(4)
⑤(5) ストライキ前夜(韓国) 7.71(7)
⑥(7) ジョーカー 7.64(11)
⑦(6) マダム・ベー ある脱北ブローカーの告白(韓・仏) 7.60(5)
⑧(-) キム君(韓国) 7.57(7)
⑨(9) 主戦場 7.33(6)
⑩(-) グリーンブック 7.29(7)
⑩(-) ボーダー 二つの世界 7.29(7)
⑩「ボーダー 二つの世界」が新登場です。カンヌ映画祭<ある視点部門>でグランプリを受賞したスウェーデン・デンマーク合作のサスペンス(&ダーク・ファンタジー)。日本では10月11日から公開されています。韓国題は「경계선(境界線)」です。
★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績10月25日(金)~10月27日(日) ★★★
話題の韓国小説「82年生まれ、キム・ジヨン」の映画化作品が1位に
【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・・累積収入・・上映館数
1(45)・・82年生まれ、キム・ジヨン(韓国)・・10/23・・・・・・829,320・・・・・・1,120,474 ・・・・・・・・9,705・・・・・・1,486
2(1)・・マレフィセント2・・・・・・・・・・・・10/17 ・・・・・・・・・324,293・・・・・・1,125,654 ・・・・・・・・9,667 ・・・・・・・880
3(2)・・ジョーカー・・・・・・・・・・・・・・・・・10/02 ・・・・・・・・・240,070・・・・・・4,960,162 ・・・・・・・43,027 ・・・・・・・702
4(3)・・いちばん普通の恋愛(韓国)・・・・10/02 ・・・・・・・・・130,119・・・・・・2,793,365 ・・・・・・・23,890 ・・・・・・・613
5(新)・・ランボー5/ラスト・ブラッド・・10/23・・・・・・・・・・47,096 ・・・・・・・・72,265・・・・・・・・・・605 ・・・・・・・483
6(63)・・ビッグ・トリップ ・・・・・・・・・・・10/23・・・・・・・・・・28,550 ・・・・・・・・32,728・・・・・・・・・・258 ・・・・・・・373
:赤ちゃんパンダ配達大冒険
7(5)・・パーフェクトマン(韓国)・・・・・・10/02 ・・・・・・・・・・14,391・・・・・・1,224,925 ・・・・・・・10,207 ・・・・・・・182
8(42)・・ターミネーター2 3D・・・・・1991/7/06 ・・・・・・・・・・・7,903 ・・・・・・・・11,744・・・・・・・・・・112 ・・・・・・・112
9(68)・・チェックの忍者・・・・・・・・・・・・・10/23・・・・・・・・・・・6,801 ・・・・・・・・11,124・・・・・・・・・・・84 ・・・・・・・221
10(新)・・キング・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10/23・・・・・・・・・・・6,745 ・・・・・・・・10,724・・・・・・・・・・・85 ・・・・・・・146
※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。
今回の新登場は1・5・6・8・9・10位の6作品です。
1位「82年生まれ、キム・ジヨン」は、韓国同様日本でもベストセラーとなった女性作家チョ・ナムジュの話題の小説の映画化作品。この映画の主演はチョン・ユミで、私ヌルボ、彼女はもっと若いと思っていたら1983年1月生まれでほとんど同世代なんですね。で、たまたま「主演チョン・ユミに非難の声、なぜ?」と題した成川彩さんの記事(→コチラ)が目に留まったので読んでみたら、チョン・ユミになんら非はないということでホッとしましたが、それはそれとして、韓国内の反フェミニズムの勢力の声の大きさについて記されていました。意外には思わなかったものの、ここまで強いとは・・・。→翻訳者の斎藤真理子さんへのインタビュー記事と併せて、韓国社会での反応や日韓の違い、翻訳の際の留意点等々が説明されています。日本の場合MeToo運動が韓国ほどのパワーが感じられないのはいろんな理由が考えられますが、日本の場合は韓国ほどの深刻な問題はないと考えるとしたら大きな間違いでしょう。
ところで、この映画を観た人たちの評点が男女別でどれくらい違いがあるか、→コチラのページで見てみました。すると、平均評点は男性=2.48 女性=9.52。この極端な差にビックリ! 以下内容紹介。ジヨン(チョン・ユミ)は1982年の春生まれ。娘として妻として、同僚として母として2019年の今日を生きています。時につらいことがあっても、夫のテヒョン(コン・ユ)と愛らしい娘、そして日頃は合わなくても家族が大きな力になっています。しかし、ジヨンはいつからか、まるで他の人になったかのような話し方をしています。テヒョンは妻が傷つくことを恐れて、その事実を告げず、ジヨンは、このようなテヒョンにいつも「大丈夫」と笑ってみせるだけでしたが・・・。原題は「82년생 김지영」です。
5位「ランボー5/ラスト・ブラッド」(仮)は、1982年から続く<ランボー>シリーズの最新作。シルヴェスター・スタローン、70歳を超えてもよく頑張るなー。それにしても、アメリカでの公開日が9月20日だから、その3日遅れとは早い! で、今作は彼の最後の戦い、ですか? 36年間数々の戦場で激しく戦ったジョン・ランボー。地獄のような戦争のトラウマから抜け出して平和な時間を過ごすのも束の間、娘のように思っていた隣の女の子がメキシコのカルテルに拉致されます。そこで骨に深く刻印されていた彼の本能が再び目覚めます! 自分の戦闘本能と凶器を総動員して容赦なく敵を処断するために・・・。韓国題は「람보 : 라스트 워(ランボー : ラスト・ウォー)」です。
