ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

①韓国文学②韓国漫画③韓国のメディア観察④韓国語いろいろ⑤韓国映画⑥韓国の歴史・社会⑦韓国・朝鮮関係の本⑧韓国旅行の記録

韓国内の映画の興行成績 [9月25日(金)~9月27日(日)]と人気順位 ►秋夕の5連休に入った韓国、足は映画館に向かうか? ►7ヵ国合作のドキュメンタリー「ボテロ」、韓国で公開されたが日本では?

2020-09-30 23:56:36 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▶めっきり涼しくなり、映画関係のイベントの季節に入ってきました。
<花開くコリア・アニメーション2020>は、以下の3会場で開催。公式サイトが複雑(?)ですが、→コチラのサイトで右上のメニューを展開すればOK。あ、大阪会場は4月にやって今回はアンコール上映なので→コチラ参照。
   大阪会場[中崎町・PLANET+1] 10月11日(日)
   東京会場[アップリンク渋谷] 10月17日(土)・18日(日)
   名古屋会場[愛知芸術文化センター] 10月24日(土)・25日(日)
 東京・名古屋会場では今回唯一の長編アニメ「魔王の娘、イリシャ」が上映されます。また大阪会場では特別企画として〈アニメーション映画の源流1911-1942〉が上映されます。←日本のアニメ草創期の作品がいろいろ観られます。(※「煙突屋ペロー」はぜひ観てほしい!)
<第21回東京フィルメックス> 10月30日(金)~11月5日(木)
 昨年の公式サイト内で今年の情報がポツポツ出てきていますが、→コチラを見ると特別招待択品の中にホン・サンス監督の新作「逃げた女」が入っていました。
<第33回東京国際映画祭> 10月31日(土)~11月9日(月) 公式サイトは→コチラ
   ※上映スケジュールの発表は10月6日(火)15:00
<オンライン コリアン・シネマ・ウイーク2020> 11月1日(日)~7日(土)
   公式サイト→コチラ
   ※申込締切:10月20日(火)
 例年なら韓国文化院で開催ですが、オンラインとは。それも7作品を1回ずつで7日間。応募状況がどうなるか見当がつきません。4作品の日本初公開作に注目。

▶この1週間で観た映画の短評。「悪人伝」★★★☆(登場人物が型にはまりすぎ、凄みに欠ける連続殺人犯も「チェイサー」等に遠く及ばず。まあそれなりに楽しめたが。) 「ワンダーウォール 劇場版」★★★★☆(半世紀前の「三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実」の流れで観たが京大吉田寮の問題は現在。たしかに経済価値優先で失われたものは大きい。) 「許された子どもたち」★★★★☆(子どもたちの問題を生むのは大人たち。個々の大人だけでなく社会全体が問題。) 「二人ノ世界」からとても見応えのある作品が続いていますが、いずれも業界大手の制作ではなく宣伝費もかけられないので認知度が低く、上映館が少ないのが非常に残念です。今後再上映の機会があれば多くの皆さんにぜひ観てほしいと思います。

▶今回の記事で初登場の映画は、韓国映画ではないのですが7ヵ国合作のドキュメンタリー「ボテロ」。記事の末尾で書いたように、2004年だったか(??)恵比寿ガーデンシネマに映画を観に行った時にたまたまボテロの彫刻展を見たのが彼の作品との最初の出会いでした。外国映画の公開本数は日本より韓国の方が多いと何かで見た記憶あり。はたして日本で公開されるかどうか・・・。 ※恵比寿ガーデンシネマは三越閉店に合わせて21年2月で一時休館するとのこと。

         ★★★ NAVERの人気順位(9月29日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
  ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
        「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。

①(新) 転がる車輪(韓国)  9.92(13)
②(2) カイラスへ行く道(韓国)  9.64(129)
③(1) チア・アップ!  9.62(13)
④(新) 帰郷[落葉帰根]  9.57(14)
⑤(新) 再び出会った日々(韓国)  9.55(89)
⑥(3) 私を救わないでください(韓国)  9.46(78)
⑦(5) 少年の君  9.39(1,287)
⑧(新) BREAK THE SILENCE: THE MOVIE(韓国)  9.36(37)
⑨(-) ラブ・セカンド・サイト はじまりは初恋のおわりから  9.24(667)
⑩(8) 恐竜が教えてくれたこと  9.23(102)

 ①④⑤⑧の4作品が新登場です。
 ①「転がる車輪」は韓国のドラマ。ヘジン(キム・ミョンゴン)はソウルにある大きな寺の住職です。幼い頃両親に捨てられ、宗団で尊敬されている高僧のトボプ(イ・ヨンソプ)の下で育てられました。彼は仏家の戒律よりも縁にこだわってトボプを父と考え最上座として認められることを望んでいますが、生と縁いう二元的苦悩にとらわれます。ある日、上座僧侶たちはトボプ師が危篤だという知らせを伝え聞いて山奥の庵に集まります。それぞれ問題を抱えている彼らが久しぶりに老師を訪ねた理由は師の安危の問題ではなく、何か自分の利益になるような目的があったからでした。しかし、彼らが向かい合った相手は威厳に満ちた高僧ではなく、認知症と中風を患っている老人でした。そして僧侶たちはトボプの介護責任と寺の財産をめぐって互いに争うことになります。この渦中ヘジンは、これまで自分を苦しめてきた過去や自分の像と向き合い、現在の自分の姿になるまでの過程を振り返ってみるのでしたが・・・。原題は「구르는 수레바퀴」です。
 ④「帰郷[落葉帰根]」は中国・香港のドラマ。張楊(チャン・ヤン)監督の2007年の作品で、日本ではその年の<第20回東京国際映画祭>で「帰郷」のタイトルで上映されましたが一般劇場公開はなく、また韓国では今回が初公開です。東北の農村出身の趙(趙本山)は深圳に出稼ぎに来ていましたが、一緒に働いていた酒飲み仲間の劉が突然死んでしまいます。故郷・重慶の家族のそばに葬ってくれという劉の生前の約束を果たすため、趙は彼の遺体を背負って遠い旅に出ます。遺体を酔っ払いに見せかけて彼が乗り込んだバスには、強盗、愛する女性に後頭部を殴られた男、5千メートルの山に登って自分との戦いに臨む女性、ボイラー事故で片方の顔を失った女性、生きていながら自分の葬儀を見守る老人等々。亡き友と行く途方もない旅で、老趙は特別な縁と出会います・・・。韓国題は原題と同じ「낙엽귀근(落葉帰根)」です。
 ⑤「再び出会った日々」は韓国のドラマ。無名のシンガーソングライターで、現実と妥協し生きてきたことに自愧の念を抱いたテイル(ホン・イサク)は、ある日望んで音楽をしていたバンド時代を懐かしく思ってそのまま故郷へ旅立ちます。そこでテイルはバンドのメンバーだったジウォン(チャン・ハヌン)と感性だけは一杯の中二病バンド・ディストリアと出会います。好きな人と音楽の中からインスピレーションを得たテイル、ジウォンの助力を得て未完のトラックを完成させることになります。果たせなかった愛、あきらめていた夢、壊れた関係、伝えられなかった心。不器用だった青春の習作。我々は再び完成することができるでしょうか・・・。原題は「다시 만난 날들」です。
 ⑧「BREAK THE SILENCE: THE MOVIE」は韓国のドキュメンタリー。
韓国初、防弾少年団の全世界スタジアムツアー「LOVE YOURSELF:SPEAK YOURSELF」が終わりました。韓国歌手で最初のロンドンのウェンブリー・スタジアム単独公演、ビルボード月間ボックススコア1位、ロサンゼルス、シカゴ、ニューヨーク、サンパウロ、ロンドン、パリ、大阪、静岡、リヤド、そしてソウルまで。熱かったスタジアムツアーの大長征を走ってきた防弾少年団のメンバーたち。舞台の上ではなく舞台裏で、BTSによって生まれたもう一人の私として、7人のメンバーは1度も語ってこなかった内面の率直な話を聞かせてくれます。原題は「브레이크 더 사일런스: 더 무비」です。
 なお、⑨「ラブ・セカンド・サイト はじまりは初恋のおわりから」は昨年11月公開作を再び上映。日本では今年4月の公開されましたが、ちょうど新型コロナによる休館にぶつかり、そのままになっているようです。韓国題は「러브 앳(ラブ・アット)」です。

