ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

①韓国文学②韓国漫画③韓国のメディア観察④韓国語いろいろ⑤韓国映画⑥韓国の歴史・社会⑦韓国・朝鮮関係の本⑧韓国旅行の記録

高校生にすすめる本360冊(1998年版&増補) [8]

2013-09-29 20:05:22 | 高校生にすすめる本360冊

 今回は、社会問題や戦争等をテーマにしたノンフィクションの後半の犯罪関係や、体験記、ルポ等々です。

☆印はとくに推奨。×印は品切れまたは絶版中の本(多すぎる!) △は絶版・品切れでも単行本なら出ている本。
150松本清張日本の黒い霧文春文庫150=清張は推理小説ばかりではない。下山事件等、戦後まもない時期の権力による謀略事件の謎を執拗に追及する。
151=安易に死刑を肯定している人、その実態を知っていますか? 死刑執行人になれますか? 「死刑」(現代書館)や「死刑廃止を考える」(菊田幸一.岩波ブックレット)も参照のこと。
152~154=犯罪実録にもいろいろある。152は権力の犯罪ともいうべき冤罪(えんざい.=無実の罪)。岩波文庫にも野間宏「狭山事件」がある。153は4人射殺した上2昼夜人質をとって立て籠もった銀行強盗の人生の軌跡。154は言語を絶する猟奇的殺人鬼の記録。これを読んでも死刑反対を唱える私はヘンかも。
155=ニューヨークのスラム街ハーレムで暮らした女性カメラマンと黒人住民との交流、さまざまな問題提起。
156・157=異常な政治状況の中で人々は・・・・。156は「アンネの日記」(文春)と併せて読んで。自分が非ユダヤの一市民だったらということも考えよう。157は60年代中国の文化大革命の渦中にあった十代の少年が、今ね当時の略奪・私刑・下放等の体験を鮮烈に、痛切に綴る。映画「芙蓉鎮」もぜひ観て! 文革関係では鄭念「上海の長い夜」(文春)も文庫化した。
158~160=<知られざる国>北朝鮮の驚くべき実態。158は拉致された韓国の映画監督夫妻の体験記。159はあの飛行機爆破事件の犯人の告白。特異な体制下でのエリート一家の生活と、ドラマチックな事件の全貌。160は収容所からの決死の脱出行。
161=かつて社会主義は正義を求める人の希望でありねここに描かれた中国共産党の長征も<偉業>とされた。が、今や毛沢東も李志綏「毛沢東の私生活」(文春)で実像があらわに。
162=辛亥革命以前~現代、祖母から著者まで女性三代の実録でたどる中国現代史。<あの「大地」を超えた>との宣伝文句も決して大げさではない名著。とくに文化革命期は強烈。
163・164=優れたフィールド・ワーク。163を読むとわれわれ“文明人”の生活や思考様式即“マトモ”とは決していえない。164は消えゆく伝統社会の民俗と人情の貴重な記録。
165=動物や未開人との<自然な>ツキアイの記録。トラにも動じない著者に驚嘆。ウ○ムシまで食う話には思わずオエッ!
166=世界各地で<食>を手がかりに文化や社会の問題を考える。貧困地帯で残飯をあさったりするのがすごい。
167・168=インドは途方もない国だ。そこでは当たり前のことが、われわれの“常識”を揺さぶる。168の著者はカメラマン。
169=千人中の紅一点として北洋船団に乗り込んだ女性船医の奮闘記。好奇心旺盛な著者に感心。船や漁業の知識も増す。
170=マゼランは、フィリピンで<野蛮人>に殺されたという<通念>は捨てるべし。原地人の視点で捉え直した世界史の真実。
151大塚公子死刑執行人の苦悩角川文庫
×
152
佐木隆三ドキュメント狭山事件文春文庫
153毎日新聞社会部破滅
梅川昭美の三十年
幻冬舎文庫
154シェクターオリジナル・サイコ早川文庫

155
吉田ルイ子ハーレムの熱い日々講談社文庫
156ヒース思い出のアンネ・フランク文春文庫
157陳凱歌私の紅衛兵時代講談社現代新書
158崔銀姫
申相玉
闇からの谺(こだま)文春文庫
159金賢姫いま、女として文春文庫
160姜哲煥
安赫
北朝鮮脱出文春文庫
161スノー中国の赤い星ちくま学芸文庫

162
ユン・チアンワイルド・スワン文春文庫
163本多勝一ニューギニア高地人朝日文庫
164宮本常一忘れられた日本人岩波文庫
165西丸震也動物紳士録中公文庫
166辺見庸もの食う人々角川文庫
167堀田善衞インドで考えたこと岩波新書
168藤原信也印度放浪朝日文庫
169田村京子北洋船団女ドクター航海記集英社文庫

170
本多勝一マゼランが来た朝日文庫


 158~160で北朝鮮関係が3冊。それ以前から北朝鮮の実態はさまざまに伝えられているのに、今もなおその体制が存続しているのはなんということか!? 「民族的自尊心」の強い韓国の人たちは、そのことを「民族の恥」と考えないのでしょうか? 
 しかし、北朝鮮の支配者・指導層だけでなく、その人権抑圧に自覚もなく加担している人たちはたくさんいるゾ! (韓国・中国・アメリカ・ロシア、そして日本にも・・・。)

 この1世紀、いや半世紀の間でも、地球上に(「文明人」にとっての)未知の場所がほとんどなくなり、「未開」の地もどんどん変貌している今、ふつうの旅行記録だけでは読者を引きつける時代はとっくに過去のものになっています。
 風呂場だけで読み終えた山口誠「ニッポンの海外旅行 若者と観光メディアの50年史」(ちくま新書)によると、「地球の歩き方」も初期の貧乏旅行のバックパッカー向けから現代のグルメ、ショッピングの消費が主目的のスケルトンツアーといった旅行形態の大きな変化とともにどんどんコンセプトが組み直されてきました。(たしかに・・・。) それも思えばわずか最近の20~30年のことなんですね。
 今やルポを書くのも、どこに行って何を見たか以前に、どんな発想(問題意識、視点・・・)から書くかということが重要、というか、それしかないのかもしれません。・・・というようなことを野村進も「調べる技術・書く技術」(講談社現代新書)で強調していました。むべなるかな、です。

 おっと、まだ全360冊(+α)の半分まで達していないのか、ふう・・・。
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人気作家・崔仁浩(チェ・イノ)が昨夜逝去 ・・・・映画「鯨とり」等の原作者 

2013-09-27 23:56:14 | 韓国の小説・詩・エッセイ
 人の訃報に接すると寂しい気持ちになります。とくに自分と年齢的にあまり離れていない人の場合はなおさらです。
 日本では「逝去」と書くところを、韓国では「별세(別世)」という言葉を用います。

 昨9月25日夜、作家・崔仁浩(최인호.チェ・イノ)が亡くなりました。
 そのことは、→コチラの記事への今朝の「ソウル一市民」さんのコメントで知りました。
 今日の「朝鮮日報(日本語版)」にそのニュースが載っています。

 私ヌルボが崔仁浩のことを初めて知ったのは、やはり映画の原作者としてです。
 過去記事の<150本の中から選んだ・・・ ★韓国映画ベスト20★>で個人的に「不動の1位」に挙げた「神様こんにちは」は、私ヌルボを韓国映画ファン&アン・ソンギファンに導いてくれた(個人的に)決定的な作品ですが、その原作・脚本が崔仁浩でした。

 今、<輝国山人の韓国映画>等をたよりに崔仁浩原作の映画を探ってみた結果を年代順に並べてみました。

①李長鎬監督「星たちの故郷(별들의 고향)」(1974)
②河吉鍾監督「馬鹿たちの行進(바보들의 행진)」(1975)
③河吉鍾監督「ピョンテとヨンジャ(병태와 영자)」(1979)
④裵昶浩監督「赤道の花(적도의 꽃)」(1983)
⑤裵昶浩監督「鯨とり -コレサニャン-(고래사냥)」(1984)
⑥裵昶浩監督「ディープ・ブルー・ナイト(깊고 푸른 밤)」(1985)
※第6回(1982年)李箱文学賞受賞作
⑦郭志均監督「冬の旅人(겨울 나그네)」(1986)
⑧裵昶浩監督「黄真伊(황진이.ファンジニ)」(1986)
⑨裵昶浩監督「神様こんにちは(안녕하세요 하나님)」

 ※①以外は原作だけでなく脚本も担当しています。また<シネマコリア>の記事によると、⑨は「昶浩監督が気に入っていた崔仁浩の小説「神様こんにちは」のタイトルを借り、身体障害者の慶州への旅行を題材にしたテレビ番組をヒントにした監督のアイディアを崔仁浩が新たに脚本として書き下ろした」とのことです。

 ・・・この9本の中で、私ヌルボが観たことがあるのは②③⑤⑥⑨の5本です。どれも当時の韓国の困難な状況の中で懸命に生きる若者の姿を、心情的にも寄り添うような形で描いた作品でした。
 これらの映画について、韓国映画同好会(←今実体あるの??)の植田真弘さんが10年以上前?に「チェ・イノと韓国映画」という記事で彼の小説世界と関連づけて詳しく記しています。(→コチラ。)
 そこで冒頭に掲げられているのが「軽妙・軽快」「通俗的」というキーワード。「なるほど、やっぱりなー」といったところです。

 たとえば、最近の芥川賞作品は大半が映画化しにくいものだし、映画化に際しても「苦役列車」とか「共喰い」とか、いろいろ大変だったのではないでしょうか? 映画ファンも「一人の若者が抱える心の闇と・・・云々」という惹句にどれほど興味をそそられるのか・・・?
 そこへいくと、崔仁浩原作の映画は、ストーリー展開自体が観る者を引きつける力があります。

 彼の作品は90年代以降「商道(상도)」「海神(해신)」のようにドラマでもヒットした歴史物を書いています。
 つまり、そのまま映画やドラマにしやすい作品を次々と生み出すストーリーテリングの才能を40年以上にわたって発揮し続け、多くの人々に親しまれた作家といえるでしょう。
 「朝鮮日報」の記事に対する読者のコメント中にも「われわれの時代最高のイヤギクン(우리 세대 최고의 이야기꾼)」という言葉がありました。

 彼は若い頃から世に認められた作家でした。
 「朝鮮日報」の記事には、1967年22歳で延世大在学中に書いた短編小説「見習い患者」が朝鮮日報新春文芸に当選して文壇デビュー(韓国では「登壇」)したとありますが、すでにソウル高校1年生在学中の1961年青少年雑誌「学園」に「休息」という詩を投稿して優秀賞を受け、高2だった1963年には韓国日報新春文芸で短編「壁の穴に」により佳作に入っています。
 彼が広く知られるようになったのは、1972年「朝鮮日報」に連載された「星たちの故郷」から。<小説100万部時代>を開いた人気作家となり、70年代青年文化の代表者となりました。
 以後今まで数多くの作品を出し続けたその旺盛な創作意欲は驚くばかりです。

 最近韓国では朴景利(パク・キョンニ.1926~2008)李清俊(イ・チョンジュン.1939~2008)朴婉緒(パク・ワンソ.1931~2011)といった著名な作家が相次いで亡くなりました。
 これらの作家と比べると、文学的な深みといった点では譲るかもしれませんが、多くの読者(や映画ファン)に愛されたということでいえば、崔仁浩が一番でしょう。

 映画ではなく、私ヌルボが読んだ彼の唯一の小説は「머저리 크럽(阿呆クラブ)」(2008)です。2009年の過去記事<崔仁浩の小説「阿呆クラブ」 懐かしく描かれた70年代の高校生群像>でその感想を書きました。1970年代の男子高校生の成長小説ですが、内容も文章も読みやすく、とくにヌルボ自身の(60年代の)高校時代とも重なるところが多くて親近感を覚えました。わずか1作だけで作家を論ずるのは軽率ですが、多くの韓国の読者の「彼の小説を読んで読書の楽しさを知った」という気持ちがわかるような気がします。
 報道によると、彼が唾液腺がんの宣告を受けたのが2008年5月。この明るく懐かしい作品はその前に書きあげたものでしょうか?

