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ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

①韓国文学②韓国漫画③韓国のメディア観察④韓国語いろいろ⑤韓国映画⑥韓国の歴史・社会⑦韓国・朝鮮関係の本⑧韓国旅行の記録

[韓国] 2015年芸能10大ニュース

2016-01-02 22:20:50 | 韓国の文化・芸能・スポーツ関係の情報
 새해 복 많이 받으십시오!
 あけましておめでとうございます。


 年を取ると、動作が遅くなったり記憶力が鈍くなったりするだけでなく、体感的な時間の流れる速さが実際の時の流れよりどんどん遅くなるようです。
 そんなわけで、2015年も「あっ」という間に過ぎてしまった感じです。
 自分自身の1年間の反省といっても、反省するためには記憶・記録がしっかり残っていてはじめてできることなので、そこらあたりの自信がないヌルボとしては反省は後回しにして、ブログの主旨に則ってまずは韓国サイトから拾った2015年の10大ニュースを紹介します。
 で、まずは「京郷(キョンヒャン)新聞」の10大ニュースを見てみると、第1位のMERSコロナウイルスの大流行以下、めでたくないニュースが8つもあるので、これは今年最初の記事としてはいかがなものかと思ったので急遽予定変更。
 芸能ニュースにします。
 ネタ元は<フォーカスニュース>(→コチラ)です。
 1~10位の見出し以外は画像だけという記事なので、その見出しは青字、副見出しは緑字で表示し、その他の黒字の部分は私ヌルボの補足説明&コメントです。

①スターたちの結婚のニュース
 ウォンビンとイ・ナヨン、ペ・ヨンジュンとパク・スジン


 日本では、福山雅治と吹石一恵の結婚後、<福山ロス>なんてことがあっそうですが、ウォンビンやヨン様の場合の韓国の女性ファンの反応はどうだったのかな? そこまでは未確認。

②1000万俳優の誕生
 ユ・アイン、ファン・ジョンミン、ハ・ジョンウ
 (オ・ダルス、1億俳優達成)


 「1000万俳優」とは、出演した映画が観客動員1000万人を超えたということ。ユ・アインとファン・ジョンミンは「ベテラン」(1341万人)、ハ・ジョンウは「暗殺」(1270万人)で1000万人突破。
 なお、ファン・ジョンミンは2014年の「国際市場で逢いましょう」(1425万人)に続くメガヒット。
 女優ではチョン・ジヒョンも「10人の泥棒たち」(2012年.1298万人)と「暗殺」に出演していたんですけど、なぜ見出しになってない?
 オ・ダルスは、代表的な脇役俳優で、顔を見たら「ああ、この人!」とわかる韓国映画ファンは多いはず。「国際市場で逢いましょう」で累計1億人突破。関連記事(日本語)は→コチラ
 上記「ベテラン」「暗殺」「10人の泥棒たち」「国際市場で逢いましょう」の他にも、「7番房の奇跡」(2013年.1281人)「弁護人」(2013年.1137万人)と、1000万人動員作品の常連と言ってもいいくらい。※オ・ダルスの過去の出演作品は→コチラ参照。

③<クック・パン>(料理番組)全盛時代
 ペク・ジョンウォン、チェ・ヒョンソク スターシェフ登場


 쿡방(クック・パン)というのはcook+방송(放送)を合成した新語。
 →コチラの記事に詳しく書かれていますが、料理番組というより<料理バラエティ>と言った方がいいのかな? 番組例として挙げられているのが「三食ごはん(삼시세끼)」( tvN)、「今日何食べる?(오늘 뭐 먹지?)」( OLIVE)、「冷蔵庫をお願い(냉장고를 부탁해)」(JTBC)、「おうちごはん ペク先生(집밥 백선생)」( tvN)と、こんなにたくさんあるんですね。
 見出しに出てるペク・ジョンウォンは「マイ・リトル・テレビジョン」(MBC)で<ペク主婦>という愛称で人気を得た後、彼によるレシピはネット上でも大きな影響力を発揮したとのことで、上記「おうちごはん ペク先生」以外にも料理対決番組「ペク・ジョンウォンの3大天王」(SBS)などにも登場しています。

④「韓流スター」たちは恋愛中
 IUとチャン・ギハ、スジとイ・ミンホ、キム・ウビンとシン・ミナ


 IUとチャン・ギハの熱愛については、3月公式に事務所がその事実を発表しています。→コチラは、KBS2のトーク番組「ハッピートゥゲザー3」で「スジ、イ・ミンホについて「話すのは照れくさいと言いつつ・・・」云々という4月時点の記事。こういう記事を読むのは、なんとなくアホらし屋の鐘が聞こえてくるような・・・。その後の記事も少し見てみましたが、とりたてて変化ナシ?

⑤キム・ヒョンジュン、親子確認訴訟

 歌手キム・ヒョンジュン(リダ)の元恋人Aさんが9月初め出産した子供についてキム・ヒョンジュンを相手に実子確認訴訟を提起した。これに対してキム・ヒョンジュン側は「キム・ヒョンジュンの子なら、責任を負う」と公式立場を明らかにした。しかし、実子確認方式をめぐり双方は対立した。キム・ヒョンジュン側は「子供のみDNA検査を受ければ親子かどうかを確認することができる」と主張したがAさん側は検査に応じず、結局裁判に・・・。
 10月の「中央日報」(日本語版)の記事(→コチラ)によると、「Aさんは2014年8月、キム・ヒョンジュンを暴行致傷および傷害容疑で告訴した。その後ソウル東部地検はキム・ヒョンジュンに傷害暴行致傷容疑で罰金500万ウォンの判決を下した」とか、さらにその後「Aさんがキム・ヒョンジュンを相手取って16億ウォンの損害賠償請求訴訟を起こし、現在も訴訟が進行中」とか、なんなんだ!?
 最近(12月22日)の報道(→コチラ)では、鑑定の結果子供が彼の実子であることが判明したが、今回の実子確認訴訟とは別に上記の16億ウォの損害賠償請求訴訟や、その他「誣告、恐喝、名誉毀損などによる訴訟が追加で進められ」ていて、「試練がここで終わりではない」といのこと。→コチラの記事によると、彼の父親は「(元恋人側は)月500万ウォンの養育費に1億ウォンの慰謝料を要求しているが、なぜ子供を抱えて駆け引きしているのか」と不快な思いを吐露した」とか。
 いやー、身から出たサビ(かな?)とはいえ、こないなったらもうグチャグチャやなー。韓国ドラマよりおもっしょいちゃうんで!?(←徳島弁。不謹慎!)

⑥歌謡界 レジェンドの帰還
 シン・スンフン、サイ、イ・ムンセ、イム・チャンジョン、パク・ジニョン


 <バラードの帝王>ことシン・スンフン、ヌルボにとっては懐かしい! 1992年初めて韓国に行った頃、「見えない愛」(→YouTube)がすごく流行ってた。
 13年ぶりというオリジナルアルバムを出したイ・ムンセは、最初のヒット曲「私はまだ知らないじゃない」もいいですが、やはり「光化門恋歌」(→YouTube)は記憶に残る佳曲ですね。数年前、歌詞にもある徳寿宮の裏手の石垣道に歌碑が造られました。(→コチラ参照。) 昨年ソウルに行った時、徳寿宮近辺はあちこち歩き回ったのにこの歌碑はウカツにも意識からとんでいて行かずじまい。今度は行ってみなくては。
 デビュー20周年のイム・チャンジョンは、9月リリースした「再び愛(또 다시 사랑)」(→YouTube)が音楽番組に出演しないにもかかわらずに大ヒット。10月KBS 2TVの音楽番組ミュージックバンクには出演したそうです。→コチラの記事(日本語)では「国民的歌手を超え“音楽配信ゾンビ”になった」と書いています。
 パク・ジニョンについては1年ばかり前に書いた記憶が・・・。そうそう、→コチラの記事で、パク・ジニョンは芸能人の株長者番付で3位のヨン様に次いて第4位に入っているということを書きました。もう芸能人というより実業家なのかと思っていたらそうでもなかった?

⑦イェウォンとイ・テイム
 「オンニ、私のこと気に食わないんでしょ?」


 3月、番組の休憩中に、年上の女優イ・テイムに対し、歌手キム・イェウォンがパンマル(タメ口)で答え続けたことにイ・テイムが激怒しました。その際番組側はイェウォンをフォローし、「イ・テイムが勝手に声を荒げて怒った」と説明し、結果的にイ・テイムは謝罪をし、イェウォンも謝罪を受け入れ、さらにイ・テイムはネット上で批判をされました。
 ・・・ということだそうですが、なんでこんなちょっとしたもめごとが8月までタラタラ続くんでしょうか? また、これに対しSNSとかで一方を非難しまくる人たちというのもヌルボには理解不能。それを大きく取り上げるメディアも。あ、このブログ記事も一役買ってたりして・・・。

⑧映画「内部者たち」
 青少年観覧不可の歴史が書き加えられる


 11月公開の「内部者たち」は、ドラマ化されてヒットした「未生」の漫画家ユン・テホの「ハンギョレ」連載漫画が原作の映画。政治家・財閥・メディアそしてヤクザの闇金をめぐる黒い関係を描いたドラマ。青少年観覧不可映画なのに観客動員数が600万人を超えて歴代4位、ということで注目されたとうわけです。

⑨制作発表会からトラブルメイカー「自分を振り返ってみて」
 制作発表会中断から制作陣暴行まで


 「自分を振り返ってみて」はKBS2のバラエティ番組。<Kスタイル>の関連記事索引(→コチラ)を見ると、7月「歌手チョ・ヨンナム、バラエティ番組の記者会見で共演者に激怒・・・突然の退場」(→コチラ)以下、キム・スミの降板通知(悪質な書き込みによる精神的打撃が理由)→その後再合流とか、チェ・ミンスの“暴行騒動”とか、これもまたしっちゃかめっちゃか。皆さんに「自分を振り返ってみて」と言いたい、というのがヌルボを含め大方の声でしょう。しかしよくこんな状態で番組が続いているものです。<KBS WORLD>でやってるんですね。そのサイトにある動画(→コチラ)を見ると<反則を連発>、<この私がルールだ>、<驚くのはまだ早い>、<制御不能>といったテロップが次に出てきたり、本気でぶっ叩いている(?)ようなシーンもあったりして、上記のような騒動をそのまま反映しているようでオモシロイ。(笑)

⑩軍に入隊したスターたち
 スーパージュニアのチェ・シウォン、ウニョク、JYJのパク・ユチョン、キム・ジェジュン、東方神起のユノ等


 スーパージュニアのメンバーでは、ウニョクはカンイン、イトゥク、ヒチョル、イェソン、シンドン、ソンミンに続いて7番目の入隊とのこと。11月入隊のシウォンは9番目。見出しに名前はないドンヘが8番目だそうです。約2年とあって、韓国の若手男性歌手・タレントはどの時期に入隊するか、判断がむずかしいところです。

 以上、です。
 いやー、①こそ結婚のめでたいニュースだったですが、10本となると当然マユをひそめざるをえないものもありますね。⑤、⑦、⑨のもめごとはいかにも韓国っぽい感じがします。感情表現がストレートな点とか・・・。もちろんそうじゃない人もいるんですけどね。

★[おまけ] 上掲のイム・チャンジョンについてのリンク先の記事「2015年、ドラマより印象的だった音楽業界のベストシーン7選」の中に、<GFRIEND、8度も転んだ…逆走を巻き起こした話題の動画>というのがありました。女性グループのヨジャチング(GFRIEND)が雨水に濡れたステージで「今日から私たちは」を歌った際、4分足らずの間に6人のメンバーが計8回も転倒したというものです。私ヌルボは9月の「中央日報」のコラム(→コチラ)で読み、YouTubeでさっそく見てみたことを思い出しました。韓国内では彼女たちの努力を称賛する声が高まって人気も急上昇したのですが、英語のカキコミは悪条件化で公演を続行したことへの批判が多かったそうです。その動画を貼っておきますので、見てみてください。休みなく動く振付の中では後ろ向きに歩いたり等、たしかにあぶなそう。
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安東・河回マウルの仮面劇 - 両班タルと白丁タルの微妙な違いについて

2015-12-18 16:43:10 | 韓国の文化・芸能・スポーツ関係の情報
     

 私ヌルボ、観光地として知られる韓国の地方都市でまだ訪れていない所はたくさんあります。たとえば安東もその1つです。
安東といえば河回村(ハフェマウル)、そして河回村といえば仮面劇は、韓国の伝統民衆芸能として有名です。