     【記者・評論家による順位】

①(1) 燃ゆる女の肖像  9.22(9)
②(2) 恐怖分子  8.22(9)
③(3) ハラボジの家(韓国)  7.83(12)
④(4) その手に触れるまで  7.50(4)
⑤(-) 台北ストーリー  7.40(5)
⑥(5) 逃げた女(韓国)  7.33(6)
⑦(-) ボーダー 二つの世界  7.29(7)
⑧(6) TENET テネット  7.18(11)
⑨(7) 水の中のつぼみ  7.14(7)
⑩(9) マティアス&マキシム  7.00(4)

 今回新登場の作品はありません。⑤と⑦は再登場です。

 ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績9月25日(金)~9月27日(日) ★★★
         5週続く「TENET テネット」の1位も今回まで いよいよ大型連休に突入

【全体】
順位・・・・題名 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・週末観客動員数・・累計観客動員数 ・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・TENET テネット・・・・・・・・・・・・8/26 ・・・・・・・・・91,561 ・・・・・1,683,350・・・・・15,500 ・・・・・・・882
2(新)・・剣客(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・9/23 ・・・・・・・・・83,036 ・・・・・・・108,339・・・・・・・・938 ・・・・・・・832
3(43)・・ディーヴァ(韓国)・・・・・・・・・・9/23 ・・・・・・・・・58,940・・・・・・・・・88,252・・・・・・・・745 ・・・・・・・830
4(新)・・BREAK THE SILENCE・・・・・・9/24 ・・・・・・・・・50,658・・・・・・・・・72,243・・・・・・1,951 ・・・・・・・200
       : THE MOVIE(韓国)
5(2)・・ムーラン ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9/17 ・・・・・・・・・33,558 ・・・・・・・221,266・・・・・・1,951 ・・・・・・・686
6(新)・・アウトポスト ・・・・・・・・・・・・・・9/23 ・・・・・・・・・24,795・・・・・・・・・33,070・・・・・・・・280 ・・・・・・・454
7(3)・・オ! ムニ(韓国)・・・・・・・・・・・・・9/02 ・・・・・・・・・19,484 ・・・・・・・318,753・・・・・・2,563 ・・・・・・・384
8(4)・・奇々怪々 整形水(韓国)・・・・・・・9/09 ・・・・・・・・・・7,073・・・・・・・・・87,476・・・・・・・・779 ・・・・・・・182
9(新)・・映画 おしりたんてい・・・・・・・・9/24 ・・・・・・・・・・6,703・・・・・・・・・・7,739 ・・・・・・・・・57 ・・・・・・・157
       テントウムシいせきのなぞ(日本)
10(110)・・鋼鉄の雨2: 首脳会談(韓国)・・7/29 ・・・・・・・・5,643 ・・・・・1,789,780・・・・・14,652 ・・・・・・・・・9
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 「TENET テネット」が5週連続で1位、といってもその間数字は減り続け、10万人を切りました。今日9月30日からはいよいよ秋夕(チュソク)の5連休。9月30日だけの動員数を見ると案の定「国際捜査」「担保」以下5位まで29日公開の新作が並んでいます。今週末の順位は大幅に変わりそうです。
 今回の新登場は2・3・4・6・9位の5作品です。
 2位「剣客」は韓国のアクション。朝鮮最高の剣客テユル(チャン・ヒョク)は光海君の廃位後自ら姿を消します。一方、朝鮮を間に置いた清と昭の対立によって混乱は極に達し、清の皇族グルタイ(チョ・タスリム)は突きつけて朝鮮に圧力を加えます。民の苦痛がますます増していく中、グルタイの手下たちによってテユルの娘テオク(キム・ヒョンス)が公女として捕えらると、世間に背を向けたまま静かに暮らそうとしていたテユルは娘を救うために慈悲の念を捨てて剣を振るい始めます・・・。原題は「검객」です。
 3位「ディーヴァ」は韓国のスリラー&ミステリー。恐怖の高さ10メートルの飛込み台の端から美しく落下する・・・。
全世界が注目するダイビング系ディーヴァのイヨン(シン・ミナ)は、ある日同僚で親友のスジン(イ・ユヨン)と共に交通事故に遭います。事故の後行方不明になったスジンに対するイヨンの切なさとは違って、同僚たちはスジンに対して疑うような言葉を吐き出します。そんな混乱の渦中でもイヨンは完璧な実力を取り戻さなければなりません。最終的にはトップを守ろうとする強い欲求と、長い間友人として過ごしてきたスジンが自分の知っている姿ではないかもしれないという恐れはイヨンをだんだん狂気に追い込んでいきます・・・。原題は「디바」です。
 4位「BREAK THE SILENCE: THE MOVIE」は、上述のように防弾少年団の世界ツアーの記録です。
 6位「アウトポスト」は、アフガン紛争中の実話を素材にしたアメリカ・ブルガリア合作のアクション&ドラマ。ジェイク・タッパーのノンフィクション小説「The Outpost: An Untold Story of American Valor」の映画化作品です。(※日本で刊行されている「レッド・プラトーン 14時間の死闘」(早川書房.2017)は、同じカームデーシュの戦いで二等軍曹として現地に派遣されていたクリントン・ロメシャによる手記です。) この戦いは09年10月3日アフガニスタン東部の米軍の戦闘前哨基地をタリバンが攻撃したもので、300人のタリバン部隊に包囲されたアメリカ兵はわずら50人余。包囲され全滅の危機に瀕したが、文字通り<14時間の死闘>を耐え抜いて・・・ということのようです。なお、本作の主役はオーランド・ブルームとスコット・イーストウッド。スコットはクリントン・ロメシャを演じています。韓国題は「아웃포스트」。日本公開は未定のようです。
 9位「おしりたんてい テントウムシいせきのなぞ」は日本では今年8月「東映まんがまつり2020」の中で他の3作品と共に公開されました。韓国では昨年の「映画 おしりたんてい カレーなる じけん」に続いて2作目。では劇場で観た人18人中13人が評点10という高評価を得ています。韓国題は「극장판 엉덩이 탐정: 텐텐마을의 수수께끼」です。