 その後、がん宣告の2ヵ月後に書き始められたという2011年刊行の長編小説「見慣れた他人の都市(낯익은 타인들의 도시)」は、80年代半ばから歴史物の大作を主に発表してきた彼の現代への回帰として注目され(→関連記事)、また今年3月に刊行した「人生(인생)」はカトリックの「ソウル週報」に連載した闘病生活の中でも思いをエッセイ風連作小説(?)としてまとめたもののようです。
 <'星の故郷'を探しに行った六十八の年作家>と題した「朝鮮日報」の追悼記事によると、彼は最後まで新しい本に書く序文を考えていたとか。作家自身が「환자가 아닌 작가로 죽겠다(患者ではなく作家として死ぬんだ)」という言葉通りの人生の終わり方でした。
 崔仁浩作家の冥福を祈ります。

          

     <小説家・崔仁浩の文学トンネ(町内)>というブログには、彼の訃報がいち早く載っていました。
    
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「慰安所管理人の日記」をめぐる日韓の報道&読者の反応の無視できない大きな落差(下)

2013-09-25 19:14:24 | 韓国・朝鮮と日本の間のいろいろ
 →「慰安所管理人の日記」をめぐる日韓の報道&読者の反応の無視できない大きな落差(上)
 →「慰安所管理人の日記」をめぐる日韓の報道&読者の反応の無視できない大きな落差(中)

 9月5日の記事<「慰安所管理人の日記」をめぐる日韓の報道&読者の反応の無視できない大きな落差(中)>に記したように、韓国では8月20日付でこの日記が「日本軍慰安所管理人日記」との書名で安秉直(アン・ビョンシク)教授の解題つきで刊行されました。(下の画像)

         

 私ヌルボ、「その「読まれ方」については(下)に続くということにします」と書いたものの、20日も間が空いてしまいました。

 この日記発見については、先の記事でも書いたように、日韓両国の新聞等で大きく取り上げられました。
 そして書籍刊行にあたっても<聯合ニュース>が新刊紹介にこの本を取り上げ、また<オーマイニュース>にもこの本の紹介記事がありました。

 しかし、<聯合ニュース>の記事は「朝鮮日報」等の記事をちょっとつまみ食いしたようなもので実際この本を読んだのかさえ疑問な内容です。
 <オーマイニュースの記事>も、第4次慰安団の説明と、「日本軍にる組織的動員と慰安所運営の直接的主導を証明するもの」という本書の「意義」に重点を置いたもので、日記の内容に即した部分はわずかしかありません。

 一方、<ヘラルド経済>の記事は「韓国人らしい先入観」を保留しつつ、日記の内容を具体的に紹介しています。
 シンガポールに移住した後、筆者はタクシー部の事務を担当してから再度シンガポールの菊水クラブで帳場の仕事を再開する。他国で男女が畑仕事をする姿を見て農村生活を懐かしんだり、十五夜の月を見て、いつ故郷の空で月を見ることができるか感傷に浸ったりする一方、行先のわからない人生に対する漠とした不安を表した部分もある。朝鮮植民地支配を正当化するための戦闘映画で知られる「望楼の決死隊」、陸軍将校の未亡人に対する献身を扱った軍人の映画「無法松の一生」などの映画観覧、興南宝くじ8等(50円)に当選した話等の余暇生活もうかがうことができる。
 末端ながらも植民地の知識人グループにあった筆者の歴史意識がうかがわれるくだりは、当時の朝鮮知識人の風景と言っても間違いではないようだ。
 筆者は1943年早々に書いた日記で、「大東亜聖戦2周年の1943年新春を迎え、1億民草はひれ伏し謹んで陛下の万寿無疆であられることと皇室の一層の繁栄されることを奉祝するものである」とし、東に向かって礼をする。また、8月1日ビルマの独立宣言日には「日本 - ビルマ同盟条約を締結し、英米に宣戦布告をした。今後永遠にわが国を盟主としてビルマ国の隆盛することを祝う」と書いた。


 ・・・このように、「現在の」韓国人が、「当時の」朝鮮人の意識や生活を、まずはあるがままに読み取ろうという姿勢はいいことだと思います。(ここから、彼を「民族の裏切り者!」と(現在の韓国人の立場から)非難したり、当時の日本の植民地支配や軍国主義を(現在の日本人の立場から)肯定することは、どちらも「短絡的思考」というものです。)

 さて、この本を読んだ人たちの感想は?
 ・・・と思って<教保文庫><YES21><アラディン>等の大手ネット書店の読者レビューを見てみました。
 ・・・が、アレレ!? ほとんどないのです! (<教保文庫>には全然ナシ。)

 ま、「!」をつけるほど意外なことでもなくて、実は「想定内」だったんですけどね。、
  ①淡々とした内容でおもしろくない。
  ②日本軍のひどい行為が書かれていない。
  ③慰安婦たちの貯金・送金とか、映画鑑賞とか、抱いていた慰安婦のイメージと全然違う。
 ・・・ということが当然予測されましたから。

 一応、その数少ない韓国人読者の感想を見てみます。全3件。これがすべてです。

 まず<YES21>は次の1件だけ。

 ★★★ とても簡単なことだとも言えるが、初めの完全な解題以外は一次資料であるだけで誰かの日記にすぎない。
 日本軍性奴隷にされた女性の思いやりなどを感じる人間の日記ではないので、真剣に状況を想像しながら読むとだんだん気持ちが悪くなる本である。
 必要でないのなら、お金のムダになる可能性が高い本であることを留意しなければならない。


 ・・・この読者は自分の慰安婦像に何ら変更する考えはないみたいです。

 次に<アラディン>

  翻訳者がニューライトの先鋒で、慰安婦を否定した人ですが、どのような意図で翻訳をしたのか分からないですね。本当に、心が不快です。

 ・・・韓国の輿論、学者間の対立、自身の学問的誠実さ等々、安秉直教授にもたしかにいろいろ葛藤はあるかもしれませんね。しかし、安直なレッテル貼りは自分の目を曇らせていまうことになるんだけどな。

 3つ目は同じく<アラディン>より。
 「日本統治期を生きた一般市民の淡々とした記録」と題された長文の感想です。

 ★★★★ この本は、シンガポール、ミャンマー等で「事業」を展開した一朝鮮人の日記を現代語に再構成したものである。 
 著者は創氏改名をして、日本帝国の一市民として生きてきた人だ。
 彼は日本の勝利のニュースに拍手をし、日本の敗北には残念さを感じる「同化された」朝鮮人だ。
 日本に対する反感や、抵抗感はほとんど見られず、ただ時代に順応して生きる人に見える。
彼はビルマで慰安所を経営する。
 慰安所の具体的な風景と日常についての描写はあまり入っていない。
 ただ、今日営業を何時にした、官公署に行ってきた、誰が訪ねてきた程度の単純な記録が大部分だ。
 しかし、その中でも、我々が想像しにくい姿もたまに見られる。
 慰安婦たちに代わって故郷に送金をしてあげたりもし、著者自身も朝鮮にいる家族のために送金をする。
 慰安婦たちの中には仕事をやめて朝鮮に帰る人もいて、帰ったら無事到着したと著者に葉書を送ったりもしている。
 そして、著者は自分の業所で働いていた慰安婦たちと会って別れる時おたがいに涙を流したりもしている。
 虐待や告発の記録を期待した人なら失望するかもしれない。
 反対の立場で日本擁護論を主張する人々も失望するかもしれない。
 極端な両方の立場と想像とは少し違う、ちょっと気が抜けた平凡な日々の記録であるからだ。
 しかし、この淡々と感じられる小市民の記録が、おそらくその時に住んでいた「普通の人」の軌跡であったかもしれないという気がする。
 内容自体は衝撃的な内容もなく、感動的な話もなく、文学的でもない。
 しかし、慰安所を運営していた人の記録だったものが価値として認められると思う。
 一日一日何を食べ、どんな人々に会い、どんなニュースを聞いて、どんな事実に一喜一憂しているかを知ることができるという点で、当時のようすを垣間見ることができるという点は重要であるといえるだろう。
 ただ、歴史や、慰安婦問題に関心がない人なら、(書籍の価格を考慮すると)退屈して、地味に感じられるかも知れない。


 ・・・いやー、私ヌルボ、このborntorun7さんのレビューは大きな共感をもって読みましたねー。
 こういう読者が韓国にもいることを心強く思います。

 ところで、この日記の日本語版はいつ出るのかな?
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韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績[9月20日(金)~22日(日)]

2013-09-24 20:30:35 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 韓国とも映画とも関係ありませんが、横浜みなとみらいのサンマルク・カフェはコンセントがあるのでたまに利用しています。で、初めてベトナム珈琲を飲んでみました。なるほど、フランス譲りの濃くて甘い味で気に入りました。
 関係ない話題その2。「毎日新聞」の将棋欄で、観戦記に「こういう場に立ち会えるとは一生にまたとないほどの幸運」というような言葉まで書かしめたのが羽生3冠の超絶の妙手というか鬼手というか神手というか・・・。将棋ファンでなおかつこの対三浦九段との一戦をご存知ない方はぜひ次のリンク先で驚きと感動を味わってください。→その1(リアルタイム観戦のファンたち「なにこれ、暴発???」とか「高速の自爆」とか言ってますが・・・)、→その2(コンピューターソフトも指された直後は「こんなばかな手はダメ」だと・・・)。→その3(序盤から。「すさまじいものをみました」との感想。)
 いやー、いろんな所に感動の種があるものです。

 さて私ヌルボ、9月20日に観た「《ゲキ×シネ》朧の森に棲む鬼」が今年の60本目。「おもしろかった」と言っても間違いではなく、多くのファンのレビューを見ても好評ですが、「蛮幽鬼」や「薔薇とサムライ」のような昂揚感をいまひとつ感じなかったのはなぜなのかなー? 市川染五郎演ずる主人公の「舌先三寸」の嘘に象徴されるキャラクターの軽さゆえか、肝心な所に空虚感を感じてしまいました。まあ次の「シレンとラギ」に期待するとしよう。

 そして61本目が昨晩観た「凶悪」。楽しかった3連休をこの映画で締めくくろうと思った人は落とし穴にハマった感じだったかも・・・。半分も観ないで出ていった人の気持ちもわからないではありません。ヌルボとしては好みの分野の映画で、見てよかったですけどね。しかし、やっぱり原作本の方が圧倒的に上。何と言っても事実の重みが違います。

 韓国映画に少し関連。今行われている「韓国ドラマ大賞」の第2回中間発表。→作品部門・→男優部門・→女優部門各TOP100。男優部門TOPはやっぱりあの人。女優部門は、え、この人? 私ヌルボ、顔と名前が一致する俳優は男女とも3割くらいかな?

           ★★★ Daumの人気順位(9月24日現在上映中映画) ★★★

【ネチズンによる順位】

①描きたいこと(韓国)  9.6(34)
②リング(韓国)  9.4(31)
③道の上で(韓国)  9.2(62)
④ドラゴン怒りの鉄拳  9.1(46)
⑤グラン・ブルー  8.9(107)
⑥カミーユ、ふたたび  8.9(34)
⑦怪盗グルーのミニオン危機一発  8.9(105)
⑧イン・ザ・ハウス  8.8(33)
⑨パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々:魔の海  8.6(284)
⑩エピック  8.6(223)

 順位の変動はありましたが、今回の新登場はありません。
 
【専門家による順位】

①ザ・マスター  9.0(5)
②悲しみのミルク  8.0(2)
③ビフォア・ミッドナイト  7.7(4)
④雪国列車(韓国・米・仏)  7.6(6)
⑤ブエノスアイレス恋愛事情  7.3(3)
⑥25年目の弦楽四重奏  7.2(4)
⑦グランド・マスター  7.2(4)
⑧うちのソニ(Our Sunhi)(韓国)  7.0(5)
⑨フォックスファイア  7.0(4)
⑩プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命  7.0(3)

 コチラのランキングも新登場はありません。順位・評点も前回とすべて同じです。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[9月20日(金)~22日(日)] ★★★

         「観相」が秋夕(チュソク)休暇で他を圧倒。700万人に迫る。

【全体】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・観相(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・9/11・・・・・・・・・・・・2,220,383・・・・・・・・6,873,516・・・・・・・50,094 ・・・・・・1,239
2(2)・・スパイ(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・9/05・・・・・・・・・・・・・・678,320・・・・・・・・2,843,173・・・・・・・20,426・・・・・・・・580
3(新)・・死霊館・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9/17・・・・・・・・・・・・・・512,390・・・・・・・・・・802,343・・・・・・・・5,822・・・・・・・・553
4(4)・・モンスターズ・ユニバーシティ・・・9/12 ・・・・・・・・・・・・・290,389・・・・・・・・・・637,681・・・・・・・・4,328・・・・・・・・384
5(6)・・怪盗グルーのミニオン危機一発・・9/12・・・・・・・・・・・・268,910・・・・・・・・・・716,133 ・・・・・・・・4,939 ・・・・・・・423
6(5)・・パーシー・ジャクソンと・・・・・・・・・9/12 ・・・・・・・・・・・・・156,408・・・・・・・・・・457,801 ・・・・・・・・3,357・・・・・・・・345
        オリンポスの神々:魔の海
7(3)・・シャドウハンター 骨の街 ・・・・・・9/12 ・・・・・・・・・・・・・137,679・・・・・・・・・・469,732・・・・・・・・3,526 ・・・・・・・・306
8(新)・・フリーバーズ・・・・・・・・・・・・・・・・9/17 ・・・・・・・・・・・・・・27,443 ・・・・・・・・・・39,103・・・・・・・・・・259 ・・・・・・・・213
        :ミンクとチアの都市大脱出
9(7)・・雪国列車(韓国・米・仏)・・・・・・・・8/01・・・・・・・・・・・・・・・22,866 ・・・・・・・9,313,537 ・・・・・・・66,758・・・・・・・・103
10(10)・・うちのソニ(Our Sunhi)(韓国)・・9/12・・・・・・・・・・・・・・13,830 ・・・・・・・・・・38,535・・・・・・・・・・300 ・・・・・・・・・41
       ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 先週19日(木)は秋夕、その前後も休みとなるので、今年は多くの韓国の人たちにとって都合よく5連休になりました。そのためベスト10上位の作品は軒並み動員数アップ。中でも「観相」は先週の189万人をも上回る222万人にまで数字を伸ばし、累積でも700万人超えは時間の問題といったところです。
 今回の新登場は3・8位の2作品だけです。
 3位の「死霊館」は、「ソウ」のジェイムズ・ワン監督によるホラー。全米興収1億ドル突破というのはR指定作品としては異例の大ヒットだそうです。
オカルトブームが流行する1971年、湖のそばの古い屋敷へと引っ越してきた家族ですが、新居には何かが潜んでいて、毎日不可思議な現象に襲われます。恐怖に追い詰められた一家から悪魔祓いの依頼を受けたゴーストハンター夫婦は、一家の妻に邪悪な霊が取り憑いていることに気づく。・・・というあらすじだけみるとありきたりな印象を受けるんですけどねー。韓国題は原題「The Conjuring」からTheをとって「컨저링」。日本公開は10月11日です。日本版公式サイトは→コチラ
 8位「フリーバーズ:ミンクとチアの都市大脱出」は、2010年アルゼンチンのアドベンチャー・アニメ。スターになって注目されたいスズメの"ミンク"と、特別に生まれたのに平凡でありたいカナリアの"チア"の都市脱出プロジェクトを描く。韓国題は「프리버즈: 밍쿠와 찌아의 도시 대탈출」で、そのまま訳して仮題としました。日本公開は未定です。