 以前たまたま鎌倉の鶴岡八幡宮でその仮面劇を見たことがありました。今調べてみたら2009年5月のことです。→コチラのブログ記事に写真入りで詳しく書かれています。(※「鎌倉ーソウル2328キロを歩く」(講談社+α新書.2005)の著者・間宮 武美さんのブログです。)
 なんで八幡宮で韓国仮面劇? 「もしかして鎌倉御霊神社の面掛け行列との関連かな?」と思いましたが、そこらへんの経緯については→コチラの記事に記されていました。

 さて、この河回村の仮面劇には次のような人物が登場します。
 ヤンバン(양반.両班)、ソンビ(선비.学者)、チュン(중.坊主)、ペクチョン(백정.白丁)、チョレンイ(초랭이.召使)、ハルミ(할미.老婆)、イメ(이매.召使)、ブネ(부네.化粧した若い女性)、カクシ(각시.閣氏=新妻)

 これらの仮面(タル.탈)を見てみると、とくに封建時代の支配階層だったヤンバンと被差別民だったペクチョンの仮面がとてもよく似ていることに気づきます。
 冒頭に掲げた画像の左がヤンバン、右がペクチョンです。
 比べてみて、どこが違うかすぐわかるでしょうか? 鼻の脇のシワの数が違う? それ以外で・・・。

 以下は、その答え(一応)です。
 鄭棟柱「神の杖」について書いた記事(→コチラ)で少しふれた上原善広「韓国の路地を旅する」の最後に「韓国再訪二〇一四」という章があり、その中で上原さんが安東で仮面劇を見たこと、その中の寸劇のひとつが白丁の話であることが書かれていました。続けて、次のような記述があるのです。

 私は取材当時、職人が多く集まり、骨董市場でもあるソウルの仁寺洞で白丁の仮面をもとめたのだが、このとき見せてもらった白丁の仮面は、ちょっと見たところ、貴族階級である両班の仮面とまったく変わらなかった。そこで不思議に思い、仮面を彫っている職人に「どこが違うのですか」と直接訊いたところ、彼は笑いながら「顔のつくりは同じだけど、両班の頭はきれいに丸くなっているでしょう。でも白丁の仮面は、頭が少しだけへこんでいるんですよ」という説明を受けたので、非常に驚いたことを覚えている。
 しかしこの日の仮面劇のパンフレットには、白丁の仮面は彫りが深く、普通の仮面よりも狡猾さが出ているとある。確かに実際に仮面劇を見ていると、両班のとは全く違う表情で、道化をさらに強調するように造られていた。
 仮面劇は、両班など偉そうにしている人々への風刺が込められている。この風刺がさらにいきるためには、白丁も両班も同じ人間であるのだから、同じ作りの仮面にする必要がある。白丁の仮面が少し歪んで作られているのは、同じ顔だけど人々から差別されているという意味がこめられている。だから仁寺洞の職人の話の方が本当のところだろう。しかし河回村で週四回おこなわれている仮面劇では、観光客にもより違いをわかりやすくするため、ことさら狡猾な表情に作ってあるのだと私は思った。


 ・・・というわけです。「韓国の路地を旅する」には写真が載っていないので、私ヌルボ「本当かな?」と思い韓国サイトで関連画像をいろいろ探して見てみました。するとたしかに白丁の仮面はアタマのリンカクが左右対称ではないのです。一見してわかるほどの大きなヘコミというほどでもありませんが・・・。冒頭の画像はその1例です。

 ただ、韓国ではこの微妙な差異とその理由がどの程度認識されているか、あるいはそのこと自体ホントに正しいのか、と思ってそれなりにネット上を探してみましたが、見つかっていないままです。したがって、上述のような<正解>がホントに正解であるかについては<保留>ということにしておきます。

 安東の土産物の中に仮面をかたどった河回タルチョコレート、河回パン、河回ペンダント等がありますが、はたしてこれらがヤンバン面とペクチョン面をどう区別しているのか、ちょっと興味のあるところです。
 下の画像は河回タルチョコレートです。

     
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[韓国語と韓国文化] 「ドリ」と「スニ」をめぐるいろいろ ②ポドリ&ポスニ、その他イメキャラの数々

2015-09-19 14:22:26 | 韓国の文化・芸能・スポーツ関係の情報
 前回の記事では、「ドリ」と「スニ」が韓国の男女の伝統的な名前の代表といったものだったこと、しかし今では実際の名前にはほとんど使われなくなっていること等を書きました。
 横浜市立図書館で韓国の昔話の本を何冊かみてみたところ、「サンドリ」「スンドリ」「ケドリ」等々がすぐ目に入ってきました。
 そんな昔話に基づいた流行歌にキム・セレナの歌う「カプトリとカプスニ(갑돌이와 갑순이)」があります。

 1964年に作られた曲(?)のようですが、元は「オンドル夜話」(1938)という歌(→コチラ参照)とのことで、ソチラの歌詞ではパクトリとカプスニ」になっています。歌詞の内容は、同じ村にカプトリ(甲乭이)カプスニ(甲順이)という男女がいたんだトサ、2人とも相手のことを心の中では好きだったがそれを打ち明けることはなかったトサ、カプスニは別の男に嫁入りしたものの、最初の夜もカプトリを想って泣いたトサ、内心怒ったカプトリも他の女の婿となったが彼も最初の夜カプトリを想って泣いたトサ」という、全然盛り上がりに欠ける歌。ところがなぜかそれなりに知られているようで、京畿道驪州(ヨジュ)郡(2013年から市)では2011年<パクトリとカプスニテーマパーク>という公園ができたそうですよ。(→コチラ参照。)
 しかし、2人とも心に秘めていたのに、なんで物語が伝わったのでしょうかねー?

 今回の本題。現代の「ドリ」と「スニ」は、少し前回書いたように団体・組織や催しのマスコット、イメージ・キャラクターとして多用されるようになっています。
 その中でもとくに知名度が高いのがコレ。
 警察庁のキャラクターポドリ(포돌이)ボスニ(포순이)。誕生は1999年。「恐怖の外人球団」で知られる漫画家・李賢世(イ・ヒョンセ)の作です。
 なぜ「포(ポ)」なのかというと、policeのpoだけでなく、朝鮮時代の警察に相当する盗庁(도청)、警官に相当する卒(졸)も意味しているとのことです。
 ポドリとポスニは画像や人形だけでなく、各種のキャンペーン等にも出向いて活躍し、広く親しまれています。
 下左の写真は江南のクラブで性暴力防止のキャンペーンをしているところです。
     
 激務のストレスのため、つい非行に走る(?)こともあります。(右写真。)

 以下、地方のいろんな「ドリ」と「スニ」を集めてみました。自治体関係や民間施設、催し関係等々さまざまです。
    
 左は原州(ウォンジュ)市のマスコットクォンドリ(꿩돌이)クォンスニ(꿩순이)クォン(꿩)キジです。原州には雉岳山国立公園があって、朝鮮初期からの伝統があるという原州雉岳祭(現在は江原監営祭に含まれる)も催されていてキジが市の鳥に指定されています。
 右は忠清南道・保寧(ポリョン)市の大川(テチョン)海水浴場で1998年から開かれているマッド・フェスティバルのキャラクターモドリ(머돌이)モスニ(머순이)。マッドはmadじゃなくてmud、つまり泥んこ祭。その英語mudのハングル表記がなのでこの名に。
     
 左は全国生産量の6割を占めるというチャメ(참외.マクワウリ)の特産地・慶尚北道星州(ソンジュ)にあるチャメ生態学習園のチャムドリ(참돌이)チャムスニ(참순이)像。もちろんチャメ(참외)チャム(참)から命名。
 右の黄色い三角顔は何かと思ったらチーズ(치즈)なんですね。全羅北道任実(イムシル)にあるチーズマウル(村)チドリ(치돌이)チウニ(치순이)です。
     
 先週サークル仲間のS谷氏とYハラボジは左写真のロープウェイに乗ってきたそうです。場所は慶尚南道統営(トンヨン)市。小毎勿島(ソメムルド)行きの船に乗るつもりでタクシーで港まで行くはずが、なぜかキサアジョシ(運転手さん)の強い勧めでこれに乗ることになったとか。(小毎勿島はその後で行った。) で、この眺めのいい所に立っているのがケドリ(케돌이)ケスニ(케순이)ケーブルカー(이블카)だからこの名前。顔面のヒゲのような横線は何かと思ったら、ケーブルカーにこんな横線が入っているのですね。 
 左は大邱市の西門市場(서문시장.ソムンシジャン)のキャラクターソムンドリ(서문돌이)ソムンスニ(서문순이)
 伝統ある大規模な市場なんですが、このキャラクターは絵といいネーミングといい個性なさすぎでは? そのためか現地でも全然目立ってないようなのが残念。

 それと対照的なのが次の2つ。
 いやあ、個性的というよりも、ちょっと異様な感じ(笑)さえしてしまうのですが・・・。(笑)


    
 左は2006年全州で開かれた世界ジュニアカーリング選手権大会のマスコットマットリ(맛돌이)モッスニ(멋순이)です。「マッ(맛)」は「味」、「モッ(멋)」は「粋」で、カーリングとは関係ありません。絵柄の方も扇子と団扇がカーリングの用具より目立ってます。全州は昔から扇子や団扇作りが有名で、2011年には全州扇文化館もオープンしています。しかし、どうもこれはカーリングの大会にかこつけて・・・という地元のコンタンが前面に出過ぎた印象が強いですね。
 右は最初見て何なのかわかりませんでした。「トロロご飯かな?」などとも考えながら説明を読むと全羅南道羅州(ナジュ)市の栄山浦(ヨンサンポ)名物ガンギエイ(홍어. ホンオ)濁り酒(탁주.タクチュ)なんですと。名前はホンドリ(홍돌이)タクスニ(탁순이)。私ヌルボは行ったことがありませんが、コチラや→コチラの記事(日本語)を読むと栄山浦はなかなか風情のある街のようで、行ってみたくなりました。この(洗練されていない)キャラクターはホンオとマッコリの庶民的でエグい臭い&味と、街の侘しさが表れているようにも思えます。

 次回はガラッと変わった内容になります。

 →<「ドリ」と「スニ」をめぐるいろいろ ③80年代のコンスニ(女子労働者)と<偽装就業者>>
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[韓国語と韓国文化] 「ドリ」と「スニ」をめぐるいろいろ ①韓国の男女の伝統的な名前だが・・・

2015-09-17 17:59:11 | 韓国の文化・芸能・スポーツ関係の情報
 いきなりですが、次の画像を見てわかる人は今どれほどいるでしょうか?

 1988年ソウル五輪のマスコット。・・・と答えらればまあ正解でしょう。で、その名前のホドリまで出てくれば「ほー、よくご存知!」レベル。
 私ヌルボ、このホドリのかぶりもの(벙거지)のてっぺんについている長いサンモ(상모.象毛)がS字形になっているのはSeoulの頭文字であることは昨日知ったばかりです。・・・ということはおいといて、この「ホドリ(호돌이)」という名前の由来を説明しておきます。
 トラは古来朝鮮民族にはなじみの深い動物で民話等にもよく登場します。この猛獣を五輪のマスコットにしよう!というのはごく自然な発想。トラは韓国語で랑이(ホランイ)で、その最初の字に、伝統的な男性の名前を示す돌(ドル)と愛称이(イ)をセットにして付けたものです。
 돌(ドル)を漢字で書くとなのですが、この字は中国にも日本にもない韓国独自のものです。「伝統的な男性の名前」と書きましたが、今この字を名前に含む人はほとんどいません。ヌルボの知るところでは、韓国囲碁界のトップ棋士・李世乭(イ・セドル)9段くらいなものです。(※現時点の韓国棋院のランキングでは朴廷桓(パク・ジョンファン)9段に次いで第2位。)
 この男性の名前「ドリ」に対応する女性の名前が「スニ(순이)」です。순(スン)に愛称이(イ)をつけたものです。
 순(スン)は漢字ではふつうです。ホドリ(호돌이)があるからにはホスニ(호순이)もあるだろうと考えますが、あることはあるんですね。右画像はソウル五輪の記念品の1つですが、ちゃんとカップルで並んでいます。しかしホドリばかりが目立っていたので、ホスニの認知度ははるかに低かったようです。

