ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

①韓国文学②韓国漫画③韓国のメディア観察④韓国語いろいろ⑤韓国映画⑥韓国の歴史・社会⑦韓国・朝鮮関係の本⑧韓国旅行の記録

韓国内の映画 NAVER映画の人気順位 と 週末の興行成績 [10月20日(金)~10月22日(日)]

2017-10-24 23:55:51 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▸今日(10月24日)までの1週間もその前の1週間に続いて映画鑑賞はナシ。まあ26日から来週にかけて<コリアン・シネマ・ウィーク2017><東京国際映画祭>で計7本と、その他いくつか観るから、まあ嵐の前の静けさといったところ。

▸そんなわけで、図書館でネット・サーフィンとかブック・サーフィン。映画関係でおもしろかった本が香川照之「日本魅録 1~3」(キネマ旬報社)です。「キネマ旬報」2003年1月上旬号~2012年2月上旬号の連載記事の途中までです。とくに興味深かったのが第3巻のポン・ジュノ監督とのもろもろ。「DETAIL」をもじって「ポン・テール(BON-TAIL.봉테일)」とよばれるほど細かい所まで凝るポン・ジュノらしいエピソードがいろいろ書かれていました。・・・という記事を、1つ前に書くつもりが間に合わず。とりあえず2007年12月7日、香川照之の42回目の誕生日にソウルでポン・ジュノ監督&ソン・ガンホ(!)と肩を組んだ写真の写真を載せておきます。
     

▸10月21日、と聞いて国際反戦デーとか1968年の新宿騒乱を思い浮かべる人は今どれだけいるのでしょうか? ・・・と、前にも書いたことがあったなー。先週土曜の10月21日は釜山国際映画祭が終わった日でした。その情報はまたいずれ。

▸興味を持った中央日報の記事<韓国の歴史を映画化した『隊長キム・チャンス』『南漢山城』、なぜ不振なのだろうか>は→コチラ。なお、ハングルのスペルは隊長・大将・台帳・大腸は皆同じ<대장>。私ヌルボは<ソウルナビ>と同じく<大将>と訳したんですけどね。どちらがいいのか、確証はありません。
    
「朝鮮日報」10月21日掲載の「封切映画 ぴったり10字評」 (ハングル文も訳文も10字です。)

 「すばらしき映画音楽たち」

   映画が感動をくれる訳 ★★★☆


 「アイ・アム・ヒース・レジャー」

   短くとも輝く名前、青春 ★★★



 「大将 キム・チャンス」

   ドラマより教訓が先行 ★★☆


 「ジオストーム」

   災難を扱う映画が災難 ★★


 「すばらしき映画音楽たち」は日本では8月5日公開で、今も各地で上映中。他の3作品は以下の記事の中で紹介しています。

         ★★★ NAVERの人気順位(10月24日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
             ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。

①(-) ルター  9.72(116)
②(1) 再び生まれ変わっても、私たち(韓国)  9.37(424)
③(10) 聖フランシスコ  9.36(14)
④(3) ミス・サイゴン:25周年記念公演 in ロンドン  9.34(228)
⑤(2) アイ・キャン・スピーク(韓国)  9.33(10,844)
⑥(4) 貯水池ゲーム(韓国)  9.32(2,647)
⑦(5) テンポガールズ(韓国)  9.31(179)
⑧(6) 犯罪都市(韓国)  9.26(17,965)
⑨(8) gifted/ギフテッド  9.23(339)
⑩(7) KING OF PRISM -PRIDE the HERO-(日本)  9.20(664)

 今回の新登場は①「ルター」だけです。1617年マルティン・ルターにより始められた宗教改革500周年記念のドイツ映画。16世紀ローマ教会は復興のために免罪符を販売し、民衆に神は恐怖と畏敬の存在ということを強要します。父の反対を押し切って神父になったドイツの青年マルティくされてルターは物質化されて堕落した教会の素顔に直面します。彼は信仰の道を正すために95ヵ条の意見書を提出しますが、ローマ教皇とドイツ政府から撤回することを余儀なくされ、命まで脅威にさらされます。多くの人々の助けにより命を救われたルターは、その後聖書をすべての信者が読めるようにするためにドイツ語に翻訳し始めます。一方、ルターが死んだものと思った民衆の中には、彼の思想を受け継ぐという理由で宗教反乱を起こし、それによって多くの死傷者が発生すると、ルターは、深い悩みに陥りますが・・・。先週公開のカトリック映画「聖フランシスコ」に対してコチラは今の韓国では多数派のプロテスタント側。いずれにせよ、キリスト教関係の映画がランキングに入るのは韓国ではふつうのことです。韓国題は「루터」です。

     【記者・評論家による順位】

①(-) ダンケルク  8.55(11)
②(1) ラ・ラ・ランド  8.34(14)
③(2) ブレードランナー 2049  8.22(9)
④(3) それにもかかわらず(韓国)  8.00(1)
⑤(6) 南漢山城(韓国)  7.50(6)
⑥(7) ウインド・リバー  7.33(6)
⑦(8) アイ・キャン・スピーク(韓国)  7.25(8)
⑧(9) パム島海賊団、ソウル火の海(韓国)  7.22(9)
⑨(10) 夢のジェーン(韓国)  7.00(8)
⑨(10) ザ・ビガイルド  7.00(8)

 今回新登場の作品はありません。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績10月20日(金)~10月22日(日) ★★★

         2週連続1位「犯罪都市」が500万人の大台に

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・・上映館数
1(1)・・犯罪都市(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・10/03 ・・・・・・・・・・787,231 ・・・・・・・4,967,202 ・・・・・・・41,034・・・・・・・・・994
2(新)・・ジオストーム ・・・・・・・・・・・・・・10/19 ・・・・・・・・・・605,520 ・・・・・・・・・694,781・・・・・・・・5,967 ・・・・・・・・・854
3(16)・・大将 キム・チャンス(韓国) ・・・10/19 ・・・・・・・・・・201,268 ・・・・・・・・・260,178 ・・・・・・・・2,041 ・・・・・・・・・747
4(2)・・南漢山城(韓国)・・・・・・・・・・・・・・10/03 ・・・・・・・・・・・64,477・・・・・・・・3,774,426 ・・・・・・・30,691 ・・・・・・・・・476
5(5)・・キングスマン・・・・・・・・・・・・・・・・9/27・・・・・・・・・・・・44,468・・・・・・・・4,921,422 ・・・・・・・40,803 ・・・・・・・・・311
6(7)・・ぼくは明日、昨日の君とデートする(日本)・・10/12・・40,207・・・・・・・・120,564・・・・・・・・・・987 ・・・・・・・・・163
7(新)・・ノーゲーム・ノーライフ ゼロ(日本)・・10/19・・・・・33,557 ・・・・・・・・・・42,070・・・・・・・・・・351 ・・・・・・・・・121
8(6)・・アイ・キャン・スピーク(韓国)・・・9/21 ・・・・・・・・・・・30,282 ・・・・・・・・3,223,038・・・・・・・25,197 ・・・・・・・・・258
9(4)・・ブレードランナー 2049・・・・・・・10/12 ・・・・・・・・・・・24,826 ・・・・・・・・・301,276 ・・・・・・・・2,605 ・・・・・・・・・267
        :ゴールデン・サークル
10(8)・・ナッツジョブ 2・・・・・・・・・・・・・10/03 ・・・・・・・・・・・23,601 ・・・・・・・・・384,397 ・・・・・・・・2,880 ・・・・・・・・・265
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 「犯罪都市」が累積動員数で「キングスマン」を抜いて500万人を超えました。この勢いだと600万人まで届きそうです。
 今回の新登場は2・3・7位の3作品です。
 2位「ジオストーム」は、アメリカのSF&アクション。タイトルの意味は<地球嵐>といったところか。2019年、気候変動に起因する自然災害が世界各地で発生します。世界政府連合はこれ以上の災害を防ぐために、18の国の共同によるダッチボーイという名称のシステムを構築します。これは衛星組織網を介して天気をコントロールするというものです。ところが、そのシステムの総責任者ジェイク・ローソン(ジェラルド・バトラー)は、ある日アメリカ合衆国上院の査問会に呼び出されて管理者としての資質を問われ、激怒した結果責任者の地位をおろされ、弟のマックス(ジム・スタージェス)その後任にはが起用されます。ところが2022年、アフガニスタンで一つの村が村人ごと凍り付いてしまうという事態が発生。事態を重く見たアメリカ大統領アンドリュー・パルマ(アンディ・ガルシア)は内閣の緊急会合を開催します。この後もドバイの津波、香港の溶岩噴出、リオの酷寒、モスクワの猛暑等々が続き、それらとなにやら政治がからんでややこしい展開になっていくようで・・・。韓国題は「지오스톰」。日本公開は来年1月19日です。
 3位「大将 キム・チャンス」は、上海の韓国臨時政府の主席金九の若き日を描いた歴史ドラマ。キム・チャンス(金昌洙)とは彼の本名で、後に改名して金九となりました。1896年黄海道朝鮮半島北西部の鴟河浦(チハポ)で青年キム・チャンス(チョ・ジヌン)は日本人を殺して逮捕されます。彼は裁判長に王妃(閔妃)の国の敵(かたき)を討ったのだと叫びますが、結局死刑宣告を受けて仁川監獄に収監されます。日本の側に立つ刑務所所長カン・ヒョンシク(ソン・スンホン)は自分に屈しないキム・チャンスを拷問で苦しめ、他の囚人までもキム・チャンスに背を向けます。しかし、貧しく、無学だという理由で裁判さえも受けられず投獄されている朝鮮人たちを見て、彼は少しずつ現実に目を開かされ、平凡な青年から大将キム・チャンスに生まれ変わっていく、その625日の物語。ただ、この鴟河浦事件は→ウィキペディアの説明にもあるように、殺された人物は閔妃殺害事件と全く無関係な日本人という説が大勢だし、韓国でもそう考える人が多いんですけどねー。原題は「대장 김창수」です。
 7位「ノーゲーム・ノーライフ ゼロ」は、著者の榎宮祐自身がイラストも手がけている人気ライトノベルのアニメ映画化作品、とのことですが、私ヌルボ、知らなかったなー。概して日本アニメは韓国での評価がけっこう高いのに、これはネチズンの平均が4.84止まりとは何でだろ? 韓国題は「노 게임 노 라이프 -제로-」です。

