ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

①韓国文学②韓国漫画③韓国のメディア観察④韓国語いろいろ⑤韓国映画⑥韓国の歴史・社会⑦韓国・朝鮮関係の本⑧韓国旅行の記録

韓国で公開中の映画 <NAVER映画>の人気順位 [12月30日(木)現在] ▶「ドライブ・マイ・カー」、韓国の記者・評論家による評点平均1位に! ▶「花恋」も今年下半期ネチズンに好評

2021-12-31 22:34:40 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▶大晦日の夜。年と共に当然ながら歳を取り、それとともに体力も脳力も劣化するのもまた当然のこととです。しかし、ほかならぬ自分自身がそれを実感しつつ日々を過ごすのは悲しいものです。5、6年前のこのブログを見ると、記事の本数といいその内容といい、その半分のレベルも書けない現状になさけなく思うばかり・・・と嘆いてばかりでもしょうがないですよね。まあ今できることを目一杯やるばかりです。

▶今回の記事。《ネチズン》による人気ランキングの10作品は前週と順位が多少変わっただけで作品の入れ替わりはまったくなし。
 その中では「花束みたいな恋をした」に注目したいと思います。この1年に韓国で公開された日本映画では何と言っても1月第4週の初登場(2位)以来6月第4週まで23週連続で興行成績ランキングで10位以内を維持した「劇場版「鬼滅の刃」無限列車編」ですが、この「花束みたいな恋をした」も7月14日の公開以来すでに5ヵ月を超え、その間ずっとネチズンの平均は9.0以上の高ポイントを維持しているのはそれだけ多くの韓国の観客の心を捉えたと言えるでしょう。

▶一方《記者・評論家》の方のランキングでは、世界でこの1年の受賞作選定シーズンに入って名前が挙がっている名作が並ぶ中で「ドライブ・マイ・カー」が1位! アカデミー賞への期待が高まります。

▶私ヌルボも例年通りこの1年の総括としてベスト10を思案中。例年より多く150本も観てしまった上、どうもとくに外国映画のレベルが高かった感じで、10作品に絞るのがむずかしいなー・・・。しかし新年最初の記事として公開する予定です。
 では皆さんよいお年をお迎えください。
      


    ★★★ NAVERの人気順位(12月30日(木)現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
  ※[記者・評論家による順位]とも、①等の右の( )は前週の順位。評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
        「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。

①(1) MONSTA X : THE DREAMING(韓国)  9.82(163)
②(2) ログブック(韓国)  9.68(38)
③(3) 私はチョソンサラム[朝鮮人]です(韓国)  9.42(183)
④(6) 往十里 キム・ジョンブン(韓国)  9.34(32)
⑤(5) 君に行く道(韓国)  9.27(263)
⑥(7) コーダ あいのうた  9.24(698)
⑦(4) ハッピーアワー(日本)  9.22(36)
⑧(9) ソン・ヘ 1927(韓国)  9.04(54)
⑨(10) 花束みたいな恋をした(日本)  9.03(549)
⑩(8) スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム  9.02(14,629)

 今回は多少順位変動はあったものの、新登場の作品はなく、10位までの顔ぶれは前週と変わらず。これはとてもめずらしいことです。

     【記者・評論家による順位】

①(新) ドライブ・マイ・カー(日本)  8.44(9)
②(1) ファースト・カウ  8.40(10)
③(2) ハッピーアワー(日本)  8.00(4)
④(3) チタン  7.86(7)
⑤(5) パワー・オブ・ザ・ドッグ  7.75(4)
⑥(-) プチ・ママン  7.63(8)
⑦(6) ドント・ルック・アップ  7.63(8)
⑧(7) アネット  7.44(9)
⑨(8) 君に行く道(韓国)  7.20(5)
⑩(10) スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム  7.10(10)

 ①「ドライブ・マイ・カー」が新登場、と言っても1つ前の記事で詳しく紹介した中で触れた通りです。
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韓国内の映画の興行成績 [12月24日(金)~26日(日)]と作品紹介 ▶ランキング1~5位はアメリカ映画  ▶濱口監督の「ドライブ・マイ・カー」 約3時間の長尺でも7位にランクイン

2021-12-28 23:45:59 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▶1つ前の記事でも触れましたが、濱口竜介監督「ドライブ・マイ・カー」の上映が韓国でもいよいよ始まりました。興行成績のランキングでは7位に入り、《独立・芸術映画》のジャンルでは1位です。下の記事では観客1人のレビューを紹介しましたがほとんどが好評で、また《記者・評論家》による平均評点は8.44(9人)と、「ファースト・カウ」の8.40(10人)を超えて目下のところ①位です。
 濱口作品はよく言われているように「セリフが粒立っている」だけに、字幕翻訳も難しいただろうし、それを読む観客も漫然と画面を眺めているわけにもいかないと思いますが、それでも(韓国に限らず)ちゃんと伝わるものは伝わるものなんですね。

▶今回の興行成績ランキングを見ると1~5位はすべてアメリカ映画。それも5位を除いて現在の日本とほぼ同じの娯楽大作が並んでいます。暮れ~正月だから、ということもあるのかな? 一方韓国映画は6位の「恋愛の抜けたロマンス」だけ。韓国ではメインの旧正月は来年2月1日(火)。その前後1日と、その前の土日を入れると1月29日(土)~2月2日(水)が実質5連休になります。それに向けて満を持しているのかな?と思って今後の予定作はと見ると、ソル・ギョングが金大中(作中ではキム・ウンボム)を演じる「キングメーカー」あたり? それとも・・・。

    ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績12月24日(金)~12月26日(日) ★★★
          「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」以下5位まで全部アメリカ映画

【全体】
順位・・・・題名 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・上映館数
1(1)・・スパイダーマン ・・・・・・・・・・・12/15・・・1,300,579・・・・・・4,826,643 ・・・・48,690 ・・・・2,365
       :ノー・ウェイ・ホーム
2(新)・・キングスマン・・・・・・・・・・・・・12/22 ・・・・292,144・・・・・・・・405,637 ・・・・・4,132・・・・・1,017
       :ファーストエージェント
3(新)・・マトリックス・・・・・・・・・・・・・12/22・・・・・・98,101・・・・・・・・157,130 ・・・・・1,599・・・・・・・832
       レザレクションズ
4(2)・・ミラベルと魔法だらけの家・・11/24・・・・・・20,312・・・・・・・・609,787 ・・・・・5,796・・・・・・・339
5(46)・・シンデレラと言葉の魔法使い・・12/08・・・18,080・・・・・・・・・20,576・・・・・・・・181・・・・・・・355
6(3)・・恋愛の抜けたロマンス(韓国)・・11/24 ・・・・10,270 ・・・・・・・596,187・・・・・・6,061・・・・・・・240
7(18)・・ドライブ・マイ・カー(日本)・・12/23 ・・・・・・5,596・・・・・・・・・・9,101 ・・・・・・・・・85 ・・・・・・・59
8(5)・・劇場版 ソードアート・オンライン・・12/09・・2,877・・・・・・・・・29,851・・・・・・・・322・・・・・・・・39
       -プログレッシブ- 星なき夜のアリア(日本)
9(8)・・アメリ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12/15・・・・・・・1,547 ・・・・・・・・・・9,572 ・・・・・・・・・86 ・・・・・・・38
10(9)・・フレンチ・ディスパッチ ・・・・11/17・・・・・・・1,373 ・・・・・・・・・87,322・・・・・・・・940 ・・・・・・・22
       ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 新登場は2・3・5・7位の4作品です。
 2位「キングスマン:ファーストエージェント」は日本でも2日遅れの12月24日から公開されているので説明は省略します。韓国題は「킹스맨: 퍼스트 에이전트」です。
 3位「マトリックス レザレクションズ」は、(めずらしく)日本では一足先に12月17日公開されています。韓国題は「매트릭스: 리저렉션」です。
 5位「シンデレラと言葉の魔法使い」(仮)はアメリカのアニメ。「必ず私たちが助けてあげる!」。邪悪な魔女の呪いで王子アレックスが魔法にかかってネズミになってしまいます。見かけによらず芯はしっかりしているシンデレラと子供魔法使いのクリスタルは王子を救うために遠い冒険の旅に出ます。海を渡って森の中に隠された神秘的な生命の石を探しますが、いち早く生命の石を奪った砂漠の女王の計略で2人は危機に瀕してしまいます。はたしてシンデレラとクリスタルは無事に生命の石を手に入れて魔法にかかった王子を救うことができるでしょうか? 韓国題は「신데렐라 2: 마법에 걸린 왕자(シンデレラ2:魔法にかかった王子)」ですが、この作品については情報が少なく、原題「Cinderella and the Spellbinder」を元に仮題をつけてみました。
 7位「ドライブ・マイ・カー」は、言うまでもなく濱口隆一監督が世界でも広く注目される契機になった今年のカンヌ国際映画祭コンペ部門での脚本賞受賞作品です。
 ※→1つ前の記事も参照してください。「ハッピーアワー」(2015)を中心にいろいろ書きました。
 私ヌルボがこの韓国での動員数を見て、約3時間もの長尺にもかかわらずベスト10にランクインするほどの観客が集まったということに少し驚きました。また→<NAVER映画>には現時点で160人が好意的な寸評を寄せています。下は中でも<共感>が多いレビュー。
 [評点10]演出がハンパない! 春樹の原作を知ってる人にも知らない人にも、ただ映画自体が好きな人にとってもこの映画はすごい祝福だ。春樹とアントン・チェーホフの感動はそのままに吸収しつつも、完全に新しい巨大な物語を作り出した・・・。
 韓国題は「드라이브 마이 카」です。

【独立・芸術映画】
順位・・・・題名 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・上映館数
1(6)・・ドライブ・マイ・カー(日本) ・・12/23・・・・・・・・・5,596・・・・・・・・9,101 ・・・・・・・・・・85 ・・・・・・・59
2(1)・・アメリ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12/15 ・・・・・・・・1,547・・・・・・・・9,572・・・・・・・・・・・86 ・・・・・・・38
3(-)・・ラブ・アクチュアリー・・2003/12/05 ・・・・・・・・1,073・・・・・・328,506 ・・・・・・・2,336 ・・・・・・・23
4(2)・・チタン ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12/09 ・・・・・・・・・・664・・・・・・・11,066・・・・・・・・・・110 ・・・・・・・27
5(4)・・ホモ・サピエンスの涙 ・・・・・・・12/16 ・・・・・・・・・・377 ・・・・・・・・3,076・・・・・・・・・・・28 ・・・・・・・21

 1位「ドライブ・マイ・カー」が新登場ですが、この作品については上述の通りです。
 3位「ラブ・アクチュアリー」は、2003年の米・英合作のロマンチック・コメディ。これまでも何とか再上映されてきました。韓国題は「러브 액츄얼리」です。
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韓国で公開中の映画 <NAVER映画>の人気順位 [12月22日(水)現在] ▶濱口竜介監督の「ハッピーアワー」初上映 「ドライブ・マイ・カー」も始まる ▶「寝ても覚めても」の韓国題はなぜ「アサコ」?