6位「ビッグ・トリップ:赤ちゃんパンダ配達大冒険」は、アメリカ・ロシア合作のコメディ・アニメ。原題は<ビッグ・トリップ>だけですが韓国題を仮題としました。ファンタスティックな野生ワールドを騒然とさせた事故が発生します。それは赤ちゃんパンダの配送事故! 1人で静かに過ごすのが一番好きな引きこもりクマのミクミクの所に、ある日間抜けなコウノトリのミスでお母さんに届けられるはずのかわいい赤ちゃんパンダがに間違って届きます。この事故を解決するために、ミクミクの他にシカやトラ、ウサギなどの仲間たちがパンダの赤ちゃんをお母さんの所に戻すために、荒野を通り抜ける困難ながらも楽しい冒険に出かけます・・・。韓国題は「빅트립: 아기팬더 배달 대모험」。こういうマイナーっぽい外国アニメ、韓国での公開はなかなか多いですが、日本ではまず公開はなさそうな・・・。
8位「ターミネーター2 3D」は、1991年製作の旧作の3Dリメイク版。日本では
2017年に公開されています。韓国では10月30日からシリーズ新作の「ターミネーター:ダーク・フェイト」が始まるので、その<呼び水>かな? 日本ではなぜか<ニュー・フェイト>と原題と少し変えて11月8日公開。もうかなり情報が出されいるので内容等は省略します。「ターミネーター」シリーズの第1作は1984年。もう35年か。シュワちゃんアンドロイドだから年取っちゃいられない? 韓国題は「터미네이터2 3D」です。
9位「チェックの忍者」(仮)は、はデンマークのアニメ。デンマークの有名なコメディアンのアンダース・マテセンが書いた児童書が原作。原題「Ternet Ninja」(デンマーク語)も英題「Checkered Ninja」も訳せば「チェック模様の忍者(Ninja)」です。不良生徒たちに圧迫されていて片思いの少女には何も言えない13歳の少年アスキは叔父からタイ製の忍者のぬいぐるみをプレゼントされます。ところが、そのチェック柄の人形は実は正義を求めるサムライの心が宿っていたのです。アスキは、自分を学校の人気スターにしてくれるというチェックの忍者と交換条件で彼の任務を支援することにします。チェックの忍者は、アスキの学校での諸問題を解決してくれ、アスキはスターになりました。さて、その忍者へのお返しは何かというと、忍者は自分を作ってくれたタイの工場の児童労働者が殺害された事件の解決のため協力してほしいというものでした。アスキはさっそく支援を開始しますが、やがて彼は忍者の使命に驚くべき秘密が隠されていることを知ります・・・。韓国題は「체크 히어로(チェック・ヒーロー)」。日本語の<ニンジャ>は意識して避けたんでしょうね。日本公開はない感じですが、私ヌルボとしては先が知りたいなー。観た人たちの評価も高いし・・・。
10位「キング」は、英・豪・ハンガリー合作の歴史ドラマ。舞台は15世紀のイギリス。父の英国王ヘンリー4世の死後、渋々王位を継承した自由奔放な放蕩者の王子・ハルが数々の困難を乗り越えて国王として成長していく物語。日本でもすでに2日遅い25日から公開されています。韓国題は「더 킹: 헨리 5세(ザ・キング:ヘンリー5世)」です。
【独立・芸術映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・・・上映館数
1(21)・・シークレット・スーパースター・・10/24・・・・・・・・4,483・・・・・・・・・・7,403 ・・・・・・・・・・59 ・・・・・・・・・112
2(1)・・最高の夏、最高の私たち・・・・・・・・10/16・・・・・・・・・3,500・・・・・・・・・28,933 ・・・・・・・・・241 ・・・・・・・・・100
3(34)・・ボーダー 二つの世界 ・・・・・・・・・10/24・・・・・・・・・3,434・・・・・・・・・・6,244 ・・・・・・・・・・54 ・・・・・・・・・・48
4(3)・・ハチドリ(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・8/29・・・・・・・・・1,516・・・・・・・・132,557・・・・・・・・1,082 ・・・・・・・・・・27
5(新)・・雪のように白く・・・・・・・・・・・・・・10/24・・・・・・・・・1,344・・・・・・・・・・2,540 ・・・・・・・・・・21 ・・・・・・・・・・72
1・3・5位の3作品が新登場です。
1位「シークレット・スーパースター」と、3位「ボーダー 二つの世界」については上述しました。
5位「雪のように白く」(仮)は、フランス・ベルギー合作のドラマ。すごく遠い昔ではないしばらく前のある日、美貌の女性クレア(ルー・ドゥ・ラージュ)は、継母のモード(イザベル・ユペール)と一緒に、父が遺産として残した城のようなホテルを運営していました。ある日、自分が愛している人がクレアに心を寄せているという事実を察知したモードは、嫉妬心に囚われてクレアをそこからいなくすることにしました。継母の悪巧みでアルプスのいなかの村に追い出されたクレアは、そこで七人の男と出会って本当の自分を見出すのですが・・・。韓国題は「스노우 화이트(スノー・ホワイト)」。「白雪姫」と訳してもいいかも。日本公開は未定のようです。注目の2女優ですが・・・。