【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・・上映館数
1(1)・・ぼくは明日、昨日の君とデートする(日本)・・10/12・・40,207 ・・・・・・・・・・120,564 ・・・・・・・・・・987・・・・・・・・・163
2(7)・・ちょっと今から仕事やめてくる(日本)・・10/19・・・・・17,964 ・・・・・・・・・・・22,856 ・・・・・・・・・・184・・・・・・・・・263
3(2)・・ディープ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10/03 ・・・・・・・・・・・6,449 ・・・・・・・・・・226,821・・・・・・・・・1,752・・・・・・・・・・95
4(新)・・アイ・アム・ヒース・レジャー・・・・10/19 ・・・・・・・・・・・5,875 ・・・・・・・・・・・10,563 ・・・・・・・・・・・86・・・・・・・・・134
5(新)・・イット・カムズ・アット・ナイト・・10/19 ・・・・・・・・・・・5,397 ・・・・・・・・・・・・7,618 ・・・・・・・・・・・62 ・・・・・・・・・225

 今回の新登場は、2・4・5位の3作品です。
 2位「ちょっと今から仕事やめてくる」は、私ヌルボ観てませんが、韓国のネチズンの平均評点が8.22と高いのは、若者の置かれている困難な社会状況が共通しているということでしょうか。韓国題は「잠깐만 회사 좀 관두고 올게」。<仕事>じゃなくて<会社>になってます。
 4位「アイ・アム・ヒース・レジャー」(仮)は、あの「ダークナイト」(2008)でバットマンの宿敵ジョーカーを演じて(私ヌルボも含む)世界の映画ファンに強烈な印象を残しながらも、その時にはすでに急性薬物中毒により28歳の若さでこの世を去っていた俳優のドキュメンタリーです。韓国題は「아이 앰 히스 레저」。日本公開は未定のようです。
 5位「イット・カムズ・アット・ナイト」(仮)は、アメリカのホラー。未知の病原体が世界を震撼させる中、ポール(ジョエル・エドガートン)は人里離れた森の中に家を建てて、妻と息子に災厄が及ばないようにしていました。ある日、そこにある家族が避難場所の提供を求めてきたので、ポールはやむなくその願いを聞き入れることにしました。当初、2家族の関係は良好なものでしたが、いつ終わるとも知れない恐怖に耐え続けるうちに、いつの間にか家の中で相互不信と狂気が渦巻くようになっていきます。外部の脅威がさらに強まると、ポールの内面にも深刻な変化が生じ、彼が内に秘めていた怪物性が目を覚ましていきます・・・。韓国題は「잇 컴스 앳 나잇」。日本公開は年内のようですが・・・。
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韓国内の映画 NAVER映画の人気順位 と 週末の興行成績 [10月13日(金)~10月15日(日)]

2017-10-17 19:28:19 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▸この1週間は映画鑑賞はナシ。とくに観たい映画はなく、・・・いや、あっても近所のシネマ・ジャック&ベティでの上映待ち。たとえば「台湾萬歳」「サーミの血」「米軍が最も恐れた男 その名は、カメジロー」「あゝ、荒野 前・後篇」等々。
 その他今後の期待作はいろいろ。アニメでは、「KUBO/クボ 二本の弦の秘密」(11月18日)と、「ぼくの名前はズッキーニ」(来年2月か、ずっと先だな)等。あ、韓国映画では、・・・うーむ。

▸今週中もとくに観る予定ナシ。しかし来週・再来週は<コリアン・シネマ・ウィーク2017><東京国際映画祭>で集中的に観る予定だから、まあいいでしょう。他にやるべきことも多いし。
 その<東京国際映画祭>では韓国映画は「詩人の恋」だけとはちょっと寂しい。その作品の主演はヤン・イクチュン。「あゝ、荒野」でも菅田将暉とのダブル主演。「かぞくのくに」その他日本映画に役者として出演していますが、私ヌルボとしてはやっぱり監督作品を期待したいところ。

▸一方、韓国では釜山国際映画祭(10月12~21日)の真っ最中。昨15日には現職大統領としては初めて文在寅大統領が出席し、韓国社会の女性問題を取り上げた「女は冷たい嘘をつく」を観賞したことが伝えられました。また「ハンギョレ」の報道(→コチラ)では、近年(とくに昨年)の政府と釜山市による政治的干渉を批判し、「映画祭の運営を全面的に映画人たちの自主と独立に任せる」と約束したとのことです。まあ当たり前のことですけどね。
 有村架純・蒼井優・中山美穂等も釜山を訪れて・・・といったことは→コチラの記事参照。

 「朝鮮日報」の「封切映画 ぴったり10字評」は先週掲載されませんでした。

         ★★★ NAVERの人気順位(10月17日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
             ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。

①(1) 再び生まれ変わっても、私たち(韓国)  9.38(328)
②(3) アイ・キャン・スピーク(韓国)  9.34(10,329)
③(2) ミス・サイゴン:25周年記念公演 in ロンドン  9.34(228)
④(5) 貯水池ゲーム(韓国)  9.33(2,611)
⑤(10) テンポガールズ(韓国)  9.32(134)
⑥(4) 犯罪都市(韓国)  9.28(14,091)
⑦(6) KING OF PRISM -PRIDE the HERO-(日本)  9.28(650)
⑧(7) gifted/ギフテッド  9.26(159)
⑨(9) モーディー  9.18(2,495)
⑩(8) 聖フランシスコ  9.18(11)

 今回の新登場は⑩「聖フランシスコ」だけです。13世紀初めアッシジの聖フランシスコによるにフランシスコ修道会創設を描いたイタリア・フランス合作のドラマです。1209年夏、フランシスコと<小さな兄弟会>は平等な人間、無所有の生活を教義として教皇庁に正式に新しい修道会設立の承認を要求しますが、過度に理想的な教義という理由で拒絶されます。それとともに、その小さな兄弟会内部でもフランシスコに反対する声が高まります・・・。韓国題は「성 프란치스코」。キリスト教徒の多い韓国ならではの公開でしょうね。