 乭の字をほとんど目にしないのに対して、漢字2文字の後の方に順の字を含む女性の名前はけっこう見ることがあります。福順(복순.ポクスン)今順(금순.クムスン)鳳順(봉순.ポンスン)末順(말순.マルスン)等々。ユ・グァンスン(유관순)柳寛順ですね。この名前の女性は子ども時代あるいはそれ以後もポクスニとかポンスニ等「○スニ」の愛称で呼ばれてきたわけです。
 また過去記事(→コチラ)でも書きましたが、朝鮮戦争後「がんばれ、クムスン(굳세어라 今順아)」という歌がヒットしました。なお最近の大ヒット映画「国際市場で逢いましょう」もその歌同様<興南撤収>の場面がありますが、そこで生き別れとなった主人公の妹の名はマクスン(莫順?)です。
 ※孔枝泳(コン・ジヨン)の小説にポンスニ姉さん(봉순이 언니)」 (1998)があります。ポンスン(鳳順)は朴景利の大河小説「土地」にも主要登場人物として登場しています。
 ※「愛してる、マルスンさん」(2005)は1970年代末の母子の物語。ムン・ソリが母親キム・マルスン役。
 なお、作家玄基栄(ヒョン・ギヨン)順伊おばさん(순이 삼촌)」という小説がありますが、これはスニ(순이)だけで独立した名前になっています。
 ただ、日本の名前にも流行があるように韓国にも古めかしい名前と現代風の名前があります。1945年・1975年・2005年の男女の名前ランキングが紹介されているブログ記事がありました。→<女の子編>、→<男の子編>、そして→ <2011年版>です。<女の子編>の1945年のランキングでは영자(ヨンジャ.英子or栄子)をはじめ10位中9つが「○자)」。つまり「○子」でした。唯一の例外が9位の정순(ジョンスン.正順)。しかし、これは新しい流行の始まりではなく、最後の事例です。
 要するに、過去このようによく用いられた<○スン>という女性の名前も現代では(30年以上前から)昔風な名前として敬遠されているということでで、キム・ソナ主演のドラマ「私の名前はキム・サムスン(내 이름은 김삼순)」(2005)はまさにその「ダサい」名前が1つのキーポイントにもなっていて(ウィキペディアではなぜか金三と表記。金三順でいいのに)、その名前を言っただけで笑われたりする場面もあったりします。(同じように名前で悩んでいる視聴者多かっただろうなー・・。) 今世紀に入り上記「がんばれ、クムスン」と同タイトルの映画やドラマが作られましたが、モトの流行歌とは関係はないものの、どちらも名前のイメージは重要な要素です。

 ことほどさように子どもの名前としてはほとんど用いられなくなった「トリ」と「スニ」ですが、今もいろんなところで目にします。とくに多いのが何かの団体・組織や催しのマスコット、イメージ・キャラクターの分野です。
 たとえば上述のホドリホスニ。これは今はプロ野球の起亜タイガーズのマスコットとして知られています。
      

  さて、往年の韓国オタクで(なくてもOKですが)、次のマスコットは見覚えがあるでしょうか?
      
  クムドリ(꿈돌이)クムスニ(꿈순이)といい、'93大田エキスポの公式マスコット。<クム(꿈)>とは<夢>のことです。右の画像はエキスポ科学公園内の遊園地として続いてきたクムドリランドのものですが、2012年閉園して今はありません。

 このマスコット、イメージキャラクターとしてのトリ&スニ。現時点での事例を探してみたら実にいろいろ見つかりました。・・・が、それについては続きで。

 このシリーズはあと2回続く予定です。3回目が一番書きたいところで、今回は導入といった感じです。

 →<「ドリ」と「スニ」をめぐるいろいろ ②ポドリ&ポスニ、その他イメキャラの数々>
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韓国の新派劇と新派映画 過去100年の略史 ①今も親しまれている韓国版「金色夜叉」

2015-08-13 19:45:36 | 韓国の文化・芸能・スポーツ関係の情報

 まずは上の画像をご覧あれ。「これは知ってるゾ」と思った人は多いのではないでしょうか?
また同時に、「あれ!? だけどちょっと違うなー」と思った人も・・・。

 そうです。この紙人形はあの「金色夜叉」の名場面の韓国版なのです。

 これは熱海海岸にある<貫一お宮之像>。
 紙人形は同じ構図で、男性が学生帽&学生服にマントというほとんど同じいでたちですが、女性の方はチマチョゴリです。
 この人形は2013年9月南山韓屋マウル伝統工芸館で開かれた紙人形展で展示された物です。(→コチラ参照。)
 つまり、ごく最近のものです。
 今の日本で、「金色夜叉」のこの熱海海岸の場面を見て若い人たちの何割がそれとわかるか、私ヌルボは見当がつきません。しかし、韓国版の方はもしかすると日本以上に韓国の人々に現在も親しまれているように思われます。もちろん、この名場面とともに。ただし韓国版の方は舞台が熱海の海岸ではなく平壌の大同江のほとりの浮壁楼あたりなのですが・・・。
 また、芝居のタイトルも「金色夜叉」ではなく、主人公2人の名をとって「李守一(イ・スイル)と沈順愛(シム・スネ)」になっています。1913年趙重桓(チョ・ジュンファン)が著した尾崎紅葉「金色夜叉」の翻案小説の書名は「長恨夢(장한몽.チャンハンモン)」でしたが、演劇は「李守一と沈順愛」のタイトルで上演されてきたため、こちらの方がよく知られています。
 

 ・・・と、こういったことを私ヌルボが知った契機は、元在福岡・横浜韓国総領事・徐賢燮(ソ・ヒョンソプ)さんの「日韓あわせ鏡」(西日本新聞社.2001)という本。
 ※徐賢燮さんは1990年盧泰愚大統領が来日した時、雨森芳洲に言及したスピーチを<入れ知恵>した人。1993年の田麗玉のベストセラー「日本はない」に対抗して翌年「日本はある」を刊行し話題となった人でもある。

 で、この本によると、徐賢燮さんは少年時代(1950年代?)「何度もその新派劇を観て、哀切な男性主人公の運命に胸が引き裂かれるような思いをしたものだ」とのことです。そして「小学校の学芸会で主人公の李秀一(ママ)を演じた」ことがあり、例の「来年の今月今夜・・・」の台詞の絶叫演技はなかなかの評判だったそうです。

 日本では、「金色夜叉」を学芸会で児童に演じさせるとはちょっと考えられませんね。しかし韓国では半世紀以上前どころか現在でも(アレンジして)けっこうやっているみたいで、初等学校低学年等によるお遊戯の動画はYouTubeでいくつも見ることができます。

 さて、現在日本での「金色夜叉」の公演状況はと見ると、本家の劇団新派が2013年「新釈 金色夜叉」を上演したり(→コチラ参照)、こんにゃく座によるオペラがあったり(→コチラ参照)と、いろんな形で演じられているようです。
 韓国でも、たとえば次のようなものがあります。
     
 左は<フュージョン新派劇>と銘打った演劇(2010年)。右は<無声映画弁士劇>(2012年)、つまり弁士つきの無声映画上映会でしょう。
 そして2013年には・・・。
 <「李守一と沈順愛」100周年記念公演>が催されました。第1部は1913年版、第2部は2013年版となっています。(※ポスター上段に「韓国演劇100年再発見シリーズ4」とあります。他の作品も気になるところです。)
 私ヌルボ、先に(この作品は)「日本以上に韓国の人々に現在も親しまれているように思われます」と書いたのは、さまざまな形での<再生産>に加えて、ネット上や新聞等にも次のような形で登場しているからです。
     
 左は2006年ゲーム関係企業のイグルーが日本のdocomoに相当する大企業SKテレコムに<身売り>したことを批判した風刺画。右は、ソウル高裁が2014年8月李貞姫(イ・ジョンヒ)統合進歩党代表(当時)に対してある保守言論人が具体的証拠もなく「従北」と呼んだのは名誉毀損にあたるとの判決を下したことに対する風刺。
 どちらも「李守一と沈順愛」の例の場面がよく知られているからこそのカリカチュアです。

 では、韓国の人たちはこの「李守一と沈順愛」が日本の「金色夜叉」の翻案であることをどれほど知っているのでしょうか?
 →コチラのブログ主さんは今まで何度も日本に旅行に来ている韓国人ですが、2009年に熱海を訪れて貫一お宮の像を見て、「「李守一と沈順愛」の原作が日本の作品だったとは・・・初めて知った -_-;;」と記しています。最後の-_-;; に気持ちが表われていますね。上記の徐賢燮さんの記事の抜粋画像も参照してください。つまり、モトが日本の「金色夜叉」であることは知らない人の方がずっと多そうです。

 さて、このような事実を知ると多くの日本人は「韓国人はここでも日本のものを勝手に剽窃しているな」と思うのではないでしょうか? しかし近年明らかになったところでは尾崎紅葉の「金色夜叉」にも英米両国で爆発的にヒットしたアメリカ人作家バーサ・M.クレー「女より弱き者(Weaker than a woman)」というタネ本があったそうです。(私ヌルボも読んでみました。) また韓国の「李守一と沈順愛」にも独自性と、1世紀の間親しまれてきた理由もあります。(韓国人も日本人もいろんな<思い込み>はあるということです。)

 実はこの記事は、一応は7月14日の記事<「この映画、シンパ的だな」とはどんな意味?>の続きです。
 その記事を書く時に韓国の新派劇と新派映画の歴史を概観し、とくにこの韓国版「金色夜叉」が長く人々の間に浸透していることを知りました。現代に至るまでの1世紀間に演劇だけでなく映画も何度か作られてきましたが、今回はとくに今の状況から書きました。
 続きでは韓国に「新派」が入ってきた最初の時期から、また他の作品についても書く予定です。

※韓国版「金色夜叉」については姜信子「日韓音楽ノート」(岩波新書)についてもいろいろ詳しく記されています。
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「女性東亜 2月号」より ②芸能人ゴシップ集 大半はどろどろのトラブル。ヨン様は株長者第3位等々

2015-02-23 23:58:49 | 韓国の文化・芸能・スポーツ関係の情報

 私ヌルボの数多い苦手ジャンルのひとつが映画以外の芸能関係。とくに芸能人のゴシップは疎いです。
 韓国の人気芸能人についても同様。
  ※韓国では「芸能人」のことを연예인(演芸人)」といいます。연예(演芸)は연애(恋愛)と発音が似ているので紛らわしい!)
 しかし今回「女性東亜」2月号掲載の「新年芸能街ホットイシュー6 ビハインド・ストーリー」はそれなりに興味深く読みました。
 「そーか、ビョン様やグンちゃんは今こんなことになっているのか」ということと、「韓国の女性雑誌も日本とあまり変わりないみたいだなー」といったことがわかったからです。

 以下、6つのイシュー(話題)というのを画像を中心にかいつまんで紹介します。

脅迫女に対する実刑宣告後 妻の妊娠のウワサが伝わったイ・ビョンホン
【イ・ビョンホンと、夫人の女優イ・ミンジョン】
 過去の女性関係をめぐって、動画をネタに脅迫した容疑で実刑判決を受けたモデルのイ・ジヨンとガールズグループ・GLAMのダヒに対してイ・ビョンホンは「処罰を願わない」と善処を求める意見書を裁判所に提出した。熱かったイ・ビョンホン脅迫事件もこれで終わりとなるのか?・・・という状況下、1月には夫人の女優イ・ミンジョンの妊娠というニュースも報じられ、一時は厳しかったネット世論も好転してきたというのが現況。(上の画像中の赤い折れ線は世論の動向を示すものです。)
 なお、出産予定は4月とのことです。
 ★<Wow! Korea>参考記事(日本語)「イ・ビョンホンの決断で5か月の騒動は終わりを迎えるのか」→コチラ