【独立・芸術映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・累積収入・・上映館数
1(1)・・奇々怪々 整形水(韓国)・・・・・・・・・・・9/09・・・・・・・7,073 ・・・・・・・・・87,476 ・・・・・・・・779 ・・・・・・・182
2(再)・・フランシス・ハ・・・・・・・・・・・・2014/7/17・・・・・・・1,897 ・・・・・・・・・79,089 ・・・・・・・・615 ・・・・・・・・66
3(8)・・カイラスへ行く道(韓国) ・・・・・・・・・9/03・・・・・・・1,182・・・・・・・・・・・6,983 ・・・・・・・・・54 ・・・・・・・・21
4(2)・・逃げた女(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・・9/17・・・・・・・1,046・・・・・・・・・・・6,856 ・・・・・・・・・35 ・・・・・・・・46
5(新)・・ボテロ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9/24・・・・・・・1,016・・・・・・・・・・・1,204 ・・・・・・・・・10 ・・・・・・・・33
 5位「ボテロ」が新登場です。コロンビアの画家・彫刻家で、Neo-figurativeの代表的な芸術家とされるボテロ(Botero.1932~)の人と芸術についての、カナダ・中国・コロンビア・フランス・イタリア・モナコ・アメリカ合作によるドキュメンタリーです。「ああ、ボテロ! あの太った人の絵を描く人でしょ?」。いや、彼はそれ以上です。「現存する画家の中で最も幅広い影響力を持った人。パリのシャンゼリゼ通りで大規模な展示会を開催した最初の現存する芸術家。これまで全世界の主要都市で100回以上の大規模な展覧会が開かれました。私ヌルボがボテロのことを知ったのは2004年恵比寿ガーデンプレイスで開かれた<ボテロ野外彫刻展>でたまたま彼の彫刻を見てから。男も女も、犬や馬等の動物も例外なくぼってりと太っていて、それが決してグロデスクではなく逆に穏やかで力強く感じられ、強く印象づけられました。その時の記録は→コチラの記事(画像多数)参照。また本作品の韓国版予告編はコチラ→YouTube。 韓国題は「보테로」。日本公開は未定のようです。
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韓国内の映画の興行成績 [9月18日(金)~9月20日(日)]と人気順位 ►話題の「ムーラン」は「テネット」に及ばず2位 ►再開発予定地区で飼い主に捨てられた犬や猫を撮ったドキュメンタリーに注目

2020-09-22 23:31:31 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▶韓国の秋夕(チュソク)、今年は10月1日(木)で、その前後&土日も合わせて9月30日(水)~10月4日(日)の5連休になります。映画も稼ぎ時なので例年ヒットが見込める作品を公開するので、今年はと見てみると韓国映画では「担保」や「国際捜査」といった公開予定作品に期待が集まっていますが、政府は新型コロナの状況下、政府は移動を自制して家で過ごしてほしいと国民に呼びかけているとか。まあ帰省しないでソウルにいる人たちはその分映画を観に行く人は増えるかもしれないが、はたしてどうなる?

▶この1週間で観た映画は「二人ノ世界」だけ。これは文句なく★★★★★。主演2人(永瀬正敏・土居志央梨)の迫真の演技から目が離せませんでした。この作品について過日下のようなツイートを発信したら土居志央梨さんから<いいね>をいただき、うれしかったです。

▶今回初登場の韓国映画注目作は「犬と猫のための時間」(原題: 개와 고양이를 위한 시간)です。<タルトンネ(月の街)>と呼ばれる高台の貧民街がこの数十年の再開発により次々になくなってアパート団地になっていきました。その過程のもろもろの物語はいろんな小説や映画等々の素材にもなってきましたが、このドキュメンタリーはタルトンネから退去した人たちが捨てていった飼い犬・飼い猫たちが野良犬・野良猫になって・・・という話。その関連で動画ニュースを見たりKAKAO地図でオンライン探索したりして新知識が得られたのは収穫。それにしても、かわいがっていた犬や猫を置き去りにするとはかわいそう。いろいろ事情はあるので飼い主だけは責められないでしょうが・・・。

         ★★★ NAVERの人気順位(9月22日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
  ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
        「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。

①(新) チア・アップ! 9.73(11)
②(1) カイラスへ行く道(韓国)  9.69(123)
③(2) 私を救わないでください(韓国)  9.56(70)
④(3) メフィスト(韓国)  9.56(25)
⑤(6) 少年の君  9.38(1,254)
⑥(7) 私はポリ(韓国)  9.35(139)
⑦(新) 犬と猫のための時間(韓国)  9.30(10)
⑧(4) 恐竜が教えてくれたこと  9.23(93)
⑨(9) ハラボジの家(韓国)  9.06(243)
⑩(-) 燃ゆる女の肖像  9.05(1,688)

 ①と⑦の2作品が新登場です。
 ①「チア・アップ!」は、日本では7月3日から公開されています。説明は省略します。韓国題は「치어리딩 클럽」です。
 ⑦「犬と猫のための時間」は、韓国のドキュメンタリー。この頃多い犬や猫のかわいい姿を撮った作品かなと思いましたが、そればかりでもないのです。2017年春頃、マスコミでは野犬関連のニュースがとくに多く流されました。都市の再開発が進む中、そこから立ち去る人たちに捨てられた飼い犬が増えました。そんな主人を失った犬たちは山に入って野犬の群れになるのです。都市に野犬とはなんだか矛盾した話だと思いつつ、そんなで野犬を探しに行った先が<ペクサマウル>。蘆原(ノウォン)区中渓洞104(ペクサ)番地一帯の通称で、ソウルで最後まで残っているタルトンネ(丘の貧民街)として知られています。空き家が1軒おきにあるこの集落には、放浪犬と首輪につながれたままの犬がここかしこにいます。はたして都市で人間と動物が一緒に幸せになることはできないのだろうか?との思いを抱きながら、その答えを探しに出て1年余り。その時間がカメラにそのまま収められ、その旅の先には路上で苦しい生活をしている犬や猫たちを慰めるため飼い主たちも集まって音楽会が開かれることに・・・。原題は「개와 고양이를 위한 시간」です。下の動画はこの映画の予告編ですが、現地のようすがわかります。※この地区の再開発工事着工は2022年とか。関係動画→YouTube。これにも猫が映ってますね。まだ住民の生活感が残っていた2016年の映像は→コチラ


     【記者・評論家による順位】

①(1) 燃ゆる女の肖像  9.22(9)
②(新) 恐怖分子  8.22(9)
③(3) ハラボジの家(韓国)  7.83(12)
④(4) その手に触れるまで  7.50(4)
⑤(新) 逃げた女(韓国)  7.33(6)
⑥(5) TENET テネット  7.18(11)
⑦(6) 水の中のつぼみ  7.14(7)
⑧(7) チャンシルは福も多いね(韓国)  7.00(10)
⑨(8) マティアス&マキシム  7.00(4)
⑩(9) ボヤンシー 眼差しの向こうに  7.00(3)

 ②と⑤の2作品が新登場です。
 ②「恐怖分子」は、台湾のエドワード・ヤン監督の1986年の作品。日本では1996年公開されましたが、韓国では「台北ストーリー」同様今回が初公開です。うーむ、34年ぶりか・・・。韓国題は「공포분자」です。
 ⑤「逃げた女」については後述します。

 ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績9月18日(金)~9月20日(日) ★★★
         「TENET テネット」が4週連続1位 話題の「ムーラン」は2位