2021-12-24 23:50:35 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▶2つ前の記事の見出しで「<第74回カンヌ国際映画祭>コンペ部門でパルム・ドールを受賞した「チタン」に注目!」と書きました。そのカンヌ国際映画祭コンペ部門で「ドライブ・マイ・カー」を出品して大江崇允さんと共に日本映画として初めて脚本賞を受賞したことで濱口竜介監督に対する内外の注目度が一気に高まりました。
 その濱口監督の2015年の作品「ハッピーアワー」が韓国で12月9日公開され、人気ランキングを見ると《ネチズン》《記者・評論家》とも上位に入っています。
 この「ハッピーアワー」が濱口監督作品の韓国初上陸!・・・かと思ったらそうではありませんでした。2019年3月に「寝ても覚めても」が公開されていましたね。ただし韓国題は「아사코(朝子)」。なんで?と思ったら、→コチラの記事のコメントでyohnishiさんが「韓国人にとっては、どう考えてもこれ以外の題があり得ないからです」と教えてくださいました。もちろん理由付きで。
 ところで私ヌルボ、濱口監督の作品を観たのは今年8月の「ドライブ・マイ・カー」が初めてでした。(恥ずかしながら・・・。) 感想を一言で言えば「格が違う!」です。以後10月に「THE DEPTH」を、さらに今週に入って「ハッピーアワー」「偶然と想像」「寝ても覚めても」の3作品を集中的に観て来ました。
 「ハッピーアワー」は16年だかに友人が「昨年観た中で1番」と言ったのを聞いて「しまったかな?」と思ったものの以後観る機会がありませんでした。ところが実にラッキーなことに、近所のシネマ・ジャック&ベティが大阪のシネ・ヌーボ、京都の京都みなみ会館、神戸の元町映画館と共に<ミニシアター地域交流上映会>と冠した企画上映の中で、元町映画館から神戸が舞台ということで12月20日(月)のただ1度だけ上映するということで、最優先で観てきました。具体的な内容等は省略しますが、「ドライブ・マイ・カー」に勝るとも劣らぬ作品だと思います。
 上映後濱口竜介監督のリモート・トークショーがありました。とても明晰な受け答えといった印象を受けました。「男性たちのダメさを痛感します」という感想に対し「社会的な関係性(歴史性?)の中で男が鈍感になっています」と即座に応じたこと等々。下右画像はそのトークショーのようす。右端下の聞き手の方は神戸からお越しの元町映画館支配人・林未来さん。元町映画館は私ヌルボも10年前に初めて行き、画像付きで紹介したこともありました。(→コチラ。) 毎年暮れには「ハッピーアワー」を上映しているとのこと。今年も/30日(木)まで上映しています。とくに関西方面でご覧になってない方はぜひ足を運んでください。
 なお12月23日からは「ドライブ・マイ・カー」が始まっています。(正確には12月17日から先行上映。) 23日の興行成績の順位は4位、《独立・芸術映画》部門では1位です。週末のデータが楽しみです。
    

    ★★★ NAVERの人気順位(12月22日(水)現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
  ※[記者・評論家による順位]とも、①(2)等の右の( )内は前週の順位。評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
        「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。

①(1) MONSTA X : THE DREAMING(韓国)  9.81(152)
②(3) ログブック(韓国)  9.68(38)
③(2) 私はチョソンサラム[朝鮮人]です(韓国)  9.50(177)
④(新) ハッピーアワー(日本)  9.50(20)
⑤(6) 君に行く道(韓国)  9.39(255)
⑥(7) 往十里 キム・ジョンブン(韓国)  9.34(32)
⑦(10) コーダ あいのうた  9.23(690)
⑧(新) スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム  9.21(11,207)
⑨(-) ソン・ヘ 1927(韓国)  9.19(53)
⑩(-) 花束みたいな恋をした(日本)  9.01(538)

 ④と⑧の2作品が新登場です。
 ④「ハッピーアワー」は冒頭に記したように今や世界レベルで注目されている濱口竜介監督の2015年の作品。韓国では上映館は7館だけですが、観客のレビューはすこぶる好評。5時間を超える上映時間に最初はビビるがすぐ引き込まれ「退屈するヒマがなかった」「こんな話なら8時間も歓迎!」との声も。「年をとって人と話すのが嫌になったが映画を見てまた気づいた。会話はいつも必要です。そうでなければわからないことが多すぎるから」という感想は私ヌルボも同感。映画ジャーナリストのチョン・ユミさんは<5時間17分の幸せな時間>と題して次のような長文の評を書いています。
 ランニングタイム328分。映画を見るために体と心の準備をしっかりしなければならないような物理的な時間だ。30代後半に入った女性4人の友人たちの物語を5時間以上目を離さずに見ることができるのかという疑問は映画序盤に自然に消える。一緒に出発した旅行先で次の旅行を計画した4人は日常生活に戻り、それぞれの人生を築きつつ、集まっては旅行に出かけ、互いの問題を共有し、安否を気遣う。さまざまな問題を抱えて生きる彼女たちの日常茶飯事を映画はドラマチックに飾る意図はない。現実の人生がそうか否かと反問する隙もなく映画に導かれていく。神戸市民を対象とした演技ワークショップから出発した映画だけに劇中ワークショップと朗読会シーンは直接体験を彷彿とさせる。すっきりした答えを出さなくても、おのずと答えを探すように導かれる映画だ。
 韓国題は「해피 아워」です。
 ⑧「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」については1つ前の記事でも書いた通り本でも1月7日公開ということで諸情報が流されているので説明は省略します。

     【記者・評論家による順位】

①(1) ファースト・カウ  8.40(10)
②(新) ハッピーアワー(日本)  8.00(4)
③(2) チタン  7.86(7)
④(3) ベネデッタ  7.83(6)
⑤(4) パワー・オブ・ザ・ドッグ  7.75(4)
⑥(5) ドント・ルック・アップ  7.63(8)
⑦(7) アネット  7.44(9)
⑧(8) 君に行く道(韓国)  7.20(5)
⑨(9) 言葉と行動(ラヴ・アフェアズ)  7.17(6)
⑩(新) スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム  7.10(10)

 ②「ハッピーアワー」と⑩「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」の2作品が新登場ですが、いずれについても上述しました。
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韓国内の映画の興行成績 [12月17日(金)~19日(日)]と作品紹介 ▶「スパイダーマン」シリーズ新作 公開6日目で200万人超 ▶コロナ禍前の観客数を見ると… ▶カンバーバッチの当たり年だったね

2021-12-21 23:51:31 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▶今回の記事で注目の映画は韓国映画も他の外国映画もとくにありません。
 興行成績1位は3千近いスクリーンを占めた新登場の「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」が他を圧倒し、今日21日には早々と観客動員数3百万人突破。そのあおりをくらって17日(金)~19日(日)の3日間で1万人に達したのは4位まで。5位以下は5千人にも届きませんでした。
 コロナ禍に突入して約21ヵ月。その間落ち込んだ観客数が常態化すると、それ以前の数字が思い出せません。そこで今回は2019年12月20日(金)~22日(日)のランキングと並べてみました。比べてみると、1位「白頭山」はほとんど同レベルですが、続く2~4位が約30万~70万人で、現在とは可なりの差があることがわかります。

「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」にはベネディクト・カンバーバッチがドクター・ストレンジ役で出演しているんですね。「モーリタニアン 黒塗りの記録」、「パワー・オブ・ザ・ドッグ」等、このところカンバーバッチの出演作を続けて観てます。去年は「1917 命をかけた伝令」に出てたな。役柄はそれぞれ全然違いますが、やっぱりいい仕事してます。今作は日本公開が1月7日か。(ってこの手の映画は観ないけど・・・。) たまたまSCREEN誌の<毎年恒例!英国男優総選挙2021発表>という記事(→コチラ)を見たら昨年2位だったカンバーバッチがやっぱり1位になってますね。右画像はSCREENの2022年1月号の表紙です。(スパイダーマンのトム・ホランド君も第7位に入ってますね。あ、もう25歳なのに君付けしちゃった。年が過ぎるのが早いのう、けほけほ。)

    ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績12月17日(金)~12月19日(日) ★★★
          「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」がスクリーンを席捲