所属社の会長とのカカオトークのやり取りをめぐる<真実ゲーム>クララ
【「世界第2位の美女」なのか。ふーむ・・・。(あえてコメントしません。)】
 たぶん今いちばんどろどろ状態の1件。モデル&俳優のクララの紹介記事は→コチラ
 昨秋には<クララ、ハリウッドのトップスターたち抜いて「世界第2位の美女」に!>というニュースが報じられたこともありました。(→「中央日報日本語版」。)
 ところが、昨年9月「所属事務所(Polarisエンターテインメント)の会長とのカカオトークのやり取りの中で「性的羞恥心を感じた」との理由でに契約解除を要請。その後12月末、所属事務所を相手に専属契約無効訴訟を提起しました。
 以下、今年に入ってからの事態の推移を追ってみると・・・。関係記事として<Wow!Kore>、<Kstyle>の日本語記事とリンクを貼っておきました。
・1月19日<クララと所属事務所会長のメール公開…ポラリス側「内容は事実だ」>(→コチラ。)
  ・・・・事務所側がメールの内容を公開して反論しました。「性的羞恥心」関連の内容はどこにもなかった。むしろ、クララが先にランジェリーやビキニの画報写真などを送り、会長に意見を求めて、会長は「視線やポーズが魅惑的に上手く写っている」と答える程度にすぎなかった。・・・とのこと。
 多分この頃から「失望した」等々のクララに対する厳しいカキコミがネチズンたちの間から沸騰してきました。
 ネチズンたちはこのカカオトークのやり取りをそのままもちろん画像付きで広めました。(たとえば→コチラ。)
・1月21日<クララ側「生理の周期を知っておくべきという発言に感情が爆発した」>(→コチラ。)
  ・・・・クララ側の再反論。「先日報道されたメッセージの内容は事実だが、クララのイメージを損なうよう順序が大幅に編集されていた」と語り、また「性的羞恥心発言の前にグラビア写真を配置した悪意のある編集に、世論は扇情的な写真を先に送っておいて性的羞恥心を感じるということは話にならないと反応するしかなかった」と主張しました。
 この記事によると、SBSの芸能ワイドショーでも報道したそうです。
・1月22日<事務所と紛争中クララ、広告企業から訴訟危機 “四面楚歌”>(→コチラ。)
  ・・・・しかしついにこうした事態に立ち至ってしまいます。この記事末尾に、「これにネットユーザーは「クララ、残念だ」「悪循環の繰り返しだね」「訴訟どうなるのか」「クララ、頑張ってください」などの反応を寄せている」とありますが、最後の「クララ、頑張ってください」なんてどこにあるの?といった様相。
 ※この「泥沼の争い」の詳しい経緯とネチズンの声については→コチラコチラの記事(日本語)参照。
・1月28日<韓国芸能マネジメント協会「クララ、市場の秩序を乱した…遺憾」公式立場>(→コチラ。)
  ・・・・韓国芸能マネジメント協会は「クララは2012年7月専属契約紛争の端緒となった専属効力停止の事前通報及び契約終了後再契約という業界の慣例原則を無視、一方的に二重専属契約問題の原因を提供したことで、一度再発防止のための注意措置が下された」と発表。
 ここまで追いつめられたクララ。はたして挽回の目はあるの?

脱税に対する非難に覆われた「ビルディング富豪」チャン・グンソク
【グンちゃんは「ビルディング富豪」だったのか。】
 「脱税」よりも「ビルディング富豪」の方に目が行ってしまいました。 なるほど、2012年7月の「中央日報日本語版」(→コチラ)に<「20代不動産富豪」チャン・グンソク、日本渋谷のビル購入>という記事が・・・。「これに先立ちチャン・グンソクは昨年(2011年)3月、ソウル江南区論硯洞にある6階建てビル(現在の相場で1000億ウォン台)を購入して話題になったことがある」とも書かれてますね。そして→コチラは、その<渋谷で話題のビル「ZIKZIN」に行ってきた!!>というブログ記事。ZIKZINとはチャン・グンソクのオリジナルブランドで「直進」の意味なんですと。いやー、私ヌルボ、全然知りませなんだわー。
 で、彼の脱税問題については<“脱税疑惑”俳優チャン・グンソクが番組降板…「時期的に適切でない」>という「中央日報日本語版」の記事(→コチラ)は読みましたが、とくに驚かないのは、たとえば昨夏頃には<韓流女優ソン・ヘギョが脱税、2.5億円の申告漏れ>という報道もあったし(→コチラ)、最近の関連記事では<「チャン・グンソク以外にも3~4人いる」相次ぐ人気スターの脱税問題で揺れる韓国芸能界>というのも見てる(→コチラ)からなー。しかし、ソン・ヘギョは人気ガタ落ちの状態が続いているの? するとグンちゃんもしばらくは厳しい状態が続くのかな?

半分の勝利に終わったキム・ジュハの離婚訴訟の1幕
【MBCの人気アナと外資系証券会社の理事(?)、「人もうらやむカップル」じゃなかったの!?】
 2002年からMBCのニュースデスクのアンカーを担当し、テレ朝のSmaSTATION-4で「韓国で最も人気のある女性ニュースキャスター」として紹介されたこともあるそうですよ。で、2004年に外国系証券会社に勤めていたたカン氏と結婚。ところが2013年9月「9年間夫の常習的暴行に苦しめられた。2人の子供まで暴力にさらされた」との理由で離婚訴訟を提起するとともに、夫の接近を防いでほしいという仮処分申請まで出します。一方カン氏は彼女をを暴力容疑で控訴。・・・って一帯なんなんだ!? で昨年から本格的な裁判に入って、これまでの経緯や財産分割・親権指定等について審理が進められて・・・、うーむ、よくわかりませんがようやく泥沼から脱け出す所まで来たってことかな?

ソン・イルグクがうわさに対処する姿勢
【この子たちが例の三つ子か~!】
 ソン・イルグクといえば、ドラマ「朱蒙」で知られる・・・というのが標準なのかな? いわゆる嫌韓の皆さんの間では2012年8月の「竹島水泳問題」ですか? あとヌルボはどこかで外曾祖父が独立運動家の金佐鎮ということを書いたことがありました。そして2012年3月男の子の三つ子が誕生し、テハン(大韓)・ミングク(民国)・マンセ(万歳)と命名したこともけっこう知られています。(よね?)
 最近以前の彼のマネージャーの月給及び採用についてネチズンの間に非難が高まり、それに対して彼の妻チョン・スンヨンさんがネチズンたちに対して多少感情的な発言をして問題が広まったが、ソン・イルグク自らが公式に謝罪した、ということのようです。<Kstyle>の関係記事は→コチラ
 「女性東亜」の本文記事を読んでみましたが、なんでこんなつまらんこと(書きませんけど)をネチズンたちはあげつらうのだろう?というのがヌルボの感想です。
 ※→コチラの記事にも三つ子を連れて外出という写真が載ってます。こういう姿が伝えられるかぎり、悪口を言う側が非難されるでしょうねー。

⑥芸能人の株富豪第5位、豊国酒精の奥様パク・スネ
【「80年代を代表する清純美女」だったって? 知らんなー・・・。】
 さすがに<輝国山人のホームページ>には小さいながらも昔の写真が載ってます。(→コチラ。) しかし→コチラの<ネタりか>の記事の見出しも<芸能界の株長者5位、俳優パク・スネって誰?>ですからねー。それによると豊国(プングク)酒精工業代表理事のイ・ハンヨンさんと結婚して芸能界を引退して、現在同社の理事なんですと。キム・ジュハの結婚と対照的ですねー。
 で、芸能人株富豪のその他の上位者を見てみると次の通り。
 1位=ヤン・ヒョンソク →紹介記事
 2位=イ・スマン →紹介記事
 3位=ペ・ヨンジュン
 4位=パク・ジニョン →紹介記事
 5位=パク・スネ
 つまり、正確には「芸能人の株富豪」というより「芸能人出身者の株富豪」ですね。芸能人の中でプロダクション等の経営や財産の運用等で犀角のある人がこういう番付に名前が上がるということです。

 最初に書いたように日本の芸能界事情もよくわかりませんが、その中で起こるもめごとといい、こうした女性誌が記事に取り上げる(多くがどろどろトラブルの)ネタといい、やっぱり共通しているなあと思います。もっとつぶさに観察すれば何か違いが見えてくるかもしれませんが・・・。あ、事務所と所属タレントの関係なんかはかなり違うかな?

 うーむ、クララのどろどろゴシップについて長々と書きすぎてしまったな。
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「女性東亜 2月号」より ①双子の兄妹を連れたイ・ヨンエ(44)の今

2015-02-16 23:59:47 | 韓国の文化・芸能・スポーツ関係の情報
 横浜市立図書館で、「もしや?」と思って久しぶりに「女性東亜」2月号を見てみました。
 「もしや?」というのは、例のナッツリターン事件を契機に話題になっている<財閥家族>関係のことが載っているかと思って、ということです。
 で、案の定というわけだったのですが、その件に入る前に芸能人関係の話題や写真がいろいろ興味深いものがあったのでまずそちらから。(やっぱり「新東亜」が<理>とすると「女性東亜」は<気>といったところですね。)

 まず最初は最近のイ・ヨンエ

 2009年8月に在米韓国人と結婚したと報じられた彼女。その後11年2月に二卵性双子の男の子と女の子を出産しました。
 そして今年1月で44歳に。2人の子供ももう5歳になるんですね。早いものです。

 ホントにかわいい盛りです。 
 この男の子の扮装は、EBSの番組「集まれディンドンデン(모여라 딩동댕)」の人気キャラクターポンゲメン(번개맨.稲妻マン)。家族全員がこのポンゲメンのファンで、この写真もその公演会場で撮影されたものです。女の子の後ろに稲妻マンの姿が半分写っています。
 最初の写真下の見出しも<쌍둥이 엄마 이영애의 ‘번개’(双子のお母さんイ・ヨンエの‘稲妻’)>となってます。‘電撃ショット’といったところでしょうか?
 ※この記事は「女性東亜」の公式サイト(→コチラ)で見られます。

[蛇足] よけいなことですが、私ヌルボ、ちょっと思い出したのが日本のイナズマン(→ウィキペディア)のこと。しかし、これだけ違えば問題ナシでしょうね、たぶん。画像検索結果は、→イナズマン、→ポンゲメンです。ポンゲメンの方がいかにも優しそう。

 さて、芸能人関係の次の注目記事は、<새해 연예가 핫 이슈6 (新年芸能街ホットイシュー6)>なんですが、6つの話題の多くはドロドロのトラブル関係で・・・、って長くなりようなので続くということで・・・。(またか。)
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「マセ」とは何!? 韓国版メビウスに、今はなきマイルドセブンの名残り

2014-11-17 21:24:49 | 韓国の文化・芸能・スポーツ関係の情報
 私ヌルボ、一応タバコは吸わない人ということになっています。「一応」というのは、たまにもらいタバコを吸っているからです。
 先日、そのタバコを恵んでくれる人、すなわちお酒の好きな(タバコも好きな)T兄(ヒョン)が1本2本ではなく、メビウスを2箱もくれました。ラッキー!ですが、また一段堕落への階段を下っているという見方もあるでしょう。(ま、それはそれ。)

 このタバコ、元はというと仲間の一人が金浦空港内免税店で買ったもので、メビウス一族の中でもニコチン0.10mg、タール1.0mgという一番軽いヤツです。

 韓国タバコについての→コチラの過去記事で書いたように、韓国でもメビウスの人気は高いようです。で、その記事ではメビウス(MEVIUS)のハングル表記は「메비우스ではなく、本来のドイツ語に拠り뫼비우스となっています」と書きましたが、韓国サイトを見ると메비우스も뫼비우스の4分の1くらいはありますね。つまり間違いともいえないということ。

 ところで、このメビウスが、その表記を見てみると・・・。片側(画像左)にはカタカナで「メビウス」。文字がでかすぎて、「ウ」の大部分と「ス」の全部は隠れてしまっていますが・・・。
   

 そして問題はもう片側(画像右)です。こちらにはハングル。しかし「뫼비우스」でも「메비우스」でもなく「마세(マセ)」となっているではないですか!

 「マセ」とは読めても、何のことなのかわからない人も多いのではないでしょうか? これについても先の過去記事で書きましたが、要するにイルドブン」の略語なんですね。

 そもそも2013年2月に名称を変更した理由が、「マイルド」など、健康への害が少ないと誤解を招くような表現をたばこに使うことを規制する動きがヨーロッパなどで広がってきたからとのことでした。JTが海外での販売拡大を目指して改称にふみきったというわけです。
 ※「ライト」という言葉も同様ですが、こちらは健康への影響を明示したうえで、引き続き使用することになった。
 ※2012年8月のJT社長の説明(→コチラ)によると、新名称MEVIUSはMILD SEVENからMとSを受け継ぎ、進化を意味する英語EvolutionからEとV、さらにブランドとお客様のつながりを意味するⅠ and U(You)からなる造語なんだそうです。(いかにもとってつけたような・・・。)

 韓国では、今年5月(←たぶん)からメビウスのソフトパック限定版に上記のようなイキサツのある「마세(MAH-SHE.マセ)」の呼称をつけて発売したということは、おそらくメビウスへの改称後も「マセ」の愛称は存続してきたということかもしれません。(未確認ですけど。)

 ところでこの「マセ」のケース、開けようとしてちょっと戸惑いました。ふつうのケースと勝手が違うのです。
  

 横の「PUSH HERE」という所を押して内箱をスライドさせ、上部のすき間部分の紙を破って取り出すサイドスライドボックスという型なんだそうで、2004年に都内限定タバコとして発売された「ALPHABET」というタバコがこのタイプの日本最初のものだったそうですが、知らなかったなー。あ、今はないそうです。

 なお、韓国でマイルドセブン関係の話題では、3.11大震災&原発事故の後、「原料のタバコの葉が福島産で汚染されている」ということで避けるべきだとの情報が日本よりはるかに深刻なものとして広がったことがありました。その後国内の原料を使うことで鎮静化が図られたという経緯があったようです。
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[韓国語&韓国文化] 「大砲」「朝貢」「私生」が3大キーワード・・・って何のこと?