【全体】
順位・・・・題名 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・週末観客動員数・・累計観客動員数 ・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・TENET テネット・・・・・・・・・・・・8/26 ・・・・・・・・122,181 ・・・・・1,536,373・・・・・14,155 ・・・・・1,073
2(新)・・ムーラン ・・・・・・・・・・・・・・・・・・9/17 ・・・・・・・・120,551 ・・・・・・・152,040・・・・・・1,347 ・・・・・1,418
3(2)・・オ! ムニ(韓国)・・・・・・・・・・・・・9/02 ・・・・・・・・・29,369 ・・・・・・・284,925・・・・・・2,309 ・・・・・・・540
4(4)・・奇々怪々 整形水(韓国)・・・・・・・9/09 ・・・・・・・・・15,703・・・・・・・・・73,943・・・・・・・・660 ・・・・・・・231
5(5)・・潔白(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・・6/10 ・・・・・・・・・・4,272 ・・・・・・・894,025・・・・・・7,859 ・・・・・・・・14
6(6)・・ただ悪から救いたまえ(韓国)・・8/05 ・・・・・・・・・・3,434・・・・・・4,350,438・・・・・38,553 ・・・・・・・133
7(新)・・ヴィドック:パリの皇帝・・・・・9/17 ・・・・・・・・・・2,903 ・・・・・・・・・・3,669・・・・・・・・・32 ・・・・・・・182
7(新)・・逃げた女(韓国)・・・・・・・・・・・・・9/17・・・・・・・・・・・2,903 ・・・・・・・・・・4,083・・・・・・・・・35 ・・・・・・・143
9(12)・・OK! マダム(韓国) ・・・・・・・・・・8/12 ・・・・・・・・・・2,861・・・・・・1,228,551・・・・・10,978 ・・・・・・・・23
10(8) ・・映画クレヨンしんちゃん・・・・8/20 ・・・・・・・・・・2,657・・・・・・・・120,580・・・・・・・・982 ・・・・・・・107
       新婚旅行ハリケーン ~失われたひろし~(日本)
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 今回の新登場は2位と、7位に並んだ2作品で、計3作品です。
 2位「ムーラン」は、いろいろ政治がらみで話題になっていますね。日本ではDisney+での配信のみとなりましたが、韓国では一般劇場公開となりました。(配信の有無は未確認。) 日本での配信については→コチラ参照。料金設定についてはこんなご意見(→コチラ)もありますが・・・。内容については諸情報が出されているので省略します。韓国題は「뮬란」、「ミュルラン」なんですね。
 7位「ヴィドック:パリの皇帝」(仮)は、フランスのアクション&犯罪。原題「L'Empereur de Paris(パリの皇帝)」だと誤解を招きそうなので韓国題「비독: 파리의 황제」をそのまま仮題としました。19世紀ナポレオン帝政時代のパリで暗躍したヴィドック(ヴァンサン・カッセル)という男がいました。無期囚でしたが、フランス最大の刑務所から命がけの脱獄を企て、成功します。彼は失われた人生を取り戻すために、赦免状を条件に警察の手先になり、直接犯罪との戦争を開始します。彼はその後、<世界で最初の探偵>として伝説の存在になったとのことです。本作の日本での劇場公開はなさそうですが、配信で観られるようです。
 同じく7位「逃げた女」は、韓国のドラマ。あのホン・サンス監督によるドラマです。あのでわかる方がどのくらいいらっしゃるか? ついでに主演はもちろんあのキム・ミニです。今年3月<第70回ベルリン国際映画祭>で銀熊賞(監督賞)を受賞した作品。例によって酒を飲んでおしゃべりして・・・という作品だろうと思いつつ一応あらすじを見てみると・・・。夫が出張に行った間ガミ(キム・ミニ)は3人の友人ヨンスン(ソ・ヨンフェ)、スヨン(ソン・ソンミ)、ウジン(キム・セビョク)に会います。2人は彼女が彼女たちの家を訪問したもので、3人目の友人は劇場で出合ったのです。友情の会話が続く中、いつものように、海の水面の上下に複数の波が独立して進行して行く、そんな構成の作品です。原題は「도망친 여자」です。今作はネチズンの評価もさほど低くないような・・・。「おっ! いよいよミニが1億を持って逃走か。サンス型の自虐ギャグ」というカキコがあったが、ちょっと見てみたい。「はちどり」の漢文の先生役だったキム・セビョクも出てるし・・・。

【独立・芸術映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・累積収入・・上映館数
1(1)・・奇々怪々 整形水(韓国)・・・・・・・・・・・9/09・・・・・・15,073 ・・・・・・・・・73,943 ・・・・・・・・660 ・・・・・・・231
2(新)・・ヴィドック:パリの皇帝・・・・・・・・・9/17・・・・・・・2,903・・・・・・・・・・・3,669・・・・・・・・・・32 ・・・・・・・182
2(新)・・逃げた女(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・9/17・・・・・・・2,903・・・・・・・・・・・4,083・・・・・・・・・・35 ・・・・・・・143
4(23)・・恐怖分子 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9/17・・・・・・・1,335・・・・・・・・・・・3,306・・・・・・・・・・24 ・・・・・・・・52
5(2)・・恐竜が教えてくれたこと ・・・・・・・・・9/10・・・・・・・3,713 ・・・・・・・・・・・5,205 ・・・・・・・・・48 ・・・・・・・・50

 2位の2作品と4位「恐怖分子」が新登場ですが、いずれについても上述しました。
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韓国内の映画の興行成績 [9月11日(金)~9月13日(日)]と人気順位 ►「私を救わないでください」に注目! この作品も女性監督の初長編で少女が主人公

2020-09-16 23:51:23 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▶今回初登場の韓国映画注目作は「私を救わないでください」(原題: 나를 구하지 마세요)です。NAVER、DAUM等の映画サイトの作品紹介文が気になったので、ちょっと他の記事を探したところいろんなことがわかりました。詳しくは下の記事参照。「はちどり」「ハラボジの家」に続く少女が主人公の作品で、また女性監督の初の長編作品ですが、内容はずいぶん違うようです。ただ、観客の「心が痛む」度合いは一番かも・・・(観てないけど。)

▶9月10日~12日の3日間に近所の3館で計5作品鑑賞。タイトルと評点&短評は以下の通りです。(は韓国映画。)

ドヴラートフ レニングラードの作家たち★★☆(陰鬱で盛り上がりに欠けると思ったのは当日の体調のせいもある?) ○なぜ君は総理大臣になれないのか★★★★☆(「小川淳也氏はこの国の政治家には向いていない」と思わざるをえないのが残念) ○マロナの幻想的な物語り★★★★☆(線や色が常に流れ続ける、まさにアート! この表現は画期的かも) ○東京の恋人★★★★(どんなモノサシで見るかによって評価が異なる。私ヌルボはう~ん、かな) ○マイルス・デイヴィス クールの誕生★★★★★(60年前後から30年間くらい聴いてきたジャズの巨人。その間も常に時代の先端にいたのがすごい。音響も◎) 「東京の恋人」と「マイルス~」はトークありで良かった。とくに後者の菊地成孔さん。
 さてと、今週中に見逃していた「許された子どもたち」と「二人ノ世界」を観にいくかな。(atあつぎのえいがかんkiki)

         ★★★ NAVERの人気順位(9月15日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
  ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
        「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。

①(1) カイラスへ行く道(韓国)  9.75(97)
②(新) 私を救わないでください(韓国)  9.56(70)
③(新) メフィスト(韓国)  9.50(22)
④(新) 恐竜が教えてくれたこと  9.45(62)
⑤(2) モンマルトルのパパ(韓国)  9.42(125)
⑥(3) 少年の君  9.37(1,219)
⑦(4) 私はポリ(韓国)  9.34(137)
⑧(5) トムボーイ  9.21(404)
⑨(9) ハラボジの家(韓国)  9.07(216)
⑩(7) サンティアゴの白い杖(韓国)  9.06(32)