【全体】
順位・・・・題名 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・上映館数
1(新)・・スパイダーマン・・・・・・・・・・・12/15・・・1,743,171・・・・・・2,770,152 ・・・・27,987 ・・・・2,946
       :ノー・ウェイ・ホーム
2(3)・・ミラベルと魔法だらけの家・・11/24・・・・・・23,000・・・・・・・・580,362 ・・・・・5,532・・・・・・・435
3(1)・・恋愛の抜けたロマンス(韓国)・・11/24・・・・19,720・・・・・・・・575,210・・・・・・5,854・・・・・・・560
4(2)・・幽体離脱者(韓国) ・・・・・・・・・・11/24 ・・・・・11,642・・・・・・・・803,046 ・・・・・7,827・・・・・・・503
5(8)・・劇場版 ソードアート・オンライン・・12/09・・4,177 ・・・・・・・・24,307・・・・・・・・263・・・・・・・・51
       -プログレッシブ- 星なき夜のアリア(日本)
6(4)・・ドント・ルック・アップ ・・・・・・12/08・・・・・・・2,711 ・・・・・・・・68,377・・・・・・・・668・・・・・・・191
7(新)・・ララとクリスマスの妖精・・・・12/15・・・・・・・2,559 ・・・・・・・・・2,901 ・・・・・・・・・25 ・・・・・・141
8(148)・・アメリ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・12/15・・・・・・・2,137 ・・・・・・・・・6,356 ・・・・・・・・・55 ・・・・・・・47
9(14)・・フレンチ・ディスパッチ ・・・・11/17・・・・・・・1,648 ・・・・・・・・84,181 ・・・・・・・・909 ・・・・・・・25
       ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊
10(24)・・BanG Dream! FILM LIVE・・11/18・・・・・・1,497・・・・・・・・・30,736・・・・・・・・313・・・・・・・・25
       2nd Stage(日本)
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 新登場は1・7位の2作品です。
 1位「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」はアメリカのアクション&冒険。マーベル・スタジオによる<スパイダーマン>シリーズの新作です。日本でも1月7日公開ということで→公式サイトも用意されているので説明は省略します。韓国題は「스파이더맨: 노 웨이 홈」です。
 7位「ララとクリスマスの妖精」はノルウェーのアニメ。パパと一緒にクリスマスを農場で過ごすララ。しかし今年のクリスマスはちょっとようすが違う? で、ララは手紙を書きます。私はクリスマスがとても好き。今度のクリスマスはパパと一緒にキャトルヒル農場で過ごすことになってもっと楽しいです。でも、いざ農場に来てみるとクリスマスツリーは1つもありません。そこでパパのためにサプライズ・プレゼントで直接クリスマスの飾りをしてみることにしました! ツリーも手に入れなければならず、屋根に電球も掛けなければなりません。それには妖精に手伝ってもらわないと・・・。毎年クリスマスに妖精にオートミールをあげるという話を聞きましたが、おいしいオートミールを作ってあげたら手伝ってくださいますか? 韓国題は「라라와 크리스마스 요정」です。
 なお、8位「アメリ」は2001年のフランスのヒット作。日本と韓国でも同年末に公開されました。韓国題は「아멜리에」です。(ふーん、もう20年経つのか・・・。)

【参考】
★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績2019年12月20日(金)~22日(日) ★★★

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・累積収入・・上映館数
1(新)・・白頭山(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・12/19 ・・・・・2,001,506・・・・・2,459,816 ・・・・21,213 ・・・・1,971
2(10)・・始動(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・12/18・・・・・・・717,885・・・・・1,141,013・・・・・・9,658 ・・・・1,102
3(1)・・アナと雪の女王2 ・・・・・・・・・・・11/21・・・・・・・349,088・・・・12,738,109 ・・・106,350 ・・・・・・855
4(25)・・神秘アパート 劇場版・・・・・・・・12/19・・・・・・・289,839・・・・・・・315,843・・・・・・2,519 ・・・・・・841
       空トッケビ 対 ヨルムンガンド(韓国)
5(3)・・フォードvsフェラーリ ・・・・・・・12/04・・・・・・・・75,726 ・・・・・1,066,624・・・・・・9,377 ・・・・・・321
6(2)・・ジュマンジ/ネクスト・レベル・・12/11 ・・・・・・67,322 ・・・・・1,025,817・・・・・・8,555 ・・・・・・495
7(4)・・ナイブズ・アウト・・・・・・・・・・・・・12/04・・・・・・・・37,891・・・・・・・561,005 ・・・・・・4,734 ・・・・・・165
       /名探偵と刃の館の秘密
8(44)・・家族を想うとき・・・・・・・・・・・・・12/19・・・・・・・・・6,755 ・・・・・・・・12,488 ・・・・・・・・・97 ・・・・・・・66
9(7)・・カウントダウン・・・・・・・・・・・・・・12/12・・・・・・・・・3,159・・・・・・・・・・3,159 ・・・・・・・・600 ・・・・・・・68
10(11)・・真実(日・仏)・・・・・・・・・・・・・・・12/05・・・・・・・・・2,685 ・・・・・・・・32,441 ・・・・・・・・240 ・・・・・・・40


【独立・芸術映画】
順位・・・・題名 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・上映館数
1(70)・・アメリ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12/15 ・・・・・・・・2,137・・・・・・・・6,356・・・・・・・・・・・55 ・・・・・・・47
2(2)・・チタン ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12/09 ・・・・・・・・1,370・・・・・・・・9,396・・・・・・・・・・・94 ・・・・・・・48
3(新)・・皮膚を売った男・・・・・・・・・・・・12/16 ・・・・・・・・1,214・・・・・・・・2,601・・・・・・・・・・・24 ・・・・・・・43
4(新)・・ホモ・サピエンスの涙・・・・・・・12/16 ・・・・・・・・1,029・・・・・・・・1,945・・・・・・・・・・・18 ・・・・・・・34
5(18)・・学校に行く道(韓国)・・・・・・・・・5/05・・・・・・・・・・・260 ・・・・・・34,118 ・・・・・・・・・260・・・・・・・・14

 3・4位の2作品が新登場です。
 3位「皮膚を売った男」は、日本では11月12日から公開されているので説明は省略します。韓国題は「피부를 판 남자」です。
 4位「ホモ・サピエンスの涙」も、日本では昨21年11月に公開されています。韓国題は英題「About Endlessness」に沿って「끝없음에 관하여(果てなきことに関して)」です。
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韓国で公開中の映画 <NAVER映画>の人気順位 [12月15日(水)現在] ▶<第74回カンヌ国際映画祭>コンペ部門でパルム・ドールを受賞した「チタン」に注目! ・・・って日本ではいつ観られるの?

2021-12-17 23:47:11 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▶今回の記事で注目は何と言っても今年7月の<第74回カンヌ国際映画祭>コンペティション部門で最高賞のパルム・ドールを受賞した「チタン」です。どんな作品かというと、まあ記事の最末尾を読んでみてください。
 それにしても、毎度のことながら韓国でもう公開とは早い! 日本と違って公式サイトというものを作らないということもあるかもしれませんが、それよりも大きな理由がありそうです。それよりも、日本が遅いということ? いつ公開されるかもわかりません。
     
【 「チタン」(左)と、<記者・評論家による順位>で6週連続1位の「ファースト・カウ」のポスター 】

    ★★★ NAVERの人気順位(12月15日(水)現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
  ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
        「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。

①(新) MONSTA X : THE DREAMING(韓国)  9.92(121)
②(新) 私はチョソンサラム[朝鮮人]です(韓国)  9.69(168)
③(1) ログブック(韓国)  9.66(35)
④(3) 若い盛りのソンニョさん(韓国)  9.57(42)
⑤(2) サビーナ-キリストのための苦難、ナチス時代  9.50(56)
⑥(5) 君に行く道(韓国)  9.42(250)
⑦(6) 往十里 キム・ジョンブン(韓国)  9.34(32)
⑧(9) カン・ホジュン[看護中](韓国)  9.27(15)
⑨(4) ショートバス 監督行(韓国)  9.26(19)
⑩(10) コーダ あいのうた  9.23(684)

 ①②の2作品が新登場ですが、いずれも1つ前の記事で紹介しました。。
 なお、⑩「コーダ あいのうた」は日本でもこのタイトルで来年1月21日の公開が決まっています。韓国から遅れること5ヵ月弱。まあこんなとこでしょう。

     【記者・評論家による順位】

①(1) ファースト・カウ  8.40(10)
②(新) チタン  7.86(7)
③(2) ベネデッタ  7.83(6)
④(4) パワー・オブ・ザ・ドッグ  7.75(4)
⑤(新) ドント・ルック・アップ  7.63(8)
⑥(6) DUNE/デューン 砂の惑星  7.56(9)
⑦(7) アネット  7.44(9)
⑧(9) 君に行く道(韓国)  7.20(5)
⑨(-) 言葉と行動(ラヴ・アフェアズ)  7.17(6)
⑩(-) 休暇(韓国)  6.83(6)

