ポップス@蕎麦屋(PART 1)

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デンマンさん。。。 なんだか妙なタイトルを付けましたねぇ~?

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真由美ちゃんはポップスをよく聴きますか?
そうですねぇ~。。。 演歌とか歌謡曲よりも断然ポップスを聴きますねぇ~。。。 でも、どちらかと言えば、イージー・リスニングで、ジャンルにかかわらず、軽快で仕事がスムーズにできるようなBGMタイプの曲が私は好きです。
なるほどォ~。。。 分かりますよ。。。 僕は、バンクーバー市立図書館でブログを書いてマンションに戻ると、ローカルニュース局のラジオを寝るまで つけっぱなしにするのです。。。
音楽は聴かないのですか?
聴きません。。。、 英会話の勉強もかねて、それに天気予報とローカルのニュースが聴きたいのでもっぱらラジオですよ。。。
テレビは。。。?
僕はカナダへやって来てからテレビを持ったためしがない。。。
ただラジオを聴いているだけですか?
いや。。。 もちろん、図書館で借りた本を読みながら 半分以上聞き流しですよ。。。 アレッと思うようなニュースがあると、本を読むのを止めてニュースに耳を傾けるのです。。。
。。。で、バンクーバーにもお蕎麦屋さんができたのですか?
最近、ラーメン店は5,6件できたけれど、僕の知る限り蕎麦屋さんができたというニュースは聞いてません。。。
それなのに、どういうわけでポップス@蕎麦屋というタイトルにしたのですか?
実は、バンクーバー市立図書館で借りていた本を読んでいたら次の箇所に出くわしたのですよ。。。
近所の立ち食い蕎麦屋

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近所の立ち食い蕎麦屋がとても好きだ。
店内に入り、券売機に千円札を飲み込ませ、温かいとろろそばとトッピングにわかめ、卵を購入。
大盛りのボタンを押す頃にはカロリーのことは忘れ、ウキウキな気分になっていた。
厨房に食券を差し出すと、中にいたのはいつもと違う白髪のおじさんだった。
毎度お世話になるお兄さんはわかめを別容器に入れて出すのだが、今日は最初から盛り付けてあった。(略)
立ち食いとはいえ、簡易的な椅子があるので腰をかけて食べ始める。
生卵の黄身を箸でほぐし、わかめと蕎麦を同時にかき込む。
美味い。
カツオ出汁と醤油の塩気とねぎの香り、そのシンプルな味が、コーヒーと創作で疲れた胃袋に優しく広がる。
何度か夢中になって蕎麦を口に運び、箸を置いて一息つくと、店内のBGMがいつもと違うことに気づいた。
The Dinning Sistersの『The Way You Look Tonight』だった。
この曲は1936年に公開されたフレッド・アステア主演の映画『Swing Time』の主題歌で、映画内ではアステア自身が歌っている。
店で流れているのは、その曲を1940年代に活躍した女性3人のコーラスグループ The Dinning Sisters がカバーしたものだった。
ジャズを基調としたアメリカンポップスであり、美しいメロディのゆったりとしたラブソング。
どんなことがあっても君のことを思い出せば幸せになる、と優しくロマンチックな歌詞で聴く者を包んでくれる。
それが立ち食い蕎麦屋で流れている。
いつもならこの店は演歌が常にヘビーローテンションされているので、このチョイスは偶然そうなったのではなく、明らかに意図的に選曲されていると感じた。
きっとあの白髪のおじさんの趣味だ。 (略)
白髪のおじさんにとって、今の時間が朝一の営業なのか、それとも深夜仕事の大詰めなのか。
その表情からは読み取れない。
店内には The Dinning Sistersが流れ続けている。
日本とアメリカが、個人の趣味で交わった、最高にエキゾチックで気持ちのいい瞬間だった。
いつだって、世界を彩るのは、個人の趣味と、好きという気持ちだ。
(注: 赤字はデンマンが強調。
読み易くするために改行を加えています。
写真はデンマン・ライブラリーより)
152-154ページ 『いのちの車窓から』
著者: 星野 源
2017年5月25日 第4刷発行
発行所: 株式会社KADOKAWA

あらっ。。。 星野 源さんというのは、あのミュージッシャンの人ですか?