 ②③④の3作品が新登場です。
 ②「私を救わないでください」は、韓国のドラマ。「はちどり」「ハラボジの家」に続く少女が主人公の作品で、これまた女性のチョン・ヨンギョン監督の初の長編です。12歳の少女ソニュ(チョ・ソヨン)はお父さんが亡くなった後、逃げるように母親(ヤン・ソミン)と一緒に誰も知らないところに引っ越します。同年代よりも早く分別のついたソニュはお母さんまでも亡くなってしまうのではという不安を募らせています。転校初日トラブルメーカーの男子生徒ジョングク(チェ・ロウン)は空気も読まずにソニュにつきまとい、ソニュも陽気なジョングクの姿に少しずつ笑顔を取り戻していきます。「アイスクリーム食べに行こうよ!」。ジョングクの一言はソニュを救うことができるでしょうか? 原題は「나를 구하지 마세요」です。・・・と映画サイトの作品紹介はここまでなのですが、背景を探ってみると、この作品は2016年秋多くの人の関心を集めた事件をモチーフにした作品なのです。それは2016年秋大邱での母子心中(동반자살)事件。本作では12歳の少女ですが、実際には10歳の男の子と自閉症で高校中退の26歳の姉。また父親は本作では借金苦による自殺となっていますが、事実は8年前に離婚。生活苦はもちろんありますがそれだけでもなさそうな・・・。
 ※「[자녀]동반자살」([子女]同伴自殺)という韓国語は映画誌<シネ21>の記事(→コチラ)によると「<子女殺害後自殺>とすべきだ」と書かれています。しかし続けて「だが本作ではそんな社会倫理意識はちょっと色あせてしまう」、つまり「誰が誰を殺したという話ではなく「このように生きるのが意味があるでしょうか? いっそ死ぬ方がまだマシでしょ?」という問いかけがタイトルに込められていて、主人公ソニュがその答えを探していく話だ」と説明しているのは7割方(?)ナットクがいきました。
 ※このタイトルは、上記の事件の10歳の男の子が書き残したメモ中の言葉とのことです。
 ③「メフィスト」は、韓国のドラマ&スリラー。日雇いで生計を維持しているテソク、ますます増える消費者金融の借金に苦しむスヨン、そして善くない道に足を踏み外すジヨン。彼ら崖っぷちに追い込まれた3人にやってきたのは断ることができない甘い囁き。それは人生を担保にした悪魔との契約でした。約束を破った瞬間、終わりのない呪いが繰り広げられます。「約束、ちゃんと守りますか?」・・・。原題は「메피스토」です。
 ④「恐竜が教えてくれたこと」は、オランダのジュニア小説、アンナ・ウォルツ「ぼくとテスの秘密の七日間」(フレーベル館.2014)の映画化作品で、日本では今年3月に公開されています。韓国題は「테스와 보낸 여름(テスと過ごした夏)」です。

     【記者・評論家による順位】

①(1) 燃ゆる女の肖像  9.22(9)
②(2-) 小さな光(韓国)  8.67(3)
③(3) ハラボジの家(韓国)  7.83(12)
④(4) その手に触れるまで  7.50(4)
⑤(7) TENET テネット  7.18(11)
⑥(8) 水の中のつぼみ  7.14(7)
⑦(9) チャンシルは福も多いね(韓国)  7.00(10)
⑧(10) マティアス&マキシム  7.00(4)
⑨(-) ボヤンシー 眼差しの向こうに  7.00(3)
⑩(-) きみの鳥はうたえる(日本)   6.86(7)

 新登場の作品はありません。

 ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績9月11日(金)~9月13日(日) ★★★
         「TENET テネット」が3週連続1位

【全体】
順位・・・・題名 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・週末観客動員数・・累計観客動員数 ・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・TENET テネット・・・・・・・・・・・・8/26 ・・・・・・・・165,057 ・・・・・1,335,225・・・・・12,203 ・・・・・1,318
2(2)・・オ! ムニ(韓国)・・・・・・・・・・・・・9/02 ・・・・・・・・・49,986 ・・・・・・・227,731・・・・・・1,846 ・・・・・・・803
3(新)・・ニュー・ミュータント・・・・・・・・9/10・・・・・・・・・35,177・・・・・・・・・49,436・・・・・・・・440 ・・・・・・・803
4(32)・・奇々怪々 整形水(韓国)・・・・・・9/09・・・・・・・・・30,005・・・・・・・・・44,210・・・・・・・・399 ・・・・・・・276
5(-)・・潔白(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・・6/10 ・・・・・・・・・16,000 ・・・・・・・887,853・・・・・・7,812 ・・・・・・・・14
6(3)・・ただ悪から救いたまえ(韓国)・・8/05・・・・・・・・・12,404・・・・・・4,340,891・・・・・38,470 ・・・・・・・403
7(新)・・エイヴァ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・9/09・・・・・・・・・・・8,761・・・・・・・・・19,156・・・・・・・・150 ・・・・・・・436
8(4) 映画クレヨンしんちゃん ・・・・・・8/20・・・・・・・・・・・4,870 ・・・・・・・116,639・・・・・・・・949 ・・・・・・・166
       新婚旅行ハリケーン ~失われたひろし~(日本)
9(新)・・恐竜が教えてくれたこと・・・・・9/10・・・・・・・・・・・3,713・・・・・・・・・・5,205・・・・・・・・・48 ・・・・・・・194
10(6)・・ドライヴ・・・・・・・・・・・2011/11/17 ・・・・・・・・・・・2,342 ・・・・・・・・30,544 ・・・247,051 ・・・・・・・・68
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 「TENET テネット」が3週連続1位、と言っても、張り合う作品がないからか? 累積動員数も130万。しんがたコロナがなければ500万人はフツーに超えてるとこなのにねー。そう考えると「ただ悪から救いたまえ」の数字はすごい。
 今回の新登場は3・4・7・9位の4作品です。
 3位「ニュー・ミュータント」(仮)は、アメリカのSF・ホラー・アクション。10代のミュータント[突然変異体]のラーネ(メイジー・ウィリアムズ)、イリアナ(アニャ・テイラー=ジョイ)、サム(チャーリー・ヒートン)、ロベルト(ヘンリー・ザーガ)は秘密施設に収容され、心理状態を監視されます。彼らが社会はもちろん、自分に対しても危険な存在だと思っているドクター、レイエス(アリス・ブラガ)は、彼らに突然変異能力を制御する方法を教えてあげようと努めます。ある日、大災害が襲った村で1人生き残ったダニエル(ブルー・ハント)が、ここに入ってきてからひどいことが起こり始め、自分たちの力を恐れて用い方を知らなかった10代の突然変異たちは信じられない経験をして自分たちの能力を覚醒し始めます・・・。韓国題は「뉴 뮤턴트」。原題が「The New Mutants」と複数形なので「ミュータンツ」の方がいいかも。日本公開は未定のようです。
 4位「奇々怪々 整形水」は、韓国のホラー。ブサイクな顔のため幼いころにバレリーナの夢をあきらめ、現在はスタイリストとして働きながら担当芸能人のミリに侮辱的な指摘をされて怒りを抱えているイェジは、奇跡の“整形水”に出会い完ぺきな美人に生まれ変わる。
「新しい人生を願っていますか?」 今から奇跡の整形水の使用方法をお知らせします。本人の顔を鏡で確認してください。写真を撮っておいてもいいです。最後の別れの時間ですからね。水と整形水を4:1の割合で混ぜた後、20分間顔を浸してください。これからあなたの筋肉と肉の性質が完全に変わります。粘土のようですね。恐がらないで・・・あなたが好きな顔を作ってみましょう。今あなたは、新しく生まれるでしょう。とても新しく・・・。副作用、後遺症なく美しくなるただ1つの方法。塗れば整形される奇跡の水、整形水・・・。今年の夏、一番奇怪にして独創的なホラー、整形怪談がやって来ます! 原題は「기기괴괴 성형수」です。
 7位「エイヴァ」(仮)は、アメリカのアクション&犯罪。「組織が危険にさらされている!」。そんな中、ターゲットの除去率100%、失敗の確率0%というキラーのエイヴァ(ジェシカ・チャステイン)がフランス最大の詐欺師の除去作戦に投入されます。ところが彼女は任務中に組織のタブーを破ってしまいます。一方、その事実を知った新しいボスのサイモン(コリン・ファレル)は彼女を除去することを命令することになりますが・・・。死ぬか、殺すか? ターゲットとなった彼女の生きるためのキリングアクションが始まります・・・。韓国題は「에이바」。日本公開は未定のようです。
 9位「恐竜が教えてくれたこと」は、上述のように日本ではすでに公開されています。