 ②と⑤の2作品が新登場です。
 ②「ドント・ルック・アップ」は日本でも12月10日から公開されています。上映館は少ないですが、Netflixで12月24日から配信されます。
 ⑤「チタン」はフランス・ベルギー合作のスリラー。今年の<第74回カンヌ国際映画祭>のコンペ部門で最高賞のパルム・ドールを受賞した作品です。またジュリア・デュクルノー監督は「ピアノ・レッスン」(1993)で受賞したジェーン・カンピオン監督に続いて2人目の女性のパルム・ドール受賞監督ということも注目されています。
 タイトルのチタンはさまざまな用途で用いられる金属で、私ヌルボがすぐ思いつくのは眼鏡のフレームなのですが、生体親和性が非常に高く骨と結合する性質があるため人口骨やインプラント部品等医療用にも広く用いられているとのことです。
 本作でも主人公(の1人)の女性アレクシア(アガーテ・ルーゼル)は子供の頃交通事故に遭い、脳にチタンを埋め込まれて生きていた・・・という設定になっています。耳元に深くその独特の形の傷跡が残っています。そのためか彼女は性指向が車に向かう(?)という特異な欲望に捉えられ、一連の残酷な事件に巻き込まれるようになります。そしてもう1人の主人公である老いた消防士ヴァンサン(ヴァンサン・ランドン)と遭遇します。
 ヴァンサンは、10年前まだ幼なかった頃に行方不明になった息子アドリアンを探し出そうとしていました。ところが、やっと会えたと思った息子の正体は、驚異的な肉体改造を施してヴァンサンの息子になりすました連続殺人犯のアレクシアだった!とは・・・。えっ!? 一体なんなんだ?この展開は! とにかく先が読みづらいスリラーとドラマ、ミステリーとアクションが混在した幻想的な魅力いっぱいの作品のようです。韓国題は「티탄」です。
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韓国内の映画の興行成績 [12月10日(金)~12月12日(日)]と作品紹介 ▶「恋愛の抜けたロマンス」が「幽体離脱者」を抜いて1位に ▶「小説家仇甫氏の一日」は越北作家・朴泰遠の小説の映画化作品

2021-12-16 23:46:03 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
★前回の記事まで<韓国内の映画の興行成績>と<人気順位>をセットにしてきましたが、字数が増える一方て更新も遅れるし読者の皆さんもかったるくて全部読む気にはならないと思われるので今後は2つに分けることにしました。また観た映画の寸評等も別の記事で1~2週間に1つは継続していきたいと思います。

▶今回の記事で注目の韓国映画その1は《独立・芸術映画》のランキング3位「小説家仇甫[クボ]氏の一日」です。
 仇甫氏とは作家・朴泰遠[パク・テウォン](1909~87)の筆名です。また「小説家仇甫氏の一日」は彼が1934年に発表した短編小説のタイトルで、彼のモダニズム小説の代表作とされ、日本でも2006年刊行された「朝鮮近代文学選集」(下左画像)に収録されています。
 この朴泰遠という作家は朝鮮戦争が始まると妻子を残して北朝鮮に行った越北作家です。そしていまや世界に知られるポン・ジュノ監督は、韓国に残された朴泰遠の次女の末男。つまり朴泰遠は母方の祖父になるわけです。朴泰遠は北朝鮮で別に家庭を持って粛清等にも遭わず76歳で人生を終えます。
 ※→関連記事「韓国映画の“怪物”ポン・ジュノ監督の才能は、なぜ生まれたのか?」

▶注目の韓国映画その2は、同じランキング5位の「私はチョソンサラム[朝鮮人]です」です。正確には韓国・日本合作のドキュメンタリーで、キム・チョルミン監督が在日朝鮮人の人たちに取材し、彼らの生活や歴史を辿った作品です。
 ただキム監督は在日ではない韓国人で、2002年金剛山観光で初めて出会った在日朝鮮人たちに強い関心を持ち、以後18年間韓日を行き来して在日朝鮮人たちに取材し、彼らの人生と歴史を眺め、掘り下げて編集した作品とのことです。
 在日朝鮮人関係のドキュメンタリーはこれまでいくつもありましたが、朝鮮総聯系と民団系に大別すると本作は前者です。
 ※私ヌルボの立ち位置を一応明らかにしておくと、朝鮮総聯系と民団系に対しては是々非々ですが、北朝鮮内の人権問題に全然触れない前者に対してはより厳しい見方をしています。ただ総聯系のドキュメンタリー「ウリハッキョ」「60万回のトライ」等は良かった!と思いました。
 本作の説明文を読むと次のような記述がありました。
 在日朝鮮人たちは日本の支配と戦後の南北分断の歴史の中で差別を受け、韓国からは無視されてきました。しかし絶えることなく自らのアイデンティテイを探し、初めて<2つの祖国>を胸に抱きました。
 ※この<2つの祖国>とは、近年の文在寅政権をはじめとする韓国の進歩系の<親北>気運、民族主義の高まり等から、朝鮮総聯系も必ずしも韓国を敵視しなくなっているということなのでしょうか? 韓国の<独島>パフォーマンスも、それが南北協調・統一の象徴だから、・・・と私ヌルボは思います。<反日>は目的というよりダシのようなもの。本作ポスター(下右画像)の民族学校の運動会で掲げられた統一旗の巨大な<独島>を見てください。

     

▶外国映画では、まず興行成績ランキング4位の「ドント・ルック・アップ」に注目。韓国では記者・評論家5人の平均評点も7.60と高く、日本の映画サイトでも評判よさそう。しかし上映館が少なく私ヌルボも未見です。年内には観なくては・・・。
 もう1つは《独立・芸術映画》のランキング2位の「Listen」。<第77回ヴェネツィア国際映画祭>のオリゾンティ部門で5冠に輝いた作品とのことで、ストーリーは下の方の記事を参照してください。観た人のレビューで「ケン・ローチと似てる」といった感想を書いているのはなるほどねの感あり。

    ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績12月10日(金)~12月12日(日) ★★★
          韓国映画「幽体離脱者」が2週連続1位

【全体】
順位・・・・題名 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・上映館数
1(3)・・恋愛の抜けたロマンス(韓国)・・11/24・・・・75,636・・・・・・・・529,469・・・・・・5,392・・・・・・・834
2(1)・・幽体離脱者(韓国) ・・・・・・・・・・11/24 ・・・・・74,399・・・・・・・・765,621 ・・・・・7,472・・・・・・・931
3(2)・・ミラベルと魔法だらけの家・・11/24・・・・・・64,448・・・・・・・・537,776・・・・・・5,140・・・・・・・931
4(新)・・ドント・ルック・アップ ・・・・・12/08・・・・・・34,170 ・・・・・・・・54,374・・・・・・・・536・・・・・・・656
5(5)・・DUNE/デューン 砂の惑星・・・10/20・・・・・・27,767・・・・・・1,540,283 ・・・・16,799・・・・・・・370
6(4)・・ゴーストバスターズ ・・・・・・・・12/01・・・・・・14,717・・・・・・・・110,418 ・・・・・1,035・・・・・・・476
       /アフターライフ
7(新)・・MONSTA X・・・・・・・・・・・・・・・・12/08・・・・・・11,738 ・・・・・・・・23,278・・・・・・・・371・・・・・・・・98
        : THE DREAMING(韓国)
8(新)・・劇場版 ソードアート・オンライン・・12/09・・10,289 ・・・・・・・16,038・・・・・・・・174 ・・・・・・108
       -プログレッシブ- 星なき夜のアリア(日本)
9(6)・・エターナルズ ・・・・・・・・・・・・・・・11/03 ・・・・・・・9,792 ・・・・・3,045,651 ・・・・31,687 ・・・・・・374
10(8)・・テイル[泰壱](韓国)・・・・・・・・・12/01 ・・・・・・・5,002 ・・・・・・・100,092・・・・・・・・841 ・・・・・・189
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 新登場は4・7・8位の3作品です。
 4位「ドント・ルック・アップ」はアメリカのコメディ。日本でも12月10日から公開されているので説明は省略します。韓国題は「돈 룩 업」です。
 7位「MONSTA X : THE DREAMING」は韓国のドキュメンター。2015年5月に韓国でデビューしたMONSTA Xの公演記録です。日本でも韓国と同日の8日から公開されているので説明は省略します。原題は「몬스타엑스 : 더 드리밍」です。
 8位「劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 星なき夜のアリア」は、例によって長い日本アニメのタイトル中でも長~い部類。これも日本で10月30日公開されて今も全都道府県で上映されているんですね。仮想空間内のRPG云々という話か。(知らなんだ。) そういえば「竜とそばかすの姫」も仮想空間の話だったか。今どきの若いもんは現実よりも仮想空間の方がリアルってか? なんちゅーこっちゃ、わからんぞよジーサンは。けほけほ。川原礫による原作のラノベは全世界での発行部数が2千6百万部突破というのももちろん知らなんだなー、けほけほけほ・・・。韓国題は「극장판 소드 아트 온라인 -프로그레시브- 별 없는 밤의 아리아」です。

【独立・芸術映画】
順位・・・・題名 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・上映館数
1(20)・・スパイ・キャット ・・・・・・・・・・12/09 ・・・・・・・・2,373・・・・・・・・3,973・・・・・・・・・・・33 ・・・・・・137
2(35)・・Listen・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12/09 ・・・・・・・・2,054・・・・・・・・5,139・・・・・・・・・・・45 ・・・・・・205
3(7)・・小説家仇甫氏の一日(韓国) ・・・12/09 ・・・・・・・・1,019・・・・・・・・2,441・・・・・・・・・・・18 ・・・・・・・29
4(2)・・カン・ホジュン[看護中](韓国)・・12/02 ・・・・・・・・・761・・・・・・・・3,789・・・・・・・・・・・20 ・・・・・・・10
5(17)・・私は[朝鮮人]です(韓国・日本)・・12/09 ・・・・・・・・461・・・・・・・・2,287・・・・・・・・・・・20 ・・・・・・・23

