▸先週の記事で「グリーンブック」について「近年とくに多いLGBT映画等と同様今は「無難な社会派映画」になった」とか「基本的にエンタメ」とか、否定的にとられそうな書き方をしてしまいました。しかし、今人種差別や性差別の否定がほぼ(?)常識となっていても依然として強い反対勢力もあるわけだし、また基本エンタメでも社会的にプラスとなるような影響力を持った作品もあります。
・・・と、ここまでは何を念頭に書いているかというと、22日に観た「ブラック・クランズマン」のこと。「グリーンブック」と同じくアメリカでの人種差別問題をテーマにした作品ですが、描き方が非常に対照的。周知のように「グリーンブック」がアカデミー作品賞を受賞しましたが、「ブラック・クランズマン」のその時「ブラック・クランズマン」のスパイク・リー監督がブチ切れて席を立って云々という話があることも知りました。この2作品の違いは、スパイク・リー監督自身が黒人であるということは当然として、アメリカ南部でまだフツーに黒人差別が生活の中に根を下ろしていた60年代前半と、あのアフロヘアにも表れているブラックパワーの噴出した70年代後半という時代相の違いもあるかもしれません。
いずれにしろ、まだ「グリーンブック」しか観ていない人はぜひ「ブラック・クランズマン」も観ることを強くお薦めします。(私ヌルボ、この順で観てよかったと思います。逆だと、「グリーンブック」がなんだかナサケナイ作品だなという印象しか残らなかったかも・・・。) 2つの作品名で検索するといろんな関係記事がヒットします。捉え方はさまざま。ですが、私ヌルボはラディカルな「ブラック・クランズマン」の方に迷わず手を上げます。(「アメリカ、ファースト!」と叫ぶトランプや、まさに今起こっている事件の映像がラストの方に入っているのは訴える力が感じられます。)
★★★ NAVERの人気順位(3月26日現在上映中映画) ★★★
【ネチズンによる順位】
※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。
①(2) 詩人おばあちゃん(韓国) 9.68(135)
②(3) グリーンブック 9.62(4,894)
③(4) カペナウム 9.60(2,469)
④(6) ボヘミアン・ラプソディ 9.43(39,013)
⑤(5) ヒッチハイク(韓国) 9.37(19)
⑥(7) アンダードッグ(韓国) 9.36(1,382)
⑦(8) ヒックとドラゴン3 9.26(3,636)
⑧(10) 漆谷の少女たち(韓国) 9.25(350)
⑨(-) ROMA/ローマ 9.08(1,978)
⑩(-) 証人(韓国) 9.05(1,089)
今回新登場の作品はありません。
前回1位だった「KING OF PRISM -Shiny Seven Stars- I プロローグ×ユキノジョウ×タイガ」は、その後何がキッカケになったのか評点1の大量攻撃を受け、ネチズンの平均評点はなんと1.84に急落。974人中91%が評点1です。観覧者35人の平均評点は9.89という非常な高得点を保っていますが・・・。
【記者・評論家による順位】
①(-) 顔たち、ところどころ 8.86(7)
②(1) ROMA/ローマ 8.80(5)
③(3) 女王陛下のお気に入り 8.20(10)
④(4) ミニスキュール 2 7.67(3)
⑤(5) 映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ(日本) 7.50(6)
⑥(6) コールド・パシュート 7.50(2)
⑦(8) 顔たち(韓国) 7.40(5)
⑧(9) カペナウム 7.33(9)
⑨(10) グリーンブック 7.29(7)
⑩(-) 運び屋 7.20(5)
今回新登場の作品はありません。
★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績3月22日(金)~3月24日(日) ★★★
韓国映画「金」が「キャプテン・マーベル」に代わって1位に
【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(3)・・金(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3/20・・・・・・・・・1,111,402・・・・・・1,536,407・・・・・・・13,578・・・・・・1,431