【多様性映画】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・うちのソニ(Our Sunhi)(韓国) ・・・・・9/12・・・・・・・・・・・13,830 ・・・・・・・・・・・・・・38,535・・・・・・・・・・300・・・・・・・・・・41
2(2)・・ブエノスアイレス恋愛事情・・・・・・・・9/12・・・・・・・・・・・・4,295・・・・・・・・・・・・・・・10,523 ・・・・・・・・・・82・・・・・・・・・・18
3(5)・・グランド・マスター ・・・・・・・・・・・・・・・8/22・・・・・・・・・・・・3,163・・・・・・・・・・・・・・・99,383・・・・・・・・・・720・・・・・・・・・・21
4(2)・・天安艦プロジェクト(韓国)・・・・・・・・・9/05・・・・・・・・・・・・2,676 ・・・・・・・・・・・・・・17,858 ・・・・・・・・・・134・・・・・・・・・・14
5(6)・・25年目の弦楽四重奏 ・・・・・・・・・・・7/25・・・・・・・・・・・・1,962・・・・・・・・・・・・・・102,420・・・・・・・・・・767・・・・・・・・・・・9

 今回の新登場はありません。
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韓国旅行中に見た街のモニュメント等

2013-09-23 23:40:47 | 韓国の路上芸術・びっくりオブジェ等
 今回の記事は、一応<オジサン4人組の結果オーライ韓国旅行のテキトー備忘録>の続きであるとともに、<韓国のびっくりオブジェのいろいろ①>及び<韓国のびっくりオブジェのいろいろ②>の続きでもあります。

 今月の莞島・青山島・温陽温泉の旅の中でも、いろんな所で韓国語でいうところの「造形物(조형물)」を目にしました。とくに鉄道の駅や港、バスターミナル等、街の表玄関には大抵といっていいくらい何かしら像とかモニュメントの類があります。

 ただ今回は<びっくりオブジェ>といえる物にはめぐり会えず。
 逆に、そのわかりやすさにナットク!というのが2つありました。

 1つ目はコレ。

    

 青山島の玄関口にあたる港に立っていたものです。
 私ヌルボ、見た瞬間心の中で「おおーっ」と声をあげましたねー。

 皆さんお分かりになりますか?

 これを見た後、われわれオジサン4人組が近くの食堂で食べたのが当地特産のコレ。

       
  【仲間の1人Yハラボジのようにこの緑色の肝を好き好んで食べる人は少数派、かな?】

 そうです。サザエ。上のモニュメント、まさにサザエの身そのものではないですか。ご丁寧なことに、螺旋形の先っぽの部分、つまり緑色の肝にあたるところは濃い色になっています。このアイディアを陳腐とみるか、独創的とみるかは意見が分かれるかもしれません。台座を見ると「青山島ストーリー造形物」とありました。そのまんまのタイトル。今年の4月にできたばかりです。
 とにかく、このわかりやすさ、具体的表現でとくに印象に残りました。

 2つ目は、温陽温泉駅前です。

         
        【温泉地の駅前ということを念頭におけば、皆ナルホドと思う、かな?】

 温泉マークは日韓共通。(厳密には韓国ではお風呂屋さん(沐浴湯)マークかも。)
このモニュメント上部はやっぱり温泉マーク風の湯気を形象化したものですね。そしていくつもの泡が配置されています。
 ただ、プレートに刻まれたタイトルは「超我の奉仕」。これを建造した地元のロータリークラブがモットーをそのまま付けたようです。

 次に、莞島(ワンド)の旅客船ターミナル前。


     
          【これは相当でかいです。】

 これは何を形象化したものか? 私ヌルボは説明文を読むまでわかりませんでした。
 クジラの尾(!)なのだそうです。それと「人」の字を組み合わせたもの。(どこが?)
 しかし、これはモニュメントの前の広場の平面に大きく描かれた絵と合わせて見るもののようです。

     
       【莞島の生んだ歴史的英雄・チャンボゴ将軍!なんですが・・・。】

 つまりは、ドラマ「海神」の主人公チャンボゴに関わる像なんですね。8~9世紀東アジアの海を舞台に活躍した将軍というか何というか・・・。詳しくは→ウィキペディアとか→KNTVの番組紹介とか→「海神」の公式サイト(日本語)を参照してください。

 ところで、この造形物は芸術性を追求したオブジェと見るものなのか、先のサザエや温泉の湯気&泡のような地元の誇りを象徴するモニュメントなのか、そこらへんの境界が正直言ってよくわからないのですよ。

 最後にもう1つ。

 再開発の進むソウル・龍山駅の前です。

     
            【なんだ、このメビウスの輪みたいなのは?】

 先を急いでいたので、説明等は見ずに1枚撮っただけ。うーむ、というしかありません。

 また、龍山駅構内に入ると、何やら盛り土の上に石やら何やらが雑然と置かれた所がありました。
  

   【最初後ろ側(左)から見て「何だ?」と疑問に思い、前に回って見たら灯篭だの甕だのがありました。(右)】

 整然とした日本の庭園とは対照的に、ほとんど手を加えず無造作な自然のままが朝鮮の庭園の特徴だそうです。(→参考過去記事。)
 しかし、この庭園(?)には美しさというより、なんか「グジャグジャ」とした感じを受けてしまいました。

 この後、旅行の記録の続きとしては、ありきたりですが食べ物関係、宿泊関係を予定しています。

※<韓国のびっくりオブジェ>関係記事[2014年5月16日の追記]
 →<[これは芸術か? それとも・・・・] 韓国のびっくりオブジェのいろいろ①> →<[馬鹿でかい手とか、魚とか、カニとか・・・] 韓国のびっくりオブジェのいろいろ②《巨大系》>
 →<[高い所に座ったり、空中を歩いたり・・・] 韓国のびっくりオブジェのいろいろ③《フシギ系》>
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[韓国の<聖地>上海 ①] 韓国は歴史の中に「戻るところはない」という古田博司教授の発言は疑問が・・・ 

2013-09-22 23:49:49 | 韓国の時事関係(政治・経済・社会等)
 「正論」その他の右寄りの雑誌ではほぼ毎号のことですが、「文藝春秋」10月号でも「日中韓百年戦争にそなえよ」という大仰なタイトルで識者たち7人による座談会を組んでいます。
 顔ぶれは大和総研副理事長・川村雄介氏や元駐韓国大使・小倉和夫氏を含め、皆過去or現在大学で教職にあった人ばかり。
 その人たちが「くり返される歴史認識問題の本質を論じ尽くす」ということですが、読んでみるととくに目新しい知見や注目に値する発言はなく、最近の中韓のモロモロにイラついているor憤っている多くの読者の感情に沿った内容でした。
※この特集記事に対しては、→コチラのブログ記事が内容の概略とともに良識ある感想を載せています。

 その中で、今回私ヌルボがとくに疑問を感じたのが、中韓との歴史観をめぐる対立についての古田博司筑波大教授と松本健一氏の次の発言です。

 古田博司 だから、私は、歴史のなかに国家の未来像を求めるという尚古主義事態をやめた方がいいと思うんですよ。中国は清代に戻れるとしても、韓国はどこに戻ったらいいんですか。かわいそうじゃないですか。先の大戦は、日本の一部だから敗戦国だし、独立戦争を戦ったわけでもない。日韓併合以前に戻っても、清の属国であることには変わりない。過去に栄光を探すのではなく、現在、そして将来、世界の人々に尊重される国家であることをめざして、そこに誇りを見出すべきなんです。歴史の中に未来はないんですよ。
 松本健一 たしかに、独立戦争らしきものを求めると、金日成の抗日ゲリラ伝説くらいしか見いだせない。だから、韓国が国家の正当性をいおうとすると、北朝鮮と手を組むしかないわけです。


 「過去に栄光を探すのではなく、現在、そして将来、世界の人々に尊重される国家であることをめざして、そこに誇りを見出すべきなんです」という点は私ヌルボも同感ですが、「先の大戦は、日本の一部だから敗戦国だし、独立戦争を戦ったわけでもない」とか「独立戦争らしきものを求めると、金日成の抗日ゲリラ伝説くらいしか見いだせない」とは、古田・松本両先生は今の韓国の憲法前文が次のような文言で始まっていることをご存知ないのでしょうか? 古田先生が知らないはずはないと思うのですが・・・。

 悠久の歴史と伝統に輝く我が大韓国民は、三・一運動により建立された大韓民国臨時政府の法統及び、不義に抗拒した四・一九民主理念を継承し、・・・・

 古田教授自身が他の所で言っているように、日韓歴史共同研究委員会の場でも韓国の学者は歴史のことを「イヤギ(お話)」と平気で言っているくらいだから、「日本の一部だから敗戦国だし、独立戦争を戦ったわけでもない」という史実よりも、「かくあらねばならぬイヤギ」が最優先で憲法で提示され、学校教育の場などで教えられるのです。
 そのキーワードが大韓民国臨時政府です。
 大韓民国臨時政府とは、1919年李承晩・呂運亨・金九などによって上海で設立された臨時政府です。(→ウィキペディア。)

 上記の古田教授の発言に対する韓国の立場からの反論はすぐ予測がつきます。

 「日本の一部だから敗戦国」だって? 日韓併合条約からして違法であり、したがって植民地でなく「強制占領」だった。 
 また日中戦争勃発後、上海から重慶に移った臨時政府は光復軍総司令部を創設し、1941年12月9日対日宣戦布告をした。
 したがって、
①臨時政府は当時の国際的な承認を得ていなかった。②戦闘行為に参加していなかった。③臨時政府内での内輪もめもあり、金九自身が「乞食の巣窟」と言ったほど弱体なものだった。
 ・・・等の弱点はあるとしても、上述のことから「日本の一部」というのは虚構であり、また「敗戦国」ではなく「戦勝国」だった。だからサンフランシスコ講和条約にも「戦勝国」としての参加を望んだのである。(認められなかったが。)


 また、松本健一氏の「独立戦争らしきものを求めると、金日成の抗日ゲリラ伝説くらいしか見いだせない」というのも、それは松本氏がご存知ないだけです。韓国の歴史教科書を見れば何人も登場しています。
 たとえば、金玉均の従弟で俳優ソン・イルグクの曾祖父(!)でもある金佐鎮金天については、昨年彼の肉筆日記が出版されたことが報じられました。(→コチラ。) その他、満州での抗日闘争の指導者としては洪範図もよく知られています。

 上海といえば、今年6月朴槿恵大統領が訪中した際に訪れた所です。韓国の歴代大統領は、中国歴訪時には北京に続き上海を4回、成都と青島をまとめて1回訪問していますが、92年の盧泰愚以来、韓国大統領が必ず上海を訪れているのも臨時政府旧址に立ち寄って芳名録に言葉を残すのが慣例になっているからです。

 7月に「毎日新聞」で金子秀敏専門編集委員が2度にわたってこの朴大統領の中国訪問を取り上げ、その背景に「韓国版の歴史見直しがあるのではないか」と論じています。(→7月4日11日)
 つまり、北朝鮮の「抗日パルチザンの金日成神話」に対して、韓国の独立は臨時政府の運動によって勝ち取ったものであるという自前の「抗日戦争闘争史」という大きな物語を作ることだろう、というのがその論旨です。
 さらに、朴槿恵大統領が韓国大統領として初めて西安も訪ねた意味も朴正熙の経歴と関連づけて考察しているのも興味深いところです。

 ただ、この金子秀敏専門編集委員の記事では、韓国憲法の前文に韓国国民は大韓民国臨時政府の法統を継承すると明記されていることは記されてはいますが、それが1948年7月公布された制憲憲法の当初からのものではなく、第九次憲法改正(1987年10月)で初めて盛り込まれた文言であることは書かれていません。(参考→ウィキペディア。)
 また大統領の上海臨時政府旧址という「聖地巡礼」も朴槿恵の発案ではなく、前述のように1992年の盧泰愚から続いていることです。

 では、大韓民国臨時政府への着目と上海の聖地化がなぜその時期(1987年・1992年)だったのか? 続きではその点についてを考えてみます。

 それにしても古田教授、知ってて上掲のような発言をしたのだとすると世間の風潮への迎合だし、もし知らなかったとすると韓国・朝鮮の専門家としてちょっとまずいゾ。
 松本健一氏については何冊かの著書を共感をもって読みましたが、この箇所での発言は専門を少し外れているとはいえ無責任。

 おまけ。本題とはあまり関係ないかもしれませんが、ヌルボ思うに史実を「今かけている眼鏡を透して」恣意的に歪める「歴史の歪曲」は日本よりも韓国の方がずっと顕著。一方日本は、直視すべき史実を見ようとしないという問題がありそうです。
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高校生にすすめる本360冊(1998年版&増補) [7]

2013-09-19 17:55:28 | 高校生にすすめる本360冊

 今回は、社会問題や戦争等をテーマにしたノンフィクションの前半。

 最近ではこの分野の注目作に何があるかな、と首をひねってもすぐに出てきません。私ヌルボの情報感度が鈍ったのかな? 大地震&原発事故関係でありそうですが、あまり読んでないしなー・・・。