2014-10-12 23:18:52 | 韓国の文化・芸能・スポーツ関係の情報
 大体オヤジ雑誌で若者文化や流行語等が取り上げられた時は、その時点で当の若者からは「今頃になって・・・」と冷ややかな反応しか返ってこないのが常のことです。
 今回のネタもその一例かもしれません。

 (日本の「文藝春秋」のような)韓国のオヤジ月刊誌「新東亜」10月号を見ていたら、次のような小見出しが目に入ってはました。

 대포(デボ), 조공(チョゴン), 사생(サセン)・・・3대 키워드

 3대 키워드(3大キーワード)はいいとして、その前の3つの言葉は何だ?
 一応思いついたのは大砲朝貢(?)・私生(??)という漢字。
 実はこれで正解だったのですが・・・。

 何の記事かというと、見出しは次の通り。
  경제력으로 10대 팬 제압(経済力で10代のファン制圧)
  스타 쫓느라 학사경고, 사직(スターの追っかけで学士警告、辞職)

 ※この記事は「新東亜」のサイトで読めます。(→コチラ。当面の間有料。)

 つまり、最近はアイドルグループ等の追っかけの主力が10代から20代に移行してきていて、その熱の入れ方がスゴイ!という主旨の記事です。
 しかし、それがなんで大砲だの朝貢だのと関係があるの? ・・・と記事を読んでみて初めてわかったのが以下のこと。・・・というか、もう一昨年頃から日本語サイトにも出てきている言葉だったのですね。したがって、そんなことはとっくに知ってるよ、という人はけっこういるかも。

 まず、「大砲」とは大砲のようなでかい望遠レンズを装着したカメラのこと。→コチラの記事(日本語)の写真を見るとわかります。けっこうな一眼レフと望遠レンズをもっていますが、この記事にもあるように「スターたちに密着して写真を撮るオタク」のことを찍덕(チクドク)というんですね。※찍덕は찍다(撮る)+오덕후(オタク)の合成語。
 で、こんな「大砲」でアイドルを撮る女性ファンを대포여신(大砲女神)とか대포누나(大砲お姉さん)というんだそうです。
 その中でもSHINeeのファン(←샤월(シャヲル)というらしい)の大砲女神がよく話題になっているようで、昨年8月よみうりランドの波プール前でのステージでSHINeeがミニコンサートをやった時、1人の大砲ヌナが撮影しようと服を着たままプールの中に入って警備員に注意され、それに逆ギレして警備員を殴って逮捕されたということがあったそうです。(→コチラ。) いやはや・・・(その1)。

 2つ目の「朝貢」とは何かと思ったら、スターへのプレゼントのこと。しかし、かつての천마리학종이(千羽鶴)のような物とは全然違って高価でスゴイ物がいっぱい! →コチラのブログ記事(元記事は→コチラ)によると、日本円だと数万円~数十万円の高級食品やブランド品、音響機器、家電製品・・・だけでなく、100万円もするホームシアター・・・だけでなく、千数百万円もする外車(!!!)という事例まであるとは! いやはや・・・(その2)。
 こんな豪勢なプレゼントは一個人というよりも朝貢レベルだ、ということで「朝貢」というようになったそうです。また、所属会社が最初から露骨に朝貢を要求することもあるとは、ますますもってけしからんことです。
 そんな中で、朝貢を断ったり福祉施設に寄付したりしているスターもいるのはそれなりに救いではありますが・・・。
 また今年8月、「KARAが250人のファンに食べ物を配るという「逆朝貢」イベントをやったとのニュースもありました。(→コチラ。)
 しかし、「朝貢」の意味がわからないと「逆朝貢」と言われてもチンプンカンプンですね。

 3つ目の「私生」ですが、これはアイドルの私生活までズカズカ侵入してくる、当のアイドルにとってみれば迷惑きわまりない追っかけのこと。
 これについては、私ヌルボが愛読している<JBPRESS>のアン・ヨンヒさんの記事(→一覧)の中にありました。昨年11月の「韓国人アイドルが最も恐れるサセンファン」と題した記事です。(→コチラ。) これによると、とくにJYJとかEXOなんかタイヘンなことになってるようですよ。男子トイレにまで入り込んできたり、メンバーの兄の結婚式にまで乗り込んできたり等々。そして→コチラのブログ記事によると、合鍵を作って本人たちがいない時に入り込み(!)、ひどいい場合は眠っている芸能人に触ったりキスしようとする(!!)サセンもいるんですと! いやはやいやはや・・・(その3)。 
 こうしたサセンに対して冷静に迷惑を訴えたり、またブチ切れたりもしているアイドルの気
持ちもわかります。しかし人気商売だからけっこう堪えているのかもなー・・・。

 いずれにしろ、金と時間をかけなければこんな熱烈なファンをやっていられないので、「新東亜」の記事にあるように10代はとてもムリ、20代が主力に・・・ということになるわけですが、それでも相当な金と時間を費やすため、大学生だと学士警告(←留年しそうだぞという警告)を受けたり、勤め人だと職を失ったりするというはめになるという事例も多いのだそうです。

 いやー、私ヌルボとはあまり縁のないこういう世界にどっぷりハマり込んじゃってる人たちがいるんですねー。
 ヌルボの知り合いのK-POPファンの人たち、気をつけてくださいね。知り合いじゃない皆さんももちろん同じですよ。
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横浜・放送ライブラリーで見た韓国の人気バラエティ番組「無限挑戦(無限商社編)」

2014-10-03 23:50:34 | 韓国の文化・芸能・スポーツ関係の情報
 9月28日の記事(→コチラ)で書いたように、横浜の放送ライブラリーで10月13日まで<日韓中テレビ番組上映会>が行われています。
 私ヌルボ、9月28日に「無限に挑戦」を見てきました。その時のメモを列挙します。

 「無限挑戦(무한도전)」は、MBCで毎週土曜日午後18:30 - 19:50に放送されているバラエティ番組で、視聴率上位20にも常にランクインしている人気番組です。
 ※韓国ではムド(무도)と略称されているそうです。
 ※KNTV(→コチラ)でも放映しているので、日本のファンも多いと思います。コチラのタイトルは「無限挑戦」と「に」が入っていて、放送ライブラリーもそれに合わせたのかもしれません。

 バラエティ番組なので、内容はゲーム等いろいろ。→5月28日の記事で紹介したように、今年5~6月にはレギュラー6人の視聴者参加型リーダー選挙が大々的に行われたりもしました。

 したがって、1回分だけのこの<日韓中テレビ番組上映会>ではどういう回を選んだのかと思ったら、2013年4月27日放映の「無限商社編」でした。一応1話完結のドラマ仕立て。といっても、レギュラーたちが歌う場面もあり、ゲスト出演あり、もちろんお笑いネタもわんさか。
 しかしストーリーの基本設定はけっこう、いやそれ以上に深刻。呼ばれて社長室に行ったユ・ジュソク部長が命じられたのは、期待した昇進の話等ではなく、部内で誰か1人を整理解雇(정리해고)しろとのこと。つまりリストラです。
 で、その部下たち、つまりチョン・ジュナ課長、パク・ミョンス次長、チョン・ヒョンドン代理、そして平社員のノ・ヒョンチョルハ・ドンフン(ハハ)の中から誰を選ぶか、という苦渋の選択を迫られるのです。その話を聞いた5人はもちろん戦々兢々。それぞれに首を切られたら困るという事情を訴えます。(←俳優の名と役名が皆同じ。)
 たとえば、夜は夜で代理運転をして稼いでいるとか、双子が生まれたので大変だとか・・・。(このあたり、韓国社会の厳しい現実をモロ反映しているんだろうなー・・・。)

 実は、この回はMBCentertainment によって17に分割されてまるごとYouTubeにアップされています。
 その<#16>(→コチラ)で、チョン・ジュナ課長が机上に置かれていた社長名の解雇通告を見て茫然とする場面があります。(その前に、部長に声をかけられて昼飯に高価な寿司をたらふくおごってくれるのですが、部長自身そのことを言えなかったんですね。←やっぱり韓国でも寿司は御馳走。)

 ま、観客席からどっと笑いが起こるような場面もたくさんあるんですけどね。(実をいうと、笑いのツボは韓国と日本(orヌルボ個人?)との間にはちょっと違いがあるような・・・。)
 きっちり見てみようという向きは→<#01>からドーゾ。

 ゲストについて。<#6>から「人間型ロボットの試作品を作る」というプロジェクトに挑んだ5人、それぞれヘンテコなロボットを作り上げたのですが、<#9>ではその強度テストということで2人の女子バレー選手が登場。キム・スジヤン・ヒョンジン。どちらも国家代表のメンバーです。
 ※試作品は「시작품(試作品)」ではなく「시제품(試製品)」となっています。こちらがよく用いられているようです。厳密には「시작품」はまだ研究開発段階の物で、それに対し「시제품」は生産技術部署の担当で、製品化が近い、ちゃんとした図面等もある段階の物とのことです。

 そしてヌルボが見なおしたのは、久しぶりに見たチャン・ギハ。今知ったことですが、彼はこの番組とは縁が深いのですね。(委細省略。)

 <#4>の中で、下の画像のシーンが・・・。


 ユ・ジュソクが指さしながら「キミはあの<安物コーヒー(싸구려 커피)>を飲んでいた・・・」と言ってます。
 話の筋に合わせて「풍문으로 들었소(うわさで聞いてた)」を歌ってます。(この歌は映画「悪いやつら」(原題「犯罪との戦争」)のOST。)
 <チャン・ギハと顔たち>がその「싸구려 커피(安物コーヒー)」で注目されたのが2008年。その時のようなヒゲと眼鏡なしで登場すると、マジメそうな秀才に見えますね。
 そして最後の<#17>で彼は1人で「서른즈음에(30歳の頃に)」を情感たっぷりに歌っています。

 ※この歌はソン・シギョンもなかなかいい雰囲気で歌っています。(→コチラ。) ま、キム・グァンソクのオリジナルが名曲だから・・・。

 ・・・ということで、哀切な雰囲気の中でこの回の番組は終わります。

 9月28日は、この番組に続いて中国で昨年から大人気という「漢字英雄」。動画検索すると、この番組がたくさんヒットしますが、ヌルボが見たのは2013年7月11日の→コチラ
 漢字を、それも4字熟語なんかも聞いただけでその総画数を即答する驚くべき少年や、ネコ好きというか、自身ネコになりきってる(!)高1女子等々が登場してホントにオモシロイです。中国語がわからなくても、見ていればどんな問題かもわかるし(←漢字の熟語中のピンイン部分の漢字を答える)、もしかしたら正解できるのもあったりして・・・。

 この放送ライブラリーについては、このほかにも注目!という事柄があるのですが、それはまたいずれ。
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横浜にある放送ライブラリーで視聴した韓国のTV番組「儀軌、8日間の祝祭」はベンキョーになった

2014-09-28 23:50:35 | 韓国の文化・芸能・スポーツ関係の情報
 たまたま新聞で知ったのですが、一昨日(9月26日)から横浜の放送ライブラリー(横浜情報文化センター内)で<日韓中テレビ番組上映会>という企画が始まっています。(10月13日まで。)
 日韓中3ヵ国のテレビ番組計14作品を上映するというもので、その内容は放送ライブラリーのサイト(→コチラ)で見ることができます。
 韓国の番組は次の4作品です。(説明文はそのままコピベ。)

・「星から来たあなた」(SBS・ドラマ) ・・・・400年前に地球に舞い降りた宇宙人男性と、傍若無人なトップスター女優との奇跡的なラブストーリーを描いたロマンティック・コメディ。
・「儀軌、8日間の祝祭」(KBS・ドキュメンタリー)
 ・・・・200年前の文書「儀軌」に記録された8日間の祝祭の様子を、映像で復元したミステリー・ドキュメンタリー。
・「無限に挑戦」(MBC・エンターテインメント)
 ・・・・ユ・ジェソクと5人の出演者らが様々な芸能パフォーマンスに挑戦する中で、笑いと感動を伝える代表的バラエティ番組。
・「韓国紀行 光州編」(都市紹介番組) ・・・・韓国西南部にある光州では、南道文化の神髄を見ることができる。光州の味や大自然をテーマに紹介する。