 4位以外の4作品がすべて新登場です。
 1位「スパイ・キャット」(仮)はドイツのアニメ。緊急情報! 平和だったドラヴィル村に連続盗難事件が発生した⁉ 今こそわれわれの出番だ! 地上最高のスパイを夢見る飼い猫マニーは事件解決のため仲間たちと共に秘密作戦を始めます。ところが決定的な手がかりを発見した瞬間、逆に犯人として追われる身となり、人生最大の危機を迎えることに・・・。はたして彼らは事件を解決し、スパイアベンジャーズになるのでしょうか? 韓国題は「스파이 캣」です。
 2位「Listen」(仮)はイギリス・ポルトガル合作のドラマ。<第77回ヴェネツィア国際映画祭>のオリゾンティ部門で審査員特別賞等5冠に輝いた作品です。ロンドン郊外に住むポルトガル人女性ベラは貧しい移民者出身で、3人の子供を育てて暮らしています。父親ジョタ同様病気がちな息子は父に反発するように父が苦手な英語を使います。娘は聴覚障碍を持っていてベラは手話でコミュニケーションをとつています。ところが娘の体に出たあざが政府当局の誤解を招き、子供たちは強制的にやがて福祉局の局員に連れて行かれます。ベラは訴訟を起こそうとし、ようやく娘と対面できますが局員は「英語以外使うな!」と言い放ち、手話でのコミュニケーションも封じます。それでも法律に則っているとは・・・。自分の貧困と夫の失職、そして娘の障碍にも沈黙していたイギリスの社会体制はある瞬間に現れ、このようにベラと家族の人生を苦しめます・・・。韓国題は「리슨」。これは日本公開がありそうな感じの作品ですが、未定のようです。
 3位「小説家仇甫氏の一日」は韓国のドラマ。記事冒頭に書いたように仇甫氏とは作家・朴泰遠の筆名で、本作のタイトルも彼の短編小説の表題そのままです。
 本作の時代背景も1930年代で、それに見合ったモノクロ映画です。イム・ヒョンムク監督は「仇甫氏の1日の日常を現代的な姿で込めてみてはどうだろうか?と考えて」制作したとのこと。
 あらすじは以下の通りです。自分の作品の世界にこだわって文章を書いてきた若い小説家(無職のインテリ)の仇甫氏(パク・ジョンファン)は、先輩のギヨン(キム・ギョンイク)が編集長をしている小さな出版社に自分の小説の出版を決めてもらおうと、ある朝膨らむ期待を抱きつつ家を出ます。ところが期待できないとの知らせを聞いた仇甫氏が心寂しくソウルの街をぶらついていると、いろんな知人と偶然あるいは必然的に会うことになります・・・。原題は「소설가 구보의 하루」です。
 時代や彼のおかれた境遇を考えると (以前読んだ原作の印象からも)陰鬱なフンイキの映画かな?と思いましたが、観た人たちのレビューに目を通すと「希望と慰めが感じられる」「穏やかで現実的な癒しの映画」「なんだか気分が良くなった」といった感想が目につきました。監督が英題を「Sisyphus's vacation(シジフォスの休暇)」としたのもそんな内容と関係ありそうです。
 5位「私はチョソンサラム[朝鮮人]です」は韓国・日本合作のドキュメンタリー。昨年韓国で開催された<第12回DMZ国際ドキュメンタリー映画祭>で審査員特別賞を受賞した作品です。
 本作では在日朝鮮人の戦後76年の記録として1世から4世までの多様な在日朝鮮人たちの人生を通じて韓国近現代史の内部の<傷>も共に検証・省察しています。<傷>とは、たとえば朴正熙政権時代の1975年の<留学生スパイ団事件>。130人余りが有罪となったでっち上げ事件で、在日朝鮮人2世のカン・ジョンホン[康宗憲]さん等は祖国だと思った韓国によって死刑宣告という一生の傷を負わされます。しかし彼は23年の収監後仮釈放で出所、その後無罪を勝ち取ります。そして彼は2つの人生の原則を立てます。1つは誰よりも幸せに生きなければならないということで、もう1つは「憤りながらも憎まない」ということ。
 現在の日本社会では在日朝鮮人をめぐる問題が次々に噴出しています。民族学校に対する補助金打ち切り問題、ヘイトスピーチ問題等々。本作ではそんな問題にも触れられているようです。
 一方では実は在日の人たちもさまざま。3世から4世となると家族の間でも日本語をふつうに話し、韓国語がわかる人はそんなに多くはありません。民族意識も誰もが強いわけでもありません。(→コチラの過去記事参照。)
 在日に対して、組織や政治的立場を離れた、総合的な観点からのドキュメンタリーなんて作られないですかねー・・・。韓国第は「나는 조선사람입니다」です。
※康宗憲さんについては、以前「康宗憲(カン・ジョンホン)氏の数奇で幸福な人生[1]」と題した記事を書きました。(→コチラ。) しかし[1]だけで[2]を書いてないのは、その記事の末尾に書いた通りです。それに、「死刑台から教壇へ 私が体験した韓国現代史」と題した自叙伝を読んでも「で、北朝鮮には行ったの?行かなかったの?」という肝心の疑問点については書かれてないし等々で書き方がむずかしかったから。ただ<数奇で幸福な人生>という見出しの文言は自分では気に入ってます。この映画での康さんの言葉「誰よりも幸せに生きなければならない」とみごとに呼応していて笑ってしまいました。原題は「나는 조선사람입니다」です。この作品は昨年日本の各地で上映されていたのですね。気づかず見逃してしまい残念。機会があれば観てみたいものです。
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韓国内の映画の興行成績 [12月3日(金)~12月5日(日)]と人気順位 ▶韓国アニメ「テイル」は1970年焼身自殺した全泰壱の物語だった! ▶青龍映画賞、最優秀作品賞=「モガディシュ」等は順当な線か

2021-12-10 23:54:02 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
★まず見出しの日付を確認してください! 12月3日(金)~12月5日(日)のデータですよ!! (このところずっと記事が遅れがちですみません。そのうち文字数を半分以下にする等、抜本的に刷新します。)

▶今回の記事で注目の韓国映画その1は「テイル」というアニメです。最初原題の「태일이(テイリ)」を見て、「テイル」という名前の愛称だなとは思ったものの誰のことかわかりませんでした。ポスター(下左画像)も少年の姿だし・・・。作品の説明や関連記事を読んで初めてそれが全泰壱[チョン・テイル]のことだと気が付きました。1970年11月13日、全泰壱は清渓川近くの東大門・平和市場前で勤労基準法の<火刑式>を挙行します。「勤労基準法を遵守せよ」「我々は機械ではない」と叫びつつガソリンを浴びて着火、つまり焼身自殺を遂げたのです。「私の死を無駄にするな」との遺言を残して彼はその日の夜に22年の生涯を終えました。この事件は当時の韓国社会に大きな衝撃を与え、以後の労働運動、民主化闘争活発化の大きな契機となり、彼は<全泰壱烈士>と呼ばれるようになりました。そして半世紀を経た今も関連行事が継続しています。2007年平和市場近くの清渓川のポドゥル[柳]橋は全泰壱40周忌汎国民行事委員会による改名運動の結果<全泰壱橋>となり、その中央には彼の大きな半身像があります(下右画像。2012年12月ヌルボ撮影)。
 全泰壱関連の映画では「美しき青年 全泰壱」(1995)等があります。書籍等もありますが下の記事を参照して下さい。
 なお、KBSテレビで2003年放映された「1970年11月13日平和市場! KBS人物現代史 – 消えない炎、チョン·テイル」という1時間番組が→YouTubeに丸ごと残されているのをみつけました。その中には衝撃的な場面もあります。今年は彼の自死から51年目。実は私ヌルボ、生まれは彼の4ヵ月後ですが同じ学年です。22歳で人生を終えた彼とはまさに対照的にここまで無難に暮らしてきましたが、それをただ「ラッキー」と言ってしまうと何か心に残る思いがあります・・・。
    

▶注目の韓国映画その2は 「カン・ホジュン[看護中]」です。ジャンルはSFですが近未来の介護ロボットの話で、むしろディストピアを予感させるような陰鬱なリアリティが感じられる作品のようです。

▶外国映画では「ベネデッタ」に注目。17世紀のイタリアが舞台の、同性愛により宗教裁判にかけられたという実在の修道女の物語ですが、「カンヌ国際映画祭では物議をかもした」という作品だそうです。いかにも評論家好みの作品で、《記者・評論家による順位》では②位に入っています。(過激な性描写・暴力描写で知られるヴァーホーヴェン監督作品です。)

▶《第42回青龍映画賞2021》は11月26日汝矣島KBSホールで開催されました。その受賞結果は次の通りです。(少なくとも最初の4賞は全然意外性ナシですね。)
 ◉最優秀作品賞=「モガディシュ」 ◉監督賞=リュ・スンワン(「モガディシュ」)
 ◉主演男優賞=ソル・ギョング(「茲山魚譜-チャサンオボ-」) ◉主演女優賞=ムン・ソリ(「三姉妹」)
 ◉助演男優賞=ホ・ジュノ(「モガディシュ」) ◉助演女優賞=キム・ソンヨン(「三姉妹」)
 ◉新人男優賞=チョン・ジェグァン(「NOT OUT」) ◉新人女優賞=コン・スンヨン(「ひとり暮らしの人々」)
 ◉新人監督賞=パク・チワン(「私が死んだ日」) ◉最多観客賞=「モガディシュ」
 ◉脚本賞=キム・セギョム(「茲山魚譜-チャサンオボ-」)
 ◉音楽賞=パン・ジュンソク(「茲山魚譜-チャサンオボ-」)
 ◉美術賞=キム・ボムク(「モガディシュ」) ◉編集賞=キム・ジョンフン(「茲山魚譜-チャサンオボ-」)
 ◉技術賞=VFXチョン・チョルミン、チョン・ソンジン(「スペース・スウィーパーズ」)
 ◉撮影照明上=イ・ウィテ、ユ・ヒョクジュン(「茲山魚譜-チャサンオボ-」)
 ◉チョン・ジョンウォン短編映画賞=「オートバイとハンバーガー」
 ◉チョン・ジョンウォン人気スター賞=ク・ギョファン、チョン・ヨビン、ソン・ジュンギ、ユナ

    ★★★ NAVERの人気順位(12月7日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
  ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
        「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。