☆印はとくに推奨。×印は品切れまたは絶版中の本(多すぎる!) △は絶版・品切れでも単行本なら出ている本。

129
徳冨蘆花謀叛論岩波文庫129=大逆事件に際し、「謀叛を恐れてはならぬ。・・・・新しいものはつねに謀叛である」と毅然として説いた姿勢に感銘。
130=1919年植民地朝鮮で起こった三一独立運動について日本人は皆知るべきである。その上でこの本の中の「朝鮮の友人に」という痛切な思いに満ちた文をぜひ読んでほしい。三一独立運動関連の小説には梶山季之「李朝残影」(角川)がある。同書所収の「族譜」は創氏改名が題材で、韓国で映画にもなった。機会があれば観てみて。
132=衝撃的なルポ。アウシュビッツは知っていても、日本軍の罪悪を知らない日本人が多すぎる。<お薦め>ではなく<読むべき>本。
133=戦前<からゆきさん>といわれ東南アジアに渡った多くの娼婦がいた。その感動的な聞き書き。今は逆に<ジャパゆきさん>が大勢いることを知ってほしい。
134・135=現代(の少し前)の労働の実態と意味を現場から考える。一口に<仕事>とか<会社員>といつても内実はさまざま。134は自動車工場の季節工に志願した著者自身のすさまじい労働体験。135は各産業の最前線で奮闘する人々の物語。いわば「プロジェクトX」の先駆的ノンフィクション。勝者の背後には、その何倍もの死屍累々たる敗者の群れがいることも事実だけどね。
136=欠陥車であることをメーカー側は知っていても、事故の原因は運転者の不注意にされるとは・・・・。企業+行政+司法+マスコミという圧倒的な力に敢然と闘う人もいる。
137=<現代>を考える青年が少ない現在、この書のヒューマンな問題提起を受けとめてほしい。
138=ヒロシマは過去だけの問題ではない。この著者の小説には難渋するが、これは明解で読みごたえがある。
139=まだまだ知られていない、or誤解の多い隣国を知るために。題名からは想像のつかない感動的なノンフィクション。
140=韓国は近くても異国。共通点が多いだけに誤解にも気付きにくい。韓国のお客様に割り箸を出したり、手作りのプレゼントを贈ったりするとイヤな顔をされるかも。
141=祖母の国韓国に語学留学した作家が韓国と日本と在日等の問題を考える。ケナリは韓国に多いレンギョウのこと。
142=日本は決して単一民族国家ではない。権力によって切り棄てられてきた“辺境”からの問題提起は鋭い。
143=「ジョン・ウェインはなぜ死んだか」(文春)、「危険な話」(新潮)等、彼の本はどれも刺激的・衝撃的。この本もわれわれがマスコミの情報操作にいかに弱いかを痛感させられる。
144~146=戦争の実態もさまざま。144は無謀な作戦で多くの戦死者を出したインパール作戦。この他、ノモンハン、ガダルカナル、アッツ、ルソン、沖縄等々、壮絶・悲惨な戦記は数多くある。兵士自身の体験記を何か2冊は読んで。145、戦艦武蔵の甲板上はさながら地獄図絵だったそうな・・・・。逆に甲板の下から見た戦争が146。戦争を知らずに平和を語るなかれ。
147=戦時下の学童疎開の体験に基づいた作品るこの他にも、柴田道子「谷間の底から」(岩波少年.×品切?)、高井有一「少年たちの戦場」(旺文社.×絶版)、谷真介「かげろうの村」(偕成社)、中根美宝子「疎開学童の日記」(中公新書)等がある。326(石川逸子「千鳥ヶ淵へ行きましたか」)も参照。
148=「“赤紙”が来たら逃げる」などと言ってる人、それがどんなに大変なことか知って下さい。山村基毅「兵役拒否11人の日本人」(晶文社)もさまざまな逃げ方を教えてくれる。
149=ソ連軍の突然の満州侵入。3人の子供を連れた母の必死の逃避行。引き揚げの苦労は小林千登勢「お星さまのレール」や安倍公房「けものたちは故郷をめざす」等、多くの本がある。
130柳宗悦民藝四十年岩波文庫
131日本戦没学生記念会(編)きけ わだつみのこえ岩波文庫

132
本多勝一中国の旅朝日文庫

133
山崎朋子サンダカン八番娼館文春文庫
134鎌田慧自動車絶望工場講談社文庫
×
135
内橋克人匠(たくみ)の時代講談社文庫
136伊藤正孝欠陥車と企業犯罪教養文庫
137日高六郎戦後思想を考える岩波新書
138大江健三郎ヒロシマ・ノート岩波新書

139
関川夏央ソウルの練習問題新潮文庫
140呉善花スカートの風角川文庫
141鷺沢萌ケナリも花、サクラも花新潮文庫
142新谷行アイヌ民族抵抗史三一新書
143広瀬隆東京に原発を集英社文庫
144高木俊朗抗命文春文庫
145渡辺清戦艦武蔵のさいごフォア文庫
×
146
高橋孟海軍めしたき物語新潮文庫
×
147
小林信彦冬の神話角川文庫
148稲垣真美兵役を拒否した日本人岩波新書
149藤原てい流れる星は生きている中公文庫


 今の高校生には「抗命」なんて言葉は当然説明が必要だし、「わだつみ」も同様で、そこに込められた感情も含めて説明すべき言葉ですね。もしかしたら「疎開」も授業で教わらなければわからない歴史用語になっているかもしれません。「引き揚げ」や「抑留」等、私ヌルボが子供の頃ラジオでよく聞いたりしていた用語ももしかしたら「日本史用語集」に載っているかも・・・。

 130、139~141の4冊に韓国オタクらしさがちょっぴり出ています。
 画期的な韓国本「ソウルの練習問題」刊行からちょうど30年経ちました。その後ソウル五輪や民主化~文民政権成立、Wカップ共同開催にヨン様ブーム等々あって、日韓間の人や物や情報の行き来は大きく様変わり。双方の庶民同士が直接相手を非難・罵倒し合える(!)時代になったことは大きな進歩だと思います。決して皮肉ではありません。
 その間、呉善花は日本国籍を取得し、また鷺沢萌は2004年自殺してしまいました。
 世の中も、人の人生も変わっていくのが常ですが、私ヌルボは変わり映えのしない毎日を過ごしています。

 「きけ わだつみのこえ」所収の田辺利宏の詩、とくに「雪の夜」は涙なくして読むことができません。(→参考。)
 この詩については、いずれぜひ書かなければと思っています。
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オジサン4人組の結果オーライ韓国旅行のテキトー備忘録 ~莞島(ワンド)・青山島(チョンサンド)編~

2013-09-18 19:05:41 | 韓国旅行の記録
 6月にオジサン4人組で聞慶と清州に行った記憶が生々しく残って・・・いないなー、どんどん忘却の彼方に遠ざかっていくなー・・・。
 その残像程度はかろうじて断片的程度には浮かべられる先週の9月9日(月)~14日(土)、またもや4人組で、今回も5泊6日で韓国への旅に行ってきました。
 前回の4人から粋酔人H氏が抜け、誰もが認める会計係の物識りS氏が参加。あとの3人(Yハラボジ、Tヒョン、ヌルボ)は前回と同じ顔ぶれです。

 目的地は、かねてから仲間内では「今度は黒山島(フクサンド)に行こうよ」という話が出ていましたが、S氏作成の旅程表を見ると「莞島(ワンド)~青山島(チョンサンド)」となっています。
 「黒」→「青」のちょっとした違いに異を唱える者もなく、すんなり決定。ま、どちらも全羅南道方面の島には違いないし・・・。それにどこに行ってもやってることは大体同じだしねー。
 とくに私ヌルボにとっては、いや、往年の韓国映画ファンにとっては青山島といえば何といってもあの名作「風の丘を越え ~西便制」の名場面のロケ地ですからねー。1度行ってみたかったんですよ。

        
 【「風の丘を越えて~西便制」のこの場面。この道下りながら「珍島アリラン」を歌うのです。うるうる(←自然と涙が・・・。) 】

 まず、莞島と青山島の位置を確認しておきましょう。(朝鮮半島の左下端ですよ。)

           
 莞島は橋で繋がっています。光州からバス。青山島は莞島から船で80分。タンクッは朝鮮半島の南端。康津(カンジン)は丁若の流刑地。珍島は「♪海が割れるのよ~」の・・・。荷依島は金大中の生地。】

 さて、この仲間での旅行となると、大体はいつも似たようなパターン。
 それも羽田空港から。(いや、空港に行く電車の中からかも。)
  
   

   【左は6月。足下に缶ビール。今回(右)は西日を避けて展望デッキへ。風が心地よかった! 場所代タダだし~。】

 つまり、基調はアルコールってことです。(笑)

 この後、機内でのワイン、ソウル・龍山のホテルや食堂での酒の場面も毎度のことで新味がないので省略。

 翌10日(火)朝、龍山駅からKTXに乗って光州へ。
  
 

 KTX-山川(サンチョン)だと、こういう4人連れには都合のいい座席があるんですね。背後に仕切り板があり、広い折りたたみテーブルに、電気スタンドも付いています。(Yハラボジによるとヨーロッパの真似だとか。)

 ちなみに、帰りの光州からのKTXの4人席には電気スタンドはありませんでした。

       
  【コーヒーに飢えていた私ヌルボ、ウィスキーはパスして車内販売のコーヒー₩3500。駅の自販機だと₩300くらいかな?】

 光州駅からタクシーで綜合バスターミナルに行き、莞島行きのバスで終点まで約2時間。

 同じ飲んで食ってでも、その日の夕食はロケーションが最高でしたねー。

     
   【だんだんと暮れてゆく港の風景を眺めながら・・・。酒の肴はアワビの刺身とワタリガニ。】

 場所は、莞島の旅客船ターミナル近くの刺身センター(학림회센타)前の岸壁。
 センター内で生きてる魚介類をいろいろ物色し、ワタリガニ(꽃게)とアワビを買い込んで、カニはボイルし、アワビは刺身にと注文して少し待つと出てきましたがな! フッフッフ。
 ※この刺身センターのようすは→コチラの韓国ブログに写真がいっぱい。

 その夜は莞島のホテルに泊まって、翌11日(水)は青山島まで80分の船旅。
 スロウシティ青山という名のフェリーだったのですが、甲板の一番上に出てみると、ちょうどおあつらえ向きのあずまや風の建物が2つ。

     

 何に「おあつらえ向き」かは言うまでもありません。

      
     【風景はちゃんと眺めているのだろうか?という疑問がフツフツと・・・。】

 今回掲載した写真は、ちょっと良い場所で飲んだ場面を選んでみました。

 今回の旅行のネタは他にもいろいろ。次は何について書こうかな?
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韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績[9月13日(金)~15日(日)]

2013-09-17 23:47:24 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 韓国旅行(莞島・青山島方面)のため7日間ブログはお休み。久しぶりです。
先週の記事は出発直前のあせりで、細かなミスがいくつもありました。今こっそり直しておきました。

 たぶん次の記事であらましを書きますが、私ヌルボの旅は6月と同様の4人旅。基調も前回と同じくアルコール。ヌルボと入れ替わりで13日夜~16日夜ソウル入りしたSARUさんのtwilogを見ると、その間10本を超える映画を観て来られたようで、その韓国映画オタクのハマリ度は毎度のことながら舌を巻いてしまいます。今興行成績断トツの「観相」なんか2回もご覧になってます。
 そのSARUさんが新村で「メビウス」鑑賞中の同時刻、私ヌルボ等4人組は朝鮮日報の裏手の全州豊南会館で評判のケランタン(蒸しタマゴ)を食しておりました。もちろんマッコリ&ビール付き。

     

 その時なんとなく窓の外を見ると、目に止まったのがコレ。→下の画像。

     

 「おっ、コレは!」とすぐ反応したヌルボ、窓辺に行って確認。

     

 そーですがな。今上映中の「ウリ・ソニ(우리 선희.われらのソニ)」の大きな広告ですがな。
 ・・・ということを語ると、隣席の○書房女性店長Kさんが買ったばかりの「シネ21」を取り出して見せてくれました。

     

 監督のホン・サンスは、キム・ギドク監督とは対照的な作風ですが、「自己本位」(観客ウケは二の次)という点では共通。どの映画も金太郎飴みたいで、タラタラしてて「それなりに」おもしろい、とはいえるかもしれません。しかし、本作の場合は何といってもヒロインを演じるチョン・ユミに注目ですね。それから芸域の広いチョン・ジェヨンも出ているので、個人的に期待度大なのですよ。
 ・・・ということで、独立系ながら興行成績ランキングにも10位に入っているこの作品を紹介しておきます。

 いくつもの関係記事では「うちのソニ」となっていますが、この訳し方は個人的には疑問。それはさておき、内容は、3人の男性が1人の女性ソニ(チョン・ユミ)をめぐっていろんな会話をかわしつつ新たな状況を発見することになる作品です。主な登場人物は、毎度おなじみの大学の映画学科教授(キム・サンジュン)とか、新人映画監督ムンス(イ・ソンギュン)、先輩の監督(チョン・ジェヨン)等々。物語は、映画学科の卒業生のソニがチェ教授からアメリカ留学のための推薦状をもらうため久しぶりに大学を訪れるところから。彼女はそこで昔の恋人ムンスや、先輩のジェハク(チョン・ジェヨン)とも会うことに・・・。彼女と再会して揺れ動くムンスの話をジェハクが聞いてやるのですが、その一方で彼自身にも彼女に対し新たな感情が生まれていって・・・。ま、いつものようにどーでもよさそうな展開に・・・、なのかな?