2(1)・・キャプテン・マーベル ・・・・・・・・・3/06 ・・・・・・・・・・386,242・・・・・・5,232,847 ・・・・・・46,756・・・・・・・・947
3(新)・・悪質警察(韓国)・・・・・・・・・・・・・・3/20 ・・・・・・・・・・124,174 ・・・・・・・189,604 ・・・・・・・1,670・・・・・・・・772
4(30)・・偶像(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・・3/20 ・・・・・・・・・・・80,650 ・・・・・・・137,880 ・・・・・・・1,202・・・・・・・・797
5(2)・・エスケープ・ルーム ・・・・・・・・・・・3/14 ・・・・・・・・・・・63,900 ・・・・・・・544,462 ・・・・・・・4,853・・・・・・・・496
6(新)・・サヴァ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3/21・・・・・・・・・・・22,055 ・・・・・・・・22,534・・・・・・・・・174 ・・・・・・・・372
7(新)・・劇場版 Fate/stay night・・・・・・・・3/21・・・・・・・・・・・17,045 ・・・・・・・・24,340・・・・・・・・・221・・・・・・・・・94
[Heaven’s Feel]II.lost butterfly(日本)
8(4)・・運び屋 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3/14・・・・・・・・・・・・9,178 ・・・・・・・・93,474・・・・・・・・・778・・・・・・・・114
9(10)・・グリーンブック ・・・・・・・・・・・・・1/09・・・・・・・・・・・・8,748 ・・・・・・・409,872 ・・・・・・・3,475・・・・・・・・・62
10(新)・・イタズラなKiss[台湾版] ・・・・・3/27・・・・・・・・・・・・8,291 ・・・・・・・・・8,588・・・・・・・・・・83・・・・・・・・・16
※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。
今回の新登場は3・4・6・7・10位の5作品です。
3位「悪質警察」は、韓国のドラマ。裏金はチャッカリもらい、汚職には目をつぶり、犯罪はむしろ火を焚きつける悪質警官のチョ・ビロ(イ・ソンギュン)は、至急大金が必要だったため警察の押収倉庫の襲撃を企てます。しかし、事件当日の夜共犯のハン・ギチョル(チョン・ガラム)がその倉庫で謎の爆発事故により死に、ビロはその唯一の容疑者として名指しされます。さらには大企業の不法秘密資金の資料まで燃えてしまい、その捜査線上にもビロは浮かび上がります。危機から逃れるために爆発事件を追っていた中、ビロは、爆発事故の証拠を握る高校生のミナ(チョン・ソニ)に出会い、やがてこの事故が真相のごく一部に過ぎないということが見えてきます・・・。原題は「악질경찰」です。
4位「偶像」は、韓国のスリラー。道議員のク・ミョンフェ(ハン・ソッキュ)は、清廉で道徳的な人物として市民の熱い支持を受け、次期道知事に向けて注目されています。ところが彼の息子が交通事故を起こした後それをうやむやにした事実を知り、ミョンフェは自身の政治人生のために息子を自首させます。一方、障碍者の息子プナムのためなら何でもやるというユ・ジュンシク(ソル・ギョング)は、その息子を突然の交通事故で亡くしてしまい絶望に陥ります。事故当日の息子の行動がわからなかったジュンシクは、その真相を追い始めます。息子が亡くなった日、一緒にいた嫁のチェ・リョナ(チョン・ウヒ)はその日以来姿を消しているのですが、彼女を見つけるために警察に助けを求めても、彼の言葉を聞いてくれる人はいません。結局ジュンシクは息子の死を超えて秘密を明らかにするために1人で事故を探り始めます・・・。原題は「우상」です。