     【記者・評論家による順位】

①(-) ラ・ラ・ランド  8.34(14)
②(1) ブレードランナー 2049  8.22(9)
③(-) それにもかかわらず(韓国)  8.00(1)
④(2) ベイビー・ドライバー  7.67(9)
⑤(-) 君の名は。(日本)  7.55(11)
⑥(3) 南漢山城(韓国)  7.50(6)
⑦(4) ウインド・リバー  7.33(6)
⑧(5) アイ・キャン・スピーク(韓国)  7.25(8)
⑨(6) パム島海賊団、ソウル火の海(韓国)  7.22(9)
⑩(7) 夢のジェーン(韓国)  7.00(8)
⑩(7) ザ・ビガイルド  7.00(8)

 今回新登場の作品はありません。今年初め公開された「君の名は。」の再上映が始まりました。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績10月13日(金)~10月15日(日) ★★★

         「犯罪都市」が「南漢山城」を逆転してトップに

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・・上映館数
1(2)・・犯罪都市(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・10/03 ・・・・・・・・・・951,706・・・・・・・・3,673,489 ・・・・・・・30,466・・・・・・・・1,127
2(1)・・南漢山城(韓国)・・・・・・・・・・・・・・10/03 ・・・・・・・・・・205,228・・・・・・・・3,617,500 ・・・・・・・29,522 ・・・・・・・・・691
3(新)・・犠牲復活者(韓国)・・・・・・・・・・・10/12 ・・・・・・・・・・189,661 ・・・・・・・・・241,656 ・・・・・・・・1,926 ・・・・・・・・・770
4(8)・・ブレードランナー 2049・・・・・・・10/12 ・・・・・・・・・・157,841 ・・・・・・・・・224,084 ・・・・・・・・1,974 ・・・・・・・・・663
5(3)・・キングスマン・・・・・・・・・・・・・・・・9/27・・・・・・・・・・・152,026・・・・・・・・4,810,416 ・・・・・・・39,917 ・・・・・・・・・543
        :ゴールデン・サークル
6(4)・・アイ・キャン・スピーク(韓国)・・・9/21 ・・・・・・・・・・・96,350 ・・・・・・・・3,140,929・・・・・・・24,610 ・・・・・・・・・517
7(新)・・ぼくは明日、昨日の君とデートする(日本)・・10/12・・44,332・・・・・・・・47,874・・・・・・・・・・404 ・・・・・・・・・206
8(5)・・ナッツジョブ 2・・・・・・・・・・・・・・10/03 ・・・・・・・・・・・40,095 ・・・・・・・・・356,706 ・・・・・・・・2,679 ・・・・・・・・・388
9(6)・・ディープ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10/03 ・・・・・・・・・・・14,722 ・・・・・・・・・218,432 ・・・・・・・・1,691 ・・・・・・・・・202
10(7)・・映画 妖怪ウォッチ・・・・・・・・・・・9/27 ・・・・・・・・・・・・5,862 ・・・・・・・・・211,376 ・・・・・・・・1,544 ・・・・・・・・・・78
        空飛ぶクジラとダブル世界の大冒険だニャン!(日本)
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 「犯罪都市」が週末の数字だけでなく、累積動員数でも一気に「南漢山城」を抜き去りました。1週早く公開された「キングスマン」との差はまだ100万人以上。今後どこまで伸びるか注目。
 今回の新登場は3・7位の2作品です。
 3位「犠牲復活者」は、韓国のミステリー&スリラー。怨みを残して死んだ者が生き返り、復讐をする。人々はそれを<犠牲復活者>という・・・。7年前、オートバイ強盗事件で殺害された母のミョンスク(キム・ヘスク)が家に戻ってきたという電話を受けた検事のジノン(キム・レウォン)は、信じられない現実に衝撃を受けたのも束の間、ジノンはミョンスクに攻撃されます。世界では89番目、韓国国内では初めての犠牲復活事件でした。国家情報院はすべての証人とメディアの統制を図ります。通報を受けた警察はジノンを7年前のオートバイ強盗事件の真犯人ではと疑い始めます。ジノンは自ら母の死にまつわる真相を明らかにしようとするのですが・・・。原題は「희생부활자」です。
 7位「ぼくは明日、昨日の君とデートする」は、原作がどうも私ヌルボが苦手とするジャンルの小説なので映画もそのままスルー。しかし観た人たちの評点は<ぴあ映画生活>でも84点と高いのですね。韓国でも平均8.63の高ポイントです。韓国題は「나는 내일, 어제의 너와 만난다」です。

【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・・上映館数
1(新)・・ぼくは明日、昨日の君とデートする(日本)・・10/12 ・・44,332・・・・・・・・・・47,874・・・・・・・・・・・404・・・・・・・・・206
2(7)・・ユダヤ人を救った動物園・・・・・・・・10/12 ・・・・・・・・・・・3,899 ・・・・・・・・・・・・6,670・・・・・・・・・・・・51・・・・・・・・・100
       〜アントニーナが愛した命〜
3(2)・・20センチュリー・ウーマン・・・・・・・・9/27 ・・・・・・・・・・・2,097・・・・・・・・・・・・30,293・・・・・・・・・・・246 ・・・・・・・・・37
4(29)・・にわか雨(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・8/31 ・・・・・・・・・・・1,438・・・・・・・・・・・・11,417・・・・・・・・・・・・74 ・・・・・・・・・11
5(新)・・アサイラム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10/12 ・・・・・・・・・・・1,145・・・・・・・・・・・・・1,663・・・・・・・・・・・・12 ・・・・・・・・・35
        監禁病棟と顔のない患者たち

 今回の新登場は、1・2・5位の3作品です。
 1位「ぼくは明日、昨日の君とデートする」については上述しました。
 2位「ユダヤ人を救った動物園 〜アントニーナが愛した命〜」は、チェコ・アメリカ・イギリス合作のドラマ。第2次世界大戦当時ポーランドのワルシャワで飼育員として勤務していたジャビンスキ夫妻をモデルとしたドラマ。夫と一緒に動物園を運営していたアントニナは、ドイツによるユダヤ人虐殺が激しくなると、ユダヤ人たちを密かに連れ出して動物用の檻に匿い始めます。消えていく動物たちと、その檻に入るユダヤ人たち。そして毎朝やってくるドイツ人たち。アントニナは危険が迫っても、その秘密作戦を放棄しません・・・。韓国題は「주키퍼스 와이프(ズー・キーパーの妻)」。日本公開は12月です。
 5位「アサイラム 監禁病棟と顔のない患者たち」は、2014年作のアメリカのサイコパススリラー。エドガー・アラン・ポーの短編小説「タール博士とフェザー教授の療法」の映画化作品で、日本では2016年新宿シネマカリテの特集企画「カリコレ2016」の中で上映されています。韓国題は「히든 아이덴티티(ヒドゥン・アイデンティティ)」です。
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アンドレイ・ランコフ「北朝鮮の核心」を読む ▸▸▸ <タカ派>も<ハト派>も北朝鮮の核を放棄させられない。しかし北朝鮮からの攻撃はない。

2017-10-12 19:54:32 | 北朝鮮のもろもろ
 見出しの続きは「アメリカも、先制攻撃はしないだろう」「安倍首相が北朝鮮の脅威をことさらにあおるのは憲法改正のための選挙用」です。

 本ブログでは、管理人すなわち私ヌルボの個人的意見・主張を前面に出したような記事はほとんどありません。そもそも、断定的に言えることは「自分は断定的な言い方ができない」ということくらいなものです。
 ところが、最近(に限ったことでもないが)北朝鮮の核の脅威が大きな問題となり、選挙の論点の1つにもなり、またごく最近の新聞報道で「北朝鮮にアメリカが軍事力を行使すること」を支持する人が驚くほど多いことを知りました。
 そこで私ヌルボ、長年の韓国・朝鮮オタクとしてどのような政治的選択をするにしても、それ以前に「こうしたことは広く知っておいてほしい」ということを、ひかえめな(?)意見・主張も交えて書くことにしました。
        

 現在の北朝鮮を理解するにあたって大いに参考とした本はアンドレイ・ランコフ「北朝鮮の核心」(みすず書房.2015)[上左]です。著者は1963年レニングラード(当時)生まれで、レニングラード国立大卒業後の1984年交換留学生として金日成総合大学に留学した経験があり、現在は韓国の国民大学校教授(北朝鮮政治・外交史専攻)という人物。この本も金日成政権の歴史に多くページを割いていますが、とくに力を入れて書いているのは90年代以降から現在の金正恩政権までの政治・経済と外交。具体的なデータの提示と分析、そして北朝鮮への対し方の提言は非常に説得力があります。本書は、とくに政治・外交・メディア等の場で北朝鮮に関わる人たちにはぜひオススメ、というより必読書だと思います。
 なお、[上右]はもうひとつの必読書ブラッドレー・マーティン「北朝鮮「偉大な愛」の幻」[上・下](青灯社.2007)です。コチラの著者は過去5回の訪朝経験があるというアメリカ人ジャーナリストで、実に多くの人に取材してその証言を収めています。上下2巻で各600ページを超える大部ですが、読み物としてもおもしろく、苦労せず読み通せるのではないでしょうか。