           ★★★ Daumの人気順位(9月16日現在上映中映画) ★★★

【ネチズンによる順位】

①リング(韓国)  9.7(27)
②描きたいこと(韓国)  9.6(33)
③道の上で(韓国)  9.2(61)
④ドラゴン怒りの鉄拳  9.1(42)
⑤パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々:魔の海  9.0(215)
⑥グラン・ブルー  8.9(107)
⑦カミーユ、ふたたび  8.9(34)
⑧モンスターズ・ユニバーシティ  8.8(86)
⑨イン・ザ・ハウス  8.7(32)
⑩怪盗グルーのミニオン危機一発  8.7(56)

 今回の新登場は①⑤⑧の3作品。このランクは、概して韓国のドキュメンタリーが強く、今回はベスト3を独占しました。
 ①「リング」は、あの有名な日本ホラーではなくて、ボクシング関係の韓国のドキュメンタリー。「全く別の世界の二人が"リング"と呼ばれる世界で会った」というキャッチコピーです。ボクシングの「師」である男性パク・ヒョンソンは、かつては天才的なボクサーだったが、86アジア大会と88オリンピックで相次いで代表となれず挫折。以後暴力組織に加担したり焼身自殺を試みたりと、一時は人生を捨てようとした人物。焼身の後遺症で障害者となったが奇跡的に回復し、指導者としての夢を実現しようと第2のボクシング人生を始める。彼の夢は、女子ボクシングでオリンピック金メダリストを作ること。そんな彼の指導者への変身という新聞記事を読んで、運命のように彼のジムを訪れた28歳の女性パク・ジュヨン。ソウル大の研究所で働き、公務員筆記試験にも合格したエリートですが、予定された将来の甘い夢をすべて放棄して女性ボクサーとしてリングに上がることを決意します・・・。原題は「링」です。
 ⑤「パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々:魔の海」は後述。
 ⑧「モンスターズ・ユニバーシティ」は日本では7月に公開されています。韓国題は「몬스터 대학교(モンスター大学校)」です。しかし、アメリカアニメはホントに怪物が好きだなー。(アメリカに限らないか?)

【専門家による順位】

①ザ・マスター  9.0(5)
②悲しみのミルク  8.0(2)
③ビフォア・ミッドナイト  7.7(4)
④雪国列車(韓国・米・仏)  7.6(6)
⑤ブエノスアイレス恋愛事情  7.3(3)
⑥25年目の弦楽四重奏  7.2(4)
⑦グランド・マスター  7.2(4)
⑧うちのソニ(Our Sunhi)(韓国)  7.0(5)
⑨フォックスファイア  7.0(4)
⑩プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命  7.0(3)

 ⑤と⑧が今回の新登場です。
 ⑤「ブエノスアイレス恋愛事情」は、2011年のアルゼンチン・スペイン・ドイツ合作のロマンティック・コメディ。フリーランスのウェブデザイナーの男マルティンは7年前恋人に振られて以来、犬と共に引きこもりのの日々。。様々な恐怖症で乗り物にも乗れない彼は、自分を変えようと外の世界に出て行って知り合った女性と関係を持ったりするものの上手くいかず。彼の向かいのマンションに住む女性建築家マリアーナは4年間つきあった恋人と別れたばかり。彼女もまた群衆恐怖症&閉所恐怖症。この2人、街中で何度もすれ違っているのに他人のまま。たまたまある晩、2人は互いの正体を知らないままチャットで知り合うが、会話が盛り上がって来たところで突然停電! 2人はそれぞれロウソクを買いに近くの売店に行って顔を合わせる。互いにチャットの相手だとは気付かないものの、2人はかすかに相手の存在を意識する・・・。日本では劇場未公開ですが、今年4月21日にWOWOWで放送されたとのこと。韓国題は「부에노스 아이레스에서 사랑에 빠질 확률(ブエノスアイレスで恋に落ちる確率)」。
 ⑧「うちのソニ(Our Sunhi)」については前述の通り。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[9月13日(金)~15日(日)] ★★★

         ソン・ガンホ主演の時代劇「観相」の一人勝ち。

【全体】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(29)・・観相(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・・9/11・・・・・・・・・・・・1,891,929・・・・・・・・2,599,329・・・・・・・18,579 ・・・・・・1,190
2(1)・・スパイ(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・9/05・・・・・・・・・・・・・・377,827・・・・・・・・1,655,402・・・・・・・11,777・・・・・・・・531
3(新)・・シャドウハンター 骨の街 ・・・・・9/12 ・・・・・・・・・・・・・176,364・・・・・・・・・・211,519・・・・・・・・1,486・・・・・・・・374
4(21)・・モンスターズ・ユニバーシティ・・9/12・・・・・・・・・・・・・175,272・・・・・・・・・・197,874・・・・・・・・1,329・・・・・・・・372
5(49)・・パーシー・ジャクソンと・・・・・・・・9/12・・・・・・・・・・・・・158,635・・・・・・・・・・173,219 ・・・・・・・・1,241・・・・・・・・409
        オリンポスの神々:魔の海
6(5)・・怪盗グルーのミニオン危機一発・・9/12 ・・・・・・・・・・・149,012 ・・・・・・・・・320,657 ・・・・・・・・2,156 ・・・・・・・420
7(2)・・グランド・イリュージョン・・・・・・・・8/22・・・・・・・・・・・・・・・23,406・・・・・・・・2,687,142 ・・・・・・・18,918・・・・・・・・156
8(3)・・かくれんぼ(韓国)・・・・・・・・・・・・・8/14・・・・・・・・・・・・・・・18,679・・・・・・・・5,581,855 ・・・・・・・39,440・・・・・・・・119
9(7)・・雪国列車(韓国・米・仏)・・・・・・・・8/01・・・・・・・・・・・・・・・15,914 ・・・・・・・9,271,362 ・・・・・・・66,438・・・・・・・・117
10(58)・・うちのソニ(Our Sunhi)(韓国)・・9/12・・・・・・・・・・・・・・10,102 ・・・・・・・・・・13,152・・・・・・・・・・102 ・・・・・・・・・39
       ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 今回の新登場は1・3・4・5・10位の5作品で、半分入れ替わりました。
 1位の「観相」は、15世紀に起こった史実を背景にした時代劇です。没落した両班の息子ネギョン(ソン・ガンホ)は、朝鮮各地を回って人相を研究した観相家。漢陽一の妓生ヨンホン(キム・ヘス)の誘いに乗って漢陽に上り、顔を見ればその人のすべてがわかるという能力を認められて官職に就くのですが、おりしも権力の座を狙う首陽大君[スヤンテグン.後の世祖](イ・ジョンジェ)と、国王瑞宗を守ろうとする金宗瑞[キム・ジョンソ](ペク・ユンシク)の争いに巻き込まれてしまいます・・・。この争いというか、首陽大君によるクーデターが1453年の癸酉靖難(ケユジョンナン)なんですね。(→ウィキペディア。)関連記事をいくつか見たら、「建築学概論」でスンミン(イ・ジェフン)の恋愛アドバイザー役を演じていたチョ・ジョンソクがネギョンの義理の弟役を演じていて、「とても面白くて死ぬかと思った」等々好評のようです。原題は「관상」。
 3位「シャドウハンター 骨の街」は、カサンドラ・クレアの原作小説(創元推理文庫)の映画化。悪魔と戦う種族=シャドウハンターの子孫と知った女性が仲間とともにNYを守るべく戦うファンタジー・アクション。韓国題は「섀도우 헌터스: 뼈의 도시」。日本公開は未定。
 4位「モンスターズ・ユニバーシティ」は上述しました。
 5位「パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々:魔の海」は、「パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々」(2010)の第2作。海の神ポセイドンと人間の間に生まれたハーフゴッド(半神半人)の少年パーシー・ジャクソンが、邪悪な力を持つ神々の王クロノスの復活を阻止するべく、ひとつ目サイクロプスと共に危険な“魔の海”に隠された“黄金の毛皮”を探す旅に出る・・・。日本公開は11月1日。韓国題は「퍼시잭슨과 괴물의 바다(パーシー・ジャクソンと怪物の海)」です。
 10位「うちのソニ(Our Sunhi)」は、記事冒頭で紹介しました。

【多様性映画】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(23)・・うちのソニ(Our Sunhi)(韓国) ・・・・9/12・・・・・・・・・・・10,102 ・・・・・・・・・・・・・・13,125・・・・・・・・・・102・・・・・・・・・・39
2(2)・・天安艦プロジェクト(韓国)・・・・・・・・・9/05・・・・・・・・・・・・4,587 ・・・・・・・・・・・・・・12,957・・・・・・・・・・・98・・・・・・・・・・13
3(18)・・ドラゴン怒りの鉄拳・・・・・・・1973/7/27・・・・・・・・・・・・2,057・・・・・・・・・・・・・・・・5,322 ・・・・・・・・・・24・・・・・・・・・・・2
4(新)・・ブエノスアイレス恋愛事情・・・・・・・9/12・・・・・・・・・・・・1,903・・・・・・・・・・・・・・・・3,590 ・・・・・・・・・・25・・・・・・・・・・12
5(1)・・グランド・マスター ・・・・・・・・・・・・・・・8/22・・・・・・・・・・・・1,563・・・・・・・・・・・・・・・94,363・・・・・・・・・・679・・・・・・・・・・18

 今回の新登場は1・4位の2作品です。
 1位「うちのソニ(Our Sunhi)」、4位「エノスアイレス恋愛事情」とも前述しました。
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韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績[9月6日(金)~8日(日)]

2013-09-09 15:54:49 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 いつもこの韓国映画情報は毎週火曜日にアップしていました。
しかし今回は個人的理由で1日早くしました。個人的事情とは、今日9日からサークル仲間と韓国旅行に出かけることになったからです。
 ということで、とくに興行成績等明日になると若干数の変更等あるとは思いますが、順位等おおよそは変わらないだろうということで1日早く記事にします。
今回は何と言ってもあの5日韓国公開の「風立ちぬ」に注目なんですが、これについては6日の本ブログ記事を見てみてください。韓国でも宿のパソコン環境によっては発信できるかも、ということで、ではまた。

           ★★★ Daumの人気順位(9月9日現在上映中映画) ★★★

【ネチズンによる順位】

①描きたいこと(韓国)  9.5(31)
②道の上で(韓国)  9.2(61)
③ザ・クルーズ  9.2(318)
④ドラゴン怒りの鉄拳  9.1(38)
⑤ターボ  9.0(206)
⑥グラン・ブルー  8.9(108)
⑦カミーユ、ふたたび  8.9(34)
⑧アーティスト、ポン・マンデ(韓国)  8.8(141)
⑨DRAGON BALL Z 神と神(日本)  8.8(37)
⑩イン・ザ・ハウス  8.7(32)

 今回の新登場は⑧「アーティスト、ポン・マンデ」だけです。この映画、監督&主演がポン・マンデで、彼が演じる映画監督の名もポン・マンデです。バリ島オールロケでエロホラー映画「海辺のの狂気」を撮影中だったイム•ピルソン監督(「南極日誌」等)、無難すぎるエロシーンでもめて、結局「エロ界の巨匠」ボン・マンデ監督の緊急投入となるが、予定になかった露出シーンを前に女優たち不満が最高潮に達し・・・、というアダルト映画撮影現場でのリアルなドタバタのようで、ネチズンの評を見ても「最近観た中で一番おもしろい!」とのいう感想がいくつも! 上映館は7館と多くはありませんが、これは私ヌルボも観てみたいなー。原題は「아티스트 봉만대」です。

【専門家による順位】

①ザ・マスター  9.0(5)
②悲しみのミルク  8.0(2)
③ビフォア・ミッドナイト  7.7(4)
④雪国列車(韓国・米・仏)  7.6(6)
⑤ザ・クルーズ  7.3(3)
⑥グランド・マスター  7.2(4)
⑦25年目の弦楽四重奏  7.2(4)
⑧フォックスファイア  7.0(4)
⑨プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命  7.0(3)
⑩天安艦プロジェクト  7.0(2)

 ⑩「天安艦プロジェクト」だけが新登場です。、2010年3月の韓国海軍哨戒艦「天安」爆沈事件をめぐっては、当初からさまざまな疑念がありました。(→ウィキペディア。)
 同年5月に「北朝鮮の魚雷攻撃により沈没した」との調査結果がありましたが、以後も問題視され続けています。映画では2010年のドキュメンタリー「天安艦沈没」(→参照)でさまざまな疑問点が提示されましたが、この「天安艦プロジェクト」も座礁によるものという説を中心としたドキュメンタリーです。ところがこの上映をめぐっては事件犠牲者の遺族や海軍将校など5人が「事実に基づかない疑惑を取り上げている」として上映の禁止を求める仮処分を申請する等社会的政治的イシューになっていました。裁判所はこれを却下して9月5日上映の運びとはなったものの、シネコンでは唯一この映画の公開に踏み切ったメガボックスは「一部の団体から、上映を中止せよという抗議やデモの予告があり、一般の観客とデモ隊の衝突が懸念される。一般の観客たちの安全のため、上映を中止することにした」との理由でわずか2日で上映打ち切り。
 似たような話が以前日本でもありましたね。右であれ左であれ、脅しをかけるような形で上映を阻止するというのは表現の自由・言論の自由の否定です。それをどう考えているのでしょうか? 「一般の観客たちの安全のため」などとごまかしてそんな力に屈する側もなさけない!