6位「サヴァ」(仮)は、ロシアのアニメ。2016年度のアジア太平洋映画賞最優秀アニメーション映画賞にノミネートされる等、国際的な映画祭で注目されてきた作品です。サヴァは主人公の少年の名前ですが、韓国題の「정글북: 마법 원정대(ジャングルブック: 魔法遠征隊」、中国題の「霊狼伝奇」からもわかるように少年と動物(オオカミ)の物語です。サヴァは小さな森の村に住む10歳の少年。ところがある日、ハイエナの群れがその平和な村を襲撃し、食料を奪ってサヴァの母親と村の人々を閉じ込めてしまいます。サヴァは村を守ってくれるという伝説中の英雄を見つけるため森を守る狼の英雄リッキーと一緒に冒険の旅に出ます。その途中、呪いにかかった魔法遠征隊を救ったサヴァとリッキーは、彼らとも力を合わせてリッキーの語る強力な魔法使いを見つけなければなりません。ところがそれを妨げようとするサルの女王とその部下たちは巨大な戦争を起こそうとします・・・。日本公開は未定のようです。
7位「劇場版 Fate/stay night [Heaven’s Feel]II.lost butterfly」は、日本のアニメ。そもそもこの「Fate/stay night」とは2004年に始まるコンピューターのノベルゲームが原点で、それが漫画、TVアニメ、そして劇場アニメ等多様化するとともにストーリー自体もどんどん増殖してきたのですね。で、この作品は劇場アニメ第1作の「Fate/stay night UNLIMITED BLADE WORKS」(2009)に続く第2作なのですが、全三章で構成されている中の第二章。(やっと理解した全体像。) 物語の全体的骨格は、魔術師(マスター)と英霊(サーヴァント)が万能の願望実現機<聖杯>をめぐって戦う<聖杯戦争>で、本作はその最終ルートというものですが・・・。韓国題は「페이트 스테이 나이트 헤븐즈필 제2장 로스트 버터플라이」です。
10位「イタズラなKiss[台湾版]」は、(故)多田かおるのコミックが原作の日本版アニメ2部作のリメイク。TVドラマとしては台湾・中国・韓国・タイでもリメイク版が放映されてきましたが、映画はこの台湾版が初めて。(台湾では舞台作品も作られた。) あ、中国でも今年2月のバレンタインデーにリメイク版が公開されたのか。それにしても、「Fate/stay night」同様、漫画にゲームにアニメに、日本オリジナルの文化コンテンツの影響力はたいしたものです。韓国題は「장난스런 키스」です。
【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・・・上映館数
1(1)・・グリーンブック・・・・・・・・・・・・・・・・・1/09・・・・・・・・・・8,748 ・・・・・・・409,872 ・・・・・・・・・3,475 ・・・・・・・・・62
2(新)・・ワン・ネイション、ワン・キング・・・3/21・・・・・・・・・・2,312 ・・・・・・・・・3,601・・・・・・・・・・・・31 ・・・・・・・・・47
3(3)・・天才作家の妻・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2/27・・・・・・・・・・1,816 ・・・・・・・・38,268・・・・・・・・・・・297 ・・・・・・・・・27
4(2)・・寝ても覚めても(日本) ・・・・・・・・・・・3/14・・・・・・・・・・1,580 ・・・・・・・・12,104・・・・・・・・・・・105 ・・・・・・・・・24
5(5)・・カペナウム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1/24・・・・・・・・・・1,068 ・・・・・・・139,372 ・・・・・・・・・1,161 ・・・・・・・・・17
2・4位の2作品が新登場です。
2位の「ワン・ネイション、ワン・キング」(仮)は、フランスの歴史ドラマ。無能な国王ルイ16世(ローラン・ラフィット)とマリー・アントワネット。そして貴族たちのぜいたくな生活のために、飢えと絶望に染まった1789年のパリ。バスティーユが壊されて小さな町に初めて陽が差した日、飢えのため子供を亡くした洗濯女のフランソワーズ(アデル・エネル)は、その数日後、奴隷のように生きていた渡り者のバジル(ギャスパー・ウリエル)と偶然出会います。2人は再び新たな希望を夢見始めます。彼らに必要だったのは、おなかを満たすパンと、愛とともに生きていく小さな自由。そんな彼らの声が歌になり、また武器になります。フランス革命を描いた作品となると、当然ロベスピエールやマラーといった大立者も登場します・・・。韓国題は「원 네이션(ワン・ネーション)」ですが、英題の「One Nation, One King」をそのまま仮題としました。
