愛欲と空海 (PART 1 OF 3)

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デンマンさん。。。 どないなわけで あんさんは空海などという昔のお坊さんを持ち出してきやはったん?

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あのなァ~、実は夕べ、バンクーバー市立図書館から借りていた本を読んでいたら次の箇所に出くわしたのやがなァ~。。。
八面六臂の性霊集
わが国初のアルファベット=「いろは歌」をつくったといわれる空海は、ずば抜けた文才をいたるところで発揮し、数多くの著作を残している。
『性霊集(しょうりょうしゅう)』10巻もその一部で、31年の間に書き残した詩歌や皇室への奏上文などをその弟子の真済(しんぜい)が編集したものである。 (略)
この書から、偉大な宗教家であり文化人である空海の国家観、人生観、社会観、自然観などをうかがうことができる。
たとえば、「それ道はもとより虚無なり。 終わりもなく、始めもなし。 陰陽気構えて、尤霊(ゆうれい)すなわち起る。 起るを生と名づけ、帰るを死と称す。 死生の分は物の大帰るなり」と述べ、儒教や道教の典籍を縦横に駆使して生死一如(しょうじいちにょ)という仏教の人生観の中に巧みに取り入れている。
また、「誰か期せん、秋の葉落ち易く、夜の燈(ともしび)たちまちに暗からんとは。 面華写らずして鵲(しやく)の鏡悲しみ、娥影(がえい)滅(き)えて窗月(そうげつ)怨(うら)む」と、友人の死をいたむような暗く沈んだ無常観をうたっている。
その一方で、「君見ずや君見ずや、京城の御苑の桃李の紅なるを。 灼灼忿忿として顔色同じ。 一たびは雨に開け、一たびは風に散ず。 上に飄(ひるがえ)り下に飄って園中に落つ」と、華やかな春の美しい景色に託した明るい無常観をもうたっている。

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(注: 赤字はデンマンが強調。
読み易くするために改行を加えています。
写真はデンマン・ライブラリーより)
179 ページ
『お経の基本がわかる小事典』
著者: 松濤弘道
2004年11月1日 第1刷発行
発行所: PHP研究所

この本を読みはって あんさんは感動しやはったん?

そうやァ~。。。
どないなところに、あんさんは感動しやはったん?
あのなァ~、この本の著者は空海の2つの詩を無常観を詠(うた)っていると書いてるけど、わてはそう思わんのやァ~。。。 友人の死をいたむ詩は確かに、無常観やもしれへん。。。 そやけど赤字で書いた詩は、単純に無常観とは思わんのやァ~。。。
なして無常観とちゃうのォ~?
詩の意味を解釈すると次のようになるねん。

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ご覧なさい
ご覧なさい
京の都の御苑では桃や李が紅の花を咲かせ
あでやかに薫り高く一つの色に咲き誇っている
その花は 雨に会えば開き
風に会えば散ってしまう
上に舞い 下に舞っては園の中に散り落ちる
春を楽しむ娘たちが群れをなしてやって来ては手折り
春を喜ぶ鳥たちが飛び来ては花を啄んで空に飛ぶ

素直に上の詩を読んで、めれちゃんは弘法大師が無常観を詠(うた)ったものやと思うかァ~?

そうやねぇ~。。。 無常観と言うには明るすぎますやん。。。、むしろ華やかな詩やと思うわァ~。。。
そうやろう?。。。 あのなァ~、弘法大師が起こした真言宗、つまり密教やなァ~。。。、この宗派は他の仏教の宗派とはちょっとばかり違(ちご)うて欲望を全否定しているわけやあらへん。。。 要するに、大乗仏教の中でも密教は欲望を積極的に認めてるねん。
ホンマかいなァ~。。。?
あのなァ~、真言宗では欲望をなくせ!とは言うておらん。。。
。。。で、何て言うてるのォ~?
欲望をうまくコントロールして有効に使いなはれぇ~、と言うてるねん。。。
ホンマかいなァ~?
“平成の与謝野晶子”である めれちゃんならば、上の詩を読んで、なるほどォ~、と思うやろう!?
そうやねぇ~。。。。
こないな時に 気のない返事をしてもらっては困るがなァ~。。。 めれちゃんは次のような愛欲の短歌を詠んでいたのやでぇ~。。。
くちづけ

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罪深き
ことと知りつつ
この夜も
きみのくちづけ
もとめて止まぬ

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by めれんげ
2009.01.14 Wednesday 14:21
『即興の詩 冬枯れ』より
『めれんげさんと六条の御息所』に掲載
(2010年2月12日)

つまり、あんさんは わたしを喜ばせるために、弘法大師さんの詩を持ち出してきやはったん?

そうやがなァ~。。。 めれちゃんの短歌は決して弘法大師さんの言うてる事に反しているわけやあらへん。。。
あんさんは マジでそないに思うてくれるん?
そうやァ~。。。 本家本元の与謝野晶子さんかて次のようなアツアツの短歌を詠んでいたさかいになァ~。。。
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わては、この晶子さんの歌と、めれちゃんの短歌を比べて、直感的に、めれちゃんが“平成の与謝野晶子”やと、思うたわけやァ~。。。

つまり、あんさん以外に、そう思うてくれはる人がまだ居(お)らへんと言う事やねぇ~。。。
そやから、いつまでも気力をみなぎらせるために脱力しておらんで、晶子さんのような熱い短歌や詩を仰山(ぎょうさん)詠むのやがなァ~。。。
そやけど、わたしには自信がおまへん。
そないな事を言うてる場合やないでぇ~。。。
消極的でへなちょこな
わたしです
テーマ:文学がテーマっす

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混沌とした日々が続いています。
めれんげは、詩のことばっかり考えてます。
いや。考えていることを、
如何にして詩にするかということで
頭がいっぱいなのです。
このブログには詩は書かないけれど、
「即興の詩」
「極私的詩集」には、
ほぼ毎日詩をアップしているのです。
恋愛詩。
ダークな詩。
その両方は、めれんげという車の
別々の車輪みたいなもので、
それらがなければ、わたしの活動はストップ
してしまいます。
世に認められたい気持ちはあるけれど、
自分の詩が、どこまで通用するのか、
さっぱり自信がないんですよね(泣)
ただ書きつづけて、
死ぬまで書き続けて、
わたしの消滅のあとも、
作品だけは残ればいいなあ...
なーんて思っています。
まるで、カフカのように
奇特な友人がいればなあ...
なーんて消極的でへなちょこなわたしです。
by merange (めれんげ)
2009-08-21 19:17:19
『めれんげは、それでも詩人』より
「めれんげの原材料 ブログ」
『平成の与謝野晶子』に掲載
(2010年6月16日)

どうして自信が持てへんのか?。。。めれちゃんは考えてみたことがあるかァ~?

ありまへん。
あのなァ~。。。めれちゃんはブチ切れて、ムカついて、創作エネルギーを無駄に使ってしまうことがあるからやでぇ~。
(すぐ下のページへ続く)