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[9月6日(金)~8日(日)] ★★★

         韓国のアクション・コメディ「スパイ」が1位、「風立ちぬ」は6位スタート。

【全体】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(11)・・スパイ(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・9/05・・・・・・・・・・・・・・842,457・・・・・・・・1,000,884・・・・・・・・7,165・・・・・・・784
2(1)・・グランド・イリュージョン・・・・・・・・8/22・・・・・・・・・・・・・・265,347・・・・・・・・2,609,544・・・・・・・18,377・・・・・・・・414
3(3)・・かくれんぼ(韓国)・・・・・・・・・・・・・8/14・・・・・・・・・・・・・・226,673・・・・・・・・5,508,628・・・・・・・38,933・・・・・・・・391
4(2)・・エリジウム ・・・・・・・・・・・・・・・・・・8/29・・・・・・・・・・・・・・209,768・・・・・・・・1,140,794・・・・・・・・8,545・・・・・・・381
5(7)・・怪盗グルーのミニオン危機一発・・9/12 ・・・・・・・・・・・・80,638・・・・・・・・・・103,907・・・・・・・・1,084 ・・・・・・・293
6(新)・・風立ちぬ(日本)・・・・・・・・・・・・・9/05・・・・・・・・・・・・・・・164,823 ・・・・・・・・・・78,019・・・・・・・・・・551 ・・・・・・・288
7(2)・・雪国列車(韓国・米・仏)・・・・・・・・8/01・・・・・・・・・・・・・・・52,660 ・・・・・・・9,233,405・・・・・・・66,169・・・・・・・・182
8(4)・・風邪(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・8/14 ・・・・・・・・・・・・・・32,157・・・・・・・・3,108,751・・・・・・・21,719・・・・・・・・183
9(6)・・スティーブ・ジョブズ ・・・・・・・・・・・8/29・・・・・・・・・・・・・・19,334 ・・・・・・・・・217,398・・・・・・・・1,542 ・・・・・・・187
10(34)・・メビウス・・・・9/05・・・・・・・・・・・・・・・16,611 ・・・・・・・・・・・22,178・・・・・・・・・・・162・・・・・・・128
       ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 今回の新登場は1・6・10位の3作品です。
 1位の「スパイ」はソル・ギョング、ムン・ソリ等出演のアクション・コメディです。
 6位「風立ちぬ」については本ブログ記事→コチラ参照。
 10位「メビウス」はあのキム・ギドク監督の問題作。時間がなくて詳細は後回し。すみません。

【多様性映画】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・グランド・マスター ・・・・・・・・・・・・・・・8/22・・・・・・・・・・・・4,574・・・・・・・・・・・・・・・90,846・・・・・・・・・653・・・・・・・・・・26
2(21)・・天安艦プロジェクト(韓国) ・・・・・・・9/05・・・・・・・・・・・・2,758 ・・・・・・・・・・・・・・・5,070・・・・・・・・・・・36・・・・・・・・・・31
3(2)・・25年目の弦楽四重奏 ・・・・・・・・・・・7/25 ・・・・・・・・・・・・2,431 ・・・・・・・・・・・・・・95,944 ・・・・・・・・・716・・・・・・・・・・20
4(12)・・ブリングリング ・・・・・・・・・・・・・・・・・9/05・・・・・・・・・・・・2,019・・・・・・・・・・・・・・・・3,129 ・・・・・・・・・・23・・・・・・・・・・30
5(3)・・言の葉の庭(日本)・・・・・・・・・・・・・・・8/14・・・・・・・・・・・・1,147・・・・・・・・・・・・・・・48,575 ・・・・・・・・・363・・・・・・・・・・23

 今回の新登場は4位の「ブリングリング」だけです。ソフィア・コッポラ監督の新作で、実在の事件をもとに、10代の若者たちによる窃盗団がゲーム感覚で豪邸に侵入して犯罪に手を染めていく姿を描く。この「The Bling Ring」とは、事件当時にメディアが彼らにつけた呼称だそうです。日本公開は12月14日。韓国題は「블링 링」です。
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新大久保で売上げベスト3の韓国菓子を食べてみました

2013-09-08 23:49:16 | 韓国料理・食べ物飲み物関係
 むずかしいテーマで書いたり読んだりしているとすぐ過熱状態になってしまうので、軽い記事で冷却しないと・・・。

 7~8月は西は茅ヶ崎、東は銀座、北は立川、南は横須賀。この範囲内で逼塞していました。
 8月後半、近場でどこか行くかなと「るるぶ 東京観光」を立ち読みでパラパラ頁をめくっていたら、新大久保の情報がいろいろ。
 その中に、新大久保での<売上げベスト3>というのが5つのジャンルごとにあげられていました。
 美容やオシャレ関係は私ヌルボには無関係というか、大の苦手分野なのでスルーして、<お菓子>と<ドリンク>の2分野について紹介するとともに、実際に検証(?)してみました。
 なお、最初に書いておきますが、実はどれも私ヌルボの知らなかったものばかりです。
 また、お菓子やドリンクの現物は横浜(→コチラ参照)で全部買えるかなと思ったらダメで、結局新宿に映画を観に行ったついでに職安通りで買いそろえてきました。
 その後、自分で食べてみただけでなく、いろんな人たちに食べてもらったり、認知度調査みたいなのやったり。オタクといってもそこまでやるかねー。・・・って、やっちゃったもんね。以下その報告。

1位=チャムプンオパン(참붕어빵) [オリオン もちもちタイ焼き](6個入り398円)

       

 最初にツッコミ入れときますが、「るるぶ」には「もちもちチャム金魚焼き」と書かれてるんですがね。
 プンオとはフナのことですよ。つまり、韓国にも日本伝来のタイ焼きがあって、それを彼の国では「フナパン(プンオパン)」というんですよ。で、金魚のことはクムプンオ(=金フナ)で、「チャム」は「真の」の意。つまり、この商品名を直訳すると「真のフナパン」です。どこでどうして「金魚」ってことになったのか大疑問!

 箱を見ると、その「참붕어빵」の前に「쫀득쫀득~」とついています。これが「もちもち~」なんですね。知らんかったわー。

 さて、オリオンといえば、あの映画「JSA」とか、最近は開城工団での重要な戦略物資ともなっている(?)チョコパイの製造元ではないですか! 
 そのオリオンがこの「プンオパン」を発売したのが2011年5月。以後2年余でしっかり地歩を確立したようですね。

 で、食べてみますね・・・。
  
  

 【箱の中に6包入っています。ネコの絵や足跡が描かれている点に注目! 右の包の3つの絵、一番左は何?(あんこ?) 】
  
  


 ふむふむ。これは美味しいです。(←素直なヌルボの一面。) 気に入ったわー。
 難点は、お菓子としてはちょっと値段がちょっと高いかな?ということ。韓国だと4千ウォン。「비쌋!!!(高~い)」との声がある一方で「요즘 4000원이면 싸다는 느낌이 들 정도더군요(近頃4千ウォンなら安いという感じがするくらいですねー)」という人も・・・。
 このお菓子、ヌルボが訊いた約20人(半数以上は韓国愛の人たち)の中では食べたことがある人はゼロ。知ってたという人は1人だけだったのはちょっと意外でした。

 YouTubeにこのお菓子のCM動画があったので載せておきます。

  
 【以前はあまり好かれてなかったネコですが、近年はブームと言っていいほどの人気。頭~右目の模様もプンオパンの形。】 

2位=バターワッフル(버터와플)[クラウン](198円)

      

 主に駅構内でワッフルの店をよく見かけるようになつたのは何年くらい前だったでしょうか? 主に女性客が列をなしてますが、私ヌルボ、並んで買ったことはおろか、買って食べたことがあったかな? 少なくとも記憶にはありません。ただ、あの甘く香ばしい香りはわかりますが・・・。
 さて、このお菓子のバターワッフル。ネーミングに何の工夫もひねりもない!
  今たまたま見つけたブログ記事(→コチラ)は「名前はワッフルですが、サブレです」と明言しています。そうだったの!? (って、その違いさえよくわからんヌルボ。)

     
        【ふつうに美味しいバターワッフル。】

 なるほどバターの香りがします。しかしネーミングも韓国らしさが全然ない上、味もスタンダードな美味しさ。そこが私ヌルボには今ひとつ食い足りない感も・・・。(ネット上には「美味しい!」「病みつきになった」等々の(日本の)皆さんの感想はいくつもありますが・・・。)
 訊いてみた人たちの中でこのお菓子を知っていた人は若干名。ただ、うち1人は「ウチのカミさんが大好きで、買ってきてと言うんですよ」と刑事コロンボみたいなことを言ってました。(←40歳以下の人はわからない?)

3位=辛ダンドン トッポッキ(辛당동 떡볶이)[ヘテ](98円)

 これは一番認知度が高かったお菓子。食べたことがある人も3分の1くらいいました。別に韓国食品の店に行かなくても、ふつうの商店街でも見かけるそうですね。
 この袋にしてからが「辛당동 떡볶이」以外は全部日本語だし、ヘテが本気で日本への販路拡張に乗り出したということ?

     
          【色も味も、いかにも韓国!】

 今回初めて食べた人には、ちょっと辛みが残るところ、袋にある「甘ピリ辛の味」が好評でした。
 ちなみに、「辛ダンドン」というネーミングは、東大門市場から近い、トッポッキで有名な新堂洞(신당동)と辛(신)をかけたものです。

             
      【コチラが韓国のオリジナル。違うのは文字だけです。】

 お菓子をテーマに、お菓子を食べながら息抜き・・・というつもりだったのに、ちょっと力を入れ過ぎてしまったかも・・・。

 <ドリンク部門>については、(いつもの)またそのうち!ということにします。
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韓国で、映画「風立ちぬ」公開初日9月5日の観客動員は5位  ネチズンの評価は‘大分裂’

2013-09-06 23:46:32 | 韓国の文化・芸能・スポーツ関係の情報
         

 一時「右翼映画」との批判が出て韓国での公開が危ぶまれていた(→参照) 映画「風立ちぬ」。
 結局「切ない恋愛映画」として公開されることになり(→参照)、その公開初日が昨日9月5日でした。

 その反響・反応に注目している人は多いと思います。
 で、とりあえずその公開日の全国の観客動員数順位から。
※ネタ元は→コチラ。なお「風立ちぬ」の韓国題は「바람이 분다(パラミ プンダ)」です。

①スパイ(韓国.9/5~) 133,136人 ②エリジウム(米国.8/29~) 36,666人 ③かくれんぼ(韓国.8/14~) 31,963人 ④グランド・イリュージョン(米国.8/22~) 30,379人 ⑤風立ちぬ(日本.9/5~)12,193人

 ・・・ということで第5位。しかし同日公開の韓国のアクション・コメディ「スパイ」の1割以下と大差をつけられています。ちなみに上映館数は「スパイ」の694館に対し「風立ちぬ」は274館です。
 韓国では、過去のジブリ作品の観客動員数ベスト3は①「ハウルの動く城」 301万人 ②崖の上のポニョ 152万人 ③借りぐらしのアリエッティ 108万人。初日の数字で見るかぎり、「風立ちぬ」はとてもそこまで届きそうもないですね。

 韓国の代表的ポータルサイトの1つ<DAUM>中の<DAUM映画>でこの作品の評点を見てみると(→コチラ)、現時点で48人の平均が4.3。[追記:9月19日現在では141人の平均で5.1と少し上昇。]
 これまでの宮崎監督作品の平均評点(→参照)は「千と千尋の神隠し」9.4、「もののけ姫」9.2、「となりのトトロ」9.2、「ハウルの動く城」9.1、「風の谷のナウシカ」9.0、「未来少年コナン」9.0、その他の作品もすべて8.0以上だったことを考えると、この「風立ちぬ」は極端に低い、と言えます。
 「風立ちぬ」は、日本でもこれまでの作品と比べると相当に低いですが、「それに輪をかけて」極端に低いレベルですね。

 しかし、ネチズンの評点分布を見てみると、平均の4~5点をつけた人は少なく、0~1点と、8点以上の両極端に大きく分かれています。
※分布:[0点]=13人、[1点]=7人、[2点]=0人、[3点]=0人、[4点]=2人、[5点]=4人、[6点]=3人、[7点]=1人、[8点]=9人、[9点]=5人、[10点]=4人
 私ヌルボとしては、公開前の韓国での(マイナスの)前評判にもかかわらず、8点以上がずいぶん多いな、という感想。それに、日本でも評価が分かれているのは同じ。

 以下、低評価~高評価まで、ネチズンのコメントを拾ってみます。

・「第二次世界大戦。韓国人強制徴用で最高に悪質な強制労働と死を強要した三菱重工業が生産した零戦の開発設計者の一代記です。監督の意図を離れて、素材自体が絶対に韓国人が美しく眺めることができない素材です。導入部最初からセリフを聞くと、韓国人なら気がヘンになります![1.0、推薦24]
・「イスラムのテロリストも自分たちなりの夢と理想でテロをやったから、ラブストーリーをちょっと入れてアニメを作ればいいね」[0.0、推薦12]
・「誰が宮崎を右傾化人士ではないと言っているのか? 戦争技術者としての生、幸福、美を追求しただと? 説得力がない。忘れなければならない、生きなければならない? 反省というものは全然ない。宮崎の描き出した遺作だな」[1.0]
・「帝国主義正当化! 宮崎おじさんは、日本の誤りと言いながら、見せてくれるアニメーションは帝国主義を正当化させるもの!!!! ひどい奴の映画! 日本人ではなく一人の芸術家として観た映画だが、彼も日本人だった・・・」[1.0]
・「墜落することを知りながら飛翔しようとする老将の錆びついたエンジン」[5.0]
・「歴史を知っていればあまりに具合の悪い映画。ただ内容自体は一青年の飛行機愛にフォーカス。その歪曲が具合が悪い。けれども彼の最後なので。ただ映画自体は眠たい」[6.0、推薦1]
・「何が問題だ? 結局監督は帝国主義戦争に巻き込まれる個人の生を否定しなかった。やや退屈したという評価ならともかく・・・。宮崎は日本人だ。韓国人の好みに合わなかったら、それは輸入会社の責任だ」[8.0]
・「意見があまりに紛々としていて、レビューが少ないです。多少退屈です。中間部を過ぎて眠気を感じざるをえませんでした。映画は巧妙な感じがします。エンディングで出てくる音楽は良かったです。監督は"矛盾"を語っていたようです。内容は戦争に対して反対している感じを受けます」[8.0]
・「エンジニアは部品を作り、直し、修理して、ついには新しい完成品を作りだす。しかしそのエンジニアは国家の付属品となってひとつの国家(全体主義)のための道具として使用される。宮崎監督はどうかすると戦争の付属品として働いた数多くの個人に対するオマージュとして映画を作ったのではないかと思った」[9.0]
・「人生の黄金期の仕事と愛、社会的環境の束縛に対するアニメーション的な簡潔な物語」(10.0)