4位の「寝ても覚めても」は、「キネマ旬報」のベスト・テンで1~3位と僅差の4位に入る等2018年の日本映画の中でも高い評価を得た作品ですが、私ヌルボは観てないのでコメントのしようがありません。韓国題は主人公の名の「아사코(朝子)」です。原題は訳しにくかった? [4月2日の追記] →コメント欄を参照。
・・・と、ここまでは何を念頭に書いているかというと、22日に観た「ブラック・クランズマン」のこと。「グリーンブック」と同じくアメリカでの人種差別問題をテーマにした作品ですが、描き方が非常に対照的。周知のように「グリーンブック」がアカデミー作品賞を受賞しましたが、「ブラック・クランズマン」のその時「ブラック・クランズマン」のスパイク・リー監督がブチ切れて席を立って云々という話があることも知りました。この2作品の違いは、スパイク・リー監督自身が黒人であるということは当然として、アメリカ南部でまだフツーに黒人差別が生活の中に根を下ろしていた60年代前半と、あのアフロヘアにも表れているブラックパワーの噴出した70年代後半という時代相の違いもあるかもしれません。
いずれにしろ、まだ「グリーンブック」しか観ていない人はぜひ「ブラック・クランズマン」も観ることを強くお薦めします。(私ヌルボ、この順で観てよかったと思います。逆だと、「グリーンブック」がなんだかナサケナイ作品だなという印象しか残らなかったかも・・・。) 2つの作品名で検索するといろんな関係記事がヒットします。捉え方はさまざま。ですが、私ヌルボはラディカルな「ブラック・クランズマン」の方に迷わず手を上げます。(「アメリカ、ファースト!」と叫ぶトランプや、まさに今起こっている事件の映像がラストの方に入っているのは訴える力が感じられます。)
★★★ NAVERの人気順位(3月26日現在上映中映画) ★★★
【ネチズンによる順位】
※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。
①(2) 詩人おばあちゃん(韓国) 9.68(135)
②(3) グリーンブック 9.62(4,894)
③(4) カペナウム 9.60(2,469)
④(6) ボヘミアン・ラプソディ 9.43(39,013)
⑤(5) ヒッチハイク(韓国) 9.37(19)
⑥(7) アンダードッグ(韓国) 9.36(1,382)
⑦(8) ヒックとドラゴン3 9.26(3,636)
⑧(10) 漆谷の少女たち(韓国) 9.25(350)
⑨(-) ROMA/ローマ 9.08(1,978)
⑩(-) 証人(韓国) 9.05(1,089)
今回新登場の作品はありません。
前回1位だった「KING OF PRISM -Shiny Seven Stars- I プロローグ×ユキノジョウ×タイガ」は、その後何がキッカケになったのか評点1の大量攻撃を受け、ネチズンの平均評点はなんと1.84に急落。974人中91%が評点1です。観覧者35人の平均評点は9.89という非常な高得点を保っていますが・・・。
【記者・評論家による順位】
①(-) 顔たち、ところどころ 8.86(7)
②(1) ROMA/ローマ 8.80(5)
③(3) 女王陛下のお気に入り 8.20(10)
④(4) ミニスキュール 2 7.67(3)
⑤(5) 映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ(日本) 7.50(6)
⑥(6) コールド・パシュート 7.50(2)
⑦(8) 顔たち(韓国) 7.40(5)
⑧(9) カペナウム 7.33(9)
⑨(10) グリーンブック 7.29(7)
⑩(-) 運び屋 7.20(5)
今回新登場の作品はありません。
★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績3月22日(金)~3月24日(日) ★★★
韓国映画「金」が「キャプテン・マーベル」に代わって1位に
【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(3)・・金(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3/20・・・・・・・・・1,111,402・・・・・・1,536,407・・・・・・・13,578・・・・・・1,431
2(1)・・キャプテン・マーベル ・・・・・・・・・3/06 ・・・・・・・・・・386,242・・・・・・5,232,847 ・・・・・・46,756・・・・・・・・947