 ランコフの本を関係者の<必読書>と書きましたが、やはり実際に読まれているな、と思ったのは「米CIA専門家、金正恩氏は「理性的な政治家」 体制延命が目的」と題した最近(今月初め)のAFPBBの記事(→コチラ)。その中のCIAの朝鮮半島問題の専門家の言葉(金正恩氏は「理性的な政治家」云々)は、まさにランコフの本そのまんまといった感があります。
 ※「理性的」というのは決して金正恩氏を肯定的に評価しているわけではありません。90年代すでに破綻しかけていた国をここまで維持してきた北朝鮮の指導層は「冷徹な計算のできる有能な人々」だということです。

 もちろん、私ヌルボも日本国内で北朝鮮に対する恐怖感が増しているのは当然だと思います。しかし、こういう時だからこそ北朝鮮についての冷静な分析と判断が必要です。
 ただでさえ多くの謎に包まれた国なので正確な理解はむずかしいですが、日本の「常識」で考えると判断を間違えてしまいそうです。とくにそれがそれなりの権限を持つ政治家となると危なっかしい感じがします。

 たとえばこの6月、石川県の谷本知事は「兵糧攻めで北朝鮮国民を餓死させなければならない」と発言して批判を受け、その後撤回しました。「人命は尊重されなければならない」というのが撤回の理由です。
 しかし、谷本知事の発言の誤りは「北朝鮮住民の生命を制裁の道具のように扱った」という倫理的道義的な点のみにあるのではありません。
 彼は1990年代後半の北朝鮮を襲った大飢饉の時代を知らなかったのでしょうか? 北朝鮮で<苦難の行軍>と呼ばれるこの時期、餓死者総数の推定値は25万人~300万人まで幅があって正確な数は不明です。しかし地方の町などでは路上に餓死者の屍体が転がっていて、放置されている状態だったそうです。
 ところが、そんな状態でも反政府の暴動などは起こらず、金正日をはじめとする為政者は責任を取らなかったのです。そればかりか、権力層は外国からの支援食糧を極力自分たちのものとなるように「手を尽くした」のです。(支援組織のスタッフの目の前で住民に渡された食糧を、夜役人が回収する等。また政府のあてがった通訳が常に同行して、現地の人との直接的コミュニケーションを阻んだ。また食糧援助に際し朝鮮語のできる人の入国は許されなかった。)
 つまり、北朝鮮の権力層は「自国民の生命のことなどなんとも思っていない」のです。その点谷本知事は遅きに失したものの「人命尊重」を口にして日本の(そして大多数の国の)常識にちゃんと立ちかえっているのはまあフツーの人なのかもしれませんが、フツーではない相手に対して「兵糧攻めで北朝鮮国民を餓死させて・・・」とはどうしようもなく的外れでトンチンカンです。

 これまでの人生の中で、幸いなことに他人から脅されたりすごまれたりした経験のほとんどない私ヌルボは、たぶんちょっと脅されただけでビビってしまって心ならずも謝ったり金を出したりしそうです。(ずいぶん前新宿でタカリのオッサンに100円玉2個(?)くれてやったことを思い出した。)
 そんな善良だが弱気な日本人はきっと大勢いると思います。ところが北朝鮮の場合は過激な脅し文句以外のボキャブラリーはないのか?と思われるほどです。
 しかし、そのような激烈な言葉は今に始まったことでもありません。有名な(?)「ソウルを火の海にする」というセリフは20年以上前からのものです。1994年3月板門店で開かれた南北特使交換のための実務接触の際、北朝鮮祖国平和統一委員会書記局の朴英洙副局長がこの表現を口にして物議をかもしたのが最初で、2010年にも韓国側の北に向けた拡声器設置に抗議して「ソウルの火の海までも見越した無慈悲な軍事的打撃で対応するだろう」と警告しています。また米韓合同演習等に対して「こうなったら(朝鮮戦争の)停戦協定の破棄だ!」と、宣戦布告とも受け取られそうな表明をしているのも1994、2009、2013(あ、1996、2003、2006年もか?)等々、何度にも及んでいます。

 ・・・と書くと、「北朝鮮の強気発言を真に受けるな、というのか!? 攻撃される可能性は高くなくても、<備えあれば憂いなし>ではないか!」と反論されそうです。なるほど<備えあれば憂いなし>論についてはいろいろご意見はあろうかと思います。とりあえずは北朝鮮の強気発言に必要以上にビビることはない、ということです。

 では、そんな北朝鮮の脅威にどう対処するか? ・・・ですが、おそらく北朝鮮を深く知る人ほど明確な答えを出せないのではないでしょうか?
 ランコフは「北朝鮮の核心」の<結論 - 容易ならぬ結末>の冒頭を次のような文章で書き出しています。

 本書を終えるにあたり、何をいえばいいのだろうか。おそらく、ふたつの残念な話から始めるのがよいだろう。ひとつ、北朝鮮は国自体が問題と化している。ふたつ、この問題を解決する手っ取り早い簡単な方法はない

 もしかして、日本にも相当数いると思われるいわゆる<タカ派>の人は「そんなの簡単じゃないか」と言うかもしれません。つまり、先制攻撃
 しかし、そう主張する人は<3手の読み>さえもしていないのではないでしょうか? 将棋で、①自分がこう指したら ②相手はこう指すだろうから ③そしたら自分はこう指す ・・・と、少し先まで読むこと。将棋上達の基本で、プロとなると②の相手の応手も何通りか考え、それぞれに対して自分の3手目、さらにその先まで読むのです。
 で、たとえばアメリカが先制攻撃をして北朝鮮を打ち破っても、北朝鮮からの反撃でたとえばソウルが「火の海」になって大きな人的被害を被ったら「とにかく金正恩政権を倒してよかった」などと言えるでしょうか? 周知のように(?)ソウルは北との軍事境界線から30㎞ほどしか離れていません。ちょうど東京~横浜の距離と同じです。その反撃はもしかしたら核攻撃かもしれないし、標的はソウルでなく日本のどこかかもしれません。むしろ技術的に大差がなければ同じ民族の韓国を狙うよりも日本を攻撃するのでは? アメリカと北朝鮮が戦ったら誰がどう見ても北朝鮮の負けで、北朝鮮の独裁政権もオシマイです。それは彼らも十分わかっています。自分の方から戦いをしかけるような自殺行為はするわけがありません。しかし攻撃された場合、1度刺したら死ぬしかないミツバチのハリのようなものでも武器として持っていれば十分抑止力にはなるのです。
 韓国でも計画されていたという金正恩個人をターゲットにした「斬首作戦」はまだ良さそうに(一見)思えます。しかし、作戦に成功したとしても、やはりその後のことまでちゃんと考えられているのでしょうか? 金正恩崇拝者の側近が「指導者同志のカタキ!」とばかりに核ボタンを押す可能性は皆無なのでしょうか?