 このリストを見て、「あ、これは見に行かなければ!」という気になったのは「儀軌、8日間の祝祭」があったからです。
 この番組のことを知ったのは、今年5月7日の韓国の映画の興行成績の記事(→コチラ)を作成した際、<DAUM映画>のネチズンのランクで1位になっているのを知ったからです。つまり、KBSが昨年10月に放映した番組がその後映画化され上映されたのですね。
 その記事でも書きましたが、内容は1795年に正祖が大量の人馬(随行員6千人・1400頭)を動員し、膨大な費用をかけて行った昌徳宮から水原への8日間の行幸を、当時の記録すなわちが「朝鮮王室儀軌」の中の8巻本「園幸乙卯整理儀軌」を元に再現するとともに、その一大イベントを実施した正祖の目的を探るというものです。
 ちなみにヨ・ジングがナレーションを担当。原題は「의궤, 8일간의 축제」です。

 そんなわけで、27日放送ライブラリーに行ってきました。
 放送ライブラリーのある横浜情報文化センターは、自宅から関内駅近くの駐輪場までバイク、そこから歩いて10分、計20分弱で行けるのは実にラッキーです。

 同じ建物の日本新聞博物館には何度も行きましたが、放送センターは初めてです。


 全14作品の上映プログラムです。


 放映会場といっても、学校の教室ほどの広さもないスペースにパイプ椅子を40ほど並べ、そんなに大きくもないディスプレイがセットされている所。私ヌルボも含めて、入場者は3人だけでした。(翌28日も2~3人(!)でした。)

 で、見た感想。 一言で言って、ベンキョーになりました。
 母(恵慶宮洪氏)の還暦祝いという(表向きの)目的の8日間の大がかりな正祖の行幸を、俳優や多数のエキストラ等により再現し、それに「儀軌」の絵を折り込んだりCGも駆使しつつ、時系列に沿って詳しくたどっています。
 たとえば、漢江を36艘の舟を並べて木材で繋いだ舟橋を造って渡ったこと、2日目の午後雨の降る中を黄金の鎧を身に着けて水原に着いたこと、5日目の還暦祝いの宴での料理や舞、水原に着いてからの父(思悼世子)の墓参や華城で行われた将勇営の軍事訓練等々。(ドラマ「イサン」でもいろいろ出てきたか・・・。)
 そして、このような再現を可能にしたのがまさに「園幸乙卯整理儀軌」に驚くほど精緻に描かれた絵と、細かな点まで具体的に書かれた記述ということです。
 8巻中の1巻には112枚の絵が収められ、それらには随行した官人・武人、行列を見物する庶民等、多くの人たちの表情まで描かれています。
 文字記録の部分には、このイベントのため調達したや馬、多くの物品の値段も記されているそうです。妓生たち個々の名前や下着のことまでも・・・。(!)
 また、国王の行幸の記録としては、この「園幸乙卯整理儀軌」が初めて印刷本として作成され(絵は木版、字は金属活字)、計102部作られたそうです。

 ところで、上掲の説明文中に「ミステリー・ドキュメンタリー」とあり、ヌルボも「(表向きの)目的」などとちょっと思わせぶりな書き方をしてしまいましたが、実はなんということはない、正祖がこの一大イベントを行った真意は、対抗勢力である老論派に対する軍事的なねらいがあったということなんですけどね。

 この番組の動画が<YouTube>にあるかなと探してみたら、→コチラに始まる4編のシリーズがあるにはありました。しかしこれは計40分くらいで、今回放映されたものより20ほど短く、構成も少し違うようで、テロップも付いてなかったりしています。
 で、5月7日の記事に貼った映画の予告編に続く第2弾の動画を貼っておきます。



 翌28日にも行って「無限に挑戦」と中国の番組「漢字英雄」を見てきました。どちらもおもしろかったですが、これらについてはまた今度。
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KBSテレビで仁川アジア大会の開会式を見る

2014-09-20 21:31:12 | 韓国の文化・芸能・スポーツ関係の情報
昨日(9月19日)、仁川アジア大会開会式ということをふと思い出しました。KBSの番組表(→コチラ)によると1時間前の17:30から22:00までずっと中継されるようなので見てみました。
 ただパソコンのメモリー不足のためか音声は途切れがちで、映像もしばしば不鮮明。NHK-BSでも中継していたのですが、ウチは(今どき)見られない(!)んで・・・。

 この画面で、空に飛び立っている鳥のようなものは、仁川アジア大会のシンボル。エジプト神話の太陽神であるホルス(→ウィキペディア)のシンボルである翼のある太陽と、フェニックス(不死鳥)を組み合わせたものだそうです。


 また、開会式が開かれる仁川アジアド主競技場もホルスの目の形をしているということです。

    

 ま、そう言われてみればそう見えるような・・・。

 それから、画面を見て気がついたのは、アナウンサーの前に置かれたマスコット。

    

 アラ、これは見たことあるゾ・・・と思い出してみると、先月末のソウル旅行。金浦空港の空港鉄道構内にありました。


 写真を撮った時には、韓国によくある造形物の1つくらいに思っていましたが、実は仁川アジア大会のマスコットだったのか!
 ・・・で、どんな意味が、と思って調べてみましたが、今朝(20日)からスタートした毎日新聞のリレーコラム<仁川からの風>にわかりやすく書かれているではないの。
 つまり、今大会の公式マスコットのゴマフアザラシの3兄妹なんだそうで、ピンク色の末っ子の妹は韓国語で踊りや舞を意味するチュムをもじったチュムロ、青色の次兄は、風(パラム)から命名したパラメ、ベージュ色の長兄は、光(ピッ)から名付けたピチュオン。
 このゴマフアザラシは「仁川の西、北朝鮮との国境に近い黄海上に浮かぶ白翎島(ペンニョンド)に生息する韓国の天然記念物」で、この記事によれば「北へ南へ境界線もなく自由に回遊するアザラシの起用には、朝鮮半島の緊張緩和のみならず、各地で衝突が続くアジア全体の融和への願いが込められている」と書かれています。
 しかし、白翎島は<VisitKorea>(→コチラ)でも紹介されている観光地でもありますが、下の地図のように2010年10月に北朝鮮から砲撃をうけ韓国軍兵士2人と民間人2名が死亡した延坪島(ヨンピョンド)より北に位置する島。昨年12月には北朝鮮により数千枚ものビラが撒かれたりもしています。(関連記事→韓国語。→日本語。)
 そんな現実を考えると、ちょっとなんだかなー、です。



 開会式で繰り広げられたイベントについては、パソコンの状態がどんどん悪化したためよく見られず。
 他のブログ記事等によると、有名人では以下のような人たちが参加していたようです。

 JYJ、PSY(サイ)、EXO、BIGBANG、CNBLUE、SISTAR、チャン•ドンゴン、キム•スヒョン、そしてラン・ラン(中国のピアニスト)。 ※PSYとラン・ランのツーショットは→コチラ

 また、ノーベル賞候補といわれる詩人高銀(コウン)作詞の「アシアドの歌」が著名なソプラノ歌手チョ・スミによって歌われました。※その歌詞(韓国語)は→コチラ参照。
 この歌ですが、さっそくYouTubeにアップされていましたので貼っておきます。


 韓国映画ファンとして注目は、韓国映画界の大御所イム・グォンテク監督と、「トンマッコルへようこそ」等のチャン・ジン監督がそれぞれ総監督と総演出を担当したこと。イム・グォンテク監督、78歳にもなるのにたいしたものです。
 で、たぶん歴史物語のようなものが演じられるんだろうなあと思っていましたが、案の定。


 テロップにあるように、「高句麗建国の始祖・朱蒙の息子として生まれ、今の仁川である彌鄒忽(ミチュホル)に・・・」と朱蒙の次男沸流(ピリュ)を紹介しています。ドラマを見た人にはおなじみ?
 しかし、朝鮮戦争の時の仁川上陸作戦までこのイベントで描かれたどうかは未確認。
 (先の白翎島といい仁川の歴史といい、ヘタに説明すると対立のモトになっちゃうからなー・・・。)

 各国選手団の入場行進の時にはパソコンの状態はさらに悪化。マレーシアとかモンゴルが出てきたので、もう日本は終わったのかなと思ったらカナダラ順(日本風に言えばアイウエオ順)だったので、最後の方で日本、北朝鮮、中国等々が次々と登場して、最後が韓国。

    

 画面はもうドロドロ状態なので先はもう見るのをやめました。
 今朝の新聞記事によると、朴セリが大きな太極旗(韓国国旗)を運ぶ役。聖火トーチを持って会場入りしたのは読売ジャイアンツにいた李承燁(イ・スンヨプ.現・三星ライオンズ)、そして聖火に点火したのは双子のママになってるあのイ・ヨンエ
 ホントに外国にまで知られている顔ぶれ総動員といった感じですね。

 で、「毎日新聞」の澤田克己ソウル支局長は今朝の「韓国社会の分裂が影」と題した記事で、セウォル号沈没事故以降の保守派と進歩派の対立等の状況下で「韓国社会の関心は、とても高いとは言えない」と現地のようすを伝えつつ、「韓国選手の活躍で盛り上がり、一時的にでも一体感を取り戻せたら喜ばしい」とさめた筆致で期待感(?)を記しています。
 現地(と澤田支局長自身)の雰囲気がよく伝わってくる記事です。

 私ヌルボも、たぶん大多数の日本国民同様そんなに関心があるわけではありません。とくに愛国心てんこ盛りの韓国メディアの報道には毎度のことながらうんざりします。
 昨日はさっそく日本のホッケーチームの選手が現地の練習場の高校で女子生徒に友好のつもりで配ったバッジが旭日旗に似ているということで問題になってしまいました。(→産経の記事。)
           
 上の日本ホッケー協会のロゴをあしらったバッジなんだそうですが、協会が近頃の韓国での旭日旗さわぎを知らなかったとしても知っていたとしても、ウカツなことです。もちろんそれ以前に韓国の旭日旗理解の問題は当然ありますが・・・。日本政府として公式に説明するか、あるいは朝日新聞(や統一教会やチベットの旗等々も??)をはじめとする類似のものも全部否定するか(!)、ちゃんと対応しないといつまでも同様のことは起こると思います。

 スポーツ、文化関係のネタなんであんまり「なんだかなー」の内容は書かないようにと思いましたが、結局はムリでしたねー(笑)。
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CRAYON POPの新曲の日本風歌詞(?)にダメ出ししたのは韓国の公営放送KBSならではのこと

2014-05-01 09:41:50 | 韓国の文化・芸能・スポーツ関係の情報
 昨年(2013年)6月発売のシングル「빠빠빠(パパパ)」で大ブレークした韓国の女性5人組アイドルグループCRAYON POP(크레용팝) 。
 ※→YouTubeでは「빠빠빠(パパパ)」のアクセス数は現在16,761,248 に上っています。
 そして今年4月1日には新曲「オイ(Uh-ee.)」を発売。これも好調な出足、なんですが・・・。
 ※「オイ」は「オイキムチ」の「オイ(오이)」=キュウリじゃなくて「어이」。「ちょっと」とか「ねえ」といった意味、かな?