【独立・芸術映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・累積収入・・上映館数
1(10)・・奇々怪々 整形水(韓国)・・・・・・・・・・9/09・・・・・・30,005 ・・・・・・・・・44,210 ・・・・・・・・399 ・・・・・・・276
2(新)・・恐竜が教えてくれたこと・・・・・・・・・9/10・・・・・・・3,713・・・・・・・・・・・5,205 ・・・・・・・・・48 ・・・・・・・194
3(1)・・ドライヴ・・・・・・・・・・・・・・・・・2011/11/17・・・・・・・4,270 ・・・・・・・・・25,751・・・・204,541 ・・・・・・・118
4(新)・・誰もいない・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9/09・・・・・・・2,140・・・・・・・・・・・3,568 ・・・・・・・・・31 ・・・・・・・117
5(22)・・私を救わないで(韓国)・・・・・・・・・・・9/10・・・・・・・・・931・・・・・・・・・・・1,335 ・・・・・・・・・12 ・・・・・・・・76

 3位以外の4作品が新登場です。1・2・5位の3作品については上述しました。
 4位「誰もいない」はアメリカのスリラー。見知らぬ道路上でサイコパス殺人の標的になったジェシカ(ジュールス・ウィルコックス)。報復運転と悪質ストーカーに狙われ、最後に絶対に1人では抜けられない森に拉致されます。強い風雨、誰かがひやりと見つめている ような 深い 闇まで、誰の助けも望めない最悪の状況下で脱出するために殺人魔と命をかけた死闘を繰り広げるのですが・・・。韓国題は「아무도 없다」。日本公開はなさそう?
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韓国内の映画の興行成績 [9月4日(金)~9月6日(日)]と人気順位 ►「TENET テネット」、2週連続1位も勢いは衰え気味 ►来週劇場公開の「ムーラン」に対する「期待vsアンチ」

2020-09-09 23:12:13 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▶主演女優の香港問題での中国支持表明等で問題になり始めているディズニーの「ムーラン」。日本では映画館で予告編もやってたし前売り券も売ってましたが、8月初めに「映画館ではなくディズニープラスで配信提供することとしました」ということに。それは新型コロナのため・・・とのことですが。韓国では9月16日(水)公開。(韓国にはディズニープラスがないのか。)
その「ムーラン」に対するネチズンの期待度に注目。(NAVER映画より)

▶長年利用させてもらってた<ソウルナビ>の☆今週公開の韓国映画☆(→コチラ)は今年2月を最後に更新されていません。それに代わって最近わりと見ているのが<Wow!Korea>の〈最新の韓国映画〉(→コチラ。)
 そして〈2020年日本公開&予定の韓国映画一覧〉(→コチラ。) これには〈Netflix韓国映画一覧〉もついていて便利かも。

▶→8月19日の記事で6月28日~8月13日に観た映画15作品の評点(★の数だけ)を載せました。以後寸評さえも書かない(書けない?)状態が続いています。最近ツイッターの方でいくつか小出しにしています。そのうちそれらを基に記事にまとめます。(と前にも書きましたが・・・。)
 とりあえず、8月19日~9月4日に観た9作品のタイトルと評点&短評は以下の通りです。(は韓国映画。)

赤い闇 スターリンの冷たい大地で★★★★☆(「動物農場」や「ソヴィエト紀行」は知っていたが…) ○ボヤンシー 眼差しの向こうに(肝心なところで寝落ちしてしまった。トホホ。) ○ミッドナイト・ランナー★★★★(スピーディな展開。大林洞の朝鮮族の人たちの抗議は当然) ○ドロステのはてで僕ら★★★★(おもしろい、けど同じ上田誠脚本の「サマータイムマシン・ブルース」の方が感激大) ○チャンシルさんには福が多いね★★★★(小津監督作品ファンの女性にはノーラン監督好きの彼氏は難しいか(笑)) ○大いなる飢え★★★★(ダイエット問題はいろんなことと関わってるんだな) ○ハラボジの家★★★★☆(「はちどり」にも相通じる少女の心の成長の繊細な描写) ○淪落の人★★★★
 同じ★4つでも中身はいろいろ。おもしろさでオススメは「ドロステ~」です。
※最後の4つは3日(木)~5日(土)<あいち国際女性映画祭>で観ました。

▶韓国のドキュメンタリーでネチズンの平均評点が9.50を超えるような高評価の作品は多くは宗教関係で、(たぶん)身内が観て満点をつけてるものと見てよさそうですが、後述の「カイラスへ行く道」(評点9.75)はそうじゃなかったですね。中年の息子(=監督)と高齢の母親のチベット(&その他)巡礼記録で、母子愛・自然美・元気な高齢者等々感動の要素いろいろ。なるほどなー、と思いました。

         ★★★ NAVERの人気順位(9月8日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
  ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
        「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。

①(新) カイラスへ行く道(韓国)  9.75(68)
②(1) モンマルトルのパパ(韓国)  9.42(125)
③(3) 少年の君  9.37(1,185)
④(2) 私はポリ(韓国)  9.34(137)
⑤(5) トムボーイ  9.21(404)
⑥(4) セイント・ジュディ  9.21(67)
⑦(7) サンティアゴの白い杖(韓国)  9.06(32)
⑧(9) 燃ゆる女の肖像  9.05(1,675)
⑨(6) ハラボジの家(韓国)  9.03(173)
⑩(-) ユニへ(韓国)  8.98(2,233)

 ①「カイラスへ行く道」が新登場です。この作品については後述します。

     【記者・評論家による順位】

①(1) 燃ゆる女の肖像  9.22(9)
②(2-) 小さな光(韓国)  8.67(3)
③(3) ハラボジの家(韓国)  7.83(12)
④(5) その手に触れるまで  7.50(4)
⑤(6) 台北ストーリー  7.40(5)
⑥(7) トムボーイ  7.33(9)
⑦(8) TENET テネット  7.18(11)
⑧(9) 水の中のつぼみ  7.14(7)
⑨(10) チャンシルは福も多いね(韓国)  7.00(10)
⑩(-) マティアス&マキシム  7.00(4)

 新登場の作品はありません。
 「燃ゆる女の肖像」、当ブログでは前週まで「燃え立つ若い女性の肖像」という仮題にしていましたが、12月4日からの日本公開がきまり、タイトルもこのように確定しました。公式サイトは→コチラ

 ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績9月4日(金)~9月6日(日) ★★★
         話題作「TENET テネット」も100万人超えたところでもう頭打ち?