 ・・・しかし、昔から強硬論を唱える人は他国民を将棋の駒のように考える傾向がありますねー。もしかしたら自国民についても? そして自分の命も失われる可能性など全然考えているように思われないのは、倫理的・道義的問題とともに現状認識からして問題があると言わざるをえません。
 もし、<タカ派>の皆さんの願う通りにコトが運んで、先制攻撃により核施設その他軍事施設がすべて破壊され、金正恩等政権中枢も全員消されたとしても、その後の北朝鮮及び(日本を含む)周辺がどうなるか、しっかりした青写真があるのでしょうか? (はたして、アメリカはサダム・フセインを倒した後のイラクをどの程度見通していたのか、大いに疑問。)

 ところで、昨日(10月11日)のTBSニュース<米朝がモスクワで接触の可能性、非難応酬の陰で対話模索か>というニュースが報じられました。米朝間の<水面下の接触>についてはこれまでもいくつか読みました。(その中でも内容が濃いのは松尾文夫氏の→コチラの記事です。)
 しかしその秘密の接触もこれまで不首尾に終わっているのは、どんなにアメリカが軍事的圧力を強めても北朝鮮側は頑として核・ミサイル開発を放棄しようとしないから・・・、と私ヌルボは(あ、「ランコフは」か?)推測します。
 「やるならやってみろ! ソウル(や日本?やアメリカ?)がどうなってもいいのか!?」と言われて、「やったるわい!」とブチ切れるほどトランプ大統領は(そこまで)バカではないでしょう。

 では、「圧力よりも対話を!」という(本心ではもっと強く訴えたい)韓国の文在寅大統領など、<ハト派>の方策には成算があるのでしょうか? これまたはなはだ疑問です。
 そもそも、対話といっても具体的にどんな説得を試みるのか? 「そんなアメリカ相手にツッパって緊張を高めても制裁は受けるし攻撃されるかもしれないし、いいことないよ」とか? しかし北朝鮮は百も承知でやっているのです。そう、「緊張を高める」ために。
 あるいは、「中国やベトナムのように改革・開放政策を取るならば積極的に支援する」と言うのでしょうか?
 中国やベトナムの経済発展について北朝鮮が知らないはずはありません。ではなぜ北朝鮮はこれまで開放政策を選ばなかったのか? 「それはアンタら南朝鮮があるからだよ!」と指を突きつけられたら文在寅はどんな顔をするでしょうか? 中国には南中国はなかったし、台湾はライバルというには軽量すぎました。南ベトナムはドイモイ政策のずっと前に滅ぼされました。ところが韓国という北朝鮮の不倶戴天のライバルは朴正熙時代から急速に発展して水をあけられてしまった・・・。統一前の東西ドイツの場合、1人当たり国民所得の差は1対2または1対3だったが、現在の北朝鮮と韓国の差は最も楽観的なものでも1対15、悲観論者の数字では1対40になるとのことです。
 そんな今さらどのツラさげて・・・というプライドの問題もさることながら、何よりも北の指導者たちにとっての大問題は、開放政策が必然的にもたらす情報の自由、国内外の移動の自由、職業選択の自由等々が、これまで必死に統制をしてきた管理国家体制を根底から突き崩すのではないか?ということ。それはつまりこれまで指導者層が民衆に流してきた情報、学校等で教えてきたこと等がほとんどデタラメだったことが明らかとなり、ひいては公開処刑で悲惨な最期を遂げたルーマニアのチャウシェスクのような運命をたどるのでは?というおそれの感情で、なるほど予測としては全然ありえない話でもないかも・・・。

 ここでちょっと話が逸れますが、北朝鮮では「人権」という言葉は誰もが知っている言葉ではありません。脱北者に対する調査によると、「人権」という言葉を聞いたことがあるという人は4人に1人程度。 ※「知らなかった」という脱北青年の記事→google翻訳[2022年5月10日の追記] 参照→<脱北者の42%「人権という言葉すら聞いたことなかった」>
 これに関連した「北朝鮮の核心」に書かれていたひとつのエピソードを紹介します。

 数年前のことだが、政府高官のひとりが西側の外交関係者にこんな言葉を漏らしたという。「人権やそれに類した概念のすばらしさは認めるが、われわれはきっと、それをわが公民に説明したとたんに殺される」。おそらく、これは官僚のあいだに共通する認識だろう。私(ランコフ)も含め、北朝鮮を訪問したことのある人の多くは、案内員から小声で「旧東ドイツの党と警察の職員はどうなったのか」と尋ねられた経験をもつが、これも偶然の一致とはいえない。

 つまり、北朝鮮の支配層にとって、核・ミサイルは対外的な意味もさることながら、まず第一に自らの独裁政権を維持するために不可欠なものなのです。
 これまでも核兵器の開発と軍事的挑発を通じて韓国・米国など国際社会から最大限の援助を引き出すことに成功してきました。それが今も北朝鮮のエリートたちの最も合理的な戦略と考えられている(他になにかある?)以上、外国の<タカ派>の圧力も<ハト派>の誘いも関係ナシです。

 ではランコフ教授は今後北朝鮮に対して何の方策も提示していないのかというと、そうではありません。長期的な視野に立って次のような3つのルートで外界についての情報を北朝鮮の民衆に伝えることを提案しています。
  ①北朝鮮当局から認可・後援を受けた学術・文化交流あるいは個人間交流。
  ②ラジオ放送とデジタルメディア
  ③故郷(北朝鮮)の家族や友人と連絡を取りあっている韓国在住の脱北者。

   ※北朝鮮との間の学術交流については、先の→松尾文夫氏の記事にアメリカの大学による北朝鮮留学生受け入れの事例等が紹介されています。
 このような気長な方法が、結局は政権の改革を促す国内圧力になり、また世界的な視野と知識を身につけた北朝鮮人は未来の社会を担う主体となる、・・・という展望は、ソ連→ロシアの大変化の中を自身が生きてきたランコフの言葉だからこそ説得力があります。
 こうした観点から、彼は開城工業団地についても肯定的な評価を記しています。韓国側の社員の体格や身なり、製品作りの技術水準、工業団地の景観等々だけでも(北朝鮮の支配者層にとっては)危険な外界の情報が伝えられるというわけです。私ヌルボは、開城工団は北の権力層と南の企業が結託して労働を収奪する仕組みなのに、なんで就職難にあえぐ韓国の若者たちは抗議しないんだ!?と批判的に見ていましたが、ちょっと考えを変えようかなと・・・。と言っても、2016年2月朴槿恵政権が北朝鮮による弾道ミサイル発射実験を受けて操業停止して韓国人を引き揚げさせた後、北朝鮮が施設・設備等を接収して独自に操業を再開しちゃったようですから、もう元には戻らない感じですかねー。

※上述のブラッドレー・マーティン「北朝鮮 「偉大な愛」の幻」にも次のように記されている。
  もしアメリカがどうしても北朝鮮とたたかわなければならないなら、(私[マーティン]が何十年も発信し、書いてきたように)、それは砲弾の応酬ではなく情報戦であるべきだ。元トラック運転手だった亡命者のコ・ジュンは1998年私とのインタビューでこう言った。「もし北朝鮮の国民が外界のことを知っていたら、学生がどんなふうにデモをするか知っていたら、国民は100パーセント立ち上がりますよ。撃たれたってかまわない。やり方をしらないだけなんだ。外界のことを全然知りませんからね。」

 書きたいことはまだありますが、今回は一応ここまで。
 たぶん、次の記事も北朝鮮関係です。
 テーマは「豊かになっている北朝鮮」。なんと自家用車を乗り回している人もいるらしいですよ。あ、「豊かになってる」といっても金正恩の手柄ではないですよ。
 とくに私ヌルボが注目しているキーパーソンが朴奉珠(パク・ポンジュ)首相なんですが、彼は今頃何を考えているのかな・・・?

[10月19日の補記]

[10月20日の補記]
 → 毎日新聞(國枝すみれ記者)の記事「北朝鮮 脱北者が見る今」でも、アメリカ在住の脱北者李氏は、「当局は住民が事実を知ることを恐れ、情報から隔離しようとする。・・・・このバリアーを壊すには、最終的には北朝鮮に関与する政策しかない。住民に情報を与えるべきだ」という言葉を伝えています。北朝鮮当局が韓国の民間団体による風船作戦(北に飛ばして外部情報を知らせる)に神経を尖らせ強硬な抗議をしてきたのもそれだけ効力があるということでしょう。(ランコフ氏はラジオ等と比べてあまり評価していませんが・・・。)
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韓国内の映画 NAVER映画の人気順位 と 週末の興行成績 [10月6日(金)~10月8日(日)]

2017-10-10 23:55:02 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▸今朝観てきた「おクジラさま ふたつの正義の物語」は期待通りの、なかなか良いドキュメンタリー。<どっちつかず>という立場に立たされることが多い私ヌルボ、とくに共感を覚えました。欧米その他で熱心に反捕鯨運動に取り組んでいる皆さんにぜひ観てほしいです。

▸韓国の映画興行のかき入れ時の秋夕(チュソク)、それも10連休という超大型連休が終わりました。前週の記事でも書いた3作品「南漢山城」「キングスマン: ゴールデン・サークル」「アイ・キャン・スピーク」が後述のように週末の動員数ランキングの4位までに入っています。で、1位は本命の「南漢山城」なのですが、2位の「犯罪都市」はたぶん大方の予測以上の好成績で、ネチズンの評価も高く、また8・9日の動員数は「南漢山城」を上回っています。累積動員数ではまだ開きはありますが、そのうち逆転1位の目もなきにしもあらず、かもしれません。