3(新)・・悪質警察(韓国)・・・・・・・・・・・・・・3/20 ・・・・・・・・・・124,174 ・・・・・・・189,604 ・・・・・・・1,670・・・・・・・・772
4(30)・・偶像(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・・3/20 ・・・・・・・・・・・80,650 ・・・・・・・137,880 ・・・・・・・1,202・・・・・・・・797
5(2)・・エスケープ・ルーム ・・・・・・・・・・・3/14 ・・・・・・・・・・・63,900 ・・・・・・・544,462 ・・・・・・・4,853・・・・・・・・496
6(新)・・サヴァ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3/21・・・・・・・・・・・22,055 ・・・・・・・・22,534・・・・・・・・・174 ・・・・・・・・372
7(新)・・劇場版 Fate/stay night・・・・・・・・3/21・・・・・・・・・・・17,045 ・・・・・・・・24,340・・・・・・・・・221・・・・・・・・・94
[Heaven’s Feel]II.lost butterfly(日本)
8(4)・・運び屋 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3/14・・・・・・・・・・・・9,178 ・・・・・・・・93,474・・・・・・・・・778・・・・・・・・114
9(10)・・グリーンブック ・・・・・・・・・・・・・1/09・・・・・・・・・・・・8,748 ・・・・・・・409,872 ・・・・・・・3,475・・・・・・・・・62
10(新)・・イタズラなKiss[台湾版] ・・・・・3/27・・・・・・・・・・・・8,291 ・・・・・・・・・8,588・・・・・・・・・・83・・・・・・・・・16
※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。
今回の新登場は3・4・6・7・10位の5作品です。
3位「悪質警察」は、韓国のドラマ。裏金はチャッカリもらい、汚職には目をつぶり、犯罪はむしろ火を焚きつける悪質警官のチョ・ビロ(イ・ソンギュン)は、至急大金が必要だったため警察の押収倉庫の襲撃を企てます。しかし、事件当日の夜共犯のハン・ギチョル(チョン・ガラム)がその倉庫で謎の爆発事故により死に、ビロはその唯一の容疑者として名指しされます。さらには大企業の不法秘密資金の資料まで燃えてしまい、その捜査線上にもビロは浮かび上がります。危機から逃れるために爆発事件を追っていた中、ビロは、爆発事故の証拠を握る高校生のミナ(チョン・ソニ)に出会い、やがてこの事故が真相のごく一部に過ぎないということが見えてきます・・・。原題は「악질경찰」です。
4位「偶像」は、韓国のスリラー。道議員のク・ミョンフェ(ハン・ソッキュ)は、清廉で道徳的な人物として市民の熱い支持を受け、次期道知事に向けて注目されています。ところが彼の息子が交通事故を起こした後それをうやむやにした事実を知り、ミョンフェは自身の政治人生のために息子を自首させます。一方、障碍者の息子プナムのためなら何でもやるというユ・ジュンシク(ソル・ギョング)は、その息子を突然の交通事故で亡くしてしまい絶望に陥ります。事故当日の息子の行動がわからなかったジュンシクは、その真相を追い始めます。息子が亡くなった日、一緒にいた嫁のチェ・リョナ(チョン・ウヒ)はその日以来姿を消しているのですが、彼女を見つけるために警察に助けを求めても、彼の言葉を聞いてくれる人はいません。結局ジュンシクは息子の死を超えて秘密を明らかにするために1人で事故を探り始めます・・・。原題は「우상」です。
6位「サヴァ」(仮)は、ロシアのアニメ。2016年度のアジア太平洋映画賞最優秀アニメーション映画賞にノミネートされる等、国際的な映画祭で注目されてきた作品です。サヴァは主人公の少年の名前ですが、韓国題の「정글북: 마법 원정대(ジャングルブック: 魔法遠征隊」、中国題の「霊狼伝奇」からもわかるように少年と動物(オオカミ)の物語です。サヴァは小さな森の村に住む10歳の少年。ところがある日、ハイエナの群れがその平和な村を襲撃し、食料を奪ってサヴァの母親と村の人々を閉じ込めてしまいます。サヴァは村を守ってくれるという伝説中の英雄を見つけるため森を守る狼の英雄リッキーと一緒に冒険の旅に出ます。その途中、呪いにかかった魔法遠征隊を救ったサヴァとリッキーは、彼らとも力を合わせてリッキーの語る強力な魔法使いを見つけなければなりません。ところがそれを妨げようとするサルの女王とその部下たちは巨大な戦争を起こそうとします・・・。日本公開は未定のようです。