【全体】
順位・・・・題名 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・週末観客動員数・・累計観客動員数 ・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・TENET テネット・・・・・・・・・・・・8/26 ・・・・・・・・224,519 ・・・・・1,059,803・・・・・・9,700 ・・・・・1,533
2(新)・・オ! ムニ(韓国)・・・・・・・・・・・・9/02 ・・・・・・・・・94,148 ・・・・・・・134,928・・・・・・1,056 ・・・・・1,100
3(2)・・ただ悪から救いたまえ(韓国)・・8/05・・・・・・・・・30,006 ・・・・・4,311,894・・・・・38,219 ・・・・・・・567
4(4) 映画クレヨンしんちゃん ・・・・・・8/20 ・・・・・・・・・・8,517 ・・・・・・・108,703・・・・・・・・884 ・・・・・・・321
       新婚旅行ハリケーン ~失われたひろし~(日本)
5(3)・・OK! マダム(韓国)・・・・・・・・・・・8/12 ・・・・・・・・・・7,190 ・・・・・1,219,289・・・・・10,909 ・・・・・・・347
6(66)・・ドライヴ ・・・・・・・・・・2011/11/17 ・・・・・・・・・・4,270 ・・・・・・・・25,751・・・・204,541 ・・・・・・・118
7(新)・・ゴースト・オブ・ウォー・・・・・・9/02・・・・・・・・・・・3,580・・・・・・・・・・5,754 ・・・・・・・・・49 ・・・・・・・228
8(新)・・カイラスへ行く道(韓国)・・・・9/03・・・・・・・・・・・1,359・・・・・・・・・・1,699 ・・・・・・・・・14・・・・・・・・・47
9(新)・・バニシング'72・・・・・・・・・・・・・9/03・・・・・・・・・・・1,181・・・・・・・・・・1,292 ・・・・・・・・・・3・・・・・・・・・36
10(8)・・ハラボジの家(韓国) ・・・・・・・8/20・・・・・・・・・・・1,019・・・・・・・・・15,023 ・・・・・・・・123 ・・・・・・・・50
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 今回の新登場は2・7・8・9位の4作品です。
 2位「オ! ムニ」は、韓国のコメディ&ドラマ。火のような性格で家族愛も熱い保険会社のエース、ドゥウォン(イ・ヒジュン)に一人娘のボミ(イ・ジンジュ)がひき逃げに遭ったとの青天の霹靂のようなニュースが伝えられます。現場の唯一の目撃者は記憶がまばらなオムニ[お母さん]のムニ(ナ・ムニ)とワンワン吠えるだけの犬エンジャだけ。ボミは意識不明の状態で病院へ。警察の捜査に進展がなくドゥウォンはただ焦るばかり。しかし予期せぬ瞬間ムニは思いもよらない手掛かりを思い出し、ドンウォンはムニと一緒に直接ひき逃げ犯捜しに乗り出します・・・。原題は「오! 문희」です。ある芸能記者は、どたばたコミック捜査劇でナ・ムニは活躍しているが認知症をコメディ映画のモチーフにした点はいかがなものか、とコメントしています。
 7位「ゴースト・オブ・ウォー」は、イギリスのホラー。第2次世界大戦終戦を前にした1944年。米軍のクリスと4人の部隊員たちは、ナチスが占領したフランスを守るために一時ナチ最高司令部が占領していた大邸宅に到着します。思わぬ休息場所での滞在と彼らが思ったのもしばしの間。そこで彼らは戦場よりも恐ろしい超自然的な敵に遭遇し、やがて狂気に陥ります・・・。韓国題は「고스트 오브 워」。日本公開は(たぶん)なさそうです。
 8位「カイラスへ行く道」は韓国のドキュメンタリー。2018年の第3回蔚州世界の山岳映画祭(蔚山で開催)でプレミア上映された作品で、ドイツ映画「僕のサンティアゴ」(2015.日本未公開.原作「巡礼コメディ旅日記」刊)に続く韓国版巡礼映画でとのことです。チベットの聖地カイラス山[カン・リンポチェ]は仏教、ヒンズー教、ラマ教(チベット仏教)、ジャイナ教等の聖地でもあり、多くの巡礼者が訪れます。(五体投地もある。) 本作は、その地をイ・チュンスクおばあさんが訪れます。これまで慶北・奉化の山村で平凡な母親として暮らし、息子のチョン・ヒョンミン監督が日本等への海外旅行を勧めても載って来ませんでした。ところが「世界テーマ紀行」等のTV番組で強く印象づけられた地がコチラ方面でした。周囲の人たちは引き止めましたが、監督と2人でバイカル湖、モンゴル大草原、ゴビ砂漠、アルタイ山脈、タクラマカン砂漠、パミール高原、そしてカイラス山まで、中年の監督と老年の母親が辿った行程は計2万キロ! 「いつまたここに来られるか? 私は世界で一番幸せなばあさんだ」と「パミール日記」に記したイ・チュンスクおばあさんは、この巡礼の旅の間に84歳の誕生日を迎えたそうです。原題は「카일라스 가는 길」です。
 9位「バニシング'72」は、実際の銀行強盗事件を基にしたアメリカの犯罪&ドラマ。ニクソン大統領が再選を準備していた1972年に彼の秘密資金スキャンダルが明るみになると、ハリーと彼の叔父エンツォはニクソン大統領のブラックマネーを盗むために窃盗を計画してカリフォルニア州の銀行に向かいます。しかし、その後を追っていたFBIは、彼らが過ごした宿で一味の指紋を発見し、捜査網はだんだん狭められていきます・・・。韓国題は「아메리칸 잡(アメリカン・ジョブ)」。日本では劇場公開はなく、DVDまたは配信。原題は「Finding Steve McQueen」ですが、これは主人公がスティーブ・マックイーンの熱狂的なファンの若者だったからとか。

【独立・芸術映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(26)・・ドライヴ ・・・・・・・・・・・・・・・・2011/11/17・・・・・・・4,270 ・・・・・・・・・25,751・・・・204,541 ・・・・・・・118
2(新)・・カイラスへ行く道(韓国) ・・・・・・・・・・9/03 ・・・・・・1,359・・・・・・・・・・・1,699 ・・・・・・・・・14・・・・・・・・・47
3(1)・・ハラボジの家(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・8/20・・・・・・・1,019・・・・・・・・・・15,023・・・・・・・・123・・・・・・・・・50
4(61)・・ハワーズ・エンド・・・・・・・・・・・1993/4/10・・・・・・・・・972 ・・・・・・・・・・2,479 ・・・・・・・・・19・・・・・・・・・50
5(7)・・メメント・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2001/8/24・・・・・・・・・647 ・・・・・・・・・46,024 ・・・・・・・・342・・・・・・・・・19

 2位「カイラスへ行く道」が新登場ですが、この作品については上述しました。
 1・4・5位は、いずれも日本でも上映された旧作の再上映です。
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韓国内の映画の興行成績 [8月28日(金)~8月30日(日)]と人気順位 ►感染者数急増で再び観客激減 ►福岡で撮影の韓国映画「福岡」が韓国で一般劇場公

2020-09-01 23:21:35 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▶8月15日の光復節以降韓国では新型コロナの感染者が急増し、16日に防疫レベルを第2段階に引き上げ、さらに厳格な第3段階を検討中とか。そんな中、再び映画館の週末観客動員数も目に見えて減りました。それに話題の「TENET テネット」が2200を超える圧倒的なスクリーン数で上映ということで(それさえも35万人)、なんとか5ケタの数字に収まっているのが「映画クレヨンしんちゃん」を含めて3作品のみ。5位以下は3,300から1,600人程度で、ランク外を見ると1日の観客が1ケタという映画館がゾロッと続いていて、コロナが猛威を振るっていた春先より悲惨な状態かも。主にアメリカのブロックバスターによるスクリーン独占はコロナでなくても問題が多いのに、とくにマイナーな低予算映画、ミニシアターなどは大変でしょうね。

▶7月1日の記事で、韓国題&英題をそのまま訳して「浮力」と仮題をつけたオーストラリア映画が「ボヤンシー 眼差しの向こうに」という邦題で8月7日から公開されていたことを2週間ほど経ってから知り、近所での上映が終わる前に観に行ってきました。これはわかりにくい部類に入りますよね。しかし6月17日の記事で韓国版のポスターの画像まで入れて「日本では一般劇場公開の予定はどうなってるの? すごく観たいんだけど・・・」とまで書いた「マローナの素晴らしき旅」(仮)が8月29日から渋谷のユーロスペースで公開されたのですね。で、タイトルは「マロナの幻想的な物語り」というと同。これは情報把握が遅すぎたかも。しかし9月11日からはほぼ全国(?)で公開されるし、とくに日米以外のアニメをほとんど(or全然)観てないという方はぜひオススメ。近年の欧州アニメの充実ふりは目をみはるものがあります。公式サイト(→コチラ)で紹介動画でも観てみてください。
 ▶下の記事にも書きましたが、韓国でチャン・リュル監督の「福岡」が8月27日から公開されています。ベルリン国際映画祭等各国の映画祭で上映され、昨2019年には<アジアフォーカス・福岡国際映画祭>でオープニングとして上映された韓国のドラマ(え? 今年もモノクロで上映?)。中国朝鮮族出身のチャン・リュル監督の「慶州」「群山:ガチョウを歌う」に続く都市3部作の最後です。「なんで福岡?」と思ったら、クォン・リュル監督は映画祭のために2007年以来5回も福岡に来て街を歩いたりしているのですね。(→コチラ参照。) ※右画像は水鏡天満宮の横の2メートルほどの道幅の通りで撮影したシーン。
 私ヌルボ、チャン・リュル監督作品は「豆満江」等3本(?)観てますが、時間の流れ方がゆったりしてるというか、タイクツというか・・・。大陸的と言っていっていいのかな、賈樟柯[ジャ・ジャンクー]も王小帥[ワン・シャオシュアイ]も同様で、香港とは違うところ。