▸その「犯罪都市」は暴力団掃討作戦の実話がモチーフとのことですが、気になるのは、その暴力団のボスがハルビンからやってきた中国朝鮮族ということ。今夏のヒット作「青年警察」でも家出少女を拉致して卵子を強制的に取り出して売買する朝鮮族の暴力団員たちが登場していて、それに対して韓国在住の朝鮮族たちが抗議の声を上げていました。(→コチラ参照。) これまでも「哀しき獣」「コインロッカーの女」等で共通する内容がありました。その朝鮮族のソウル内の集住地域が大林洞(テリムドン)で、「青年警察」の舞台にもなっています。ところが、このような抗議に対して、→コチラの記事によると「朝鮮族に冷ややかな声が大勢を占めている」とか。とすると社会的な問題じゃないかと私ヌルボは思うのですが・・・。(昨年11月大林洞に行ってきた時の過去記事は→コチラ。羊肉の串焼きと犬肉料理店が目につきます。)

▸これから公開予定の韓国映画で、一番の期待は昨年の秋夕の圧倒的勝者「密偵」。11月11日から全国ロードショーです。
 そして個人的に気になっているのが10月21日公開の「我は神なり」というアニメ。韓国公開は2013年で、観客動員数2万2千人と全然ヒットしなかったのに何で今頃日本公開になったのかな? 監督が最近「新感染 ファイナル・エクスプレス」(と「ソウル・ステーション/パンデミック」で注目のヨン・サンホ監督だからか? 原題は「似而非(サイビ)」で、→公式サイトでおよそ見当がつくように(?)ちょっとケッタイな雰囲気のスリラーで、いかにもユーロスペースがヘッド館というオタクっぽい作品です。

<コリアン・シネマ・ウィーク2017>(10月26日(木)~11月1日(水))の応募期間は10月16日(月)まで。詳細は韓国文化院のサイト(→コチラ)からです。

 「朝鮮日報」の「封切映画 ぴったり10字評」は先週掲載されませんでした。

         ★★★ NAVERの人気順位(10月10日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
             ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。

①(4) 再び生まれ変わっても、私たち(韓国)  9.41(218)
②(6) ミス・サイゴン:25周年記念公演 in ロンドン  9.37(226)
③(7) アイ・キャン・スピーク(韓国)  9.34(9,317)
④(-) 犯罪都市(韓国)  9,34(8,459)
⑤(8) 貯水池ゲーム(韓国)  9.31(2,549)
⑥(9) KING OF PRISM -PRIDE the HERO-(日本)  9.26(638)
⑦(-) gifted/ギフテッド  9.24(170)
⑧(10) 徐舒平(ソ・ソピョン)、ゆっくり穏やかに(韓国)  9.21(532)
⑨(-) モーディー  9.19(2,458)
⑩(3) テンポガールズ(韓国)  9.15(95)

 ④⑦の2作品が今回の新登場です。
 ④「犯罪都市」については後述します。
 ②「gifted/ギフテッド」は、アメリカの家族ドラマ。独身男性フランク(クリス・エヴァンス)は、海辺の静かな町で7歳の姪メアリー(マッケナ・グレイス)そして片目の猫フレッドと一緒ささやかでも幸せに暮らしています。ところがメアリーが学校に入ると、彼女のもって生まれた才能は世に知られていきます。それは数学の才能。世界的な数学界の著名人であるメアリーの祖母(フランクの母)のエブリン(リンジー・ダンカン)は、メアリーが世界的な数学者になることを期待して英才教育を施そうとします。ところが、フランクは嘱望される天才数学者でありながら不幸な死を迎えた自分の妹との約束でメアリーの平凡で幸せな生活のためにそれに反対します。そしてその対立は法的紛争(!)にまで・・・。はたして天才少女メアリー自身の選択は? 韓国題は「어메이징 메리(アメイジング・メリー)」。日本公開は11月23日です。

     【記者・評論家による順位】

①(2) それにもかかわらず(韓国)  8.00(1)
②(4) ベイビー・ドライバー  7.67(9)
③(5) 南漢山城(韓国)  7.50(6)
④(7) ウインド・リバー  7.33(6)
⑤(8) アイ・キャン・スピーク(韓国)  7.25(8
⑥(9) パム島海賊団、ソウル火の海(韓国)  7.22(9)
⑦(10) 夢のジェーン(韓国)  7.00(8)
⑦(10) ザ・ビガイルド  7.00(8)
⑨(-) 女優は今日も(韓国)  7.00(7)
⑩(-) テンポガールズ(韓国)  7.00(1)

 長くベスト10に入っていた作品がごそっと抜けたため順位は大きく変わりましたが、新登場の作品はありません。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績10月6日(金)~10月8日(日) ★★★

         「キングスマン」の続編が予想通り1位に

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(12)・・南漢山城(韓国)・・・・・・・・・・・・・10/03・・・・・・・・・1,371,796・・・・・・・・2,997,710 ・・・・・・・24,701 ・・・・・・・1,226
2(17)・・犯罪都市(韓国)・・・・・・・・・・・・・10/03・・・・・・・・・1,128,327・・・・・・・・1,806,824 ・・・・・・・15,100 ・・・・・・・1,314
3(1)・・キングスマン・・・・・・・・・・・・・・・・9/27・・・・・・・・・・・716,380・・・・・・・・4,400,339 ・・・・・・・36,472・・・・・・・・・909
        :ゴールデン・サークル
4(2)・・アイ・キャン・スピーク(韓国)・・・9/21 ・・・・・・・・・・462,937 ・・・・・・・・2,869,101・・・・・・・22,523 ・・・・・・・・・788
5(62)・・ナッツジョブ 2・・・・・・・・・・・・・10/03 ・・・・・・・・・・153,954 ・・・・・・・・・249,686 ・・・・・・・・1,888 ・・・・・・・・・505
6(50)・・ディープ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・10/03 ・・・・・・・・・・・91,431 ・・・・・・・・・170,366 ・・・・・・・・1,329 ・・・・・・・・・433
7(3)・・映画 妖怪ウォッチ・・・・・・・・・・・・9/27 ・・・・・・・・・・・38,257 ・・・・・・・・・192,094 ・・・・・・・・1,410 ・・・・・・・・・210
        空飛ぶクジラとダブル世界の大冒険だニャン!(日本)
8(40)・・ブレードランナー 2049・・・・・・10/12 ・・・・・・・・・・・29,330 ・・・・・・・・・・29,736 ・・・・・・・・・・259 ・・・・・・・・・155
9(5)・・レゴ®ニンジャゴー ザ・ムービー・・9/28・・・・・・・・・21,210 ・・・・・・・・・142,788 ・・・・・1,059,368 ・・・・・・・・・136
10(7)・・ヒットマンズ・ボディガード ・・8/30 ・・・・・・・・・・・20,904・・・・・・・・1,709,712・・・・・・・・20,904 ・・・・・・・・・120
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 低い数字に止まっていた前週の観客動員数と比べるとはるかに大勢の人が映画館に足を運んだことがわかります。ベスト10の作品の動員数合計はざっと400万人で、昨年とほぼ同じです。しかし昨年他を圧倒した「密偵」のような<独り勝ち>作品は今年はありませんでした。
 今回の新登場は2・6・8位の3作品です。
 2位「犯罪都市」は、暴力団掃討作戦の実話を映画化した韓国の犯罪アクション。2004年のソウル。チャン・チェン(ユン・ゲサン)は、ハルビンから渡ってきて一気に既存の組織を掌握し、最強勢力だったチュンシギ派のボスのファン社長(チョ・ジェユン)まで脅かして都市一帯の最強者に急浮上した新興犯罪組織の悪辣なボス。そのチャン・チェン一党を捕まえるため、<怪物刑事>マ・ソクト(マ・ドンソク)と、人間味あふれる心強いリーダー、チョン・イルマン(チェ・グィハ)班長が率いる対ヤクザの強力班は悪者を一発で消し去る掃討作戦を立てるのですが・・・。原題は「범죄도시」です。
 6位「ディープ」は、スペインのアニメ。舞台はニューヨークがまるごと海に閉ざされてしまった未来。深い海中のサンゴ礁の洞窟の村に住む海の生き物たちの中で、ある日厄介者のタコのディープのいたずらのために爆発が起きて村は危険に陥ります。村を救う伝説のクジラを見つけるためにディープと仲間たち<海の四銃士は村を出て海中都市探検に旅立ちます・・・。韓国題は「딥」です。
 8位「ブレードランナー 2049」は、もちろんあのリドリー・スコット監督の名作SF「ブレードランナー」(1982)の続編です。今作ではリドリー・スコットは製作・総指揮で、監督は「メッセージ」のドゥニ・ヴィルヌーヴが担当しています。そして前作の主演ハリソン・フォードが35年経った今作も出演しているのはリッパ。また新登場のレプリカントをライアン・ゴズリングが演じています。日本でも10月27日公開ということですでに予告編も→公式サイトもあるので、内容紹介等は省略します。韓国題は「블레이드 러너 2049」です。