 上記以外に、同サイトの別のタブでアップされている力作レビューを2つ紹介します。

 1つ目は「宮崎駿式警告?」と題した→コチラ(→自動翻訳)
 ・・・これはなかなか冷静に見ています。最後の方だけ訳出します。
 「懸念?とは異なり、過去の軍国主義日本を美化したりそのような映画ではないようだ。宮崎駿式の、反戦映画と見た。
 次郎が自分を監視する政府に対して「近代国家とはいえない」と怒ると、会社の同僚たちは「日本が近代国家だと思うか」と大笑いする。
 アニメに表現されているように結核に感染した妻を愛した純粋な人が戦争の道具になってしまったことに対する切なさに対する、そして右傾化しつつある自分の国が二度と過去の日本のように破滅の道に立つなという警告のメッセージの映画と見た・・・」

 もうひとつは、大量の情報・知識を動員して本作品を批判しているもの。長いので、自動翻訳でなんとか理解してください。→コチラ(→自動翻訳)

 一方、映画専門誌「シネ21」のサイトの方は、ネチズンは今のところ6.0をつけた人1人だけ。専門家レビューは→コチラの1つ(イ・ファジョン氏)だけ。(→自動翻訳.※表題に「した道に~」とあるのは「ひとつの道に~」の誤訳。)
 イ・ファジョン氏は、そのレビューの末尾で次のように記しています。
 「非常な飛行機マニアであり、仕事中毒者である堀越の人生は、まるでアニメの道に生涯を捧げた73歳の巨匠自身の姿を投影したように濃い響きを抱かせる。だが堀越が作った "美しい夢の結晶"である零戦は当時の真珠湾空襲と特攻隊の戦闘機に使用されたのは、映画の外で議論の対象となる。"戦争美化"という世間の視線の前で宮崎駿の純粋な意図は多少歪曲された側面がなくはない。しかし、戦闘機の使い道に対する堀越の悩みはたしかに<紅の豚>のポルコが見せてくれた反戦精神ほど激しくはなかったようだ。」

 このイ・ファジョン氏の文章を読んで私ヌルボが思ったことは・・・。
 彼のみならず、歴史の中にも、現代の価値観をそのまま投影させた「物語」と「ありうべき人物像」を求める傾向の強い韓国人としては、作品中の次郎に対して「不正義の戦争」に対する批判精神・抵抗精神の不十分さに不満を抱くとともに、そこに描かれた過去の人間像がそのまま宮崎駿監督の姿勢であると理解(実は誤解)してしまう傾向があると思われます。
 戦前・戦中を描いた作品で、そんな理想像を体現したような人物(←ポルコのような)を登場させたりすると「ウソになる」と思う日本人と、植民地時代の抗日の義士やその闘争を(教科書等でも)「しっかり物語る」韓国との「歴史認識」のすれ違いがここにも表れているといえるかもしれません。

 以上いろいろ見てきましたが、おおよそは予測通りといったところでしょうか。しかし何といっても公開直後状況なので、今後なんらかの変化が出てくる可能性もなきにしもあらず、です。

 私ヌルボとしてこのブログ記事を読んで下さった方に願うのは、即断は避けるということ、そして日本人にもいろんな人がいるように韓国人にもいろんな人がいるということ。一括りにして「だから韓国人は~」と言ったりすると、「だから日本人は~」という韓国人と同じ顔になってしまいます。
コメント (5)
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「慰安所管理人の日記」をめぐる日韓の報道&読者の反応の無視できない大きな落差(中)

2013-09-05 23:55:34 | 韓国・朝鮮と日本の間のいろいろ
 9月2日の記事の続きです。

 「慰安所管理人の日記」についての報道内容が日韓で大きく異なるため、当然それぞれの読者の反応も違います。いや、「同じ」と言った方が合っているかも。どちらも日記の発見を「喜んでいる」声がほとんどなので・・・。

 日本では「慰安婦たちは映画を見に行ったり、貯金をしたり送金したり、旅行証明をもらって旅行したり」で、これで「性奴隷」はないだろう!としてやったりという反応。
 日記には、管理人氏がシンガポール在住時の44年10月25日、元慰安婦が結婚したので「知己の人を呼んで祝賀の酒を飲むと誘われた」という記述もありましたね。

 一方「朝鮮日報」の読者の反応は、1面の記事(→コチラ.要会員登録)と6面の記事(→コチラ)のそれぞれに<100자평(100字評)>というタブが付いていて、そこに読者評が寄せられています。
 1面の方の読者のコメントは2つだけ。
・「日本のヤツラが<かっとなって死ぬ旗>を持ってのさばっているが、それが自分たちを亡ぼす<かっとなって死ぬ旗>なので馬鹿みたいな倭奴(ウェノム)たちだ、ハハハ」  
・「大地震で日本はいつかその天罰を受けるだろう。韓国は水1ビンもやるな[賛成2人]

 ・・・この2件だけですが、こんな明瞭なヘイトスピーチを「韓国の代表紙」を自任する「朝鮮日報」がそのまま載せてしまっているのは「恥!」と思わないのかな?
 6面の方は46もコメントが寄せられています。
・「1日も早く南北統一が鳴って日本に対抗する力を育てなければならない。必ず倭狗(ウェグ)たちを地上から絶滅させて受けた侮辱の10倍100倍1000倍にして返さなければならない。(以下略)」[賛成1] 
・「静かな外交だという日本の非違に合わせないで、人権に対する世界基準に合わせて政策を施行せよ。ビルマ・シンガポール等慰安所が設置された場所に記念館を造って日本軍と日本政府がどんなことをして、韓国等各国の少女たちがどんなに蹂躙されたか知らせなければならない。そうでなければ大阪市長のような者が続けて捏造宣伝とかをしゃべり散らす。日本の青少年たちが海外でも歴史を知らねばならない。[賛成2]

 ・・・やっぱり、こんなコメントがふつうか。
 [賛成47:反対0]という圧倒的な共感を得たコメントを見てみましょう。
・「倭狗の蛮行を年代別にくわしく記録した歴史付録を作って後世に代々教えなければならない」
 次のが「賛成10:反対0」。
・「こんな資料でなくても日本の政治指導者たちで朝鮮人慰安婦が強制動員されたことを知らない者はない。日本政府の記録保管所に行けば何でもある。ただ蛮行を認めたくないだけだ。ドイツのように自ら反省して補償するそんな民族ではない。(以下略)」
 ・・・近頃、韓国からしきりに「日本と比べドイツは・・・」という声が聞こえてきます。これに関連して、最近黒田勝弘氏が書いた<〝壮大な誤解〟韓国こそ「ドイツに学べ」>と言う記事(→コチラ)は「おもしろかった」です。「韓国のテレビインタビューで「日本人としてメルケル首相の写真をどう思うか?」と質問されたので「立派な姿です」と答え、「ところで韓国ではしきりに日本に対し『ドイツに学べ』というが、では歴史的に韓国はナチス・ドイツ時代のどこに相当するのか。フランス? ポーランド? チェコ? それともユダヤ人…」と反問したところ、相手は絶句していた」というもの。続けて「あえて韓国に相当するような国を探せばオーストリアかもしれない」として、そのナチス・ドイツとの過去の関係を国際社会に謝罪したオーストリアのように「韓国は日本との過去を謝罪、反省しなければならないことになる」とも。
 新聞記事の内容で、ちょっと驚いたというようすなのが次の人。
・「慰安婦たちが金を受け取ったというのは事実なんだなあ・・・当時の数百円はちょっと大きな金額なんだが?」
 ・・・強制連行のイメージとの食い違いに引っかかったということでしょう。これに対しては「慰安婦がそんな役目をすることを知っていて前借金を受け取ったのだろうか? ふつうに労働するのかと思ったのだろう。考える脳がないということを公開するんだな」とのコメントが寄せられています。
 ほとんどワンパターンのコメントはここらへんにして、[反対]の多かった少数意見の方を見てみましょう。
・「東南アジア性観光とアメリカ、オーストラリア、カナダ等に娼婦を最も多く輸出している国で、はたして日本を悪く言うことができるか? 北韓が中国に女性を売る現実はどうだと? 国が弱ければいつでもそんな目にあうものなので、強くなった国を打ち破る左派たちがいるかぎり外勢にやられる悲しい歴史は反復される」[賛成2:反対7]
 ・・・これに対しては「いや、この御仁は一体全体基本的な知識もない人か? アメリカ、オーストラリア、カナダ等は、自発的かさもなくば本人がやむなく選択したものだが、記事内容は(日本軍の)強制・(本人の)受動的意味を持っているではないか!!! (中略) 北韓が中国に女性を売っているとは誰がそう言うのか? どこでウソ情報を流し回っているんだ?!!! 気をつけなさい!!!」「こんなことも教えてやらなければならんのか? 記事は日本政府が出て公権力をもって仕出かしたというのが核心だろ。もちろん性輸出はどの国もやっていることは誰もが知ってることだが・・・」という反論があります。
 たしかに、国が関わっているというのは大きな問題点で、(公娼制の歴史は世界的にあるとしても)弁護するのは道義的にも「戦術的」にもよいことではありません。。
 しかし、この「朝鮮日報」の記事を読んだ人は強制連行を、いわゆる「狭義の」それと捉えているようです。今、国や軍隊の「広義の」関わりを否定している日本人はまずいないと思うのですが・・・。

 このような多くの韓国での読者の反応に対して「アタマにくる」「ウンザリ」という日本人が大半だと思います。ただ、今日発売の「週刊文春」9月12日号の記事「韓国の妄言に“10倍返し”だ!」で、あの呉善花氏は、韓国社会の世論と新聞記者たちのエリート意識には断絶がある、と語っています。「一般民衆の反日への関心が薄くなっている中、新聞だけが過激化しており、特に先頭に立って先導しているのが朝鮮日報です」とのことです。
 たしかに、韓国民全体を反日の一枚岩と見るのは早計に過ぎるかもしれません。
※日本でも新聞・テレビ等のニュースに即座に反応して韓国に怒りをぶつける人はたくさんしますが、たとえば→コチラのブログ主さんのようにいろいろ調べたり考えたりしなから情報に接している人も少なからずいます。しかし、韓国サイトの中ではなかなか見連れるのがむずかしくて・・・。(「いない」とは言いません。「未発見」です。)

 ところで、この日記発見の報道に対して、上記のような反応を示した韓国の皆さん、実際にこの日記を読んだら肩すかしをくらうのでは?と私ヌルボ思ったのですが・・・。
 また、今「国際化」した慰安婦問題は、「狭義or広義の」強制云々よりも、「慰安所における慰安婦の状況が奴隷的なものであったかどうか」が論議の焦点になってきたということですが、どうもそういうことになると、この日記は挺対協をはじめとする運動体にとっても「不利」に働く要素が多いのでは、とも思われます。

 ここで蛇足ですが、誤解のないように、ということで書いておきます。
 私ヌルボ、この記事で韓国の新聞や世論の「反日」に凝り固まった固定観念は否定し、またその慰安婦の「強制連行」の固定的なイメージもなんとかしてほしいと思っている1人ですが、慰安所の実態が「淡々とした」もので、慰安婦たちが映画に行ったり貯金したり、という事実があったたにしろ、慰安所を肯定的に捉える視点から反駁してはダメだと考えています(これまた道義的にも「戦術的」にも)。いくら近代化による恩恵があったとしても(←実際にあった)植民地支配を是認してはいけないのと同様です。

 というところで、この日記が『日本軍慰安所管理人日記』との書名で8月20日付で安秉直(アン・ビョンシク)教授の解題つきで刊行されました。(下の画像)
 
         

※山口県立大・浅羽祐樹准教授の16日のツイートによると、「教保文庫の新刊書コーナーに7冊平積みされていました」とのことでした。
 その「読まれ方」については(下)に続くということにします。

 →「慰安所管理人の日記」をめぐる日韓の報道&読者の反応の無視できない大きな落差(下)
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高校生にすすめる本360冊(1998年版&増補) [6]読書家のためのクロスワード①

2013-09-04 15:44:09 | 高校生にすすめる本360冊
360冊の本のリストだけでも十分オタクっぽいのに、今回はそれに輪をかけたクロスワードです。
 クロスワードを作る時には、できるだけ黒マスをつくらないこと、できるだけ白マスが円環を成してリンクすることをめざします。
 今見直してみると、ヒントの文章からして時代を感じさせるものもチラホラ。
 こういうパズルを見て「やってみるゾ!」と思うだけでその人もオタクの仲間入りかも・・・。ちなみに、これまで全問正答者はいなかったかも・・・。空欄2つくらいが最高だったかな?