7位「劇場版 Fate/stay night [Heaven’s Feel]II.lost butterfly」は、日本のアニメ。そもそもこの「Fate/stay night」とは2004年に始まるコンピューターのノベルゲームが原点で、それが漫画、TVアニメ、そして劇場アニメ等多様化するとともにストーリー自体もどんどん増殖してきたのですね。で、この作品は劇場アニメ第1作の「Fate/stay night UNLIMITED BLADE WORKS」(2009)に続く第2作なのですが、全三章で構成されている中の第二章。(やっと理解した全体像。) 物語の全体的骨格は、魔術師(マスター)と英霊(サーヴァント)が万能の願望実現機<聖杯>をめぐって戦う<聖杯戦争>で、本作はその最終ルートというものですが・・・。韓国題は「페이트 스테이 나이트 헤븐즈필 제2장 로스트 버터플라이」です。
10位「イタズラなKiss[台湾版]」は、(故)多田かおるのコミックが原作の日本版アニメ2部作のリメイク。TVドラマとしては台湾・中国・韓国・タイでもリメイク版が放映されてきましたが、映画はこの台湾版が初めて。(台湾では舞台作品も作られた。) あ、中国でも今年2月のバレンタインデーにリメイク版が公開されたのか。それにしても、「Fate/stay night」同様、漫画にゲームにアニメに、日本オリジナルの文化コンテンツの影響力はたいしたものです。韓国題は「장난스런 키스」です。
【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・・・上映館数
1(1)・・グリーンブック・・・・・・・・・・・・・・・・・1/09・・・・・・・・・・8,748 ・・・・・・・409,872 ・・・・・・・・・3,475 ・・・・・・・・・62
2(新)・・ワン・ネイション、ワン・キング・・・3/21・・・・・・・・・・2,312 ・・・・・・・・・3,601・・・・・・・・・・・・31 ・・・・・・・・・47
3(3)・・天才作家の妻・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2/27・・・・・・・・・・1,816 ・・・・・・・・38,268・・・・・・・・・・・297 ・・・・・・・・・27
4(2)・・寝ても覚めても(日本) ・・・・・・・・・・・3/14・・・・・・・・・・1,580 ・・・・・・・・12,104・・・・・・・・・・・105 ・・・・・・・・・24
5(5)・・カペナウム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1/24・・・・・・・・・・1,068 ・・・・・・・139,372 ・・・・・・・・・1,161 ・・・・・・・・・17
2・4位の2作品が新登場です。
2位の「ワン・ネイション、ワン・キング」(仮)は、フランスの歴史ドラマ。無能な国王ルイ16世(ローラン・ラフィット)とマリー・アントワネット。そして貴族たちのぜいたくな生活のために、飢えと絶望に染まった1789年のパリ。バスティーユが壊されて小さな町に初めて陽が差した日、飢えのため子供を亡くした洗濯女のフランソワーズ(アデル・エネル)は、その数日後、奴隷のように生きていた渡り者のバジル(ギャスパー・ウリエル)と偶然出会います。2人は再び新たな希望を夢見始めます。彼らに必要だったのは、おなかを満たすパンと、愛とともに生きていく小さな自由。そんな彼らの声が歌になり、また武器になります。フランス革命を描いた作品となると、当然ロベスピエールやマラーといった大立者も登場します・・・。韓国題は「원 네이션(ワン・ネーション)」ですが、英題の「One Nation, One King」をそのまま仮題としました。
4位の「寝ても覚めても」は、「キネマ旬報」のベスト・テンで1~3位と僅差の4位に入る等2018年の日本映画の中でも高い評価を得た作品ですが、私ヌルボは観てないのでコメントのしようがありません。韓国題は主人公の名の「아사코(朝子)」です。原題は訳しにくかった? [4月2日の追記] →コメント欄を参照。