【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・・上映館数
1(12)・・マジック・ウルフ・・・・・・・・・・・・・・10/03 ・・・・・・・・・・・8,002・・・・・・・・・・・・25,599・・・・・・・・・・・198・・・・・・・・・132
2(3)・・20センチュリー・ウーマン・・・・・・・・9/27 ・・・・・・・・・・・4,984・・・・・・・・・・・・23,839・・・・・・・・・・・195・・・・・・・・・・43
3(2)・・キム・グァンソク(韓国) ・・・・・・・・・・8/30 ・・・・・・・・・・・3,710・・・・・・・・・・・・95,266・・・・・・・・・・・751・・・・・・・・・100
4(1)・・インビジブル・ゲスト 悪魔の証明・・9/21 ・・・・・・・・・2,214・・・・・・・・・・・・92,467・・・・・・・・・・・743・・・・・・・・・・22
5(7)・・モーディー ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7/12・・・・・・・・・・・・1,816・・・・・・・・・・・332,358 ・・・・・・・・・2,433・・・・・・・・・・26

 今回の新登場は、1位「マジック・ウルフ」だけです。韓国では、子供向きのアニメはヨーロッパや中国等アメリカ以外にも多くの国の作品が公開されているようですが、これはロシアのアニメ。タイトル通り谷あいに住むオオカミたちの物語。群れのリーダーの座をねらう悪役オオカミのロッキーに対抗して、主人公のグレーはリーダーになるための条件として魔法の森に向かいますが、そこで魔法使いのウサギに薬を飲まされヒツジに変えられてしまいます・・・。韓国題は「매직울프」です。
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韓国内の映画 NAVER映画の人気順位 と 週末の興行成績 [9月29日(金)~10月1日(日)]

2017-10-04 01:18:26 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▸韓国は9月30日から秋夕連休に入りました。それも10連休という超大型連休。映画業界も稼ぎ時ということで、強力ラインナップを打ち出しています。
 9月29日の「朝鮮日報」に、その興行成績の予測記事が大きく載っていました。
 【 左から「南漢山城」(10月3日~)、「キングスマン: ゴールデン・サークル」(9月27日~)、「アイ・キャン・スピーク」(9月21日)。】
 見出しは「英国産スパイ、‘秋夕は時代劇’興行という公式を飛び越えるか?」ですが、結果ははたして? 過去5年の秋夕1位ヒット作も載っています。2012年=「王になった男」(1232万)、2013年=「観相師」(913万)、2014年=「タチャ 神の手」(401万)、2015年=「王の運命-歴史を変えた八日間-」(624万)、2016年=「密偵」(750万)と見ると、やっぱり時代劇? そしてあいかわらずソン・ガンホイ・ビョンホン? 今年ソン・ガンホは夏に「タクシー運転手」というメガヒットを飛ばしているから、秋夕はビョン様の「南漢山城」か? ただ「朝鮮日報」には各作品の弱点も書かれていて、この作品には「複雑な今の時局に、暗いドラマを観たいか?」って、そりゃそうだな。※内容は後述。

▸この1週間はいろいろ忙しくて映画館には行けず・・・と書き始めてなんとなく映画館情報を見ると、109シネマ川崎で21:30~23:15に「ソウル・ステーション/パンデミック」の上映があるではないの。「行こうと思えば行けるな」という考えが「行くゾ」に代わるまで3分とかからなかったです、はい。そのため、この記事の完成が何時間か遅れました。このアニメはなかなか以上の高評価がついている「新感染 ファイナル・エクスプレス」の前日談ですが、コチラは<ぴあ映画生活>では55点と対照的な低評価。韓国社会の問題が(いかにも、いった感じで)描かれたりしていて、思ったほどには悪くはなかったですが、「新感染」のような感動的シーン&エピソードが乏しいので点数が低くなるのもむべなるかな、です。
    
「朝鮮日報」9月30日掲載の「封切映画 ぴったり10字評」 (ハングル文も訳文も10字です。)
 「キングスマン:ゴールデン・サークル」
   スマートな活劇の続編 ★★★☆



 「20センチュリー・ウーマン」

   美しかったね、当時は ★★★




 「バースデーカード」

   大切な物は常に近くに ★★☆


 上記3作品は以下の記事の中で紹介しています。

         ★★★ NAVERの人気順位(10月3日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
             ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。

①(-) 扮装(韓国)  9.60(55)
②(-) ナッツジョブ 2  9.58(31)
③(-) テンポガールズ(韓国)  9.48(50)
④(-) 再び生まれ変わっても、私たち(韓国)  9.46(120)
⑤(-) ぼくと魔法の言葉たち  9.44(27)
⑥(3) ミス・サイゴン:25周年記念公演 in ロンドン  9.41(224)
⑦(4) アイ・キャン・スピーク(韓国)  9.37(6,370)
⑧(5) 貯水池ゲーム(韓国)  9.31(2,370)
⑨(7) KING OF PRISM -PRIDE the HERO-(日本)  9.26(633)
⑩(-) 徐舒平(ソ・ソピョン)、ゆっくり穏やかに(韓国)  9.21(531)

 ①~⑤の上位5作品が初登場というのは当ブログ初めてのことです。
 ①「扮装」は、韓国のドラマ。売れない演劇俳優だった男性ソンジュン(ナム・ヨヌ.監督も担当)が、ある日世界的に有名な性的少数者の演劇「ダーク・ライフ」の主人公に抜擢され、一躍スターダムに登ります。ソンジュンは、自分の性的アイデンティティとは異なる性的少数者を演じるために性的少数者の集まりに参加し、クラブにも通い、役作りのために最善を尽くします。しかし、思いも寄らなかった事件によってソンジュンは簡単には終わらない人生の舞台に上がることになります・・・。原題は「분장」です。
 ②「ナッツジョブ 2」(仮)は、日本でも2015年に公開された米・カナダ・韓国合作のファミリー・アニメの続編。前作でピーナッツ取りに成功した後悠々と生活を楽しんでいたリスのサーリーとネズミのバティたち。ところがある日、突然ピーナッツ店が爆発するとは! サーリーと友人は仕方なくリバティ公園に戻りますが、ここも悪徳市長の遊園地建設計画的により破壊される危機に。サーリーたち、はたしてどうする? 韓国題は「넛잡 2」です。
 ③「テンポガールズ」は、韓国のドキュメンタリー。韓国語では<構造調整>、つまりリストラの始まった造船所への就職を準備中の巨済島の女学生の中で、彼らとは違う夢を追っている女学生たちがいます。その夢とはダンススポーツ。タイトルの<テンポ>の<テン>はダンスの<ダン>、<ポ>はスポーツの<ポ>を強めた音。はたして彼女たちの挑戦は成功するのでしょうか? 原題は「땐뽀걸즈」です。
 ④「再び生まれ変わっても、私たち」は、韓国のドキュメンタリー。チベット人の9歳の少年アントゥは、前世を憶えている、ちょっと特別なランポチェ(転生による生き仏)。そのアントゥのために、師匠のウルギャンは自らの全てを投げ打って献身しています。何度も冬を共に過ごし、人生の同伴者となった2人は、新しい春に向かって旅立つ決意をするのですが・・・。原題は「다시 태어나도 우리」です。
 ⑤「ぼくと魔法の言葉たち」は、自閉症のため2歳で言葉を失ってしまった少年が家族の愛情に支えられ、大好きなディズニー・アニメを通じて言葉を取り戻していくというドキュメンタリー。日本では今年4月に公開されていて観た人の評価もけっこう高いのにさして話題にもならなかったようなのは作品の認知度の問題? 韓国題は「인생을 애니메이션처럼(人生をアニメーションのように)」です。。