 このところ、K-POPの最新情報には疎くなっている私ヌルボ、この「オイ」の歌詞が一部で問題になっていることを数日前に知りました。

 この「オイ」の歌も今YouTubeで動画を見ることができます。(→コチラ。)
 なんというか、全然色気ナシのグループで、「コレのどこがいいんだヽ(`Д´)ノ」というオジサンも多い(?)と思いますが、二昔ほど前のポンチャクにも似た(?)メロディや、農家のおばさんを思わせる頬被りに伝統的な農耕儀礼みたいな(?)振り付けなんかは親近感を覚えます。歌詞も、聞く人が元気になるような内容です。
 ※その歌詞については、→コチラのブログ記事に原文とそのカタカナ表記、そして日本語訳が載っています。

 で、問題になったというのは、歌詞の中の「삐까뻔쩍 나도 한번 잘 살아 보자(ピカピカっと私も一度ちゃんと生きてみよう)」という1節中の「삐까뻔쩍」の部分。
 最初の「ピカ」が「삐까(ピカ)」で、後の方の「ピカ」は「뻔쩍(ポンチョク)」となっています。つまり「ピカポンチョク」。ふつうの韓国語だと「뻔쩍뻔쩍(ポンチョクポンチョク)」なのですが・・・。

 これに「待った!」をかけたのが韓国公営放送KBSです。4月3日のニュース(→「聯合通信 日本語版」)によると、この「삐까(ピカ)」というのは「日本語的な表現」ということでKBSが放送不適合の判定を下しました。
 その後CRAYON POP側は삐까뻔쩍」の部分を「뻔쩍뻔쩍」と修正するということで再申請し、KBSで再審議の結果4月9日通過したことが各メディアで伝えられました。

 日本では、4月4日の<J-CASTニュース>が「いまだに韓国では日本語歌詞はご法度だった 新曲の一部に「ピカ」、これで「不適格」判断」と題した記事(→コチラ)でこれを伝えました。KBSについてだけではなく、いろいろ多角的に書かれた記事ですが、この見出しの文言は誤解を招きそうです。
 ヌルボ思うに、ポイントは歌詞を変更することになったのはKBSだけで、MBC、SBS、Mnet等々他局ではすべてOKということ。したがって、「韓国では日本語歌詞はご法度」ではなく「KBSでは日本語歌詞はご法度」です。

 つまりKBSが独自の社内組織の判断でダメ出しをしたのですが、ではその理由はなぜでしょうか?
 私ヌルボが考えるに、「KBSだから」ということがかなり大きいのではないでしょうか?

 ちょうど今書店に出ている「文藝春秋」5月号に、元NHKアナウンサー加賀美幸子さんと国語学者の金田一秀穂さん(金田一春彦さんの息子)の対談が載っています。(→コチラ。) テーマは<アナウンサーが気になる日本語>で、加賀美さんは、たとえば「一段落」「他人事」「三階」をそれぞれ「いちだんらく」「ひとごと」「さんがい」と読むのは「アナウンサーには基本中の基本」とおっしゃってます。「大地震」「おおじしん」です。(皆さん、いかがですか?)
 リクツとしては、たとえば「10分」「10本」は「ジップン」「ジッポン」と読むのが「正しい」というのは一応わかるとしても、「ジュップン」「ジュッポン」となんの疑問もなく言っている100人中(たぶん)90人以上に正面切って「君の日本語は間違っている!」と非難できるものでしょうか?
 しかし、「正しい」日本語を維持し後の世代にも伝えるというのがNHKのアナウンサーとしての使命感で、それはそれで意味のないことでもないとは思うのですが・・・。(歯切れのよくない書き方だな。)
 ※以前韓国の修学能力試験の「日本語」で出題された「3分」「14分」等の正しい読みを選ぶ問題を思い出しました。(→コチラ。)

 そして、韓国のKBSにも同様の使命感、プライドといったものがあるのでは、と思います。
 「正しい」韓国語を広めるために、KBS子供向けの本も出したりしています。以前そんな本の1つを読みましたが、たとえば「コンガンハセヨ(お元気で)は文法的に間違い!」といったような虚しい啓蒙記事も載せられていました。(→関連過去記事。)

 「ピカ」がなぜダメか、という問題に戻ります。
 韓国には日本語由来の言葉は「正しい韓国語ではない」という基本コードがあります。たぶん、80年代後半(?)以降の民族主義の高まりとともに「親日」批判の風潮が強くなったことと関連しているのでは? 以前は漢字交じりだった新聞・雑誌等がハングル書きに変わっていったことと相まって確立されたのではないかと思います。

 たとえば、<일본어에 물든 우리말(日本語に染まった韓国語)>という韓国サイトがあります。(→コチラ。)
 全部で650もの日本語由来の言葉をリストアップし、すべてに「正しい韓国語」を付しています。
 同様のサイトや書籍は多数ありますが、それはまた、戦後もそのような多くの言葉が長く韓国で用いられてきたということも示しています。
 この、ホントにご苦労さんな作業に最も熱心なのがたとえば国立国語院やKBSでしょう。
 意識としては、「反日」というよりも、「正しい韓国語」確立という「純粋な気持ち」で行われてきたというのがヌルボの見方です。

 とはいうものの・・・。
 以前、チャーハンを食べる時、グリーンピースを1つ1つ、全部つまみ出してどけている少年がいました。あまりに細かく「倭色」の除去にこだわる韓国人(の一部)もそれと似ているかも・・・。醤油をかけるかソースをかけるか等(=他の外国語)には無頓着で、ただグリーンピース(=日本語)はライスを掘り返しても見つけて取り除くという感じ。
 ※北朝鮮では英語の単語を朝鮮語に直している例が韓国よりずっと多いのは、もちろんアメリカが敵国だからでしょう。

 こんなKBSの強い使命感の例として思い出したのが→コチラの「おでん」に関する記事です。韓国でごくふつうに使用されている言葉の「오뎅(オデン)」に対して、KBSのアナウンサーが「正しい韓国語」の「어묵(オムク)」に固執している、という図です。→コチラのブログ記事のカキコミでは
つい「オデン」と言ってしまったアナウンサーもいたそうですが・・・。
 ※この「オデン」問題については、あの黒田勝弘産経新聞ソウル支局長も書いています。→コチラ

 あ、「オデン&オムク」問題に深入りしたらキリがないゾ・・・。

 つまり、韓国で「言語浄化運動(国語純化運動)」が展開される中で、「倭色語(왜색 말.日本語由来の言葉)排斥ツール」が基本ツールとして定着した結果、とくに上記のような「正しい韓国語」推進の担い手を自任するKBSとしては、ほとんど自動的に倭色語に反応するということ。で、CRAYON POPの歌の「ピカ」もその鋭敏なセンサーに引っかかった、ということでしょうね。

 しかし、「言語浄化運動」も正確には反日運動というよりも韓国自身のアイデンティティ確立のためだし、「倭色語排斥ツール」も政治的な「反日」志向の有無・濃淡と関係なく「自動的」に作動するものなので、日本人としては過度に目くじらを立てるほどのものではないと思います。

 むしろ、先に引用した<J-CASTニュース>の記事にもあるように他局はOkだし、大邱の地方紙「毎日新聞は批判しているし、「ネット上でも英語はコピーしてよくて日本語はダメなのか? これは審議員がおかしい」といった批判的な声が多いということだし・・・。むしろ、KBSの措置に否定的な空気の方が強いんじゃないの?
 ※「毎日新聞」(大邱)の当該記事(→コチラ)を見てみると、真正面からの批判記事ではなく、ネチズンの否定的な反応の紹介とともに、クレヨンポップの所属事務所の代表がイルベ(韓国の極右的(?)コミュニティサイト)会員であるとの疑惑を読んでいて非難を受けている等とも書かれています。
 また、かなり強くKBSを非難しているブログ記事はたしかにあります。たとえば→コチラ
 「西暦2014年の現在、大韓民国は日本と対等な位置にある自由民主国家なのに、日帝強占期のような被害者意識を持って生きるとは理解しがたい」とか、「英語などもなくしたら? KBSという社名は、なんで?」とか、「KBSのドラマのタイトルにも「차칸 남자」のような正字法から外れたものがあった。KBSの審議委員会は二重基準では?」といったことが書かれています。
 ※正字法では「착한 남자(チャッカンナムジャ.優しい男)」。

 しかし、見たところ、この「歌詞修正事件」は大きな論議をよぶほどのイシューにもなっていないようです。
 色濃い民族主義とはそれなりに距離をおいていると思われる<エンハウィキミラー>の「CRAYON POP」の項目(→コチラ)には、「最近の歌謡には英語もたくさん出てくるのに、なんで日本語はだめなのかとの反駁もあるが・・・」との声も紹介しながらも、「これはウィキラーたちの判断にまかせます」と一歩引いた説明文になっています。

 どうも、日本語色の排除については韓国人でも人によって見解が分かれるようです。
①=倭色語はダメだ!と強く思っていて、その排斥や正しい韓国語への転換に熱心な人
②=①のように情熱的ではないが、倭色否定は当然と考えている人
③=倭色の否定はわかるが、今回のような細かい点までダメ出しするのはやりすぎ、と考える人
④=英語には寛容で、日本語に厳しいという点に疑問を感じている人
⑤=このような規制自体に対してはっきり反対の意見を持っている人
 ・・・と分けると、私ヌルボが大雑把に見るところでは、大方の韓国人は②~④なのでは? その比率はよくわかりませんが・・・。
 そして長い目で見ると、今は過渡期だと思います。つまりだんだんと変わってきているし、これからも変わっていくのでは・・・。

 日本のメディアでは、日本人読者が驚くような、とくにカチンとくるようなニュースを報道するのが常ですが、すべての韓国人をそれで判断するのは早計です。
 例の旭日旗(&みたいなもの)抗議・排斥運動にしても、韓国内でも「度を越した過敏症」という新聞投稿もあるし(→コチラ)、「ほとんどビョーキ。日本の極右と同じ」というカキコミ(→コチラ)もあるんですけどね。
 あ、このネタもおもしろいのですけど、今回もまた長々と書いてしまったのでこのへんで・・・。
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[韓国KBSの年越し番組] <あの島>でソ・ムンタク(&警備隊員たち)が「アリラン」歌ったよ 

2014-01-06 22:01:35 | 韓国の文化・芸能・スポーツ関係の情報
 あけましておめでとうございます。
 2014年最初の記事です。2010&12年の暮れ~正月には、過去1年の総括・反省とか、新年の抱負とか書いたりしてました。
 昨2013年は、書いたところでどうせ有言不実行になるようなことは書かない方がよい、といったような言いわけじみたことを書きました。
で、今年はそれさえも書かずじまい。
 年々人間としての劣化が顕著な私ヌルボであります。自覚がある分、劣化しきってはいないのが救いか・・・。

 暮れから5泊6日で徳島県の実家に帰省し、一昨日の晩横浜に戻ってきました。
 徳島ではほとんどコタツにもぐり込んだまま、ふだんは見ないTV漬け。とくに深夜の特別番組。「ドキュメント72hours」(←アイディアの勝利ですね)や「にっぽん縦断 こころ旅」(←思いの籠った手紙文がキモですね)の連続放映とか・・・。
 あっ、「中島みゆきの名曲を秘蔵映像で!!」というのもなんとなくTVつけてたらやってたなー。チラと本人が出てきたりして・・・。(で、すぐいなくなっちゃうのがあざとい演出ね。)
 ついでにその番組中の「一般の人500人に聞いた中島みゆきさんのベストソング」の順位は次の通り。
 ①地上の星 ②時代 ③空と君の間に ④糸 ⑤ファイト ⑥銀の竜の背に乗って ⑦ヘッドライトテールライト ⑧歌姫 ⑨命の別名 ⑩荒野より
 なるほどねー・・・。

 大晦日の夜は例年のように自分で年越しそばを作って、食べながら見たのが韓国KBS1の年越し特別番組。(インターネットでリアルタイムで視聴できます。)
 私ヌルボ、韓国オタクではありますが、韓国の年越し番組を見たのは初めて。
 「새해맞이 특별생방송 아리랑 코리아(新年を迎える特別生放送 アリラン・コリア)」というタイトルで12月31日の22:50から1月1日00:50までの2時間、ソウルのKBSホールを拠点に全国各地を結び、ステージでの歌や踊り等と各地のようすをおりまぜて構成しています。

 番組の総合司会はシン・ドンヨプファン・スギョン。シン・ドンヨプは人気MC、ファン・スギョンは日曜17:40~19:00の「開かれた音楽会」等を担当してるアナウンサーね。
  
   【シン・ドンヨプは43歳か。とんがった所がないのがKBS向き、かな? 】

 シン・ドンヨプはKBS2で月曜夜(23:10~24:30)に「国民トークショー アンニョンハセヨ」、同じくKBS2で土曜の18:15~19:55には「不朽の名曲2・伝説を歌う」をやっているし、元はといえばSBSで特別採用ギャグマンとしてデビューしたそうですが、近年はKBSへの貢献度大ですからね。そういえば、10年ほど前の「ハッピー・トゥゲザー」で当時のアユミ=現在のICONIQと一緒に出てたのを去年6月再放送で見たなー。(→関連過去記事。)
 彼は2012年上記2番組が評価されてKBS芸能大賞を受賞しましたが、10年前の2002年第1回KBS芸能大賞も「ハッピー・トゥゲザー」の人気で受賞してるというのは今ウィキペディアで知りました。

 で、上記の「各地を結んで・・・」の各地というのを順に見ていくと、まず最初はソウルの鐘閣。ここは韓国で除夜の鐘といえば当然ここ!ですね。
 ※韓国の除夜の鐘についての過去記事は→コチラ

 それから、釜山・全州・大田・大邱といった地方の大都市。

  
     釜山の竜頭山公園。鐘閣があったんですね。行ったことはあっても思い出せない・・・。】

  
      全州の豊南門。私ヌルボ、行ったことはありますが、人が大勢集まれるほど広かったかなあ?】

    
  大田市庁南門広場。なかなか立派な鐘楼には「ハンバッ(한밭)鐘閣」と記された額があります。※ハンバッは大田の古称。】

  
   大邱市国債報償運動記念公園。うーんと、「国債報償運動」ってのは・・・、何? →ウィキペディア。】

 見ていてふと思ったのは、お寺でもないのに鐘楼があるのはなぜ?ということ。これは今後の課題。(そのまま自然消滅するかもしれないけど・・・。)

 それから都市ではない所で1ヵ所、 (韓国にとって)欠かせない所とは・・・

  
      「独島!」。この強風も演出のうちか・・・、てなわけはないわなー。】

 強風の中、それも離島の深夜、がんばってますねー、リクツ抜きで。

 さらに番組を見ていると、海外から中継。
 まずは北京

      
       【在中国の韓国人少女たち。あ、少年も若干いるみたい。】

 次に東京からの生中継というのが出てきました。

  
       【どこかと思ったら、韓国文化院。】

 左のカヤグム等を弾いているのは在日の方々、右はサムルノリを演奏してますが、日本人なのだそうです。アナウンサーは2ヵ国語で話しかけてました。

 中国の後に日本、というのが昨年来の日中韓関係を反映しています。(??)