①(1) ログブック(韓国)  9.93(27)
②(3) サビーナ-キリストのための苦難、ナチス時代  9.62(53)
③(5) 若い盛りのソンニョさん(韓国)  9.56(41)
④(2) ショートバス 監督行(韓国)  9.53(17)
⑤(6) 君に行く道(韓国)  9.45(236)
⑥(4) 往十里 キム・ジョンブン(韓国)  9.34(32)
⑦(新) プリンス・オブ・アーク  9.29(14)
⑧(新) 祈雨祭(韓国)  9.26(27)
⑨(新) カン・ホジュン[看護中](韓国)  9.25(12)
⑩(8) コーダ あいのうた  9.24(680)

 ⑦⑧⑨の3作品が新登場です。
 ⑦「プリンス・オブ・アーク」はアメリカのCGアニメ。旧約聖書の「十戒」の物語です。紀元前エジプトで奴隷の子として生まれ王子として育ったモーセが神の啓示を受け、エジプト人の奴隷として虐げられていたヘブライ人を解放するべく立ちあがる姿を描きます。韓国題は「십계(十戒)」です。2007年製作の作品なのになぜ今? 日本では劇場公開はなく、DVDが販売されているようです。
 ⑧「祈雨祭」は韓国のドラマ。シン博士(シン・ヒョンギュ)は自然と共感できる人口知能ロボット、アリボット(チョン・ウンジョン)を作ることに成功します。雨が止んだ世界で雨を降らせる唯一の手段であるアリボットを狙う人が多くなると、シン博士はあらゆることを放棄して、ある田舎の寺に籠ることになります。寺にいる間アリボットはシン博士の過去の恋物語を聞き、自分の姿がシン博士の昔の恋人アリに似ていることを知ります。また、恋人たちの愛から未熟な感情表現やミスによる別れ、別れた後の後悔等、人々が抱く感情を感じるようになります。アリボットはさまざまな感情を抱き、アップグレードする中、執拗にアリボットを追っていた謎の存在エックス(ソン・ギルホ)に捕まってしまうのですが・・・。原題は「기우제」です。
 ⑨「カン・ホジュン[看護中]」は韓国のSF。2017年の第2回韓国科学文学賞中短編部門で佳作に入賞したキム・ヘジンの小説「TRSが世話しています」の映画化作品。(<TRS>はTrusting a Robot'Studyの略。) 原作では男性だった3人の主人公を全員女性に変えています。昨年8月MBCテレビで<シネマティックドラマSF8>と題したSFドラマシリーズの中でも放映されましたが、本作はその拡張版です、今年の富川国際ファンタスティック映画祭の招待作で、その他海外の映画祭にも招待されています。
 時代は近未来。ロボットはさまざまな場で活用されています。特に療養病院ではドイツ製介護ロボットのカン・ホジュン(※ハングル表記だと<看護中>とも読める)が人気です。30代の女性ヨン・ジョンイン(イ・ユヨン)も10年間昏睡状態のお母さんムン・スクの世話をするためにカン・ホジュン(イ・ユヨン=一人二役)を購入します。ジョンインとカン・ホジュンはまるで双子の姉妹のように心を通わせます。そんなある日、生活苦に疲れたジョンインが自殺を選択をしようとすると、ロボットのホジュンはその「合理的選択」を心配し、また悩みます。「植物人間の患者の代わりにジョンインを救ってはいけませんか?」というホジュンの質問を偶然に受けたサビナ修道女(イェ・スジョン)はホジュンの間違った選択を防ぐべき・・・なのでしょうか?
 本作でミン・ギュドン監督は近い将来私たちが体験するかもしれないディストピアを描き出します。寿命は延びたものの病気は消えない世界で、都市には大型療養病院が墓のように立っています。大変なことをロボットに任せるその未来都市では、スマートで人間らしい高価な「高級型」と基本的な介護機能だけの「普及型」の中から選択された介護ロボットが制服を着て患者たちをケアしています。その光景は悲しく、また不気味です・・・。原題は「간호중」です。

     【記者・評論家による順位】

①(1) ファースト・カウ  8.40(10)
②(新) ベネデッタ  7.83(6)
③(3) あの日のように抱きしめて  7.80(5)
④(4) パワー・オブ・ザ・ドッグ  7.75(4)
⑤(6) プチ・ママン  7.63(8)
⑥(7) DUNE/デューン 砂の惑星  7.56(9)
⑦(8) アネット  7.44(9)
⑧(-) モガディシュ(韓国)  7.27(11)
⑨(9) 終着駅 (韓国)  7.20(5)
⑨(9) 君に行く道(韓国)  7.20(5)

 ②「ベネデッタ」が新登場です。フランス・ベルギー・オランダ合作のドラマ(伝記物語 ?)です。ベネデッタ・カルリーニの物語に関する歴史家ジュディス・C・ブラウンの著書「ルネサンス修道女物語 聖と性のミクロストリア」(ミネルヴァ書房)を翻案した作品です。2021年カンヌ映画祭のコンペティション部門で上映されました。
 舞台は17世紀のイタリア。地方の貴族の家に生まれたベネデッタ(ヴィルジニー・エフィラ)は父が神にした約束のため少女の頃に修道院に入ります。熱心な信者でマリアの声を聞いたと言うこともあった彼女は修道女たちのリーダー的存在でした。23歳の時「キリストと心臓を交換し、神と結婚する幻影に陥った」と告げます。さらには十字架に架けられたイエスの傷である聖痕が自分の体に生じたと言い、神秘主義者たちはベネデッタが神と疎通して特別な加護を受けていると信じて、ベネデッタは30歳にして修道院長になります。ところがその後同じ修道院の尼僧バルトロメア(ダフネ・パタキア)と同性愛関係を持ったことが明らかになり、宗教裁判にかけられます。バルトロメアは羊飼いの父の虐待から逃れて修道院に駆け込んだこともあってベネデッタがよく面倒をみていた修道女でした。1619~23年に行われた裁判記録には、彼女との性的関係や宗教的幻影と神秘的体験に関する尋問等について詳細に記されています。こうしてベネデッタの運命は投獄され人生は大きく狂っていきます・・・。
 「氷の微笑」「エル ELLE」等のポール・ヴァーホーヴェン監督作品ということで本作もかなり過激な性描写・暴力描写があるようで、カンヌ国際映画祭では物議をかもしたとの話もありますが、監督は「ラブストーリーだけでなく、宗教や教会内の権力争いや人間関係等たくさんの要素を盛り込んだ重層的で現代性のある映画を意図した」とのことです。韓国題は「베네데타」です。

    ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績12月3日(金)~12月5日(日) ★★★
          韓国映画「幽体離脱者」が2週連続1位

【全体】
順位・・・・題名 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・上映館数
1(1)・・幽体離脱者(韓国) ・・・・・・・・・・11/24 ・・・・132,611・・・・・・・・626,445 ・・・・・6,137・・・・・1,075
2(2)・・ミラベルと魔法だらけの家・・11/24 ・・・・107,740・・・・・・・・437,770・・・・・・4,185・・・・・・・970
3(3)・・恋愛の抜けたロマンス(韓国)・・11/24 ・・105,224・・・・・・・・399,625・・・・・・4,085・・・・・・・873
4(96)・・ゴーストバスターズ ・・・・・・・12/01・・・・・47,622・・・・・・・・・80,129・・・・・・・・780・・・・・・・826
       /アフターライフ
5(6)・・DUNE/デューン 砂の惑星 ・・・10/20・・・・・44,145・・・・・・1,495,455 ・・・・16,267・・・・・・・409
6(4)・・エターナルズ・・・・・・・・・・・・・・・11/03・・・・・20,459 ・・・・・3,027,508・・・・・31,505 ・・・・・・477
7(新)・・ラストナイト・イン・ソーホー・・12/01・・・15,963・・・・・・・・・33,855・・・・・・・・324・・・・・・・498
8(22)・・テイル[泰壱](韓国) ・・・・・・・・12/01・・・・・13,840 ・・・・・・・・85,940・・・・・・・・724・・・・・・・458
9(5)・・ジャンルだけロマンス(韓国)・・11/17 ・・・・13,120 ・・・・・・・503,861・・・・・・5,068・・・・・・・403
10(新)・・鬼滅の刃・・・・・・・・・・・・・・・・・・12/01 ・・・・11,586 ・・・・・・・・18,273・・・・・・・・174・・・・・・・292
       柱合会議・蝶屋敷編(日本)
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 新登場は4・7・8・10位の4作品です。
 4位「ゴーストバスターズ/アフターライフ」はアメリカのアクション&コメディ。日本公開は来年2月4日ですが、すでに公式サイト&予告編
https://www.ghostbusters.jp/
が用意されているので説明は省略します。韓国題は「고스트버스터즈 라이즈(ゴーストバスターズ ライズ」です。
 7位「ラストナイト・イン・ソーホー」はイギリスのホラー。日本でも12月10日公開なので説明は省略します。韓国題は「라스트 나잇 인 소호」です。
 8位「テイル[泰壱]」は韓国のアニメ。冒頭でも書いたように、テイルとは1970年に劣悪な労働環境に抗議して22歳で焼身自殺を遂げた青年労働者、全泰壱[チョン・テイル]のことです。故チョ・ヨンレ[趙英来]弁護士が著した「全泰壹評伝」(柘植書房)、映画「美しき青年 全泰壱」(1995)、チェ・ホチョル作の漫画「テイル」等々、全泰壱を扱った映画、小説、漫画等はありますが、長編アニメでは本作が最初です。
 1965年テイルは平和市場で裁断士補助として就職します。正式な裁断士になって家族の生計を立て、弟たちの勉強もさせるのが夢でした。ところが一生懸命働いて裁断士になったテイルの目に映ったのは死ぬように働いてもコーヒー一杯の賃金ももらえないまま血を吐く若い女工たちの顔でした。仲間のための温かい心だけでは何も変えられず、勤労基準法があっても守られない現実を前に、彼は自ら希望の炎になることを決心します。「勤労基準法を遵守せよ! われわれは機械ではない!」と訴えつつ・・・。原題は「태일이」です。
 本作の特色その1は1970年代の平和市場を繊細でリアルに描いていること。
例えば街のポスターも時代や季節を考慮し、当時から今まで販売している商品も登場するがパッケージデザイン等は当時のものを再現したとか。
 特色その2は、テイルにのみスポットを当てるのではなく、親睦会の仲間や工場のミシン師たち、10代の女工たち、テイルの家族等々さまざまなキャラクターが登場することです。
 特色その3は、労働運動家・全泰壱烈士の焼身自殺という歴史的瞬間よりも、彼が過ごした人間としての生活に集中して物語が展開すること。母親にとってはかわいい息子であり、貧しい労働者たちには温かい仲間だった平凡な青年裁断士だった彼が周囲の人たちとの関わりの中で劣悪な労働環境に目を向け、不当な世界に向き合って声を出し始める過程を描いているのです。
 なお、本作は映画の制作費を準備するために、2018年11月20日から3ヵ月間のクラウドファンディングを行い、目標金額の1億ウォンを超えて2億ウォンに迫る額を達成しました。その募金のためムン・ソングンムン・ソリ等の俳優たちや労働団体等の各種団体をはじめ多くの人々や組織が宣伝のため声を上げ、参加人員は重複参加を考慮してもなんと1万人を超えたそうです。
 しかし現在の韓国は週52時間制や新しい最低賃金制等も問題を多々抱えているようだし間接雇用の悪習等々、まだ守られない常識や実現されない正義は山積しています・・・。(日本もですが・・・。)
 10位「鬼滅の刃 柱合会議・蝶屋敷編」。韓国では「鬼滅の刃 無限列車編」の大ヒットに続き「鬼滅の刃 兄妹の絆」を公開し、さらに日本ではTV放映のみの「那田蜘蛛山編」も劇場公開しました。本作もその流れかな? とすると「浅草編」「鼓屋敷編」等から「遊郭編」まで今後全部韓国で上映されるのかな? 韓国題は「귀멸의 칼날: 주합회의·나비저택 편」です。