     【記者・評論家による順位】

①(1) ラ・ラ・ランド  8.34(14)
②(2) それにもかかわらず(韓国)  8.00(1)
③(3) 猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)  7.75(8)
④(4) ベイビー・ドライバー  7.67(9)
⑤(-) 南漢山城(韓国)  7.50(6)
⑥(-) オクジャ(韓国・アメリカ)  7.33(15)
⑦(5) ウインド・リバー  7.33(6)
⑧(6) アイ・キャン・スピーク(韓国)  7.25(8)
⑨(7) パム島海賊団、ソウル火の海(韓国)  7.22(9)
⑩(-) 夢のジェーン(韓国)  7.00(8)
⑩(-) ザ・ビガイルド  7.00(8)

 今回の新登場は⑤「南漢山城」だけです。17世紀初め、中国では明が衰えを見せ、女真族の後金が台頭してきます。そして1636年、後金の太宗ホンタイジは清王朝を樹立し皇帝に即位します。その清が朝鮮に臣従するよう要求すると、朝鮮の朝廷では主戦論が大勢を占め、仁祖(パク・ヘイル)は要求を拒絶して清と対峙します。10万の兵が朝鮮に侵入し漢城に向けて進撃すると、仁祖は江華島へ逃れようとしますが清軍に道をふさがれ、やむなく1万3千人の将兵と共に立て籠った城が南漢山城でした。寒さと空腹、絶対的な軍事的劣勢の中、まさに四面楚歌・孤立無援の状況の中で大臣たちの意見も激しく対立します。一時の恥辱に耐えても国と民を守るというチェ・ミョンギル(イ・ビョンホン)と、最後まで戦うことを主張するキム・サンホン(キム・ユンソク)。清の無理な要求と圧迫はさらに強まり、仁祖の焦燥は深まるばかりです。その47日間の物語。・・・って、何かカタルシスとか感動がどこかに見いだせるのでしょうか? 結局は、屈辱的な和議(三田渡の盟約)を結んでオランケ(野蛮人)と蔑視していた女真に膝を折ることになるのですが・・・。原題は「남한산성」です。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績9月29日(金)~10月1日(日) ★★★

         「キングスマン」の続編が予想通り1位に

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(69)・・キングスマン・・・・・・・・・・・・・・・9/27・・・・・・・・・1,584,335 ・・・・・・・・2,350,509・・・・・・・・18,908 ・・・・・・・1,677
        :ゴールデン・サークル
2(1)・・アイ・キャン・スピーク(韓国)・・・9/21 ・・・・・・・・・・549,428・・・・・・・・1,649,343・・・・・・・・12,768 ・・・・・・・・・937
3(51)・・映画 妖怪ウォッチ・・・・・・・・・・・9/27 ・・・・・・・・・・・81,951 ・・・・・・・・・・93,111 ・・・・・・・・・・688 ・・・・・・・・・485
        空飛ぶクジラとダブル世界の大冒険だニャン!(日本)
4(2)・・殺人者の記憶法(韓国)・・・・・・・・・9/06 ・・・・・・・・・・・72,797・・・・・・・・2,622,939・・・・・・・・21,110 ・・・・・・・・・460
5(21)・・レゴ®ニンジャゴー ザ・ムービー・・9/28・・・・・・・・67,100 ・・・・・・・・・・75,054 ・・・・・・・・・・566 ・・・・・・・・・458
6(3)・・ベイビー・ドライバー ・・・・・・・・・9/14 ・・・・・・・・・・・35,954 ・・・・・・・・・801,602・・・・・・・・・6,534 ・・・・・・・・・305
7(4)・・ヒットマンズ・ボディガード ・・・8/30 ・・・・・・・・・・・30,440・・・・・・・・1,645,640・・・・・・・・13,570 ・・・・・・・・・162
8(52)・・ちいさなプリンセス ソフィア・・9/28 ・・・・・・・・・・16,574 ・・・・・・・・・・17,783 ・・・・・・・・・・126 ・・・・・・・・・129
        :神秘の島
9(6)・・インビジブル・ゲスト・・・・・・・・・・9/21 ・・・・・・・・・・・16,514 ・・・・・・・・・・81,574 ・・・・・・・・・・656 ・・・・・・・・・109
        悪魔の証明
10(12)・・キム・グァンソク(韓国)・・・・・・・8/30 ・・・・・・・・・・・14,888 ・・・・・・・・・・82,945・・・・・・・・・・654・・・・・・・・・・129
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 冒頭に書いたように9月30日から10連休に突入。観客動員数はとみると、3位以下はアレレ?のひくい数字。大勢の人たちは連休の最初は郷里に向かう大渋滞の車中で過ごしたのでしょうか?
 今回の新登場は1・3・5・8位の4作品です。
 1位「キングスマン:ゴールデン・サークル」は、世界で4億ドル超の興行成績を記録し、日本でも2015年に公開されヒットしたイギリスのスパイ・アクション「キングスマン」の続編です。世界の安全に守るため任務を遂行してきた国際情報組織キングスマンですが、ある日国際犯罪組織ゴールデン・サークルによってキングスマン本部が無惨に破壊されてしまいます。エグジー(タロン・エガートン)とマーリン(マーク・ストロング)は、キングスマン<最後の日>規約に基づいて発見されたウイスキーのボトルからキーワードを得て、兄弟組織であるアメリカのスパイ組織ステーツマンの存在を知ります。全世界を掌握するために脅威的なビジネスを推進しているゴールデン・サークルとその首長ポピー(ジュリアン・ムーア)。彼らの計画を食い止めるためのキングスマンとステーツマンの作戦が始まります・・・。あ、ハリー(コリン・ファース)は今回も主役として最初に名前が出てるからには当然活躍するのでしょうね。韓国題は「킹스맨:골든 서클」です。
 3位「映画 妖怪ウォッチ 空飛ぶクジラとダブル世界の大冒険だニャン!」は、韓国でも昨夏の前作に続いて公開。・・・って、私ヌルボは例によって語る資格ナシ。韓国題は「잃어버린 도시(失われた都市)」です。
 5位「レゴ®ニンジャゴー ザ・ムービー」は、日本でも9月30日公開されています。韓国題は「레고 닌자고 무비」です。
 8位「ちいさなプリンセス ソフィア:神秘の島」(仮)は、ディズニーのアニメ。日本では<ディズニーチャンネル>で放映されてきた「ちいさなプリンセス ソフィア」中の新作のようですが、未放映なのかな? 全世界を冷たいクリスタルに変えようとするクリスタル・マスターから魔法を守らなければならないソフィアとアンバーが、新しい友人たちとともに妖精たちの島など神秘の島々へ向かうファンタジー大冒険、とのことです。韓国題は「리틀 프린세스 소피아: 신비한 섬」です。

【多様性映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・・上映館数
1(1)・・インビジブル・ゲスト 悪魔の証明・・9/21 ・・・・・・・・16,514・・・・・・・・・・・・81,574・・・・・・・・・・・656・・・・・・・・・109
2(5)・・キム・グァンソク(韓国) ・・・・・・・・・・8/30 ・・・・・・・・・・14,888・・・・・・・・・・・・82,945・・・・・・・・・・・654・・・・・・・・・129
3(56)・・20センチュリー・ウーマン・・・・・・・9/27 ・・・・・・・・・・・6,356・・・・・・・・・・・・11,378・・・・・・・・・・・・89・・・・・・・・・・96
4(43)・・バースデーカード(日本) ・・・・・・・・9/28 ・・・・・・・・・・・3,273・・・・・・・・・・・・・4,731・・・・・・・・・・・・37・・・・・・・・・・81
5(3)・・モンスター・コール・・・・・・・・・・・・・・9/14 ・・・・・・・・・・・2,780・・・・・・・・・・・・82,912・・・・・・・・・・・649・・・・・・・・・・38

 3・4位の2作品が今回の新登場です。
 3位「20センチュリー・ウーマン」は、日本ではすでに今年6月公開されています。韓国題は「우리의 20세기(私たちの20世紀)」です。
 4位「バースデーカード」は昨年10月橋本愛と宮崎あおいが娘・母役で初共演した作品ですが、私ヌルボは観てないのでなんとも・・・。韓国題は「해피 버스데이(ハッピー・バースデー)」です。
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