         ★★★ NAVERの人気順位(9月1日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
  ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
        「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。

①(2) モンマルトルのパパ(韓国)  9.41(124)
②(3) 私はポリ(韓国)  9.38(133)
③(4) 少年の君  9.37(1,143)
④(5) セイント・ジュディ  9.33(66)
⑤(7) トムボーイ  9.21(402)
⑥(10) ハラボジの家(韓国)  9.18(137)
⑦(-) サンティアゴの白い杖(韓国)  9.06(32)
⑧(6) 映画クレヨンしんちゃん
       新婚旅行ハリケーン ~失われたひろし~(日本)  9.06(420)
⑨(-) 燃え立つ若い女性の肖像  9.04(1,659)
⑩(-) 見えざる人生  9.03(64)

 新登場の作品はありません。

     【記者・評論家による順位】

①(1) 燃え立つ若い女性の肖像  9.22(9)
②(-) 小さな光(韓国)  8.67(3)
③(3) ハラボジの家(韓国)  7.83(12)
④(5) 見えざる人生  7.60(5)
⑤(7) その手に触れるまで  7.50(4)
⑥(8) 台北ストーリー  7.40(5)
⑦(9) トムボーイ  7.33(9)
⑧(-) TENET テネット  7.18(11)
⑨(10) 水の中のつぼみ  7.14(7)
⑩(-) チャンシルは福も多いね(韓国)  7.00(10)

 こちらも新登場の作品はありません。

 ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績8月28日(金)~8月30日(日) ★★★
         「TENET テネット」がダントツ1位、とは言ってもこの数字では

【全体】
順位・・・・題名 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・週末観客動員数・・累計観客動員数 ・・累積収入・・・上映館数
1(3)・・TENET テネット・・・・・・・・・・・・8/26 ・・・・・・・・353,116 ・・・・・・・660,419・・・・・・6,018 ・・・・・2,216
2(1)・・ただ悪から救いたまえ(韓国)・・8/05・・・・・・・・・53,322 ・・・・・4,250,133・・・・・37,682 ・・・・・・・706
3(2)・・OK! マダム(韓国)・・・・・・・・・・・8/12 ・・・・・・・・・21,976 ・・・・・1,200,555・・・・・10,752 ・・・・・・・605
4(4) 映画クレヨンしんちゃん ・・・・・・8/20 ・・・・・・・・・14,264 ・・・・・・・・94,242・・・・・・・・767 ・・・・・・・431
       新婚旅行ハリケーン ~失われたひろし~(日本)
5(6)・・半島(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・7/15・・・・・・・・・・・3,343 ・・・・・3,810,380・・・・・33,059 ・・・・・・・・50
6(164)・・#生きている(韓国)・・・・・・・6/24・・・・・・・・・・・2,031 ・・・・・1,903,704・・・・・15,965 ・・・・・・・・・8
7(5)・・鋼鉄の雨2: 首脳会談(韓国)・・7/29・・・・・・・・・・・1,905 ・・・・・1,780,052・・・・・14,624 ・・・・・・・142
8(10)・・ハラボジの家(韓国) ・・・・・・・8/20 ・・・・・・・・・・1,703・・・・・・・・・12,601・・・・・・・・102・・・・・・・・・61
9(28)・・福岡(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・8/27 ・・・・・・・・・・1,595・・・・・・・・・・2,691・・・・・・・・・21・・・・・・・・101
9(8)・・返校:ディテンション ・・・・・・8/13・・・・・・・・・・・1,595 ・・・・・・・・32,575・・・・・・・・300 ・・・・・・・・58
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

< 先週ふつうに予測した通り「TENET テネット」がダントツ1位にはなりましたが、冒頭に書いたように新型コロナの感染者急増で常態なら100万人にも達するかという作品がその半分にも届かないとは・・・。また5位以下は極端に少ない数字になっています。今後もどうなるのか、全然予測がつきません。
 今回はこのランキング10作品中、韓国映画が7作品を占めている点に注目。また新登場はわずか1作品のみでした。
 9位「福岡」が唯一の新登場です。冒頭にも書きましたが、大半は福岡で撮影したとは言え、韓国映画です。本屋の常連客ソダム(パク・ソダム)のために彼女と共に突然福岡にやって来た本屋の主人ジェムン(ユン・ジェムン)は、彼女と一緒に小さな居酒屋の<野菊>を訪ねます。そこは28年前の大学時代初恋のスニを同時に愛して仲たがいしたままの親友ヘヒョ(クォン・ヘヒョ)の店です。スニが好きだった本屋の主人として生きるジェムンとスニの故郷の福岡で居酒屋を営むヘヒョに、ソダムは「2人そっくり」と言います。似合ってなさそうで似合っている3人組の3日間の奇妙な旅が始まります・・・。原題は「후쿠오카」です。右画像は「福岡」のポスター。「パラサイト 半地下の家族」で広く知られるようになったパク・ソダムがなかなかいいフンイキ。

【独立・芸術映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・上映館数
1(2)・・ハラボジの家(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・8/20・・・・・・・1,703・・・・・・・・・・12,601・・・・・・・102・・・・・・・・・61
2(8)・・福岡(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8/27・・・・・・・1,595・・・・・・・・・・・2,691 ・・・・・・・・21・・・・・・・・101
3(33)・・スキャンダル ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7/08・・・・・・・1,291・・・・・・・・181,135・・・・・・1,537 ・・・・・・・・・7
4(新)・・ブラインド 朗読する女 ・・・・・・・・・・・8/26・・・・・・・1,103 ・・・・・・・・・・1,893 ・・・・・・・・14・・・・・・・・・92
5(5)・・私の少女時代・・・・・・・・・・・・・・・2016/5/12・・・・・・・・・909 ・・・・・・・・421,788・・・・・3,418・・・・・・・・・61

 2・4位の2作品が新登場です。
 2位「福岡」については上述しました。
 4位「ブラインド 朗読する女」が新登場です。アメリカのドラマ&ラブロマンス。ベストセラー作家のビル(アレック・ボールドウィン)は事故で妻と視力を失って以降、執筆を中断して一層やつれてしまいます。そんな彼に、新しいボランティアとしてスーザン(デミ・ムーア)が割り当てられます。元編集者の彼女は投資家の夫と結婚して以来自分のキャリアを捨て夫のサポートに努めてきましたが、ある日夫の違法取引が発覚し、彼女も犯罪に関与してビルのもとに社会奉仕として差し向けられたのです。頑固な彼に負けず気丈に対抗する彼女。互いに徐々に接近していく2人は人生の光を取り戻し始めますが・・・。韓国題は「사랑이 눈뜰 때」。日本ではWOWOWで放映された他、アマゾンでの配信がありますが、一般劇場公開はありません。
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