【独立・芸術映画】
順位・・・・題名 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・上映館数
1(24)・・プリンス・オブ・アーク ・・・・・12/02 ・・・・・・・・1,357・・・・・・・・2,857・・・・・・・・・・・25 ・・・・・・・81
2(新)・・看護中(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・2/12 ・・・・・・・・1,268・・・・・・・・1,626・・・・・・・・・・・・9 ・・・・・・・15
3(7)・・アネット・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10/27 ・・・・・・・・1,261 ・・・・・・41,048 ・・・・・・・・・352・・・・・・・・12
4(32)・・若い盛りのソンニョさん(韓国)・・10/20 ・・・・1,115・・・・・・・・9,686・・・・・・・・・・・59 ・・・・・・・15
5(1)・・メイド・イン・イタリー ・・・・・・11/24・・・・・・・・・・・548・・・・・・・11,622・・・・・・・・・・・99・・・・・・・・20

 1位「プリンス・オブ・アーク」が新登場ですが、この作品については上述しました。
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韓国内の映画の興行成績 [11月26日(金)~11月28日(日)]と人気順位 ▶観客は自分1人!・・・という経験ありますか? ▶韓国のアクション映画「幽体離脱者」が観客動員数1位

2021-12-03 23:50:09 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
「ファイター、北からの挑戦者」を観てきました。→コチラの記事で書いた年内公開予定の期待の韓国映画3作品(+1)のうちの1つです。ところが、思いがけなくも「アリャーッ!」と内心叫んだのは観客が私ヌルボ1人だけだったから。話題の映画を中心に観ている人はまずそんな経験はないと思います。ミニシアターに行くことが多いヌルボにしても3人程度は何度かありましたが、1人というのはこれが2回目。最初は今から30年以上(?)前だったか? 作品名も記憶にありません。まあ今回は夜8時半頃~という遅い回だったこともあるかも。しかし日曜日だったんですよねー・・・。 タイトルだけでは内容が全然わからないという弱点もあるかも。上映館数も多くはないし宣伝費もそんなかけられないし・・・。脱北者の意味がわからない人も相当数いる? 分かっても関心の対象外?
 しかし、この映画自体はホントに観てよかったです。具体的な内容には触れませんが、映画関係サイトでレビューを見て気になったこと1つ。多くの人が主人公の脱北者女性について「表情が厳しい」「不愛想」「ほとんど笑わない」との感想が目につくのは当然で、それに対し「韓国での生活に慣れていないからだろう」と好意的に理解する見方もあり作中でも描かれている脱北者に対する差別への警戒心も指摘されていました。ただ、このような彼女の厳しい表情は本人の性格や環境の変化等によるものだけではなく、北朝鮮社会に起因する部分も大きいのでは?と思います。脱北者漫画家のチェ・ソングクさんの漫画によると「北朝鮮の人たちは軽々しく「ありがとう」とは言わない」のだそうです。(→コチラ参照。)
 そこでも書きましたが、韓国でも「親しき仲には礼儀なし」で日本とは<常識>が違いますからねー。

▶今回の記事で注目の韓国映画は「ログブック」です。2014年のセウォル号沈没事故の時に真っ先に救助活動に当たった民間潜水士たちについてのドキュメンタリーです。
 大きな事故あるいは謎の事件・事故があるとその詳細や原因、責任の所在についての報道が相次ぎ、映画が作られたりもします。政治面で保守系・進歩系間のミゾが深い韓国の場合は、とくに政治権力の関与があったのでは?という(陰謀論めいた)疑問が沸き起こることもよくあります。李明博政権の天安沈没事件(2010)の時もそうだったし、このセウォル号沈没事故の場合もそうで関連の映画もいくつか作られました。遺族に焦点を当てた作品も作られました。そして本作は潜水士ですが、その基調は<慰め>と<癒し>とのこと。ようやくここまで来たか、と思いました。ここに至るまでの流れをみると、日本と韓国の時間感覚の違いを感じます。どちらが<ふつう>ということではなく、その違いを双方がわかっていないことも<歴史認識問題>がこじれる一因になっているかも・・・。40年前の光州民主化運動等々どこまでも責任を追及しようとする韓国と、忘れてはならないことも水に流す日本との違いも同じですね・・・。

▶外国映画では「サビーナ-キリストのための苦難、ナチス時代」。日本では上映がなさそうなキリスト教(ルーテル教会)関係の宗教映画ですが、ルーマニアの宗教事情も含め、内容的に興味を持ちました。

    ★★★ NAVERの人気順位(11月30日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
  ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
        「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。

①(新) ログブック(韓国)  9.92(25)
②(新) ショートバス 監督行(韓国)  9.79(14)
③(新) サビーナ-キリストのための苦難、ナチス時代  9.62(48)
④(1) 往十里 キム・ジョンブン(韓国)  9.59(29)
⑤(2) 若い盛りのソンニョさん(韓国)  9.56(41)
⑥(4) 君に行く道(韓国)  9.47(209)
⑦(3) ソン・ヘ 1927(韓国)  9.39(49)
⑧(6) コーダ  9.24(674)
⑨(8) 休暇(韓国)  9.06(66)
⑩(-) 幸福の速度(韓国)  9.03(31)