 そしてニューヨークでは、集まった人たち、例の馬ダンスを踊ったりしてましたが画像省略。
 続いて昨年11月に来日したAileeが現地で歌ってました。彼女を知らなかったという方は→コチラ参照。

 大邱でのイ・スンチョルの熱唱のあと、いよいよ新年直前のカウントダウン。

  
 【すごい人出の普信閣周辺での秒読みあと20秒のようす(左)。5ヵ所で同時に2014年の始まり! ・・・って当たり前か。】

 年が明けると、日本では伝統邦楽が流されるのと同じ趣向か、韓国ではやっぱり国楽。
 ・・・ということで登場したのが<国楽の神童>とよばれていたソン・ソヒ

  
  【「배 띄워라(船を浮かべよ)」という歌なので船に乗って登場。このマイクの握り方は麻丘めぐみ、いや天地真理以来か?? 】

 ソン・ソヒがMBCののど自慢で大賞を受賞して注目されたのが2008年か。この女の子は知ってるぞ。いつのまにか大きくなってるなー。昨年高校生になったばかりなのか。これまでの歩みは→コチラの動画で。
 YouTubeにも彼女の歌う「배 띄워라」がありました。→コチラ。(2012年9月)

 番組の最後の方になって、くだんの「独島」からソ・ムンタクの歌う「アリラン」を生中継。
 ソ・ムンタクはクリスマスの日に鬱陵島に渡ったものの強風のため船が出ず、結局31日ヘリコプターで来たとか。

  
 【ソ・ムンタク、強風を物ともしないパワフルな歌手ということで指名されたのかな? 警備隊員諸君がバックで歌ってますよ。】

 彼女はクリスマスの日に鬱陵島に渡ったものの、強風のため船が出ず、結局31日ヘリコプターで来たとか。
 「独島」でのこうした公演(?)は初めてとのこと。
 この「領土」にかける韓国人の熱い思いというか「思い込み」というか、リクツを抜きにして判断すると日本の負けですね。(ヌルボがそう望んでいると誤解しないでください。)

 「独島」の後は、ソウルの街中。オーケストラの伴奏で「愛国歌」の全員合唱。

  
 【どこだろ? あ、仁寺洞のサムジキルですね。字幕に「確固として、明確なわれわれのイヤギ(物語)があることを」とあるのはいかにも韓国らしい。】

 国歌斉唱が終って、司会2人のしめの言葉があって、終わりと思ったら、ステージで各地のアリランのメドレーが続きます。

     
  【KBSホールの観客もみんな踊るのかな?と思いましたが、それはなかったです。】

 ゆったりした雅な「旌善(チョンソン)アリラン」→しみじみと落ち着いた感じの「尚州(サンジュ)アリラン」→リズミカルで力強い「海州(ヘジュ)アリラン」→映画「風の丘を越えて」を思い出してうるっとなってしまう「珍島(チンド)アリラン」→朗々としたハイトーンが印象的な「密陽(ミリャン)アリラン」→日本人にもよく知られている一般的な歌謡調の「アリラン」と続きました。

 アラ、最後のステージでも中央にソン・ソヒちゃんがいますよ。

  

 もう長すぎるほど書いたので以下は省略。2NE1とかEXOとか、その他にもいろいろ出演してましたが全部載せるわけにもいかないのでゴメン。あっっ、あのキム・ヨナの新年の抱負もとばしてしまった! ファンの皆さんごめんなさい。

 さてと、一応この2時間番組を通して見てわかったことは以下の通り。

①主要都市にはなぜか鐘閣があり、大晦日には大勢の人たちが集まってカウントダウンをする。
②「独島愛」はもう骨がらみ状態かも。  
③司会者の言葉等にもしばしば<自負心>とか<文化強国をめざして・・・>のように民族主義的アイデンティティは自明のものといった言葉がしばしば出てくる。
④「アリラン」は「愛国歌」をはるかに凌駕する歌である。それでも、「愛国歌」は日本における「君が代」の存在感よりずっと大きく、骨がらみとまではいかなくても肉の部分には食い込んでるみたい。


 最後に、つけたし。
 この番組を見て、さっそく元日に<コネスト掲示板>に記事を投稿した方がいらっしゃるんですねー。(→コチラ。)
 それによると「番組名のみならず、例年とは内容も若干変わっていたように思われます」とのこと。ふーむ。
 また、鐘つきカウントダウンが、従来の「ソウル・普信閣」から5都市同時になったことについて、「忠清道地域1、全羅道1、京畿道・江原道・済州ゼロで慶尚道地域が2都市なのが気になります」とか「ふだん「広域市」を語る際に忘れられがちな大田の「市庁南門広場」の登場に、大田市民たちは感涙しました。←うそです」という指摘も興味深いですね。
 「どの都市の鐘つきにも、韓国のお家芸である「ピンク韓服の男性」が見当たらなかったのは残念」とありますが、「ピンク韓服の男性」というもの自体知りませなんだわ。

 ふー、つけたし部分だけでも長くなってしまった。あいかわらず、というか、いちだんと、ですねこれは・・・。
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最近の韓国、なぜか80~90年代の名作映画の再上映ブーム その背景は?

2013-11-17 06:31:57 | 韓国の文化・芸能・スポーツ関係の情報
 1つ前の記事で<책받침녀(下敷き女)>のことを書きました。
 横浜市立図書館で見ていた11月9日付の「朝鮮日報」の<오싱•라붐•레옹•터미네이터… 너희들 갑자기 무슨 바람이야>という見出しの記事の中にあった言葉です。
          

 訳すと<「おしん」「ラ・ブーム」「レオン」「ターミネーター」…アンタら急にどうした風の吹き回しなんだ?>
 つまり、最近韓国で相次いでいる主に80~90年代の懐かしの映画の再上映の状況と、その背景を考察した特集記事です。
 <책받침녀(下敷き女)>も、「ラ・ブーム」で人気となったソフィー・マルソーを指す言葉として出てきたというわけです。

 私ヌルボも、毎週火曜日に連載している韓国内の映画興行成績の記事を作成する中で、昨年来、とくに今年に入って往年の人気作品が次々と上映され、また好評であることに気はついていました。

 この「朝鮮日報」の記事であげられている作品は以下の通りです。
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 「おしん(오싱)」 ※(1)・「Love Letter(러브레터)」(1995)・「ラ・ブーム(라붐)」(1980) ※(2)・「スチューデント(유 콜 잇 러브)」(1988)「ニュー・シネマ・パラダイス(시네마 천국(シネマ天国)」(1988)「恋する惑星(중경삼림.重慶森林)」(1994)・「愛人/ラマン(연인)」(1992)・「八月のクリスマス(8월의 크리스마스)」(1998)・「ターミネーター2(터미네이터 2)」(1991)・「レオン(레옹)」(1994)
 ※(1) 「おしん」は1984年韓国語版書籍が6巻で刊行。韓国版映画は1985年監督イ・サンオン、おしん役イ・ミニ(김민희)等で公開。この映画では、おしんは朝鮮人の少女となっていて、貧しい家の口減らしのため日本人の家に送られる、という設定になっている。詳細はいずれ別記事に(?)
 ※(2) →コチラによると「ラ・ブーム」は韓国では公式には公開されていなくて、1986年「ラ・ブーム2」が公開されて「ラ・ブーム」の存在が国内に知られるようになり、その後ビデオテープとTVを通じて韓国の観客はこの映画に出会うことができた、とのこと。

 これら以外でも「アメリ(아멜리에)」・「ジュラシック・パーク(쥬라기 공원)」・「タイタニック」・「慕情(모정)・「ウェストサイド物語(웨스트 사이드 스토리)」・「グラン・ブルー(그랑블루)」・「サウンド・オブ・ミュージック(사운드 오브 뮤직)」・「ドラゴン怒りの鉄拳(정무문.精武門)」等が再上映されています。

 上記作品の中には今年5月7日の記事でも書いた名画座のシルバー映画館での上映作も混じっていますが、それだけでなくロッテシネマ系列等相当数の映画館で上映されているのです。

 私ヌルボは、韓国は日本同様の高齢社会の上、最近は1960年前後生まれの韓国でのベビーブーム世代も引退を迎える時期となって、昔を回顧する彼らが主な観客層かな、となんとなく思っていました。
 ところが「朝鮮日報」の記事によると20代の観覧客の割合が非常に高いとのことなのです。
 今年再公開の映画6編の前売り状況の調査結果では20代が32%、30代が37%で、計約7割。「レオン」と「八月のクリスマス」では20代の前売り率が50%を超えたとのことです。

 このようなブームの背景について、大学の教授や評論家は次のように分析してます。

・10〜20代の若い世代がこれらの映画にひかれるのは、疲労感を感じる現実の競争社会からの避難所を探すためである。特に義理人情などに裏打ちされた人間関係に安定感を感じる。
・今は感動がない時代。アイドルやマクチャンドラマ(事故や不治の病、意外な血縁関係等「お約束」の展開のドラマ)は溢れているが、癒しは得られない。「おしん」や「Love Letter」は涙を流し、感動したい、人生の希望を得たい、という願いに応えてくれる。
・"英雄の不在"という現実が1980〜90年代を呼び起こしたという見方もある。今は大衆文化の洪水の時代とはいえ、 "本当の英雄"、"本当のレジェンド"は見つけがたい。チョー•ヨンピル、ユン・ボッキ、パティ•キム等は本物のスターだった。彼らは経済成長と相まって将来のビジョンを提示し、文化を導いていった。この頃は未来にバラ色の夢を描きにくい時代なので、過去にそうした夢を投影している。。

 スマホとは無縁だった頃のアナログ時代の恋愛に純粋さを感じる、という感想もあります。「八月のクリスマス」での手紙をめぐるいろいろや、「Love Letter」にもありましたね・・・。
 ある評論家は「今、私たちは切なさ(애틋함)への渇望、人間らしかった時代の欠乏などの情緒欠陥障害を抱えている」とコメントしています。
 そういえば、昨年ヒットした「建築学概論」も時代設定は現在ですが、90年代の学生時代の恋愛に基づいた物語で、同じテイストがありますね。

 「朝鮮日報」の記事では、このような「映画界の中の'過去探し(과거 찾기)'ブームは、2011年に観客750万人を動員した映画「サニー 永遠の仲間たち」がその始まりと見ています。1970年代を描いた作品で、家族対象の映画として若い層も見たため"新復古族(신복고족)"が現れ、その後彼らの好みに合う映画の上映が続いた、というもの。
 また、このような胸がジーンとなるアナログ的純愛ブームは10年あまり前、日本でも同様の現象があったとか。「世界の中心で、愛をさけぶ」のことかな? 「ALWAYS 三丁目の夕日」も?

 韓国社会を見ていると、以前の日本と同じ道を歩んでいるな、と思うことが多々あります。私ヌルボの持論で<日韓を分ける24年差の歴史>というのがありますが(→コチラコチラ)、この過去の名画ブームもそうかもしれません。ただ、年差は10年くらいに縮まっているのかな?
 それから、韓国のDVDのレンタルショップ事情はどうなっているのかな、ということも考えましたが、その点については私ヌルボ、よくわかりません。
コメント (2)
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