      

  ・・・・ヨコのカギ・・・・
1.谷崎潤一郎「痴人の愛」のヒロイン、でわからなければ赤川次郎「探偵物語」のヒロイン。
4.夏目漱石「○○十夜」は玄妙な短編集。
6.ドストエフスキーの傑作。
9.ドン・キホーテの乗り物。
11.19世紀ドイツのロマン派詩人。
13.「荒城の月」の作詞者は土井○○○○。
14.ゾラの小説。題は美貌の高級娼婦の名。
15.「シャドー88」「ファイア・フォックス」「雲のじゅうたん」、サン・テグジュペリ、リンドバーグから連想する乗り物は?
16.<○○○○翁ぼちゃんといえばたちどまり>は川柳。(そこで彼は一句よんだ・・・・。)
17.ジッド「狭き○○」は受験生の苦労を描いた小説ではない。
19.ハードボイルドの巨匠。
20.○○新一はSFショートショートの草分け的作家。
22.2人の男性から求婚され、決めかねて自殺してしまった真間の○○○の伝説は「万葉集」の高橋虫麻呂の歌にもある。
24.<デカダン文学>の代表作家といえば○○作之助。
26.シャーロットとエミリー。○○○○姉妹はイギリスの作家。
27.横光利一の小説。邪馬台国の女王卑弥呼が主人公。
28.「僕って何」の作者○○誠広のお姉さんは女優。
29.太宰治の故郷。同名の作品もある。
30.百人一首の慈円の歌の下の句「わがたつそまに<○○○○のそで>」といえば坊さんの衣のこと。
31.水面に映る自分の姿に恋したナルシスはこの花に変身した。
  ・・・・タテのカギ・・・・
1.<いちめんの○○○○>は八木重吉の詩。「○○○○の沖」は司馬遼太郎の小説。
2.「古今和歌集」の歌人凡河内躬恒=おおしこうちの○○○と読む。
3.動物文学の傑作ジャック・ロンドン「白い○○」。
5.太宰治「走れ○○○」は国語教科書の定番の名作。
7.井上靖の西域物の代表作。映画にもなった。
8.デュマ(子)の小説。ヴェルディの歌劇でも有名。
10.森田草平の小説。平塚雷鳥との恋愛を作品化。
12.「○○○の白うさぎ」は日本神話中の有名な話。
15.1966年テレビで評判になった三浦綾子の小説。
17.<鈴の屋>とは「古事記伝」を著した国学者○○○○宣長。
18.「国破レテ山河在リ」と<白頭>を掻いて世を憂えた唐の詩人。
19.芥川龍之介の小説。ゴーゴリにも同名の作品がある。
21.石川啄木の故郷の村。
23.漫画「じゃりん子チエ」に登場するネコ。
25.○○○○派とは、西山宗因に始まる俳諧の一派。
27.○○○少年はガチョウに乗ってスウェーデン中を冒険の旅。
28.清少納言が「香炉峰の雪はいかならむ」と言われてかかげた。


 «正解» (範囲指定すると現れます。)
【ヨコのカギ】
1= ナオミ 4= ユメ 6= ツミトバツ 9= ロバ 11= ハイネ 13= バンスイ 14= ナナ 15= ヒコウキ 16= バシヨウ 17= モン 19= ハメツト 20= ホシ 22= テコナ 24= オダ 26= ブロンテ 27= ニチリン 28= ミタ 29= ツガル 30= スミゾメ 31= スイセン

【タテのカギ】
1=ナノハナ 2=ミツネ 3=キバ 5=メロス 7= トンコウ 8= ツバキヒメ 10= バイエン 12= イナバ 15= ヒヨウテン 17= モトオリ 18= トホ 19= ハナ 21= シブタミ 23= コテツ 25= ダンリン 27= ニルス 28= ミス
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韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績[8月30日(金)~9月1日(日)]

2013-09-03 23:50:17 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 「言の葉の庭」を最終日(8月30日)観に行ったら約10分前で残席は最前列に4つだけ。かろうじてセーフ。そして昨日はやっと「風立ちぬ」を鑑賞。
 <ぴあ映画生活>の平均評点は前者が80点で後者が70点。実際に両方観てみて、私ヌルボ、その数字に納得しました。で、軍配を上げるとすると、迷うことなく「風立ちぬ」です。
 「言の葉の庭」の平均評点が高いのは、極端に低い点をつけている人はいないから。その美しい映像だけでも観客を魅了するだけのものはあります。物語も、映像同様繊細な、小説を思わせるような展開で、8月14日から公開されている韓国での評価・感想もそんな魅力を感じ取ったものが多く、平均7.4とかなりの高評価を得ています。
 一方「風立ちぬ」のレビューをみると「退屈」「盛り上がりに欠ける」「何を伝えたかったのか?」「むずかしい」等々否定批判非難の言葉がどっさり。評点も10点以下が目につきます。それでも平均が70点もあるということは、しっかり高得点をつけている人も相当に多いということ。
 この映画は、自分の映画を見て宮崎監督がはじめて涙ぐんだ作品とのことですが、その気持ちはわかるような気がします。「文藝春秋9月号」の「新刊を読む」欄で関川夏央が「半藤一利と宮崎駿の腰抜け愛国談義」の書評を書いていますが、それによると宮崎駿の実家は航空機部品の製造工場で、戦争末期に栃木県鹿沼に疎開して零戦の風防をつくりつづけたとか。また宮崎の父も学生結婚した初婚の相手をわずか1年で結核で失ったそうです。関川は「そんな、自分の父親や堀越二郎が生きた時代の横顔を、長い道のりの末にようやくえがき得たという思いが、監督をして自作に涙させたのではないかと私は思う」と記しています。ヌルボも全く同感です。(「言の葉の庭」と「風立ちぬ」との「深さ」の差は、新海誠監督(1973年生まれ)と宮崎監督の年輪の差の表れでもあり、また歴史的・社会的視野の有無も大きな要素ですね。
 またこの「風立ちぬ」は、観る人の教養・知識といったものが問われる映画です。あのモネの「日傘をさす女」を想起させるポスターからしてそう言えますね。関東大震災とその後の時代背景、堀辰雄の小説はもちろん、トーマス・マン「魔の山」の主人公と同名の登場人物カストルプと、彼が歌っていた映画「会議は踊る」の主題歌、ゾルゲ事件との連関。シューベルト「冬の旅」の中の「溢れる涙」等々。いろんな細かなネタにこの作品解読の手がかりがあるようです。私ヌルボ、ホテルの暗い廊下の場面で渡邊白泉の「戦争が廊下の奥に立つてゐた」を思い起こしました。勝手な「理解」ですけど・・・。この映画についてはいろんなブログ等で書かれています。とくに印象に残ったもの、理解に役立ったものは→その1
その2その3その4などです。
 また、この作品に対して「零戦讃美」「戦争称揚」等々批判する声もありますが、それらは現代のモノサシで過去を測っているように思えます。戦争をもたらした歴史状況も、さまざまな形で戦争に関わった(関わらざるを得なかった)人々の生き方・考え方もそう一筋縄で解釈・評価できるものではありません。
 韓国では、「右翼映画」との批判が出てこの映画の公開が危ぶまれていましたが(→コチラ参照)、
結局9月5日から「切ない恋愛映画」として(!)公開されることになりました。(→コチラ参照。)
 はたして、韓国での反響はどうでしょうか? とまどいと反撥が多いような気がしますが・・・。

           ★★★ Daumの人気順位(9月3日現在上映中映画) ★★★

【ネチズンによる順位】

①描きたいこと(韓国)  9.9(29)
②DRAGON BALL Z 神と神(日本)  9.4(32)
③道の上で(韓国)  9.2(61)
④ザ・クルーズ  9.2(317)
⑤ターボ  9.0(206)
⑥グラン・ブルー  8.9(107)
⑦ドラゴン怒りの鉄拳  8.9(32)
⑧カミーユ、ふたたび  8.9(34)
⑨名探偵コナン 水平線上の陰謀(日本)  8.8(118)
⑩イン・ザ・ハウス  8.7(32)

 今回は新登場は②と⑦の2作品。
 ①「DRAGON BALL Z 神と神」は今年3月日本公開。韓国ファンの評価も高いです。韓国題は「드래곤볼Z : 신들의 전쟁」。
 ⑦はもちろんあのブルース・リーの映画。韓国では李小龍(이소룡)で通ってます。(ちなみにジャッキー・チェンは成龍(성룡)。) 1972年のこの映画、40年以上経った今、韓国でも名作として記憶に残っています。韓国題は「정무문(精武門)」です。

【専門家による順位】

①ザ・マスター  9.0(5)
②悲しみのミルク  8.0(2)
③ビフォア・ミッドナイト  7.7(4)
④雪国列車(韓国・米・仏)  7.6(6)
⑤ザ・クルーズ  7.3(3)
⑥グランド・マスター  7.2(4)
⑦25年目の弦楽四重奏  7.2(4)
⑧フォックスファイア  7.0(4)
⑨プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命  7.0(3)
⑩イン・ザ・ハウス  7.0(1)

 順位・評点とも前回と全く同じです。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[8月30日(金)~9月1日(日)] ★★★

         「雪国列車」は900万人、「かくれんぼ」は400万人を突破。

【全体】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(2)・・グランド・イリュージョン・・・・・・・・8/22・・・・・・・・・・・・・・626,866・・・・・・・・2,156,323・・・・・・・15,174・・・・・・・・586
2(新)・・エリジウム ・・・・・・・・・・・・・・・・・8/29・・・・・・・・・・・・・・573,370・・・・・・・・・・707,956・・・・・・・・5,356・・・・・・・588
3(1)・・かくれんぼ(韓国)・・・・・・・・・・・・・8/14・・・・・・・・・・・・・・563,244・・・・・・・・5,097,933・・・・・・・36,005・・・・・・・・648
4(3)・・風邪(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・8/14 ・・・・・・・・・・・・・158,384・・・・・・・・3,021,598・・・・・・・21,124・・・・・・・・329
5(4)・・雪国列車(韓国・米・仏)・・・・・・・・8/01・・・・・・・・・・・・・・158,185 ・・・・・・・9,118,343・・・・・・・65,343・・・・・・・・315
6(新)・・スティーブ・ジョブズ ・・・・・・・・・・8/29・・・・・・・・・・・・・・123,943 ・・・・・・・・・159,773・・・・・・・・1,139 ・・・・・・・402
7(新)・・怪盗グルーのミニオン危機一発・・9/12 ・・・・・・・・・・・・80,292・・・・・・・・・・・80,292・・・・・・・・・・530 ・・・・・・・297
8(5)・・ザ・テロ・ライブ(韓国)・・・・・・・・・・7/31 ・・・・・・・・・・・・・・・58,107・・・・・・・・5,543,675・・・・・・・39,588 ・・・・・・・186
9(新)・・DRAGON BALL Z 神と神(日本)・・8/29・・・・・・・・・・・・・28,727・・・・・・・・・・・34,252・・・・・・・・・・226 ・・・・・・・262
10(6)・・エピック ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8/07・・・・・・・・・・・・・・・18,656・・・・・・・・・・972,873 ・・・・・・・・6,710 ・・・・・・・101
       ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 「グランド・イリュージョン」が久々に韓国映画に代わって1位。「かくれんぼ」は500万人を突破。韓国映画のスリラー部門では「チェイサー」(2008年.507万人)の記録を上回って歴代2位に浮上とか。歴代1位は「殺人の追憶」(2003年.525万人)。これもたぶん抜きそうですね。「雪国列車」は900万人は超えたものの1000万人には届かない感じ。
 今回の新登場は2・6・7・9位の4作品です。
 2位「エリジウム」は長編デビュー作「第9地区」で注目されたブロムカンプ監督の新作SF、ということだけで私ヌルボとしては期待大。時代は近未来。富裕層と貧民層に二分された社会で、富裕層の住むスペースコロニーの名がエリジウムなんですね。物語は、地球の方に住む余命わずかの青年(マット・デイモン)が極端な格差に苦しむ民衆を救うためエリジウムへと向かう、というもので、対する富裕層側の敵役をジョディ・フォスターが演じます。韓国題は「엘리시움」と少し発音に違いが・・・。日本公開は9月20日です。
 6位「スティーブ・ジョブズ」は、もちろんあのアップル創業者。仲間たちとガレージで会社を立ち上げてから次々とヒット商品を生み出す一方で、誰彼かまわず悪態をついたり、その結果会社を追われてしまったり等々ハイライトシーン続出の半生の物語。韓国題は「잡스(ジャブス)」、日本公開は11月1日です。
 7位「怪盗グルーのミニオン危機一発」は「怪盗グルーの月泥棒3D」の続編。悪党稼業から足を洗うことを決意した元怪盗軍団のリーダーのグルーが、危機に陥った相棒の不思議な生き物ミニオンの救出作戦を敢行! 9月21日 原題が「DESPICABLE ME 2」で、韓国題が「슈퍼배드 2(スーパー・バッド2)」で、全然見当がつかんわ。
 9位「DRAGON BALL Z 神と神(日本)」については前述の通りです。

【多様性映画】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・グランド・マスター ・・・・・・・・・・・・・・・8/22・・・・・・・・・・・10,095・・・・・・・・・・・・・・・81,257 ・・・・・・・・・582・・・・・・・・・・54
2(3)・・25年目の弦楽四重奏 ・・・・・・・・・・・7/25 ・・・・・・・・・・・・3,260 ・・・・・・・・・・・・・・89,391 ・・・・・・・・・671・・・・・・・・・・21
3(2)・・言の葉の庭(日本)・・・・・・・・・・・・・・・8/14・・・・・・・・・・・・2,571・・・・・・・・・・・・・・・46,171 ・・・・・・・・・345・・・・・・・・・・32
4(4)・・エンド・オブ・ザ・ワールド ・・・・・・・・・8/14・・・・・・・・・・・・1,574 ・・・・・・・・・・・・・・16,887 ・・・・・・・・・125・・・・・・・・・・19
5(新)・・ニューヨーク、恋人たちの2日間 ・・8/29・・・・・・・・・・・・1,341 ・・・・・・・・・・・・・・・2,330・・・・・・・・・・・17・・・・・・・・・・18

 今回の新登場は5位の「ニューヨーク、恋人たちの2日間」だけです。この作品は日本では7月に公開されました。韓国題は「2 데이즈 인 뉴욕」です。
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