真由美ちゃんは、知ってるのォ~?
もちろん、会ったことはありませんけれど、まだ私が日本にいたときに。。。、確か 2010年だったと思いますけれど、『ばかのうた』というアルバムを出しましたわ。。。
けっこう人気があるのォ~?
私は、ハマッてませんけれど友達には、星野ファンが幾人かいますわァ~。。。 本を書いていたとは知りませんでした。。。
僕が日本に居た頃には、まだこの人は生まれてなかったんだよ。。。 それなのに、古い曲をよく知っていると思って、ちょっと感心したんだ。。。
古い曲ってぇ~。。。?
『The Way You Look Tonight』ですよ。。。 「この曲は1936年に公開されたフレッド・アステア主演の映画『Swing Time』の主題歌で、映画内ではアステア自身が歌っている」と書いているけれど、1936年には、もちろん、僕はまだ生まれてない。。。 僕にとってもずいぶん昔ですよ。。。

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『The Way You Look Tonight』は上の映画『Swing Time』の主題歌で、映画のなかで 確かにアステア自身が歌っているのですよ。。。

デンマンさんは、上の映画を見たことがあるのですか?
僕は、アステアとジンジャー・ロジャーズが出る映画は、けっこう観ているのですよ。。。

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フレッド・アステアが出てくる映画は、これだけ見たけれど、残念ながら、『Swing Time』は、まだ観たことがない。

上の文章中の The Dinning Sisters の歌はデンマンさんは聴いた事があるのですか?
次のクリップで初めて聴いたのですよ。。。

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でもねぇ~、僕は ディニング・シスターズ(The Dinning Sisters) の歌よりも アビー・スコット(Abby Scott) が歌う 『The Way You Look Tonight(≪今宵の君は≫)』が気に入っているのです。

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つまり、デンマンさんは Abby Scott が歌う 『The Way You Look Tonight』が気に入っていることを言うために、わざわざこうして記事を書く気になったのですか?

いや。。。 もちろんそれだけじゃありません。。。 あのねぇ~、星野さんは、「店内には The Dinning Sistersが流れ続けている。 日本とアメリカが、個人の趣味で交わった、最高にエキゾチックで気持ちのいい瞬間だった」と、書いている。。。
デンマンさんは、違う感想を持ったのですか?
そうです。。。 あのねぇ~、ものすごく腹が減って死にそうになっていたら、どんな曲が流れていようが、僕は無我夢中で蕎麦を食べますよ。。。 でもねぇ~、朝ごはんをしっかり食べて、お昼に蕎麦を食べるために蕎麦屋に入った時に、もしも Abby Scott が歌う 『The Way You Look Tonight』が流れていたら、僕は蕎麦を食べる気がしないと思うのですよ。。。
そしたら、デンマンさんはどうするのですか?
食券を買う振りをして、その場でしばらく曲を聴いてから、その店を出ます。。。 そして、純日本風のBGMが流れているか、何の曲も流れていない静かな蕎麦屋を見つけますよ。。。
どうしてですか?
あのねぇ~。。。 僕にとって、Abby Scott が歌う 『The Way You Look Tonight』が流れていたら、「ホークかスプーンで蕎麦を食べろ!」と言われるような雰囲気になってしまうのですよ。。。 ホークでもスプーンでも、とても蕎麦を食べる気になれない。。。 食べたら、胃袋が反転して消化不良を起こします。。。
デンマンさんの胃袋は音楽に対して、それほど敏感なのですかァ~?
あのねぇ~、お金を払って蕎麦を食べるのだったら、最高の気分で蕎麦をいただきたいのですよう。。。 僕は、実は 演歌も歌謡曲もCDやレコードを買って聴いたことがない。。。 でもねぇ~、蕎麦を食べる時ぐらいは、せめて美空ひばりの≪柔(やわら)≫とか、北島三郎の≪函館の女≫がBGMで流れていて欲しい。。。

そうでなければ、静かな雰囲気の中で蕎麦を食べたい。。。

私の胃袋はデンマンさんほど音に対して敏感ではありませんけれど、でも、日本を離れてみて、確かに日本食をいただく時には、日本の歌≪ふるさと≫とか≪赤とんぼ≫でも聴きながらいただきたいと思うことはありますわァ~。。。

真由美ちゃんも蕎麦を食べるときには、日本の歌が聞きたいでしょう!?

そうですわねぇ~。。。
星野さんは「いつだって、世界を彩るのは、個人の趣味と、好きという気持ちだ」と、締めくくっているけれど、個人の趣味は それこそ人によってマチマチなのですよ。。。 僕は、そのことを上のエッセーを読んで実感したのでした。

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(すぐ下のページへ続く)