 ①②③の3作品が新登場です。
 ①「ログブック」は2014年のセウォル号沈没事故の際に誰よりも先に海に飛び込んだ民間潜水士たちの救助活動を記録したドキュメンタリーです。タイトルの<ログブック(Log Book)>とは、飛行士が場所・時間・風速・風向・高度等、フライトのデータを記録する日誌のこと。パラグライダーの場合も同様です。また潜水艦等も含む各種船舶が記載を義務付けられている航行の記録すなわち航海日誌も<ログブック>といいます。そして本作のようにダイバーが自分の潜水状況を記録した日誌もまた<ログブック>と呼ばれます。
 セウォル号惨事の直後、救助捜索の現場であるはしけにはマスコミ関係者も接近できませんでした。しかし独立PDとして活動していたボク・ジノ監督はダイバーだった自身の経験から最初にはしけに乗船し、潜水士が救助捜索する過程をカメラに記録することができました。そうした映像の他、その後トラウマに悩まされた多くのダイバーたちの相談を引き受けた精神科医チョン・ヘシン博士の話等で構成されています。
 [以下ボク・ジノ監督の言葉] 私がダイバーだという事実を知って、セウォル号潜水士たちは初めてはしけへの乗船を許しました。はしけで一緒に食べ、寝て生活した私はカメラに彼らのすべてを記録したと思いました。しかし数ヵ月が過ぎてある潜水士に再び会った時、彼は意外にも1冊のログブックを私に見せてくれました。セウォル号潜水現場を記録した自身のログブックでした。私は最初の章を読みながら流れる涙をどうすることもできませんでした。カメラに収められない彼らの隠された物語、誰にも言えなかった残酷なセウォル号の姿。彼のログブックを受け取った後、私は再びそれらを正しく記録することができました。悲しいけれど慰めのある映画です。セウォル号惨事の海で黙々と働いた潜水士たちに会うのもセウォル号を記憶する方法の一つでしょう。彼らの率直な物語を共有することは私たち全員のトラウマを共に癒すことだと思います。原題は「로그북」です。
 ②「ショートバス 監督行」は韓国の若手監督による短編作品のオムニバス。7月22日公開の「ショートバス 離別行」に始まる<ショートバス>シリーズの第5作です。この<ショートバスプロジェクト>は6ヵ月間にわたって(これまで)3~6本の短編を毎月公開するというもので、今回は副題に「監督行」とあるように、映画監督をテーマに5人の監督がそれぞれ「将来の夢」「初冬」「ソヨンの映画」「隘路」「メイキングフィルム」と題して作品を発表。これまでの5回中で最高の評価を得ました。原題は「숏버스 감독행」です。
 ③「サビーナ-キリストのための苦難、ナチス時代」はルーマニア・アイルランド・アメリカ合作の実話に基づくドラマ。ナチスの時代、<悪>に対して<善>をもって返した1人の女性の許しの物語です。1944年冬、ソ連軍がルーマニアに進攻します。それまでルーマニアを占領してユダヤ人を迫害していたドイツの兵士たちは一瞬にして追われる身となります。物語の舞台はブカレスト。ドイツ軍のディエティ大尉は2人の部下と共に逃げている間サビーナ(ラルカ・ボテス)の助けを受けることになります。彼は死刑の危険にさらされている自分たちの脱出を助けるユダヤ人サビーナの意図を疑います。そんな彼にサビーナは自分がどのようにしてクリスチャンになり、ナチスの追従者たちの銃に家族みんなを失っても夫リチャードと共にドイツ軍兵士を脱出させることを始めるようになったのかを話し聞かせます・・・。原題は「사비나: 그리스도를 위한 고난, 나치 시대」です。
 本作の日本公開はないと思われます。というのは韓国に多いキリスト教関係の作品なので・・・。主人公サビーナ・ウォームブランドは社会主義政権下のルーマニアで14年間の苛酷な刑務所生活を送ったルーテル教会の牧師リチャード・ウォームブランド師の夫人です。(北欧諸国では人々の大半はプロテスタントのルーテル教会に属しているそうです。) 1913年にルーマニアのあるユダヤ人家庭で生まれた彼女はフランスのソルボンヌ大学に通った才媛で、リチャードと結婚した後キリスト教に入信し、ナチスそして戦後のルーマニアで福音を伝えていましたが、彼女も3年間投獄されて多くの苦難にあったとか・・・。その後夫と共にアメリカに移住し、国際宣教団体の<殉教者の声>の共同設立者となって、2000年に死亡するまで世界15ヵ国の地下教会を支援してきたそうです。
 およそ今まで宗教とは無縁の生活を続けている私ヌルボですが、こうした歴史の荒波の中で靭く生きてきた人の記録は先入観を排して観てみたい気もします。

     【記者・評論家による順位】

①(1) ファースト・カウ  8.40(10)
②(3) 水を抱く女  8.00(6)
③(5) あの日のように抱きしめて  7.80(5)
④(新) パワー・オブ・ザ・ドッグ  7.75(4)
⑤(6) アイダよ、何処へ?  7.67(3)
⑥(7) プチ・ママン  7.63(8)
⑦(8) DUNE/デューン 砂の惑星  7.56(9)
⑧(9) アネット  7.44(9)
⑨(-) 終着駅 (韓国)  7.20(5)
⑨(-) 君に行く道(韓国)  7.20(5)

 ④「パワー・オブ・ザ・ドッグ」が新登場です。イギリス・ニュージーランド・オーストラリア・アメリカ・カナダ合作のドラマ。トーマス・サヴェージの同名小説(角川文庫)を、あの「ピアノ・レッスン」のジェーン・カンピオン監督が映画化した作品で、<第78回ヴェネツィア国際映画祭>のコンペティション部門で銀獅子賞を受賞しました。日本でも11月19日から公開されているので内容の説明は省略します。(って、ジツは数日前に観てきました。深みのある作品です。) 韓国題は「파워 오브 도그」です。

    ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績11月26日(金)~11月28日(日) ★★★
          韓国のアクション「幽体離脱者」が1位

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・上映館数
1(39)・・幽体離脱者(韓国)・・・・・・・・・・11/24 ・・・248,721・・・・・・・・362,418・・・・・・3,531・・・・・1,213
2(30)・・ミラベルと魔法だらけの家・・11/24 ・・・202,903・・・・・・・・268,531・・・・・・2,564・・・・・1,100
3(新)・・恋愛の抜けたロマンス(韓国)・・11/10 ・・141,197 ・・・・・・・209,064・・・・・・2,112・・・・・・・965
4(2)・・エターナルズ・・・・・・・・・・・・・・・11/03 ・・・・・63,836 ・・・・・2,979,906・・・・・31,047 ・・・・・・693
5(1)・・ジャンルだけロマンス(韓国)・・11/17 ・・・・45,473・・・・・・・・468,592・・・・・・4,737・・・・・・・697
6(3)・・DUNE/デューン 砂の惑星 ・・・10/20 ・・・・・39,469・・・・・・1,422,021・・・・・15,312 ・・・・・・444
7(6)・・フレンチ・ディスパッチ ・・・・・11/17・・・・・・11,095・・・・・・・・・62,526・・・・・・・・679・・・・・・・155
       ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊
8(7)・・ディア・エヴァン・ハンセン・・・11/17・・・・・・・7,793・・・・・・・・・96,880・・・・・・・・984・・・・・・・250
9(53)・・メイド・イン・イタリー・・・・・・11/24・・・・・・・4,700・・・・・・・・・・8,179 ・・・・・・・・・71・・・・・・・118
10(4)・・江陵[カンヌン](韓国) ・・・・・・11/10・・・・・・・4,709 ・・・・・・・302,068・・・・・・3,131・・・・・・・163
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 新登場は1・2・3・9位の4作品です。
 1位「幽体離脱者」は韓国のアクション。「誰が本当の私なのか分からない」。交通事故現場で目を覚ました男。鏡に映る見慣れない顔と名前。自分が誰なのか記憶がありません。「また変わった。昼にも変わって夜にもまた」。しばらくしてまた別の人間の体で目覚めた男。彼は12時間ごとに体が変わるという事実に気付き、自分を取り巻く人たちの間の繋がりを探し始めます。過去12時間ごとに体が変わったという人たちや行く場所ごとに現れる謎の女性まで。彼らが追っている国家情報要員カン・イアン(ユン・ゲサン)も・・・。そして、「もう分かった。私が何をしなければならないのか」と彼。皆が血眼になって追うカン・イアンがまさしく自分だということを直感した男。自分を探すため死闘が始まるのですが・・・。※えっ、ユン・ゲサンが1人7役だって!? 原題は「유체이탈자」です。
 2位「ミラベルと魔法だらけの家」はアメリカのアニメ。日本でも11月26日から公開されているので説明は省略します。原題の「ENCANTO」は<魅惑>を意味するスペイン語。韓国題は「엔칸토: 마법의 세계(ENCANTO: 魔法の世界)」です。
 3位「恋愛の抜けたロマンス」は韓国のラブロマンス&コメディ。29歳の女性ジャヨン(チョン・ジョンソ)は仕事も恋愛も思い通りにいきません。元カレとの別れの後恋愛引退を決意したものの寂しさに勝てず、最後の砦のデートアプリで相手を検索します。一方33歳のウリ(ソン・ソック)は仕事でも恋愛でもカモにされるばかり男性。後頭部をまともに殴られたような恋愛の痛みが癒える間もなく、編集長の命令で19禁コラムを引き受けることになり、半強制的にデートアプリに加入させられます。そして旧正月連休の朝。ジャヨンとウリは本名等々すべてを隠して会うことに。ところが1%も期待していなかった2人は1日目から互いに惹かれ、恋愛のようなそうでないような微妙な関係の中でどちらも本心を簡単に打ち明けることができません。「これが恋愛じゃなくて何なの?」。手を引くどころかすっかりハマってしまった2人ですが・・・。原題は「연애 빠진 로맨스」です。
 9位「メイド・イン・イタリー」はイギリスのドラマ&ラブロマンス。自由奔放なイギリス人アーティストのロバート(リアム・ニーソン)は、交通事故で亡くなったイタリア人の妻から相続した家を売却するため疎遠になっていた息子ジャック(マイケル・リチャードソン←リーアムの息子!)と共にイタリアのトスカーナを訪れます。2人は長い間放置されていたその空き家を修理して売るために思いがけなくも1ヵ月共に生活することになります。トスカーナ州といえばフィレンツェ、ピサ、シエーナなど多くの古都を擁し、また美しい景観にも恵まれた所。そこで一緒に食事をしたり修理作業をする中で、それまで意思疎通が欠けていた親子は互いの誤解を解き、相手の気持ちに初めて触れたりして忘れていた2人の幸せを取り戻していきます。そればかりか、イタリアでのロマンチックな日常の中で、ジャックは運命のように出会ったナタリア(バレリア・ビレロ)と新しい愛を育み始めます・・・。韓国題は「메이드 인 이태리」です。日本公開は未定のようです。

【独立・芸術映画】
順位・・・・題名 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・上映館数
1(19)・・メイド・イン・イタリー・ ・・・11/24・・・・・・・・・4,700・・・・・・・・8,179・・・・・・・・・・・71・・・・・・・118
2(6)・・1984 チェ・ドンウォン(韓国)・・11/12 ・・・・・・1,353・・・・・・・10,202・・・・・・・・・・・89・・・・・・・・14
3(3)・・ファースト・カウ ・・・・・・・・・・・11/04・・・・・・・・・1,171 ・・・・・・・・・744・・・・・・・・・・110 ・・・・・・・22
4(5)・・幸福の速度(韓国)・・・・・・・・・・・11/18 ・・・・・・・・・・556・・・・・・・・4,808・・・・・・・・・・・34 ・・・・・・・13
5(4)・・ソン・ヘ 1297(韓国) ・・・・・・・・11/18 ・・・・・・・・・・456・・・・・・・・3,978・・・・・・・・・・・30 ・・・・・・・22

 1位「メイド・イン・イタリー」が新登場ですが、この作品については上述しました。
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